王子製紙株式会社様

アセスメントで重要課題を把握し導入ロードマップでIFRS適用に挑む

早ければ2015年にも適用される予定の国際財務報告基準「IFRS」に企業の関心が高まる中、王子製紙では、TISのアセスメントサービスを利用して、ビジネスに与える影響や課題を効率的に把握するとともに、システム更改などIFRS適用に向けた対応に取りかかれる環境を整備しました。

社名 王子製紙株式会社様
創業 1873年(明治6年)2月12日
(財閥解体後の設立1949年(昭和24年)8月1日)
主な事業内容
(グループ会社によるものを含む)
  • 一般洋紙、包装用紙、雑種紙、衛生用紙、段ボール原紙、白板紙及びパルプなどの製造、加工並びに販売
  • 段ボール(段ボールシート・段ボールケース)、紙器、プラスチックフィルム、感熱記録紙、粘着紙及び紙おむつなどの加工品の製造並びに販売
  • 木材製品の製造並びに販売、国内外での植林事業並びに社有林の維持管理
  • コーンスターチの製造並びに販売、社有地の活用による土地及び建物の賃貸、倉庫業、各種機械類の設計・製作・据付等
URL

課題

グローバル展開するビジネス、IFRS適用の影響は未知数

ビジネスがグローバル規模で展開するとともに国際競争力が求められる中、欧州発の会計処理・報告の新たなルールとして、日本でも2015年ごろ導入される可能性が高まっているのが「IFRS(International Financial Reporting Standards:国際財務報告基準)」です。
製紙業界のリーディングカンパニー、王子製紙は、1873年の創業以来、社会や人々の暮らしに不可欠な紙製品の安定供給を通じて広く文化に貢献するべく、原材料の調達から生産、販売まで、多角的にビジネスに取り組んできました。その事業は国内にとどまらず、アジア地域を中心にグループ経営を展開する同社にとって、グループ会社との経理・連結決算に新たな仕組みが導入されるIFRSの適用は大きな課題といえます。
王子製紙をはじめ王子製紙グループのシステム構築・運用を手がける王子ビジネスセンター株式会社では、監査法人などが主催するセミナーや勉強会、書籍やインターネットなどを通じた情報収集に積極的に取り組み、IFRS適用がグループにもたらす影響について調査・検討を行ってきました。しかし、そうして得られる情報は一般的なものであり、自社のビジネスに及ぼす影響について具体的に把握する必要がありました。
IFRS適用に向けた方針について、王子ビジネスセンター株式会社常務取締役池永元昭氏は、次のように語ります。「会計業務に関するシステム更改は、これまで主に経理部門と監査法人が主体となって進めてきましたが、IFRS適用の影響は広範囲に及ぶことが想定されます。そこで、情報システム部門としてもシステムへの影響把握などの準備を早期に始めた上で、重要課題や導入ロードマップを明確にし、グループに対して積極的に提案していくことが大事だと考えました」
そうした折、同社が注目したのが、IFRS適用の影響について詳細に調査・分析を行い、重要課題の抽出や導入ロードマップの提示といった、意思決定に必要な材料を短期間で導き出す、TISの「IFRSアセスメント企画立案サービス」でした。

提案

実績と信頼に基づくTIS「IFRSアセスメント企画立案サービス」

TISはこれまでにも、王子製紙に対して、基幹システムの構築・運用をはじめ、バージョンアップやWindows環境へのマイグレーション、内部統制支援サービスの提供など、幅広いシステム支援を実施してきました。度重なる会計制度変更にも随時サポートを行うなど、王子製紙の会計業務について理解を深めつつ、信頼関係を築いてきました。
そうしたビジネスパートナーとしてのやりとりの中で、IFRS対応を見据え、その適用によって王子製紙の業務やシステムにもたらす具体的な影響や課題を早期に把握すべきではないかとTISは考えました。そこで王子製紙に対し、自社で提供している「IFRSアセスメント企画立案サービス」の利用を提案したのです。
TISの「IFRSアセスメント企画立案サービス」は、IFRS適用を予定している企業の業務やシステムを詳細に調査・分析し、意思決定に必要な材料を短期間で提供するサービス。会計システムの構築・運用を数多く手がけてきたTISの実績やノウハウに基づいて、IFRSの影響を的確に提示し、お客さまにとって最適なシステム対応へと導こうというものです。会計処理業務だけではなく、経営や業務プロセス、情報システムなど、あらゆる企業活動から分析し、必要な情報を整理、提供するのがその大きな特徴。TISには、会計業務を熟知し、基幹システムにも精通したコンサルタントがそろっているので、万全の体制でIFRS適用の影響を調査・分析することが可能です。
TISのアセスメントサービスを選定した理由について、王子ビジネスセンター株式会社業務本部運用企画部グループマネージャー鈴木正吾氏は、次のように語ります。
「IFRS適用による影響を把握するためには、具体的にどういった項目をどの程度調査すれば十分なのか、その項目の抽出、そして調査を実施するには手間もコストも時間もかかります。基幹システム構築の実績があり、ノウハウも豊富なTISのアセスメントであれば、任せて安心であり、自社で検討事項を洗い出すよりもはるかに効率的かつ効果的と判断しました」
こうして王子製紙は、アセスメントサービスの内容を理解した上で、IFRS適用がビジネスにもたらす影響についてTISと共同で調査・分析を行うこととなりました。

解決

現状の差異を分かりやすくチャート化、重点課題とロードマップを提示

王子製紙に対して「IFRSアセスメント企画立案サービス」を提供することとなったTISは、王子製紙経営管理本部、王子ビジネスセンター、および王子製紙とは異なる事業内容のグループ会社二社の、計四者を対象に、3時間×2回、約130項目に及ぶインタビューを実施することとなりました。王子製紙本体に加えて、本体とは異なる事業セグメントに属し、別種の基幹・会計システムを使用しているグループ会社を対象に含めることで、IFRS適用の影響をより広範囲に調査・分析することを目指しました。
調査内容は、現行の会計処理や業務プロセス、情報システムなど広範囲に及びました。具体的には、連結範囲の考え方やキャッシュフロー計算書の作成方法といった個別/連結財務諸表に関する項目から、販売取引における売上計上基準や工事契約の有無など、収益や費用の認識に関する項目、減価償却の方法や耐用年数の決定基準、研究開発費などの資産・負債に関する項目、経営管理や業務、シェアードサービス化構想といったマネジメント項目に至るまで、IFRSが影響を及ぼす可能性のある項目を網羅した内容となっています。
TISは、こうしたインタビューや提出資料に基づく調査結果をもとに、分析・検討を行い、王子ビジネスセンターに対して「IFRSアセスメント最終報告書」を提出しました。
報告書では、IFRSと従来の日本基準との差異をチャートで表すとともに、連結範囲や収益認識、固定資産や連結財務報告に関して、経営方針面・業務面・システム面それぞれの重点課題を明確にしつつ、IFRSの影響度が一目で分かるよう内容を整理。経営層やグループ会社の担当者に対して理解しやすいように示されています。さらに、IFRS導入ロードマップについては、強制適用の有無が方針決定される2012年を待つことなく検討に取りかかかる場合と、方針決定を待ってから検討する場合の2つを想定。具体的な適用内容についても、「連結一括調整」「個社個別調整」といった4つの導入パターンを提示するなど、王子製紙のビジネスの実情に即したロードマップを提案しました。

図版:TISの「IFRSアセスメント企画立案サービス」

効果

TISのアセスメント結果をもとに、IFRS適用に向けて乗り出す

王子ビジネスセンターでは、TISの「IFRSアセスメント企画立案サービス」による報告結果を基に、IFRS適用による影響や課題をあらためて確認、検討しました。その結果、システム移行については、グループの規模を考慮すると対応方針によっては最低でも2年を要する可能性があるため、逆算して2011年度からグループを挙げた検討作業に取りかかるべきではないか、との結論を得ることができました。移行作業開始の遅れなどにより生じるリスクについても明らかになったことで、グループの情報システムを預かる会社として、今後のIFRS適用に向けて最善な方法で取り組む方針が固まったといえます。
また、アセスメントを通じて明らかとなった「連結範囲の方針策定」と「親会社・子会社の決算(組替)対応」に関しては、業務・システムの再検討をどの範囲で行うかといった問題にもかかわることから、最優先で対応する必要がありました。そこで王子ビジネスセンターは、IFRS適用に向けた重要課題や導入ロードマップを用いて、王子製紙の経理部門や経営層などに対して説明を行い、1日も早く本格的な検討作業の開始を促すよう取り組み始めています。またIFRS適用により会計方針が統一される連結子会社に対しても情報共有を図ることで、意識の醸成を図っています。
「IFRS適用はまだ先とはいえ、対策を開始するのは、もはやまったなしの状況。TISのアセスメントという確かな裏付けがあることで、社内の各部門に対して自信を持って導入ロードマップを提示しています。王子製紙のIFRS適用に向けた取り組みを着実に始めることができました」(池永氏)
なお、王子製紙の基幹システムの保守期間満了時期をも見据え、IFRS適用に関する検討の遅れが二重投資などの無駄なコストを生まないよう、王子ビジネスセンターは現時点からできることを確実に処理し、バージョンアップと同時にIFRS適用に向けた環境構築を図りたい考えです。
TISはこれからも、基幹システムのアップグレードを含めてIFRS適用に柔軟に対応できるシステム基盤整備を提案するとともに、関連会社に対してIFRS対応が短期間、低コストで実現可能なERP会計テンプレートの導入を提案し、グループ経理システムの統一を図るなど、王子製紙のIFRS適用を全面的に支援していきます。

お客さまの声

手間とコストと時間が省ける、TISのアセスメントに任せて正解

王子ビジネスセンター株式会社
常務取締役
池永 元昭 氏

IFRS適用についての影響を調査・分析するアセスメントは、他社に支援してもらうか、自社で行うか、いずれにせよすべての上場企業がやるべきこと。そのための「時間」と「労力」、IFRSに関する「専門知識」をいかに確保するかが問題となりますが、TISのアセスメントサービスで、約2カ月半で結果が得られました。自社で行った場合は、調整や検討などで約半年間はかかると想定されましたから、限られた時間と労力を有効活用し、より正確な分析結果を得るためにも、TISのアセスメントに任せて正解だったと考えています。
今後、私個人の考えとしては、IFRS適用は最小限のシステム改修などで乗り越えた上で、必要であれば業務プロセスの改善などバックヤード業務の刷新に取り組みたい。TISには引き続きIFRS適用への支援を願うとともに、SAP ERPのスムーズなバージョンアップなど、実績やノウハウを生かしながら、当社の事業に貢献してほしいと考えています。

バランスのよいアセスメントで、IFRS適用への理解が高まっています

王子ビジネスセンター株式会社
業務本部 運用企画部 グループマネージャー
鈴木 正吾 氏

TISのアセスメントによって、会計処理面だけではなく、経営・業務プロセス・情報システムをはじめあらゆる企業活動が検討でき、さらに意思決定に必要な情報が整理・提示されるなど、バランスのよい調査・分析ができました。重要課題を的確に抽出し、対応準備をいつから実施する必要があるかといった導入ロードマップを明確に提示できたのは、今後のIFRS適用の全社展開に向けて大きな指針になると思います。
実際、IFRS適用に向けて対応を始めた部署はまだまだ少ないのが現状ですが、そうした中、アセスメントサービスを通じて、グループ会社にもIFRSについての理解と関心を持ってもらうことができました。

TIS担当者から

TISのアセスメントでIFRS適用の影響を手軽に把握!

TIS株式会社
産業事業統括本部ビジネスシステムコンサルティング事業部
エンタープライズリソースマネジメント第1部 シニアコンサルタント
大畑 敦嗣

今回、王子ビジネスセンター様の協力を得て、IFRS適用時の連結拡大範囲の幅が大きいといわれる王子製紙様に向けて、重要課題の抽出や対応準備をいつから実施する必要があるかについて、明確に提示することができました。
TISの「IFRSアセスメント企画立案サービス」は、会計業務に関する豊富な知識と、基幹システムの構築・運用の実績とノウハウに基づいて、調査・分析を行います。経営や業務プロセス、そしてIFRS適用のキーとなる情報システムに関して、バランスよく調査・分析を行い、意思決定に必要な情報が経営層にも把握できる視点に整理して、結果を提示。こうしたこともTISのアセスメントを利用する大きなメリットだと自負しています。
監査法人などが行うアセスメントでは、会計基準の差異を精致に調査するやり方もありますが、IFRS適用の全体感、規模感を把握するためには、短期間で負担をかけない程度の工数で調査を実施し、IFRS適用の影響が把握できるTISのサービスは、現実的な解ではないかと思います。
IFRS適用を、社内の業務改革のチャンスととらえて取り組むか、最小限の制度対応を優先するか、各企業の状況によって考え方はさまざまです。ビジネスへの影響範囲を大づかみにして方向性を決めるためにも、早い段階でアセスメントを受けることをお勧めしたいと思います。

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更新日時:2016年10月6日 16時15分

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