株式会社アンデルセンサービス様

"お客様の声"の全社共有でベーカリーサービスの頂点を目指す

多様なベーカリーシーンに対応するアンデルセングループは、全国店舗・拠点・お客様相談室に寄せられる問い合わせ・クレームへのフィードバックの遅れが課題となっていた。TISはWebデータベース製品を活用し、現場の要望を最大限に取り入れつつ、消費者の声を全社で共有できるシステムを完成させた。

社名 株式会社アンデルセンサービス
設立 2003年(グループ創業は1948年)
事業内容 アンデルセングループの専門業務(人事、採用・教育、総務、経理、品質保証、購買、システム開発、コンプライアンス 等)
URL
株式会社アンデルセンサービス様

課題

"お客様の声"に応えるパン作り

 戦後まもない1948年、創業者ご夫妻が広島市に開いた小さな店舗"タカキのパン"が、後のアンデルセングループの出発点だ。1970年には業界に先駆けて冷凍パン生地の開発に成功。その技術を活かした店舗「リトルマーメイド」は、現在300店以上を全国に展開している。他にも、ヨーロッパを源流とした本格的なパンを取り揃え、パンのある生活を提案するベーカリー「アンデルセン」、石窯パンで人気のタカキベーカリー、レストラン・ホテルへの業務用パンを提供するタカキフードサービスパートナーズなど、幅広いベーカリービジネスを手がけている。
 グループ全体の人事、経理、品質保証などの専門業務から、IT基盤構築までを一手に担うのが、2003年に分社した株式会社アンデルセンサービス(以下、アンデルセンサービス)だ。その同社の業務の一つに、グループ全社のお客様窓口の運営がある。お客様相談室室長の小森有子氏はこう語る。「国内パンメーカーの中ではいち早く、1975年に電話のお客様窓口を開設しました。創業者は『お客様の声を聴く』ことを理念としており、その精神を受け継いだ取り組みの一つです」。
 同社の商品やサービスについて、消費者から寄せられる声は実に多岐に渡る。「たとえば、このパンはどこのお店で買えるのかといった店舗についての問い合わせ、商品の原材料に対する質問など。また、全国の店舗での対応についてのご指摘など、いわゆるクレームも含まれます」(小森氏)。

回答までのタイムラグが課題に

 お客様相談室では2003年より、問い合わせやクレームを一元管理するためにAccessで構築したデータベースを利用していたが、業務フロー全般にムダが多く、回答に遅れが生じがちだったという。「全国店舗に寄せられた声は、現場スタッフが用紙に記入したものを、社内便やファクスで集めていました。これを元にお客様相談室がテキストを入力して登録するのですが、データ化が終わる頃には、もうその案件の状況が大きく変わっていることもしばしばでした」(小森氏)。
 もう一つの課題は、お客様相談室のデータベースを、全社的に共有する仕組みが整備されていない点。店舗をはじめ営業部門や生産部門などが情報を閲覧する手段がなく、たとえば過去のクレームにどう対応し、どのような改善を行ったかを参照することも困難だった。また、商品マスターとの連携もなく、消費者からある商品の原材料の質問があったときなど、その都度お客様相談室では、資料を見たり工場に電話をかける手間が発生していた。
 同社執行役員システムサポート部部長の堀尾紀昭氏はこう語る。「2003年からグループ全般のシステム刷新に取り組み、ようやく2007年に目処がついたところでした。これを機会に、お客様窓口のシステム見直しに本腰を入れて取り組むことにしました」。
 こうして、アンデルセンサービスは、グループ内で消費者の声を共有できる、「お客様の声システム」の構築に向け動き出した。

選択

自由度が高いWebデータベースに注目

 まず、お客様相談室とシステムサポート部が協力して必要な業務フローを整理し、構築するシステムの目的を確認。その後に、条件を満たすパッケージの選定に着手した。
 堀尾氏は手始めに、大規模コールセンター向けのCRM製品を候補として選び、パッケージベンダーに提案を依頼。「しかし、登録できる品番の桁数が固定であったり、商品マスターと連動させるには社内システム全体を同一ベンダー製品で統一する必要があったりと、製品に業務を合わせなければいけない点がネックとなりました」。
 そんなとき堀尾氏が注目したのが、株式会社ドリーム・アーツの「ひびきSm@rtDB」だった。これは、Webデータベースと呼ばれる製品カテゴリで、さまざまな情報をデータベース化し、Webブラウザで共有できる。「当初は、別の部門で使えないかと検討していた製品です。用意された機能を組み合わせることで、業務アプリケーションを作成できることから、当社が求めるシステムを構築できるのではと期待しました」。
 こうして堀尾氏はパッケージの開発元であるドリーム・アーツへ打診。同社は、企業向けの業務開発部門を持たないことから、SIベンダーと共同で「ひびきSm@rtDB」を利用したシステムの提案を行う運びとなった。その際に、ドリーム・アーツのパートナーとなったのが、同製品の構築経験が豊富なTISであった。

顧客目線のTISの姿勢に共感

 提案を受けた堀尾氏は、こう振り返る。「TISによれば、すでに同製品で地方自治体や電力会社などのシステムを手がけた実績があるとのこと。本格的な業務用途に使えると分かったことに加え、TISなら安心して開発を任せられると思いました」。
 また、小森氏は、TISの顧客目線の姿勢を高く評価する。「他の製品のベンダーの担当者とも話をしましたが、なかなかシステムの意図を汲み取ってもらえませんでした。TISは、当社が何を目指して業務に取り組んでいるのかを知るためヒアリングを重ね、それに応える理想的なシステムのかたちを提案してくれました」。
 こうして、2009年8月、アンデルセンサービスは「ひびきSm@rtDB」の採用を決定し、開発業務がTISに託された。

開発

トライ&エラーで理想のかたちを目指す

 堀尾氏は、プロジェクトの要所で求められる意思決定は、システムサポート部ではなくお客様相談室が行う方針を取り決めた。「今回の『ひびきSm@rtDB』上の開発は、画面でプロトタイプを作りながら、その都度確認・微調整を行っていく進め方です。実際に使うユーザ部門が主導する方が、プロジェクトがスムーズに進むという判断でした」。
 小森氏はこう振り返る。「お客様相談室は、システムについては、まったくの素人でした。正直、プロジェクトをどう進めていいのか不安の方が大きかったですね」。開発は、TISが作成したプロトタイプをお客様相談室が検証し、課題をTISにフィードバック。これを繰り返しながら進められた。
 「当初は、要望をどう伝えていいのかも分かりませんでした。しかし、TISの担当者が、『こういうご希望であれば、この機能を使うことで、こういう結果が表示されます』と、要望を具体的にひも解いて説明してくれたことで、OKかNGかの意思決定を行うことができました」(小森氏)。

各部門への導入を後方支援

 従来使用していたデータベースとは異なり、「お客様の声システム」は、全国の店舗や工場、業務部門など、100カ所以上での利用を想定したものだ。サーバは広島市内のデータセンター(現在は沖縄へ変更)に置かれ、プライベートネットワークでつながった各拠点のPC端末からデータ投入・閲覧を行うことができる。
 「まったく新しい仕組みなので、現場にとっては新たな作業が増えることになります。そのため、開発途中の段階から、作成中の画面を現場に見せて意見を取り入れ、導入がスムーズに行えるよう努めました」(小森氏)。たとえば、入力項目のうち必須項目だけに背景色を付ける、使用頻度の低い項目は折りたたんだ状態で表示する、といった見やすい画面の作り込みをTISが実施。また、現場で利用するマニュアルの作成についてもノウハウを持つTISが行い、お客様相談室を支援した。
 また、TISはアプリケーション開発と並行して、「お客様の声システム」を生産管理システムの商品マスターと連携させる作業を進行。商品ごとに原材料や製造工場等を即時検索できる仕組みが設けられた。

効果

顧客満足の向上に貢献するシステム

 こうして、2010年5月、全国拠点で「お客様の声システム」の利用がスタートした。現在、データベースに蓄積されている声は、16万件を超える。
 導入効果を小森氏はこう語る。「全国で登録されたお客様の声が、その瞬間から全拠点で共有できるようになり、お客さまを長時間待たせることがなくなりました」。また、案件ごとに進行状況のステータスを付けることで、回答がないまま長期間放置してしまうことも解消したという。
 現場が直接情報を閲覧できるようになったことで、社内からの問い合わせも減り、お客様相談室の業務負荷も軽減。「以前は、繁忙期であるクリスマスに、営業・生産部門や店舗から、『お客様からどんな問い合わせが入っていますか』という連絡が殺到していました。システム導入後に初めて迎えたクリスマスの日、状況を確認する社内からの電話は1件もなく、新しいシステムの効果に驚かされました」(小森氏)。
 「ひびきSm@rtDB」の、さまざまな条件でデータを絞り込みできる機能は、現場から好評だという。「日付や製造工場別といった条件でお客様の声を抽出し、"ビュー"画面で一覧することができます。以前はいったんExcelに書き出してソートする必要があったので、操作性は劇的によくなりましたね」(小森氏)。

音声データの登録にも対応

 2013年6月には、新たな試みとして、お客様相談窓口で応対した電話音声を、データベースに登録できる仕組みが構築された。TISは、社内のPBXと「ひびきSm@rtDB」を連携させる開発を担当。「以前から、現場部門は、お客様の生の声を聞きたいと要望を持っていました。たとえば、クレームのあったお客様宅を訪問する前など、文字情報だけでなく、実際の電話のやり取りを聞くことで、よりお客様へ適切な応対が可能になります」(小森氏)。将来的には、自動で電話応対の全件の音声データをデータベースで管理したいと構想を語る。
 また、公式サイトに寄せられた問い合わせ・クレームについても、「お客様の声システム」に統合できるよう連携の仕組みが構築され、アンデルセングループと消費者を結ぶチャネルはさらに拡大した。
 プロジェクトを振り返って、堀尾氏はこう語る。「念願だった全社的な情報共有が実現したことで、お問い合わせに対応するサイクルを早めることができました。さらに、他店舗・他工場のクレーム対策を共有することも可能になり、原因の再発防止にも貢献しています。これからも、TISの協力でシステム強化を図り、よりお客様に満足いただけるサービスの提供を目指していきたいと思います」。

お客さまの声

左から
株式会社アンデルセンサービス
執行役員 システムサポート部 部長 堀尾 紀昭 氏
お客様相談室 室長 小森 有子 氏

TISとのプロジェクトを通じて感じたのは、現場で顧客の声を聞き、それに応えるシステムを作っていくという「奉仕」にも似たスピリットです。そこに、他のITベンダーとは違う安心感があるのだと思いました。
これからも、目まぐるしく変わる社会情勢を先取りした「先を行く仕組み」を提案してもらうことで、私たちアンデルセングループがお客様にお返しできることも増えていくのではないでしょうか。(堀尾氏)

TIS担当者から

TIS株式会社
産業事業本部 西日本産業事業部
九州支社 主査 多々良 文子

アンデルセンサービス様とTIS九州支社の初めてのお取引きでありながら、重要なシステムの構築を任せていただき感謝いたします。
今回の「ひびきSm@rtDB」を軸とするソリューションは、アンデルセンサービス様のご好意でテンプレート化を行い、お客様窓口を運用しているさまざまな企業・団体へご案内しています。顧客との接点拡大を目指す、多くのお客様のお役に立てればと思います。

  • ※TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
  • ※その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2016年10月6日 16時49分

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