サーベイ結果から見る生成AIの活用実態/生成AI活用は新たな局面へ
企業が成果を得るための3つのポイントとは
背景
近年、生成AIは大規模言語モデル（LLM）やRAG（Retrieval-Augmented Generation）などの技術進化により、企業活動のあらゆる領域で活用が拡大しています。また、多様なコンテンツの自動生成は、生産性向上や新規事業創出、顧客体験の革新に直結し、企業の競争優位性を左右する重要な要素となっており、特に社内データと連携した高度な情報活用が可能となり、意思決定の迅速化や業務プロセスの最適化にも大きく貢献しています。
TISは、国内主要企業約200件の生成AI活用状況と、TISの生成AIに関する事業実績から調査・分析を行い、生成AIの先進事例・トレンド、日本の大手企業における導入方法・導入のベストプラクティスについて調査を行いました。
前回と今回調査から判明した生成AIの利用実態
１.試験導入・PoCから、特定部門・業務への活用が拡大
生成AIの活用状況は、2年前はPoCや実験的導入が中心だったが、直近1年では特定業務や部門での利用が約半数となり、導入が進展しています。特に大企業では、この2年間で実験的導入から特定業務への利用が拡大しています。
作業効率化から、業務プロセスの自動化、新価値創出への用途の拡大
2年前は生成AIの活用が議事録作成や文章要約、FAQ対応など作業効率化に集中しており、大手企業が全社的に事務効率化を推進しています。一方、直近1年では新製品・サービスの市場展開や業務プロセス自動化、R&D・新サービス開発など、新たな価値創出に生成AIの利用が広がっています。
金融/製造/ITなどを中心とした推進
生成AIの業界別ユースケースでは、情報通信・IT、製造、金融・保険分野で多く活用事例が見られます。情報通信・ITや金融・保険では顧客対応やチャットボットなど業務自動化に利用され、製造や製薬では分析やR&D効率化に活用されています。新製品・サービス開発は様々な業界で進んでおり、生成AIは単なる作業効率化ツールから、業界ごとのソリューションへと進化しつつあります。
調査結果（サマリ）
- この2年間の間で生成AIの導入範囲は試験導入・PoCから、特定部門・業務への活用の拡大し、導入レベルは作業効率化から、業務プロセスの自動化、新価値創出へ高度化が進みつつあります。
- 生成AI導入範囲の拡大/高度化は中小企業～大手企業のどの規模の企業でも傾向として読み取れるものの、特にプライム上場などの大手企業では顕著にその傾向が表れており、大手企業での生成AIの活用が推進されています。
- 生成AIが推進されている業種としては、情報通信・IT、製造、金融・保険などの業種が比較的推進されています。2年前は作業効率化の事例が多かったものの、近年はチャットボットや分析などの業務プロセスの自動化や商品開発などの新価値創出での事例も増加しております。
調査から判明した生成AI導入の成功への鍵
上記事例の調査と、TISの生成AI導入事例から、効果創出の鍵は以下3つに有ると考えています。
- セキュリティ・ガバナンスの強化
- ナレッジや知見の収集/教育
- 経営の後ろ盾のあるCoE組織の構築
詳細については下記レポートにてご確認ください。