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株式会社ダイヘン様

購買ポータルで約200社の主要サプライヤと円滑に情報交換。
取引先情報の一元化、見積業務の高度化を実現。

背景

サプライヤポータルを利用して一致協力したタイムリーな製品開発を目指す

100年を超える歴史を持つ株式会社ダイヘン(以下、ダイヘン)は、電力供給を支える変圧器をはじめ、産業用ロボット、溶接機、半導体製造装置用機器などを手がける大手メーカー。近年は研究開発型企業を目標に掲げ、再生可能エネルギーの活用拡大に資するエネルギー・マネジメント・システムやEV普及に不可欠な充電インフラ機器など、社会課題に応える画期的な新製品を次々に世へ送り出している。
ダイヘンの競争力を支える生命線が、約200社の主要サプライヤとの協力関係。資材部の渡邉明彦氏は「サプライヤ様と、最新の部材や材料の情報をタイムリーに共有し、それをいち早く調達して製品開発に活用していく。事業成長のために、パートナー様の存在は必要不可欠です」と語る。同部が日々実施している購買・調達業務は、社内の技術部門からの部品の要望を受け、サプライヤ候補を検討。見積をもとに選定する流れとなる。
ダイヘンは2020年、購買システムの刷新を計画した。課題の一つが、サプライヤから受け取る見積書がデジタル化されておらず、各社ばらばらのフォーマットで比較が困難という点であった。「また、見積の詳細を確認するため電話・メールのやり取りが何度も必要で、サプライヤ様の選定にかなりの期間を必要としていました」(同部 大野隆行氏)。
そこで、新たな購買システムに求めた要件は、まずダイヘンにとって必要な情報粒度で、オンライン上の見積依頼が可能であること。加えて、個々の購買担当者に属人化していた見積査定の状況を全社で共有できるようにすること。以上の要件を満たすことにより、サプライヤとの関係強化やタイムリーな製品開発を目指した。

導入

独自仕様の見積フォーマットで標準化が可能な「LinDo購買」

ダイヘンは、新たな購買システムとして複数の製品を検討。その結果、同社が求める要件を満たしていたTISの「LinDo購買」を導入することとした。
2020年12月からスタートした導入プロジェクトでは、まず、見積フォーマットの標準化を目標とした。「要件定義の場で、我々が見積に入れたいと考える項目、たとえば材料費・加工費・管理費などを具体的に示し、見積フォーマットの設計を固めていきました」(渡邉氏)。
加えてダイヘンから要望があったのは、為替の動き、電気料金の変動、材料費の市況変化といったさまざまなコスト変動要因を共通コードとして補足入力できる機能の実装。TISはこれらの要望を受けて開発を進め、ダイヘンの用途に最適化した、標準の見積テンプレートが完成した。
この作業と並行して、TISは「LinDo購買」と基幹システムを連携させる開発に着手。これにより基幹システムとLinDo購買がシームレスに繋がった。
こうして2021年9月、第1段階として見積依頼や回答を受け持つ「ソーシングシステム」が完成しサービスインを迎えた。続いて2022年10月に購買依頼・発注・受入等を担う「パーチェシングシステム」が始動。
「既存システムは見積依頼等の機能が手薄であったため、ソーシングシステムを先行導入しました。このスモールスタートにより、DX化がもたらす効果を早期に得ることができたと思います」(大野氏)。

効果1

コスト変動要因のコードを“共通言語”として、円滑にコミュニケーション

ソーシングおよびパーチェシングシステムのサービスインから半年以上が経過し、サプライヤとの関係の変化を大野氏はこう説明する。「今回、詳細項目で構成される共通の見積テンプレートができたことで、サプライヤ様とのコミュニケーションの活性化につながっています」。
サプライヤは見積入力の際、各詳細項目のコストに変動がある場合、あらかじめ定めたコスト変動要因のコードを付記することとしている。「我々はそのコードを“共通言語”として、コスト変動の理由が一目瞭然で把握できます。その結果、双方が電話やメールで連絡をとりあう時間を大幅に削減できました」(渡邉氏)。
なお、サプライヤ側は、「LinDo購買」を利用するための特別な設備や準備は不要。Webブラウザでログイン認証するだけで、見積提出や納期回答がオンラインで完結する。見積を作成する際、以前提出した見積をベースに変更を加えるだけで済み、作業性向上にもつながっている。
ダイヘンでは、ポータル上に日々蓄積されるサプライヤの見積データの利活用にも取り組んでいる。「コストの個々の変動要因はそれぞれ、上昇基調/下降基調に変わる転換のタイミングが存在します。その変化点をデータ分析でキャッチアップし、より高精度な見積査定が可能になります。サプライヤ様から提供いただく情報は、このようなデータ利活用にも役立っています」(大野氏)。

効果2

見積業務の進捗情報を全社共有

一方、ダイヘンの資材部が実感している導入効果について大野氏はこう語る。「以前は、見積依頼の担当者が休んでいる日は、進捗状況の確認が困難でした。今では全社から『LinDo購買』にアクセスして進捗のステータスが見られるので、時間のロスもありません」(大野氏)。さらに、「LinDo購買」の情報をBIツールで抽出・加工し、見やすく視覚化した進捗を大型モニターで閲覧する取り組みも行われている。
もう一つの大きなメリットは、複数のセグメント間でのサプライヤ情報の一元化。ダイヘンには大きく3つのセグメント(電力機器・半導体関連機器・溶接メカトロ)があり、それぞれが独自に選定したサプライヤと取引を行ってきた。今回、サプライヤの情報が一つのデータベースに集約されたことで、セグメントに関係なく、サプライヤを検索することも可能になった。「これにより、同じ部材を扱うサプライヤ様の選択肢が拡大し、安定供給につながりました」(渡邉氏)。
ダイヘンは現在、グループ拠点(鳥取)の購買部門にも「LinDo購買」を展開することに取り組んでおり、資材部メンバーが現地で支援にあたっている。グループ全体でサプライヤの情報が一元化されることで、さらに安定した調達先の選定・確保が期待できる。
最後に渡邉氏は、こう締め括る。「当社の使命は、さまざまな社会課題を解決する、画期的な製品を早期に送り出すことです。『LinDo購買』の活用で、サプライヤ様との絆をより深め、ダイヘンならではのものづくりを加速させていきたいと思います」。

調達システム全体イメージ

お客様の声

渡邉 明彦氏

株式会社ダイヘン
資材部
購買管理課長
渡邉 明彦氏

大野 隆行氏

株式会社ダイヘン
資材部
加工品ソーシング課長
大野 隆行氏

購買ポータルの構築で、サプライヤ様から部品を調達する体制を強化し、サプライチェーンのBCP対策をより盤石にすることができました。TIS からは、サプライヤ様同士の取引関係までをデータベースに反映させ、大規模な地震が起きた際など、もの不足を回避するための調達先選定の仕組みづくりの付加提案もいただいています。
TISの担当者は、技術力だけでなく人間力も印象的でした。ざっくばらんに世間話から入って場をなごませ、会話しやすい雰囲気をつくってくれる。プロジェクト最終日は、当社チームのメンバー誰もが、一抹のさみしさを感じたほどです。

TIS担当者から

西山 洋平

TIS株式会社
ERPコンサルティング第6部:チーフ
西山 洋平

ダイヘン様には、TIS側メンバーと、立場の違いを超えて何度も熱く議論・コミュニケーションする機会をいただき感謝いたします。我々も、ダイヘン様の“サプライヤ様は大切なビジネスパートナー”という思いを胸に臨み、稼働後のトラブルもほぼなく、スケジュールどおりに完成させることができ満足しています。
ダイヘン様からは、今回の「Lindo購買」導入で、データ利活用、社内関係者間の情報共有、属人化防止、サプライヤ様情報の効率的な管理ができるようになった点を高く評価いただいています。また、お客様との最後のミーティングの場で「大変なプロジェクトだったが、TISに任せてよかった」と言葉をいただき、とてもうれしく思いました。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2024年3月13日 16時14分