AWSの生成AI活用ガイド!基本から事例・導入のコツまで徹底解説
更新日:2025年6月13日

多くの企業で、生成AIをビジネスに導入する取り組みが進んでいます。さまざまな生成AIサービスが存在する中で、特にカスタマイズ性が高いサービスを探す場合、AWSの生成AIサービスが候補に挙がるでしょう。
本記事では、AWSの生成AIサービスについて、基本的な特徴や他の生成AIサービスと比較したメリット、導入事例、スムーズに導入するコツなどを詳しく解説します。
■目次
1. 生成AIとは?
生成AI(ジェネレーティブAI)とは、テキスト・画像・音楽・動画などのコンテンツを自動的に生成するAI(人工知能)のことを指します。企業が生成AIをビジネスに導入することにより、資料やメール文面の作成など幅広い業務において人手による作業負担を削減できることで、業務効率化や生産性の向上が期待されます。生成AIの導入によって得られるメリットは「省力化」にとどまりません。アイデア出しや分析などの支援ツールとしても使用することで、人間のスキルを「拡張」するメリットもあります。
現在、さまざまな生成AIサービスが登場してきている中、どのサービスが適しているかは、導入目的や事業規模によって異なります。
例えば、大企業での導入においては、AWS(Amazon Web Services)のようなクラウドサービスが提供するカスタマイズ性の高い生成AIサービスが適している場合があります。自社に適した生成AIサービスを導入するためには、各サービスの特徴や違いを把握することが重要です。
2. AWSの生成AIとは?
AWSではどのような生成AIサービスを利用できるのでしょうか。2025年2月現在、大きく分けて以下3種類のサービスがあります。
- Amazon Q
- Amazon Bedrock(ベッドロック)
- 生成AIのための開発・運用インフラ
次章にて詳しく紹介します。
2-1. Amazon Q
Amazon Qは、AWSで提供されている生成AIアシスタントです。
Amazon Qは、チャット形式でのやり取りを通じて、さまざまな業務やタスクの実行を支援します。ユーザーは不明点について質問したり、自社のデータベースを調査して必要な情報を探すように依頼したりすることができるため、業務上のさまざまな場面での活用が可能です。
Amazon Qには、大きく分けて以下の3種類があります。(2025年2月時点)
|
特徴 |
---|---|
Amazon Q Business | 一般的な業務向け。社内のファイル・データベースの調査、簡単なアプリケーションの作成、外部アプリケーションの実行など幅広い用途で使える。 |
Amazon Q Developer | ソフトウェア開発向け。コーディング・テスト・デプロイ・セキュリティ対策などソフトウェア構築・運用の幅広いタスクを支援できる。 |
他のAWSアプリケーションで利用できるAmazon Q | 他のAWSアプリケーションのアシスタント機能として提供されているAmazon Q。 |
2-2. Amazon Bedrock(ベッドロック)
Amazon Bedrock(ベッドロック)とは、Amazon以外の生成AIを含むさまざまな先駆的AIモデルを、単一のAPIで使用できるAWSのフルマネージドサービスです。
例えば、Metaの「Llama」やStabability AIの「Stable Diffusion」など、さまざまな企業が開発した生成AI基盤モデルを一元的に使用できます。使用できる生成AIモデルの一覧は「Amazon Bedrockで利用できる生成AIモデル一覧」をご参照ください。
企業は、基盤モデルごとの応答の違いを比較して自社に最適な基盤モデルを検討したり、複数の基盤モデルを組み合わせて運用したりするなど、柔軟な活用パターンを考えることができます。
2-3. 生成AIのための開発・運用インフラ
AWSでは、生成AI の基盤モデル構築や運用を支援するインフラも利用可能です。
例えば、「Amazon SageMaker AI」では、生成AIモデルの構築やトレーニング、デプロイに必要なインフラを含む開発環境が利用できます。他にも「Amazon Neuron」と呼ばれる生成AI・ディープラーニング向けのSDK(ソフトウェア開発キット)では、機械学習向けのチップ「Trainium」と、推論向けチップ「Inferentia」の利用が可能です。
このようなAWSの高性能なインフラを利用することで、生成AIモデルを自社の用途に合わせてトレーニングするなど、幅広い活用方法を検討できます。
3. Amazon Bedrockで利用できる生成AIモデル一覧
Amazon Bedrockでは以下の生成AI基盤モデルを使用できます。(2025年2月時点)
開発企業 | モデル名 |
---|---|
AI21 Labs | Jamba |
Amazon | Nova |
Anthropic | Claude |
Cohere | Command/Embed/Rerank |
Luma | Ray |
Meta | Llama |
Mistral AI | Mistral Large |
Stabability AI | Stable Diffusion |
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
3-1. AI21 Labs Jamba
Amazon Bedrockでは、イスラエルのIT企業AI21 Labsが開発した基盤モデル「Jamba」を利用できます。
Jambaはテキスト生成ができるAIで、特に長いテキストの文脈についての理解力・処理速度が優れていることで知られるモデルです。レポート作成・データ分析・ナレッジ検索など幅広い用途で使用できます。
3-2. Amazon Nova
Amazonの最先端基盤モデル「Nova」もBedrock上で使用できます。Novaは、テキストだけでなく「画像・動画」の入力に対してのテキストも生成できます。例えば、画像や動画の解析やソフトウェア開発に使用することが可能です。
また、テキストや画像の入力に対して、画像・動画を出力することも可能なため、画像・動画制作のクリエイティブな業務にも活用できます。「Nova Micro」「Amazon Nova Lite」といった特徴の異なるいくつかのモデルバージョンがあり、導入目的に合わせて柔軟な使い分けが可能です。
3-3. Anthropic Claude
Amazon Bedrockでは、アメリカのAIスタートアップAnthropic(アンソロピック)の「Claude」も利用できます。
Claudeは、翻訳・推論・データ分析・コーディングなどのタスクに適しています。グラフやチャートを分析したり、視覚障害のあるユーザーのために画像を説明したりするなど、「画像入力」に対する出力も可能です。200,000トークン(500ページを超える資料・150,000語に相当)のコンテキストウィンドウがあり、大量の情報処理にも適しています。
TISのデジタル決済ブランド”PAYCIERGE”(ペイシェルジュ)では業務効率化などの目的で生成AIを積極的に活用しています。その際にAmazon Bedrockを用いることも多くあり、そこではClaudeを利用するケースが多くあります。その理由として、2025年3月時点でAmazon Bedrockで利用できるモデルのうち、テキストベースの処理において最も精度が高いのがClaudeであると判断しているためです。
幅広い用途に利用できるため、「Amazon Bedrockを使いたいけれど、どのモデルが 良いのか分からない」といった場合は、まずClaudeを利用することを推奨します。
3-4. Cohere Command
カナダのIT企業Cohere(コーヒア)が開発するテキスト生成AI「Command」などの基盤モデルも、Amazon Bedrockで利用可能です。
Commandはビジネス向けに特化していることが特徴で、Eメールの作成やドキュメント要約・ナレッジ検索・データ分析など、幅広い業務領域で活用できます。多言語対応で、日本語にも対応済みです。
Amazon Bedrockでは、他にも埋め込み(エンベディング)用のモデル「Embed」や、検索結果のランク付けを行えるモデル「Rerank」を利用できます。
3-5. Luma Ray
アメリカのIT企業Luma(ルーマ)の動画生成AI「Ray」も利用できます。テキスト入力による動画生成が可能で、ディテール・動きのリアルさの面で優れた動画を生成できることが特徴です。
ゲーム・映画などのエンタテインメントや、広告・メディアなど、幅広い分野で活用できます。立体的にさまざまなアングル・スタイルで動画を生成できるため、建築・ファッションなどデザインの支援ツールとしての活用も可能です。
3-6. Meta Llama
FacebookやInstagramで知られるMeta(メタ)の「Llama」も、Amazon Bedrockで使用できます。
テキストや画像の入力に対する生成が可能で、画像の分析やキャプション作成・ドキュメントの内容分析・翻訳・プログラミングコード作成など幅広いユースケースが想定されます。2025年2月時点で対応言語は英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ヒンディー語、スペイン語・タイ語の8つで、日本語は非対応です。
3-7. Mistral AI
フランスのAI企業Mistral AI(ミストラルAI)の「Mistral Large」などのテキスト生成モデルも、Amazon Bedrockで使用可能です。
Mistral Largeは対応言語の種類が多く、日本語を含む幅広い言語の翻訳に活用できます。「推論機能」や「数学的機能」に優れていることも特徴で、論理的・計算的な課題に対する回答において高い精度を発揮できます。プログラミングコード生成にも適しており、コードの生成だけでなく既存コードの最適化やバグ修正などにも活用可能です。
3-8. Stabability AI Stable Diffusion
イギリスのAI企業Stabability AI(スタビリティAI)の画像生成AI「Stable Diffusion」も使用できます。
テキスト入力に対してハイクオリティな画像を生成でき、マーケティング・メディア・エンターテインメントなど幅広い分野での活用が可能です。
4. 無料で使えるAWSの生成AIサービスPartyRockでできること
AWSの「PartyRock」は、生成AIのアプリケーションを作成できる無料サービスです。
PartyRockではテキスト(自然言語)による指示と、簡単なクリック操作だけで生成AIの機能を組み込んだアプリケーションを作成できます。PartyRockはAmazon Bedrockを使用して構築されているため、さまざまな基盤モデルを利用したアプリケーションの作成が可能です。作成したアプリケーションにアクセスするための公開URLを作成でき、他の人が使えるように共有できます。
PartyRockを使用するためにAWSのアカウント作成は不要です。PartyRockのサービスURLにアクセスして、Googleなどのソーシャルアカウントを使ってログインすれば、すぐに使用できます。有料の機能はなく、完全無料で利用できるサービスです。
5. AWSの生成AIサービスの活用事例
AWSの生成AIサービスは、具体的にどのように活用できるのでしょうか。
AWS公式サイトに掲載されている活用事例のうち、特に分かりやすい例として以下の3社を紹介します。
- フェラーリ
- ドアダッシュ
- 北海道文化放送
5-1. フェラーリ
自動車メーカーのフェラーリでは、顧客・ディーラー・社内チーム向けなど、ビジネス全体にAWSの生成AIサービスを導入しています。
設計・シミュレーションのプロセスなど、社内業務の効率化に生成AIを使用し、製品開発のスピード向上を実現しました。顧客の好みに合わせた車両カスタマイズのレコメンデーション作成にも生成AIを活用し、顧客体験を向上させています。
さらに技術ナレッジベースの作成にもAWSの生成AIを導入し、膨大な技術データに瞬時にアクセスして必要な情報を得られる体制を構築し、生産性向上を実現しています。
出典:フェラーリ|AWS 生成 AI でイノベーションを促進|AWS公式サイト
5-2. ドアダッシュ
フードデリバリー企業のドアダッシュでは、「Dasher」と呼ばれるデリバリードライバーとの連携を強化するコンタクトセンターに、AWSの生成AIサービスを導入しています。
音声で操作できる生成AI機能をコンタクトセンターに実装し、人間によるオペレーターと対話しなくてもDasherが必要な回答を得られる仕組みを構築しました。これによりオペレーターの負担軽減だけでなく、Dasherが必要な回答を短時間で得られることによるデリバリー業務の効率化も実現しています。
5-3. 北海道文化放送
北海道全域でテレビ放送事業を行う北海道文化放送では、ニュース原稿の作成や動画制作にAmazon Bedrockを使用しています。
生成AIがリリース情報や取材データを基に3パターンのニュース原稿を生成し、そこから適切なものを選んで担当者が仕上げるといったフローを導入して、ニュース原稿作成の効率化に成功しています。ショート動画の制作にも生成AIサービスを活用し、1本あたりの制作時間を「従来の20%以下」に圧縮できる仕組みを構築しています。
出典:北海道文化放送|Amazon Bedrock を活用しニュース原稿/動画の作成フローを低コストで効率化。ニュース配信数の大幅増を実現|AWS公式サイト
AWSの生成AIサービスは国内外で非常に多く活用されており、TISでもさまざまなユースケースで利用しています。その中にはお客様と共に生成AIの活用を通して業務課題を解決するケースに加えて、TISの業務改善を目的としたものや生成AIを組織風土の改革や人材育成に活かすケースまであります。
6. AWSの生成AIサービスを利用するメリット
他の生成AIサービスと比較して、AWSの生成AIサービスにはどのような強み・メリットがあるのでしょうか。主に以下の3つが挙げられます。
- 柔軟にカスタマイズ・拡張が可能
- 高度なセキュリティによって守られている
- コンプライアンス・リスク対策が充実している
それぞれ以下に詳しく解説します。
6-1. 柔軟にカスタマイズ・拡張が可能
AWSの生成AIサービスのメリットの一つは、カスタマイズ・拡張性の高さです。
「Amazon Bedrockで利用できる生成AIモデル一覧」で紹介した通り、同じサービス上でさまざまな基盤モデルを利用でき、企業ニーズに合わせた生成AIモデルを選択・活用できます。
またAWSでは生成AIだけでなくストレージやデータベースといった幅広いサービスを利用でき、サービス同士を連携させて使うことも可能です。
生成AIモデルは単体で機能することは少なく、それを呼び出すアプリケーションや生成AIが活用するデータを蓄えるデータベースやストレージ、外部から通信を受ける場合にはそのインターフェース、それらに対するセキュリティ対策などを組み合わせることで価値を発揮することが多いです。その点で、AWSではシステムを構成する多様なサービスが提供されており、AWS上で生成AIを活用することによって、スピーディーにシステム全体を構築できる点は非常に魅力的です。
TISのPAYCIERGEでもAmazon Bedrockと共にAWS LambdaやAWS Step Functions、Amazon DynamoDB、Amazon S3、Amazon API Gatewayなど、各種AWSサービスを組み合わせています。
また、TISが提供するサービスの一つとして「デジタル基盤オファリングサービス 生成AI導入オプション」があります。本サービスは、AWSのサービス群を有効活用して生成AIアプリケーションを素早くお客様自身が開発できるように、という主旨で提供を行っています。
6-2. 高度なセキュリティによって守られている
AWSの生成AIサービスは、高度なセキュリティ機能を備えている点も大きなメリットの一つです。AWSの生成AIサービスでは、データ保護のための暗号化やアクセス制御の機能が充実しています。
例えば、Amazon Bedrockでは、機密データが外部に共有されないようにする仕組みが提供されています。生成AIサービスの利用を検討する際によくある懸念材料の一つは「機密データがAIの学習に使われて、漏えいにつながらないか」という点です。Amazon Bedrockでは基盤モデルをチューニングする際に使用されたデータが、基盤モデルの改善に使われることがないため、機密データが外部に漏れるリスクを避けて利用できます。
さらにAmazon Bedrockには、GDPR(EU一般データ保護規則)やFedRAMPといった基準に沿った高度なセキュリティ機能があり、高度なセキュリティに守られた環境で使用できます。
6-3. コンプライアンス・リスク対策が充実している
AWSの生成AIサービスは、コンプライアンス・リスク対策につながる機能も充実しています。
多くの生成AIサービスには「ガードレール」と呼ばれる制御機能があり、有害コンテンツや誤った情報の出力を防止できるようになっています。Amazon Bedrockでは、基盤モデルで元々実装されているガードレールに加えて、安全性を高めるようにガードレールのカスタマイズが可能です。
さらにAWSでは「AIの透明性を促進するリソース」のページで、コンプライアンス対応に必要な情報が提供されています。生成AIの活用においては「生成したコンテンツが著作権侵害にならないか」といった懸念がありますが、著作権侵害を含む「不正流用を主張する第三者の請求から保護」についての情報が上記のリソースページに詳しく掲載されており、導入前に確認することが可能です。
7. AWSの生成AIを導入するには
AWSの生成AIサービスはWebサービスのため、サーバーなど社内インフラを用意せずに導入できます。Web上で申し込みをすることで、インターネットを通じてすぐに利用開始できます。
料金は利用するサービスによって異なりますが、主な生成AIサービスである「Amazon Q」「Amazon Bedrock」の料金体系はそれぞれ以下の通りです。(2025年2月時点)
サービス名 | 料金体系 |
---|---|
Amazon Q Business | 1ユーザーあたり月額3USD~(無料トライアル期間あり) 参照:Amazon Q Businessの料金|AWS公式サイト |
Amazon Q Developer | 1ユーザーあたり月額19USD(無料利用枠あり) 参照:Amazon Q Developerの料金|AWS公式サイト |
Amazon Bedrock | 従量課金・もしくは時間ベース課金。課金単価は利用する基盤モデルやリージョンによって異なる 参照:Amazon Bedrockの料金|AWS公式サイト |
Amazon Bedrockは基本的に使用するトークン量に応じた従量課金で料金が計算されます。そのため最初から大規模に導入するよりも、まずは小規模にスタートして、少しずつ規模を拡大していく形で導入するのがおすすめです。
8. AWSの生成AIをスムーズに導入するためのポイント
AWSの生成AIサービスの導入をスムーズに進めるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
- 導入する業務をリストアップする
- 社内体制を整備する
- AWS パートナーによる支援を受ける
それぞれ以下に詳しく解説します。
8-1. 導入する業務をリストアップする
導入の準備段階で重要なポイントは、AIを活用できる具体的な業務を洗い出し、リストアップすることです。
生成AIで出力できるデータ形式は、テキストだけでなく画像・音声・動画などがあり、アイデア次第で幅広い業務での活用が可能です。例えば以下のような業務での活用が考えられます。
- メール作成
- テキスト・音声の翻訳
- 問い合わせ対応
- プログラミングコードの作成
- 動画コンテンツ制作・編集
- 商品デザイン・カスタマイズのシミュレーション
- クリエイティブ業務のアイデア出しサポート
- プレゼンテーション用資料の作成
- ドキュメント・レポート作成
- ナレッジベースの作成
- データ整理・分析
上記の他にも、自社のビジネス分野ならではの活用方法がないか検討してみましょう。
また、既存の業務プロセスのままでは生成AIを導入しにくいケースも考えられます。生成AIの導入をきっかけに、業務プロセスの見直しを検討することも重要です。
8-2. 社内体制を整備する
生成AIサービスの導入に向けた社内体制の整備も重要です。
生成AIサービスを導入しても、社内でのサポート体制が弱いと、「導入しても社員がほとんど利用しない」など、導入効果が薄くなってしまうことが考えられます。生成AI導入の推進チームを編成して社内体制を整備し、利用を浸透させるサポートができるようにしましょう。
トレーニングやスキルアップのプログラムなど、生成AIについて社内理解を促す活動を進めるためにも生成AI導入の推進チームの存在は重要です。
社内体制を整備するには、生成AIサービスの知識・スキルのある人材など、人的リソースを十分に確保する必要があります。社内の人員だけでリソース確保が難しい場合には、次に解説する「AWSパートナー」の利用も検討しましょう。
8-3. AWSパートナーによる支援を受ける
生成AIサービスの導入にあたっては「AWSパートナー」など専門家によるコンサルティングを受けることも検討事項の一つとして挙げられます。
AWSパートナーとは、AWSを活用したソリューションを顧客に提供して導入・運用を支援する、AWSの認定企業のことです。AWSの活用方法や導入方法についてのアドバイスや、導入後の管理・運用のサポートなど、AWSにまつわる幅広いサービスを提供しています。
生成AIを推進するための社内リソースが不足している場合でも、AWSパートナーを利用することで外部リソースを利用でき、生成AIの推進・浸透を行える体制を構築できます。
9. AWSの生成AIは幅広い業務で活用できる
生成AIはビジネスにおいて、幅広い業務の効率化・品質向上に役立つテクノロジーです。多様な業種・分野の企業で、生成AIの導入が進んでいます。
多くの生成AIサービスがありますが、AWSの生成AIはカスタマイズ性の高さが特徴です。さらにセキュリティ機能が充実しているため、高い水準のコンプライアンス順守が求められる企業への導入にも適しています。
TISでは、生成AIサービス導入に役立つ「インフラ基盤」「サービス基盤」「サービスアーキテクチャコンサルティング」を最適な形に組み合わせて提供するデジタル基盤オファリングサービスをご提供しています。
デジタル基盤オファリングサービスはクレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠する高いセキュリティを担保し、お客様のご要望に応じた最適な構成を提案・実現できる柔軟性が特徴です。生成AIのサービス群も利用可能で、さらに「生成AI導入オプション」としてお客様ご自身が簡単なGUI操作を用いて生成AIアプリケーションを実装することも可能となっており、お客様が生成AIを活用してDXを実現する最適な環境となっています。
TISはAWS認定パートナーとしてサービスパス最上位の「AWSプレミアティアサービスパートナー」に認定されており、豊富な実績・専門知識に基づくご提案・サポートが可能です。AWSの生成AIサービス導入をご検討の際には、TISにご相談ください。
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本コラムの執筆者

二出川 弘
PAYCIERGE クラウド領域の技術統括。
AWSのスペシャリストとしてAWS社より2024 Japan AWS Ambassadorsに選出。AWS Summit Tokyo 2023での登壇をはじめ多くの講演/執筆活動を実施。

野澤 祐介
デジタル基盤オファリングサービス AWS領域を担当。
2024 Japan AWS Top Engineersに選出されたAWSスペシャリストであり、同時に生成AI領域においても豊富な知見を持つ。