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AIOpsとは?ツール導入“だけ”で終わらせない、システム運用高度化の考え方

AIOpsとは?ツール導入“だけ”で終わらせない、システム運用高度化の考え方

著者:IT基盤技術企画部 梅谷麗

運用のモダナイゼーションや高度化についての会話の中で「AIOps」という言葉をよく聞くようになってきました。このコラムでは、「AIOps」の概要説明から、実際の高度化・モダナイゼーションのシーンでどのように活用されているのかを解説していきます。

AIOpsとは何か

AIOpsとは、ガートナー社が2017年頃に提唱しはじめた用語で、AI(Artificial Intelligence=人口知能)+Ops(IT Operations=システム運用)を組みあわせた言葉です。
運用に関する様々なデータをAI・機械学習を活用して分析し、システム運用を改善する取り組みを指します。
ログ、監視データ、アラート情報など、システムに関する膨大なデータをAIが分析し、異常検知や原因分析、予兆検知、自動化などを支援します。

なぜ今AIOpsは注目されているのか

近年、企業のシステム環境は急速に複雑化しています。
クラウドとオンプレミス環境の混在など、システムは複雑に連携し、アラートは増大する一方で、コストの削減が強く要求され、人手不足が慢性化しています。
さらに、サービスやアプリケーションの開発から提供に至るまでのサイクルが年々短くなり、より速く、多くの機能やサービスをリリースし続けることが求められるようになりました。

運用品質低下属人化ブラックボックス化手作業依存等

このような状況下において、システム運用の現場では「複雑なシステムの安定稼働」と「経営のリクエストにスピーディにこたえること」の両立を求められており、従来の人手中心の運用手法だけでは対応の限界を迎えています。
そこで、このような運用の現場で発生している多くの問題に対処する手段として、AIOpsへの期待が高まっているのです。

AIOpsでできること

システム運用の現場では、幅広く様々な業務が発生しています。
AIOpsはこれらそれぞれの領域で、例えばノイズアラートの削減や異常検知の自動化、リリースリスクの低減など、多様な課題解決や効率化を支援します。
以下に示した表では、主要な運用領域ごとにAIOpsで実現する主な内容、製品例を整理しています。

表:AIOpsの適用領域と効果、主要製品

Datadog PagerDuty ServiceNow NewRelic Jira等

重要なのは「AIOpsの効果を最大化する運用設計」

AIOpsは万能な解決策というわけではありません。ツールを導入すれば自動的にシステム運用が改善するということではなく、AIOpsを最大限に活用するための設計が必要です。次の3つの準備が必要となってきます。

1. 課題の明確化と目標設計

AIOps製品やツールの導入そのものが目的化してしまうと、本来解決すべき課題が曖昧なままとなり、十分な効果を得ることはできません。まずは、AIOpsによって何を改善したいのか、解決すべき課題を明確にすることが出発点となります。
その上で、目的に対する具体的な目標を設計し、評価指標(KPI)を定めることが重要です。導入後は、その指標に基づいて効果を検証し、期待した成果が得られていない場合には原因を分析しながら改善を重ねていくことで、AIOpsの効果を最大化することが可能となります。

2. データの整理

AIや機械学習(ML)は、基となるデータの種類や量に依存して分析の精度や深さ、活用範囲が変わります。このため、運用に関わる様々なデータ、たとえば監視データ、ログ、ITSM情報(インシデント、構成管理など)がサイロ化され、連携できない状態では、AIOpsの効果は限定的になってしまいます。

複数のシステムでログ形式がばらばらであったり、変更履歴や構成情報が十分に蓄積されていなかったりすると、AIが学習できるデータセットは小さくなり、期待した効果が得られません。AIOpsの効果を最最大化するためには、データの統合と標準化が前提となります。
実際の現場のデータの統合や標準化は簡単ではありませんが、重要なサービスや主要データから小さく段階的に取り組んでいくことで、AIOpsの効果を高めていくことができます。

3. 運用プロセスの標準化と改善

運用プロセスが標準化されていないと、AIで分析した結果を実際の運用アクションに結びつけることができません。異常検知や原因候補が提示されても、「誰が判断し、どの条件で対応するのか」が定義されていなければ、AIの出力は参考情報にとどまってしまいます。また、対応結果の記録や分類基準が統一されていないと、改善サイクルが回らず、AIの精度向上にもつながりません。運用業務のプロセスを標準化し、フローや自動化の範囲、責任分担を明確にすることが、AIを効果的に活用する前提となります。

これらの準備が必要であることからも分かるように、AIOpsは単なる運用向けAIツールではありません。運用プロセスやデータの扱い方、役割分担を含めて見直す、運用変革プロジェクトと捉える必要があります。

まとめ:AIOpsとは「運用改善を実現するための仕組み」

これまで記載してきたとおり、AIOpsとは、AIを活用してシステム運用を改善する取り組みです。AIOpsは「目的」ではなく「手段」であり、ここでの目的は、「運用の高度化により、システムの安定稼働と変化対応力を高める」ことです。

運用の高度化とは、またその目的と手段の説明

TISでは「運用の高度化」を「運用・保守業務プロセスに最新の技術や方法論を導入し、モダナイズすることで効率化・改善を図ること」と定義しております。これらを実現する手段として、プロセスの最適化・自動化、オブザーバビリティの強化、データ利活用などがあげられますが、AIOpsは、これら高度化の手段を横断的に支え、加速させる役割を担うものです。
AIOpsに取り組むことは、単なるツールの導入ではありません。運用の在り方を見直し、データを活用し、改善を継続的に回せる仕組みを整えることです。AIOps、および運用の高度化に取り組み、ビジネスに価値をもたらす運用、攻めの運用を実現しましょう。

お客様のシステム運用の現場で、

  • システム運用の負荷が高まっている
  • 運用DXで効率化を目指したいが、どこから手を付ければよいかわからない
  • AIOps導入を検討しているが整理できていない

といった課題を感じている場合は、まずは現状の運用構造と課題を整理することが重要です。TISでは、運用のDXや運用の高度化に取り組みたいお客様へ、AIOpsをテーマに含んだ運用コンサルティングサービスや、AIOps製品の構築、運用現場への展開などをご支援しております。AIOpsを通じた運用変革にご興味ある方は、ぜひご相談ください。

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更新日時:2026年3月23日 13時34分