松竹株式会社様

ブラックボックス化した既存システムを仮想環境に移行し、
運用負荷を大幅軽減

映画の製作・配給、歌舞伎の製作・興行などを手掛ける松竹では、サーバの老朽化やブラックボックス化などの問題を抱えていた業務システムの延命を図るべく、TISの企業向けIaaS「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」を利用し、仮想環境への移行を実施。システムの可用性を向上するとともに、高額な設備投資が不要となり、煩雑な運用管理からも解放されました。

社名 松竹株式会社
設立 1895(明治28)年
事業内容
  • 映像部門:実写およびアニメ・特撮映画の製作・宣伝・配給、海外製作映画の買付・宣伝・配給、映画館の運営、番組編成等
  • 演劇部門:歌舞伎や一般演劇の企画・製作・興行、直営劇場の運営、演劇に関わるライツビジネス等
  • 事業部門:不動産事業、劇場用プログラムの編集・製作・販売、キャラクター商品の企画・製作・販売等
URL

課題

老朽化、ブラックボックス化していたシステムの延命が急務に

1895年の創業以来、歌舞伎をはじめとする日本固有の伝統芸能に深くかかわるとともに、日本映画の草創期から映画制作に携わり、数々の名作や話題作を世に送り出してきた松竹株式会社。映画作品に関する膨大な情報を蓄積した作品データベースをはじめ、全国の映画館に上映フィルムを安定配給するための在庫管理システムや、効果的な宣伝プロモーション活動を展開するための宣伝浸透度調査システムなど、多岐にわたる情報システムを構築し、ビジネスに積極的に活用してきました。
そんな同社の情報システムの中でも、過去の映画作品に関する膨大な情報を記録した作品データベースについては、長年にわたり担当者不在のまま受け継がれてきました。そのため、アプリケーションの設計や仕様に関する情報が少なく、更改するのも困難という、いわばブラックボックス化している状態でした。さらに、作品データベースを含む複数のシステムに関して、老朽化したサーバ機器類を長年にわたって使い続けており、いつ故障してもおかしくない深刻な状態にあるなど、システムの信頼性確保が急がれていました。 そこで松竹は、ブラックボックス化していた作品データベース、および在庫管理と宣伝浸透度調査の合計3つの業務システムを対象に、システムの中身はそのままで、稼働する環境を自社保有の物理サーバから外部サービスの仮想環境へ移行することを検討。安定したサーバ環境のもと既存システムの延命をはかることで、可用性を向上したいと考えました。
システムの延命を必要とした背景について、松竹のシステム室インフラ担当 山﨑敬之氏は、次のように語ります。「全国の映画館に上映フィルムを配信するなど、毎日の業務に不可欠な基幹システムであり、そう簡単に停止できない状態でした。また、長年にわたり築き上げてきた松竹独自のノウハウが組み込まれており、市販パッケージなどで再構築するのは困難なことから、既存システムをなんとか延命したいと考えました」
そこで、同社がこの課題解決のために利用することを決めたのが、仮想環境を含めたコンピュータリソースを用途や規模に応じて必要な分だけ「サービス」として利用し、それに応じて従量制で料金を支払う、「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」でした。

提案

「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」の高品質な仮想環境のもと、信頼性を確保

TISは、2004年から自社のデータセンターで、松竹の業務システムのサーバ設備を預かり、運用保守についても受託していました。その後も新規サービスの提案などを通じて定期的なやりとりを重ねる中で、2010年2月ごろに、作品データベースの延命について相談を受けたのです。その解決策としてTISは、当時、サービス開始を目前に控えていた自社開発の企業向けIaaSである「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」を用いて、物理サーバから仮想環境への移行を図ることを提案しました。
TISの「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」は、企業での利用に堪える高い可用性と柔軟性を有しており、高信頼なデータセンターのもと、企業のITシステムを対象としてサーバ環境やネットワークサービス・運用機能をオンデマンドで提供するサービスです。TISは、日ごろの運用管理を通じて蓄積してきた松竹の業務システムに関する豊富な運用知識や、同じTISのデータセンター内で効率よく移行できるという強みを最大限に生かすとともに、SIerとしての長年にわたる実績や技術力に基づき仮想環境のもとで詳細な動作検証を行い、信頼性の確保に努めることを、システム構築の方針として提示しました。
そうした提案に対する感想も含めて、「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」の選定理由について山﨑氏はこう話します。 「既存サーバを預けてあるTISのデータセンター内で、セキュアな環境のもとに移行作業が完了するのは、他社と比較しても大きなアドバンテージでした。TISの高い技術力や実績は今までの運用管理から理解していましたし、VMwareの仮想化技術に基づく仮想環境の構築ということで、サービスの内容も十分に信頼に足るもの。さらに、移行に際して詳細な動作検証を行うという提案でしたので、それなら安心して任せられると判断したのです。サービス自体のランニングコストも安価だったこともあり、『TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service』のサービス開始に合わせて導入を決めました」
こうして、サービス内容や費用に加えて、万全な移行に向けたTISの積極的な姿勢が評価され、「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」を用いた仮想環境への移行を図ることとなりました。

解決

詳細な動作検証や先進機能を用いたスムーズな仮装環境への移行

ブラックボックス化していた作品データベースを含む、松竹の3つの業務システムの延命に向けて、「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」の仮想環境へ移行を行うことになったTISでは、システムの信頼性を確保するために、3段階の検証作業を含めた移行計画を作成しました。具体的な検証作業として、第1に、既設の物理サーバ上のシステムを仮想環境上に移行したパイロット環境を構築して、動作確認を行う検証作業。第2段階として、そのパイロット環境において、業務システムを実際に利用するエンドユーザが参加し、実運用に支障が出ないことを検証する作業。そして最後に、実際の本データを移行して安定稼働を確認する検証作業。以上の3段階のステップで、業務アプリケーションのあらゆる機能について、仮想環境上で支障なく動作するかどうかを確認するため、松竹とTISは共同で詳細な検証作業を開始したのです。不具合が検出された場合はTISが原因を調査し、最終的にそれらの動作を担保しました。
「システムがブラックボックス化していたこともあり、果たして無事に移行できるのか、当初は懸念もありました。しかし、いざ実施してみれば、エンドユーザが参加した社内検証のスケジュール調整にやや手間を要した程度で、全体としては驚くほどスムーズに検証を終え、仮想環境への移行を図ることができました。TISのSIerとしての経験やノウハウ、そして高い技術力がフルに生かされた結果だと評価しています」と山﨑氏は振り返ります。
なお、ブラックボックス化していた作品データベースの移行については、TISで実績のある移行ツールを用いたP2V(Physical To Virtual)を実施することにより、システムの中身に影響を与えずに、仮想環境への移行を実現しています。また、対象システムはすべてTISのデータセンターにて運用されていたため、データセンター構内回線を利用することで安全かつ効率的に移行を実施することができました。こうして、先進機能の活用や3段階にわたる綿密な検証作業により、作品データベースを含む3つの業務システムは、信頼性が確保された仮想環境への移行を無事完了しました。

図表1:TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service移行後のシステム構成イメージ

効果

運用管理に要する手間から解放されたメリットは絶大

こうして2010年4月から7月にかけて行われた詳細な検証作業ののち、同年8月には「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」の仮想環境上で、作品データベースを含めた3つの業務システムが稼働を開始しています。これらのシステムは、自社で新たにハードウェアを導入してシステムを構築するよりも、移行の初期コストを大幅に削減することができました。また、システムの基盤が運用作業を含めたサービスとして提供されるため、日常の煩雑な運用管理から解放されるとともに、データセンターにサーバ機器をハウジングして運用保守を任せた場合の費用と比較して、大幅な運用コストの削減を実現しています。さらに、当初からの懸念事項であった信頼性、可用性を大きく向上させると同時に、実際の業務に利用する社内のエンドユーザからは、「使い勝手は変わることなく、システムのレスポンスが大幅に改善された」との評価を得ています。
「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」による仮想環境移行の効果について、「大幅なコスト削減効果が得られたことに加えて、サーバ更改や運用保守など、気苦労の多かったサーバ類の運用管理の手間から解放され、手離れできたメリットは大きいですね。これからはミッションクリティカルな基幹業務についても、クラウドなど外部サービスを積極的に活用していくことを検討しています」と山﨑氏。今後の展開として、他の業務システムについても、サーバ更改時期に合わせて「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」への移行を図るとともに、新規ビジネスの立ち上げに伴うサーバ導入の際にも、仮想環境上で構築することで、イニシャルコストや運用管理コストの低減を図っていきたいと松竹は考えています。TISでは引き続き、データセンターを活用したサービスの提供や、技術力を駆使した先進サービスの提案を通じて、松竹のコスト削減やビジネスに貢献していきます。

お客さまの声

手間とコストが省ける「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」

松竹株式会社
システム室インフラ担当
山﨑 敬之 氏

今回、ハードウェアが老朽化し、ブラックボックス化していた作品データベースを含めて複数のシステムをまるごと仮想環境に移行したことで、システムの可用性向上が図れ、新たなサーバ購入に要する費用を大幅にカットすることができました。移行にあたってはTISの担当者が検証作業に尽力してくれたおかげで、本当にスムーズだったことが印象に残っています。必要なコンピュータリソースをサービスとして利用できる「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」は、コストパフォーマンスに優れたサービスであり、ハードウェアの煩雑な運用管理からも手離れできて、その上で稼働する業務システムだけに専念できるメリットは予想以上に大きいですね。
当社ではすでに社内のメール環境についても外部のクラウドサービスを導入しており、社員はごく当たり前のように普段の業務に役立てています。もはやミッションクリティカルな基幹業務についても、クラウドなど外部サービスを積極的に活用する時代。TISには今後とも、長年にわたる実績と高い技術力を生かして、企業や社会にとって何が必要で重要なのかを真剣に考え、従来のビジネスモデルにとらわれない革新的なサービスの提供で、私たちのビジネスに貢献していただくことを願っています。

TIS担当者から

TISの技術力を生かした動作検証でスムーズに移行

TIS株式会社
IT基盤サービス事業部 IT基盤サービス第3部
野田 透

松竹様の業務システムの検証作業については、ブラックボックス化していたということで、いわばモグラたたき状態でアプリケーションの動作確認に当たらざるを得ませんでした。しかし、多忙なエンドユーザの方々にもご協力いただいて綿密な移行計画を立て、詳細な検証作業を実施したことで、仮想環境へのスムーズな移行を図ることができました。
TISには、SIerとして積み重ねてきた実績やノウハウがあり、アウトソーサーとしての高信頼なサービスプラットフォームを有しています。今後も、高信頼なデータセンターやVMwareの仮想化技術に基づく高品質なクラウド基盤のもと適切な検証作業を迅速に行い、物理サーバから仮想環境へのスムーズな移行を実現していきます。ミッションクリティカルな基幹システムを安心して任せられるビジネスパートナーとして、可用性の向上やコスト削減に貢献したいですね。

“持たないメリット”を実感できる「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」

TIS株式会社
IT基盤サービス事業部 IT基盤サービス営業部
藤原 尚

TISのオンデマンドサービス「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」は、コンピュータリソースを、用途や規模に応じて必要な分だけ「サービス」として利用できます。当社のデータセンターをご利用のお客さまはもちろん、現行システムの情報に乏しく、リプレースも困難なレガシー環境を抱えているお客さまにも最適なサービス。課題解決を図り、システムの信頼性を確保できます。
たとえるなら、転勤などで急遽、引っ越しを迫られた際に、新たに土地を購入して新築の一軒家を建てるより、既存のマンションに引っ越したほうが早く快適に住めるようなもの。今回の松竹様のようにブラックボックス化したシステムであっても、システムの中身に影響を与えることなく仮想環境に移行することが可能です。システムの運用管理から解放される手離れのよさや、“持たないメリット”を実感していただきたいですね。

  • ※TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
  • ※その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2016年10月6日 16時26分

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