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EDR-現代の脅威とともにその機能と必要性、そして課題を知る

はじめに

IT企業に限らず、大小関わらず国内外問わず、企業がEDR製品を導入することが当たり前になってきている現代。
まだEDR製品を導入していない、もしくはだいぶ前に導入している企業様は、この記事を参考にEDRの定義、何をするのか、なぜ必要なのか、現状のアンチウイルス製品やEDR製品でセキュリティに課題がないか、を考える機会としていただければ幸いです。

EDRとは

最近なんでもアルファベットで省略されている上、フルネームで見ても正直よくわからない方もいるでしょう。
EDRはEndpoint Detection and Responseの略です。要はエンドポイントを脅威から守るための製品全般を指します。
ただこの一言だけで、ITに関わらず社会で活躍する人が皆100%理解できるのでしょうか。
エンドポイントとは?守るってどうやって?そもそも何が脅威なの?と様々な立ち位置の人が様々な部分でEDRに対する理解を求めていませんか。
昨今普及してきたソリューションなだけに、言葉や一定の文言が一人歩きしているのではないでしょうか。
組織の共通認識を高めていくためにも、言葉の意味からまずは理解していきましょう。

①エンドポイント

ネットワークに接続される、企業が利用するデバイス全般を指します。
これには、PC、スマートフォン、サーバーなどが含まれます。

②検知(Detection)と対応(Response)

エンドポイント上で発生する異常な活動(脅威)を見つけ出すことを検知(Detection)と指します。
そして検知された脅威に対して適切なアクションを取ることを対応(Response)と指します。

③脅威について

異常な活動、脅威とはどのようなものを指すか。
これは外部からの悪意ある侵入やウイルスに限らず、内部の人間による不正行為や情報漏えい組織の許可していないサービスやアプリを業務利用すること(シャドーIT)も含まれます。

EDRが脅威を検知する仕組み・対応(Response)の内容

EDR製品はエージェントセンサーと呼ばれるソフトウェアをエンドポイントにインストールすることで動作します。
エージェントは端末内のプロセス、ファイル操作、ユーザーのアクション、通信内容などを監視し悪意ある挙動や不審な動き(たとえば、異常なログイン・不正なアクセス・権限昇格など)を検知します。
検知した情報は、ルールや機械学習を用いて脅威かどうかを判定し、あらかじめ定義された処理や、オペレーターからの指示に基づいた対応を実行します。

EPPとは別モノ?

EDRというものが世に出る前は、EPPと称されるものを従来のアンチウイルスとしてエンドポイントに適用する一般的なセキュリティ対策でした。
よく知られているのはTrellix (トレリックス、旧McAfee/マカフィー)やNorton(ノートン)といった製品です。おそらくまだ利用されている企業も少なくないでしょう。

EPPとは

EPP(Endpoint Protection Platform)は、PCやサーバーなどのエンドポイントをマルウェアやウイルス、不正アクセスなどの脅威から守るための統合型セキュリティ製品です。
アンチウイルスやファイアウォール、デバイス制御などの機能を備え、エンドポイントの安全性を確保します。

EPPとEDR、どちらもセキュリティ製品としての主な目的はどちらも同じ【エンドポイントの保護】です。
目的が同じである分、共通する機能もありますが保護のプロセスや性能に違いがあります。
イマイチどっちがどのように利用されるかはっきりしていない方は、これを機に違いを理解していきましょう。

共通すること

主な目的は同じなので、共通する機能ももちろんあります。
それは【既知の脅威】を検出する機能です。すでにサイバー攻撃として認識されている手法やウイルスを検知し、脅威を取り除きます。

EPPになくて、EDRにあるもの

サイバー攻撃は今、日に日にアップデートされ、新しい手法が生み出されています。EPPソフトはリリース時点での既知の脅威を検出できますが、次の日に生み出された新たな攻撃手法には対応できません。
EDRは自らも日々アップデートを繰り返すことで【未知の脅威】に対応します。

項目 従来のアンチウイルス(EPP)のエージェント EDRのエージェント(センサー)
主な目的 マルウェアの検知・駆除 端末全体の挙動監視・検知・対応・調査
有効性 事前対処に有効 事後対処に有効
監視範囲 ファイル、プロセスなど限定的 プロセス、ファイル操作、レジストリ、通信等広範
データ収集頻度・量 検知イベント時のみ収集、データ量は少ない 常時詳細に記録・収集、データ量が多い
対応機能 検知時の隔離・削除 遠隔からの隔離、封じ込め、調査、復旧支援など
管理者の操作性 基本は自動対応、遠隔操作は限定的 管理者がリアルタイムで遠隔操作や調査が可能
データ送信先 ローカルまたは最小限の管理サーバ クラウドや集中管理サーバへ随時送信

現代の脅威について

現代のサイバー脅威は多様化しており、企業にとって大きなリスクとなっています。多様化した攻撃手法は、従来の防御策を容易に突破することができるため、EDRのような高度なセキュリティ対策が必要とされています。EDRは、これらの脅威をリアルタイムで検知し、迅速に対応することで、企業のセキュリティを強化します。

順位 脅威名
1位 ランサム攻撃による被害
2位 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3位 システムの脆弱性を突いた攻撃
4位 内部不正による情報漏えい等
5位 機密情報等を狙った標的型攻撃
6位 リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃
7位 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃
8位 分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)
9位 ビジネスメール詐欺
10位 不注意による情報漏えい等

※出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」
https://www.ipa.go.jp/security/10threats/

こちらはIPAが毎年発表している情報セキュリティ10大脅威です。
このように、国内だけでも多種多様な攻撃手法で被害が出ていることから、企業のセキュリティが攻撃者の進化に追いつくのは簡単でないことが推測できます。
では、EDRをすでに導入している企業に被害は出ないのか?これらの脅威に完全に対処できているのか?
安心するのはまだ早いです。

そのEDR製品、導入したっきりで大丈夫?

EDRを未導入の組織も、導入済みの組織も導入してバンザイではないこともしっかりと理解しておかないと、せっかく膨大な予算を使って従来のアンチウイルスからEDRにリプレイスしたのに予想外のサイバー攻撃からの復旧に多額の費用がかかってしまいます。
「EDRは未知の脅威にも対応できる」というのが強みですが、それは定期的なバージョンアップを組織が有効化していたらの話なのです。
エンドポイントにインストールされているエージェントがネットワークを通して最新のアップデート情報を取得できること、エージェントのバージョンが常に最新であることが前提としているため、特殊な環境(常時オフライン・ネットワークが限定的)ではEDRの効果が損なわれてしまう可能性があるため注意が必要です。
他にも導入企業のITガバナンスや運用の負荷といった、利用者側に問題が出てくることは少なくありません。
実際にEDR導入~運用まで携わったことのある筆者自身が直面した「EDR導入あるある」を“ちょっとだけ”ご紹介します。

導入企業によくある「EDR導入の落とし穴」5選

(1)アラート疲れと運用負荷

EDRは高度な監視・検知機能を持つ反面、膨大なアラート(通知)が発生します。すべてのアラートを人手で確認し、対応するのは現実的ではありません。
誤検知(False Positive)も多く、担当者の「アラート疲れ」が深刻な問題となります。

(2)運用設計の未整備

EDR製品ごとに設定や運用の流儀が異なり、社内のセキュリティポリシーや業務フローに合わせた「運用設計」が不可欠です。
しかし、実際には「EDRを導入したまま初期設定のまま運用している」「誰がどのアラートに対応するか明確でない」といったケースが散見されます。

(3)ユーザとオペレータのギャップ

現場の利用者(ユーザ)はセキュリティよりも利便性を求めます。一方、セキュリティ運用担当者(オペレータ)は厳格な管理を求めるため、両者の間に「利便性とセキュリティ」のギャップが生じがちです。
たとえば、EDRが業務アプリの脆弱性を見つけブロックした場合、オペレーターはいち早い修正を求めますがユーザはとにかく早く使えるようにするよう苦情を上げます。

(4)インシデント対応力の差

EDRは「検知」できても、それをもとに「どう対応するか」は人と組織のスキルに大きく依存します。EDRのアラートを正しく解釈し、迅速に初動対応できる体制がなければ、せっかくの投資も十分に活かせません。

(5)定期的な見直し・アップデートの必要性

脅威のトレンドや業務環境の変化に合わせて、EDRのポリシーや運用ルールを定期的に見直す必要があります。しかし、導入当初のままアップデートされていないケースも珍しくありません。

まとめ

EDRは、現代の高度化するサイバー脅威に対抗する「新たなセキュリティの要」であり、企業の情報資産を守る重要な存在です。
実務経験から強く実感するのは、EDRの真価は「製品の性能」だけではなく、「組織としてどう運用し、活かすか」にかかっているという点です。運用担当者と現場ユーザの相互理解、セキュリティベンダーとの連携も含め、全社一丸となったセキュリティ文化の醸成こそ、最大のリスク対策になるでしょう。
EDRを「導入したっきり」にせず、今こそ見直しの機会として、次の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
-----次回は筆者が実際に体験したEDR導入後のギャップや課題について深堀りしていく予定です。
     今回紹介した導入に関するあるあるに対しての打開策や改善策について言及していきます。

TISは独立系SIerとして幅広い業種・現場に対応したEDRの導入・運用支援を提供してきました。その実績から運用課題やセキュリティリスクを的確に把握し、企業にとって最適なEDRソリューションのご提案が可能です。

もし現在のEDR運用に不安や課題をお持ちであれば、ぜひ一度、私どものサービスや各種ソリューションにもご相談ください。貴社の現状やご要望に合わせ、最適なセキュリティ体制の構築をお手伝いいたします。

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更新日時:2025年8月21日 15時36分