キリン株式会社様

画像認識AIによるSNS投稿分析でキリン「一番搾り」の消費シーンをリサーチ

SNSのクチコミ分析をマーケティングに活用してきたキリン株式会社(以下、キリン)は、消費行動をより深く知るため、投稿写真を分析するマーケティング調査を構想。TISは、写真に写ったラベルやロゴを自動認識するAI技術を活用し、本調査の分析レポート作成までをワンストップで支援した。

本社 東京都中野区中野4-10-2
創立 2013年
資本金 5億円(2016年8月末現在)
事業内容 国内綜合飲料事業の事業管理および専門サービスの提供
URL http://www.kirin.co.jp/
キリン株式会社様

課題

テキストマイニングでは見えない消費者の姿

キリングループは、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの3社を事業会社とする国内綜合飲料事業の大手。グループを統括するキリンは、これら事業会社のマーケティングやプロモーションを横断的に支援し、ブランド価値向上に取り組んでいる。
キリンは2014年、個々の消費者との関係性を深めるため、デジタルマーケティング部を設立。施策のひとつとして、Twitterに代表されるSNSのクチコミ分析に取り組んできた。デジタルマーケティング部の髙柳裕行氏はこう語る。「新製品の評判や、CM放送直後の反応など、お客様の自然な声が得られるSNSは、非常に価値のあるメディア。お客様の関心事をつかみ、商品開発やプロモーション展開に活用してきました」。
従来の手法は、「一番搾り」などのブランド名をSNSからテキストマイニングし、分析を行うもの。だが、この方法だけでは十分ではないと感じはじめていたという。「ソーシャルメディア上で最近増えているのが、 "友達と飲んでいます"といった簡潔なつぶやきに、ビールの写真を添えたもの。こうした投稿はテキストマイニングで抽出できず、自然な消費シーンをつかめないことが課題となっていました」(髙柳氏)。
こうしてデジタルマーケティング部は2015年半ばより、テキストに加えて投稿写真を解析できる仕組みについて検討を開始した。

採用

画像認識AIでラベルやロゴを自動認識

情報収集に着手したデジタルマーケティング部は、人工知能の技術のひとつである、画像認識AIに可能性を見出した。「しかし、画像認識AIは世界的にもまだ新しい技術。加えてSNSのマーケティングに使えるのかも未知数でした。有力なソリューションベンダーも見つからず、計画は思うように進みませんでした」(髙柳氏)。
そんな状況が大きく変化したのは、2015年秋であった。「TISから打診があり、デジタルマーケティングに関するソリューションの提案を受けることになりました。その提案の中に、画像認識AIが含まれていたのです」(髙柳氏)。
髙柳氏の目にとまったのは、海外発の最新技術を利用したTISのソリューションで、SNSの投稿画像から、特定の商品やロゴが写った写真を自動抽出できるというもの。「早速TISにトライアルを依頼したところ、その認識率の高さに驚きました。写真の中の小さな商品ラベルやロゴ、しかも一部が隠れていてもAIで予測し認識が行われる。まさに当社の目的にぴったりな技術だと感じました」(髙柳氏)。
そして、同ソリューションを活用する決め手となったのが、TISによるサポート体制。「我々にとって初めての挑戦であり、どう使えばよいのかも、どういう結果が得られるのかも分からない状況。そこは、画像認識AIを含めたデジタルマーケティングの知見を持つTISがしっかりサポートしてくれるとのことで、不安なく今回の調査での利用を決めることができました」(髙柳氏)。

分析

TISが多角的な分析レポートを作成

こうして、TISが提案した画像認識AIソリューションを活用し、マーケティング調査を行うことが決定した。キリンはまず、調査の目的をTISと共有し、作業分担の取り決めを行った。「どんな画像データを抽出し、それをどんな切口で分析するのかをTISと意見交換。TISからは、画像抽出後の分析レポートの作成も可能と提案があり、作業を依頼することにしました。これにより、社内の稼働を抑えて、スモールスタートを切ることができました」(髙柳氏)。
調査対象のSNSはTwitterおよびInstagramで、2015年11月から12月の国内・海外の投稿が対象となった。調査の第一弾として、「一番搾り」ブランドの缶ビール・瓶ビールが写った写真を抽出することが決定した。
こうして、SNSの投稿データを画像認識AIで処理。あらかじめ登録したラベルのデザイン、ロゴマークが写った写真を含んだ投稿が抽出された。
2016年に入ってからは、TISが投稿データを精査し、分析レポートの作成を行った。「消費シーンは室内なのか屋外なのか。一人なのか複数人なのか。そして性別、年齢層など。写真と投稿者のプロフィールをもとに、タグ付けしていく作業はすべてTISが行いました。この際に、一般消費者以外の投稿と思われるものはTISが除外し、よりデータの精度を高めることができました」(髙柳氏)。

効果

浮かび上がったリアルな消費シーン

2016年3月、完成した分析レポートはキリンと共有された。「まず、"一番搾り"と表記せずに写真を投稿する方が、実際に多数存在することが分かりました。しかも、その投稿は、バイアスがかかっておらず、自然な消費行動により近いという傾向がつかめたのは収穫です」(髙柳氏)。
また、写真に含まれた多くの情報を分析した結果、テキストマイニングでは分からない、さまざまな気付きが得られたという。「一番搾りブランドのビールは、食事よりもスナック菓子など軽食と一緒にテーブルに並ぶシーンが多いのは意外でした。お客様が当社ブランドをどう認識しているか、ひとつのヒントが得られました」(髙柳氏)。
また、潜在的なキリンファンを見出す手段として、画像分析に大きな可能性を感じたという。「分かりやすい例が、"箱買い"の投稿写真です。その方は『一番搾り』のファンである可能性が高い。より多くのサンプルを集めることで、属性や嗜好の傾向が見えてくるのはないでしょうか」(髙柳氏)。
初回のマーケティング調査を終え、髙柳氏はこう締め括る。「SNSの投稿は、画像の比重が急速に高まっており、将来的には動画や音声など多様化が進む可能性もあります。特定の情報を抽出するために、最新テクノロジーを活用する重要性はさらに高まっていくことは間違いないでしょう。我々はグループの中で先陣を切って、新しい技術を取り入れていく役割を担っており、TISにはこれからもデジタルマーケティングに役立つ最新技術を提案いただきたいと思います」。

システム概要

システム概要

お客さまの声

髙柳 裕行氏

キリン株式会社
デジタルマーケティング部
デジタルマーケティング担当
髙柳 裕行氏

TISには、技術面でのサポートに加え、我々の意図を汲んだ綿密な分析レポート作成を行っていただき感謝します。キャンペーンと連動する市場調査は広告代理店をパートナーとするケースが多いのですが、今回のように高度な技術を取り入れた提案は、さすがSIベンダーならではと感じました。
キリンは現在、プライベートDMP構築に取り組んでいるほか、将来的にはマーケティングオートメーションの仕組みを設け、個々のお客様の購買を活性化させる構想もあります。
今回の案件で、TISのデジタルマーケティングに関する知見の高さが十分に分かりましたので、今後もその技術力を活かした提案をいただけることに期待しています。

TIS担当者から

小野 友剛

TIS株式会社
産業事業本部
エンタープライズデジタルインテグレーション事業部
デジタルインテグレーション企画営業部エキスパート
小野 友剛

キリン様と一致協力して、世界でも最先端の画像認識AI技術によるマーケティング調査を実現できたことに感謝いたします。SNSの画像分析結果は、キリン様の顧客情報をよりリッチにしていくため、そして将来のマーケティングオートメーションでの活用においても大きな価値をもたらすと考えます。
近い将来、場所の識別や、写っている方の年齢・性別なども自動認識できる機能が実装されていく可能性は高く、マーケティング調査により大きな効果を発揮すると見込んでいます。
どんなに画期的なテクノロジーでも、素のままではお客様の目的が達成できなかったり、業務にフィットしないといったケースはよくあります。このような状況で、既存テクノロジーとの組み合わせやカスタマイズ、業務支援で解決するのがTISの役割であり、付加価値であると考えます。
今後も活用目的を意識した、技術視点と業務視点のバランスのよいトータル提案を行い、キリン様のデジタルマーケティングの発展およびキリン様の顧客の満足度の向上に貢献していきます。

※ TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
※ その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2016年11月17日 10時52分

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