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シャープ株式会社 ディスプレイデバイス戦略本部様

「Oracle Database Appliance」で生産情報DBのレポート出力時間を1/4に短縮

シャープ株式会社(以下、シャープ)ディスプレイデバイス戦略本部は、海外生産拠点で製造した液晶パネルの生産情報管理を強化するため、新たなデータベースマシンの導入を計画した。TISは、高パフォーマンス・高可用性を備えたアプライアンス製品「Oracle Database Appliance」の導入を支援し、約4カ月の短期間で稼働を実現した。

社名 シャープ株式会社
創業 1912年
事業内容 エレクトロニクス機器および電子部品の研究、開発、製造、販売
URL
シャープ株式会社 ディスプレイデバイス戦略本部様

課題

液晶パネルの生産状況を“見える化”

エレクトロニクス大手のシャープは、1973年に液晶の実用化に成功以来、40年以上にわたって世界の液晶技術革新をリードしてきた。同社の液晶パネルは、テレビ、PC用ディスプレイ、スマートデバイスなどさまざまな製品に搭載されている。
高品質な液晶パネルの生産を支える仕組みのひとつに、「生産情報一元化システム」がある。同システムについて、ディスプレイデバイス戦略本部の岩川光善氏は「シャープの海外生産拠点で製造する、液晶パネルの生産情報を一元管理するための情報系システムです」と説明する。本システムは、海外生産拠点の製造ラインで生産処理が行われた液晶パネルの枚数や、品質チェックの結果などがオンラインでリアルタイムに集積される仕組みだ。
国内の技術部門では、同システムの情報を定期的に検索・閲覧し、製品の品質が保たれていることを確認する。「品質異常を検出した際に技術者が海外生産拠点に連絡をとり、早期に原因の特定と対策の実施を行えるようにしています」(岩川氏)。

「億」単位のレコード対応のためDB強化が必要に

シャープは2012年より、この「生産情報一元化システム」のデータベース基盤の強化に向けて検討を開始した。その理由を岩川氏は「より多くの工場の生産情報を一元化する計画となり、データベースのレコード数が億単位へと大幅に増える見込みとなったのです。さらに、将来的に生産情報を閲覧する社内部門が増えることも見込まれ、この機会にデータベースの処理能力を増強することを決定しました」(岩川氏)。
計画の骨子は、既存システムからデータベースのみを切り分けて専用マシンへ移し、高速化を図るというもの。「データベースマシンは当初、汎用的なIAサーバにオラクルデータベースをインストールする方法を考えていましたが、見積額が予算を超えたため代替手段を探していました」。そんな岩川氏の目にとまったのが、OS、サーバ、ソフトウェアなどがワンボックスに統合された「Oracle Database Appliance」(ODA)であった。「国内市場で提供が始まって間もない製品でしたが、オールインワンのアプライアンス製品で、高速・高可用性を備えていること。そして、コストを抑えてスモールスタートできる点も大きな魅力を感じました」(岩川氏)。

選択

オラクル製品を熟知するTISが情報提供

導入候補となった製品「Oracle Database Appliance」の詳細な情報を求める岩川氏は、2013年2月、かねてより取引のあったTISに連絡をとる。「ITパートナーとしてTISとの付き合いは長く、オラクル製品に強いという印象があったことが声をかけた理由です」(岩川氏)。
TISはその時点で既に国内で「Oracle Database Appliance」導入を手がけていたこともあり、すぐにシャープに向けて製品の説明が実施された。「製品の詳細情報はもとより、導入後のサポートや使用可能なオプションなど、多岐にわたる情報を素早いタイミングで提供してもらい助かりました」(岩川氏)。
説明を受けたシャープは、機能とコストの両面から「Oracle Database Appliance」が同社の目的にかなっていることを改めて確信する。「同製品に標準搭載されているオラクルデータベースは、従来から使ってきた『Standard Edition』より高機能な『Enterprise Edition』であること。また、使用するCPUのコア数に応じてライセンスフィーが変わる料金体系であるため、将来パフォーマンスが不足した際は、スケールアップが可能である点を評価しました」。

実機を使ってパフォーマンスを事前検証

導入を決定するうえで、一番の決め手になったのは、TISが実施したパフォーマンスの事前検証だと岩川氏は振り返る。「TISが保有する『Oracle Database Appliance』実機を利用して、当社のデータベースがどの程度高速化できるかを事前検証してもらいました」。この検証は、TISのPoC*(概念実証)施設である「TIS Enterprise Architecture Laboratory(EA ラボ)」で行われた。EAラボは、「Oracle Database Appliance」をはじめとしたオラクルの各種データベースマシンが用意された、国内で数少ないPoC施設のひとつだ。
事前検証に向けては、シャープが切り分け対象ととなる既存システムのパラメータとテーブル設計をTISに提供。TISではそれを数千万件のダミーデータへと増幅し、TISの「Oracle Database Appliance」で検索やバッチ処理を行った。2週間後にまとめられたレポートを見た岩川氏は「予想を超える結果で、こんなにパフォーマンスが向上するのか、と驚きました」。
この結果をふまえ、シャープはTISへの正式発注を決定。「当部門としてアプライアンス製品は初めてでしたが、製品知識が豊富なTISであれば安心して任せられると判断しました」(岩川氏)。

* PoC:Proof Of Concept

導入

約4カ月の短期間でプロジェクトを遂行

導入プロジェクトがスタートしたのは、2013年6月。TISは、オラクルから「Oracle Database Appliance」が納品されるまでの約3週間の間に、データベースのパラメータを詰める作業や、バックアップの実行方式の選定などを実施。「使用するCPUのコア数については、PoCによる事前検証結果およびTISが行ったコア数別の保守費用のシミュレーションをもとに、基本の4coreでスタートすることを決めました」(岩川氏)。
6月末には「Oracle Database Appliance」実機が納品・設置され、その後、TISによる追加設定、バックアップの環境構築、障害時を想定したテストなどが実施された。「以前、Oracle Databaseを導入した際は、サーバ機器の選定に始まり、ソフトウェアのインストール、パラメータの調節など根気のいる作業が必要でしたが、今回はアプライアンスであることに加え、TISの支援により驚くほどスムーズにプロジェクトが進められました」(岩川氏)。

ワンボックスの筐体で高可用性を実現

データベースの可用性を高めるために欠かせないのが、障害に備えたリカバリの仕組みの構築だ。「Oracle Database Appliance」の筐体には標準で2台のサーバが収められており、ワンボックスで冗長化が可能な点が大きな特長となっている。2台のサーバをそれぞれどのように運用するかは複数の方式から選択できるが、シャープとTISは今回「Oracle RAC* One Node」と呼ばれる構成を選択した。
これは、一方のサーバをアクティブ、もう一方を障害時に備え常時スタンバイさせておく方式だ。「以前のデータベースでは、サブ機は電源オフのコールド状態となっており、万一の際の切り替えは手動操作が必要でした。今回の方式では、障害が発生すると自動的にスタンバイ機へ切り替えられるため、より可用性の高い運用が可能となりました」(岩川氏)。
こうして、導入プロジェクトは、最終のテスト工程も含めて約4カ月という短期で終了。機能が強化された「生産情報一元化システム」が9月末に稼働を開始した。

* RAC: Real Application Clusters

効果

レポート出力時間が平均約1/4に短縮

データベース基盤が「Oracle Database Appliance」に刷新された効果について、岩川氏はまず生産情報のレポート出力の時間短縮をあげる。「ある部門が日々出力するレポートは、複雑な集計を行っているため、これまで出力に約4時間を要していました。データベース刷新後は、15分程度へと、約1/16にまで短縮され、利用者から感謝の言葉をもらいました」。レポート出力にかかる時間の統計をとった結果、平均して従来の約1/4に短縮されているという。加えて、データベースの取り込みや抽出のために利用するバッチプログラムについても、処理時間が約1/3に短縮されている。
また、生産情報を閲覧する国内部門の数が大きく増えたにも関わらず、安定性は以前よりも向上したと岩川氏は語る。「朝の時間帯は、前日の生産結果をレポーティングするためにアクセスが集中しがちです。以前は、メモリのスワップが発生し、月に一度程度、レスポンスが極端に低下することがありましたが、更改後はそういった不具合はまったく発生していません」。

TISのサポートの質の高さに満足

カットオーバー後、「Oracle Database Appliance」の運用を行うにあたっては、TISのサポート窓口に助けられた部分が大きいと岩川氏は語る。「サポートの技術者のレベルは非常に高いですね。これまで、データベースの作成方法や、チューニングの方法について電話・メールで質問をしましたが、非常に丁寧な返答をいただけました」。このサポートは、「TIS Oracle Support Programme」(TOSP)と呼ばれるもので、TISが保守の一環として提供を行っているサービス。サポート要員は、オラクル製品に関する高度なトレーニングを受けた技術スタッフで構成されている。

岩川氏は、プロジェクトを終えた感想をこう締め括る。「今回は当部門としては初のデータベースアプライアンス製品の導入でしたが、TISの協力で当初の目標数値を上回るデータベース基盤の強化を達成できました。今後も業務課題の解決に向け、協力をいただければと思います」。

お客さまの声

岩川 光善
シャープ株式会社
ディスプレイデバイス戦略本部
ITシステム推進室 主事
岩川 光善氏

データの受け皿となるデータベースの強化というシンプルな骨子でスタートしましたが、TISは誰がどのような目的でレポートを利用するのかまでをしっかり把握し、当社と同じ目線で課題解決に取り組んでくれたことが印象に残っています。
データベースの診断・チューニングを効率化したいという課題に対して、オプションのツール「Oracle Diagnostics Pack」や「Oracle Tuning Pack」をご提案いただいたように、今後もTISならではの知見を生かしたアイデアをいただければと思います。

システム概要

TIS担当者から

田川 豊茂

TIS株式会社
産業事業本部
西日本産業事業部
西日本産業システム第1部
田川 豊茂

液晶パネルの生産品質向上という、重要な役割を担うシステムの増強プロジェクトに参加させていただき感謝いたします。Oracle製品のスペシャリスト部隊であるTISのESS事業部、そしてパートナーであるオラクル社と密に連携しつつ、シャープ様がご希望されていたソリューションを納期どおりに導入できたことに満足しています。
導入後は、レポート出力の速度が劇的に向上し、システムも安定しているというご感想もいただいており、今後もシャープ様のITパートナーとして、サービス品質向上に努めてまいります。

  • TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
  • OracleとJavaは、Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

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更新日時:2023年10月4日 23時7分