サーベイ結果から見る生成AIの活用実態/課題と向かうべき方向性
背景
生成AIは、社会や企業活動を大きく変革する可能性を秘めています。TISでは、この可能性を最大化すべく、生成AIを活用した各種サービスを提供し顧客のデジタル変革を支援してきました。ただ、生成AIに対する期待が高まる一方で、組織的な導入に課題を抱える企業も少なくないという仮説を持っています。こうした背景から、TISでは外部調査団体と連携し、生成AIの利用状況や課題について調査を行いました。また、その結果を基に、本レポートにて企業における生成AI活用の現状と課題解決に向けた提言を実施しました。
生成AIの利用経験と利用用途
調査の結果、業務での生成AI利用経験がある回答者が68.1%、趣味も含めると88.8%にのぼり、生成AIがすでに広く浸透していることが分かります。
また、使用用途としては「文章作成」が66.5%と最も多く、「アイデア収集/創出」が46.4%、「リサーチ」が37.1%というように日々の業務支援で活用されています。一方で、「プログラミング・プログラムコード作成の補助」「イラストや画像作成」「動画の作成」「音声の合成」など、より専門的な用途での利用は限定的でした。これは、利用者のスキルや専門的な業務適用へのハードルが影響している可能性も考えられるため、その場合は利用者の教育や専門業務に適した活用方法の整理が必要と考えられるでしょう。
社内での生成AI導入具合
「全社的に業務で導入・利用している」が21.9%、「一部の部署で導入・利用している」が53.1%となっており、多くの企業で生成AIの導入が進みつつあることが分かります。一方で、「導入されているがほとんど使われていない」（11.6%）や、「会社として導入されていないが、個人的に業務で利用している」（12.1%）といった層も一定の割合で存在し、企業の導入具合には温度差があることも分かります。後者の層に対しては、運用ルールの整備や社内教育が課題と考えられるでしょう。
組織導入が進まない理由
未導入の主な理由として、「専門的な技術知識が不足している」（43.8%）や「データセキュリティが心配」（40.0%）、「何に利用したらいいのかわからない」（29.5%）、「業務での使用が許可されていない」（28.6%）といった回答が上位を占めています。特に、「データセキュリティが心配」という理由は、企業の情報管理ポリシーや生成AIの運用ルールが整備されていないことが背景にあると考えられるでしょう。
まとめ
生成AIは個人利用が進む一方、組織全体での導入はまだ少ないです。しかし、「Devin」のようなツールが登場したことでのビジネスへの影響は大きく、近い将来に業務全体が生成AIにより代替される可能性も存在します。企業にとって生成AIの活用は今後の成長の鍵となり、今後生成AIにどのように取り組むかが企業活動の生産性向上や成長において重要な分岐点となります。このような中、TISは生成AI活用に対する支援を提供し生成AIの導入を後押しします。本サーベイ調査に関して、詳細を知りたい方は、ぜひ資料本文をダウンロードしてご覧ください。