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三菱アルミニウム株式会社様

Oracle Database 12c
「マルチテナント機能」による複数DB統合で
耐災害バックアップを一元化

アルミニウム圧延メーカー大手、三菱アルミニウム株式会社(以下、三菱アルミニウム)は、事業継続計画(BCP)の強化を目的に、基幹業務を担うデータベース基盤の刷新を計画した。TISは「Oracle Database 12c Enterprise Edition」の新機能により複数データベースを集約し、運用管理を一元化。さらに、2台の「Oracle Database Appliance」(ODA)をリアルタイム同期させる設計で、盤石のDRサイト構築を支援した。

本社 東京都港区芝二丁目3番3号
設立 1962年
資本金 81億9,680万円(2016年3月末現在)
事業内容 アルミニウムおよび同合金展伸材・加工品の製造・販売
URL
三菱アルミニウム株式会社様

課題

複数DBのバックアップ手順が複雑化

軽量で錆びにくく、しかもリサイクル性にも優れたアルミニウムは、飲料用缶や自動車部材などに広く採用されている金属素材だ。三菱アルミニウムは、国内・海外のメーカー等を顧客とするアルミニウム総合圧延の大手であり、静岡県の富士製作所は、同社アルミ素材のほぼすべてを生産する国内屈指の大規模工場である。
富士製作所の基幹業務システムは大きく2系統がある。ひとつが受注・売上等を管理する販売システム、もうひとつが工場の製造ラインを管理し、製造機器を効率的に稼働させるための生産管理システム。いずれも、スクラッチ開発したPC端末用のアプリケーションと、データベースサーバで構成されている。
「ほぼ全社員が日々使用する基幹システムであり、特に生産管理システムは、製造ラインを滞りなく稼働させる、当社にとっての生命線となっています」(生産技術本部情報システム部長 合家正之氏)。万一、同システムに不測の事態が発生した場合、製造ラインの停止で1日あたり2億円以上の損失が予想されるという。
従来、基幹業務システムのデータベース部分は、Oracle Database 10gをインストールした汎用サーバ機を2台運用。その中で、業務用途別に6つのインスタンスを稼働させていた。「バックアップの設定やパッチを適用する作業はインスタンスごとに必要なため、手順が複雑化。被災時のリカバリもかなりの時間を要する恐れがありました」(合家氏)。加えて、バックアップ専用のサーバ機も富士製作所内に置かれていたため、同時に被災する潜在リスクを抱えていた。

選択

オラクルテクノロジーに精通するTIS

これらサーバ機のサポートが2015年末に更改時期を迎えることから、同社の情報システム部は2014年夏よりデータベース基盤の刷新を計画。大規模災害に備える事業継続計画の強化を骨子とし、オラクルから情報提供を受けつつ、次期プラットフォームの製品選定を開始した。「機能面と製品のライフサイクルを考慮し、Oracle Databaseは11gをスキップして最新版の 12cを選択。さらに、当社としては初めて上位製品Enterprise Editionの導入を決めました」(情報システム部 運用グループ 篠原靖氏)。同時にサーバ機として、Oracle Databaseに最適化された一体型アプライアンス製品Oracle Database Appliance(以下、ODA)の採用も決定した。
そして2015年に入って、データベース基盤の構築を託すSIベンダーの選定に着手する。その際、現行ベンダーに加えて、オラクルから名前があがった数社のうちTISに提案を依頼することとなった。「各社には、複数データベースをODAに統合すること、被災時でも事業継続を可能にする、といった基本的な要件を提示し、創意工夫に期待しました」(合家氏)。
こうして各社の提案内容を比較し、最も要件を満たしていたベンダーがTISだったという。「他社は、DRサイトを置くデータセンターをオプション扱いで提案するなど、総じて“薄い”印象。一方TISは、同社の名古屋データセンターにもう1台のODAを設置し、リアルタイム同期を行うという、一歩踏み込んだ現実的な提案内容でした」(篠原氏)。さらにT I S は、リリースからまだ1 年弱のOracle Database 12cの経験が豊富でオラクルの最新技術に精通している点、過去のグループ会社での開発実績を評価され、正式発注が決定した。

導入

マルチテナント機能で複数DBを一元管理

2015年6月から、TISによるデータベース基盤およびDRサイト構築のプロジェクトが開始した。設計では、Oracle Database 12c Enterprise Editionのさまざまな機能を積極的に活用する。中でもバックアップをはじめとする運用管理のシンプル化に効果が期待されたのが、12cの目玉とされる「マルチテナント機能」だった。これは、コンテナとなるひとつのデータベースに、仮想的なプラガブル(“着脱可能”の意)データベースを複数収容し、バックアップやパッチ適用の作業を一元化できるオプション機能だ。TISは同機能により、富士製作所に置くODA上にコンテナデータベースを構築。続いて、名古屋の自社データセンターにはもう1台のODAを設置し、Enterprise Editionの標準機能「Oracle Data Guard」により、リアルタイム同期を行うデータベースインスタンスの構築とそれらに対応した運用スクリプト開発を進めた。
こうして4カ月にわたったTISによる基盤構築が完了後、情報システム部はTISの定着支援を受けつつ、同基盤上への既存インスタンス移行を実施した。「まだオラクルにも、ODAとOracle Database 12cのマルチテナント機能およびOracle Data Guardを組み合わせた実事例の情報がほとんどない状況。それにも関わらず、TISが構築したデータベース基盤は品質的にまったく問題がなく、そのスキルの高さに驚きました」(篠原氏)。

効果

新DB基盤とDRサイトで耐災害性が向上

こうして2016年1月より、ODA上のコンテナデータベースを基盤とする基幹業務システムが稼働を開始した。合家氏は、最大の導入メリットとして、複数データベースの統合により運用管理がシンプル化したことをあげる。「以前は、6つのインスタンスごとにバックアップの設定が必要でしたが、マルチテナント機能により一元化されました。また、データにあてるパッチがリリースされた際も一度の作業で済むため、日常的なデータベースサーバの運用管理の負荷は大幅に削減できました」(合家氏)。
そして、遠隔地のDRサイトとリアルタイム同期を行うことで、バックアップの信頼性は飛躍的に向上した。「日次のバックアップでは、リカバリ作業で最悪1日分の情報が失われる可能性がありましたが、そのリスクは極小化。災害によりサーバ本機が稼働不可になった場合は、わずか数分でDRサイトに切り替え可能です」(篠原氏)。
加えて、Oracle Database 12c Enterprise Editionに最適化されたODAのパフォーマンスは、予想を大きく上回るという。「大量の帳票を出力する時間が、約1時間から5分程度に短縮されたほか、日次の情報を集計する夜間バッチも4割程度の時間短縮となっています」(篠原氏)。
情報システム部は今後3年計画で、他の業務で使用している汎用機のデータベースを順次ODA上へ移行し、統合基盤への一元化をより進めていく計画だ。「今後の目標は、データベース部分だけでなく、PC端末のトラブルによる基幹業務システムへの影響も排除することです。TISには、デスクトップ仮想化やクラウドを組み合わせた、クライアント環境の改善というテーマでも、新たな提案に期待しています」(合家氏)。

新DB基盤とDRサイトで耐災害性が向上

お客さまの声

左から
三菱アルミニウム株式会社
生産技術本部 情報システム部長
合家 正之 氏
情報システム部 運用グループ 副主査
篠原 靖 氏

技術力はもちろんのこと、TISが作成した運用管理の操作マニュアルの分かりやすさは特に印象に残っています。過去に取引があったベンダーが作ったものに比べて、実際の画面例を入れるなど見やすく工夫されており、まだキャリアの浅い社員が運用管理を行う上で欠かせないものになっています。TISはいろいろな業界でのソリューション実績があるので、我々のスコープにないような斬新な提案に期待しています。社内でさまざまなシステム改善の案件が出てきたときは、今後も気軽に相談に乗っていただければ幸いです(合家氏)。

TIS担当者から

TIS株式会社
産業事業本部
エンタープライズソリューション事業部
エンタープライズソリューション第2部 主査
寺本 寛

今回のプロジェクト以前に、ODA、12cのマルチテナント機能、Oracle Data GuardによるDRサイト構築等は、それぞれで導入支援の経験がありましたが、すべてを組み合わせるのはTIS初となる試みでした。技術的なハードルの高いプロジェクトでしたが、お客様が事前にオラクル製品の情報を精査・検証し、Oracle Database 12c Enterprise EditionとODAという最良のプラットフォームを選択されたことが成功の大きな要因となりました。情報システム部様のご協力に感謝いたします。

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更新日時:2023年10月4日 23時11分