学校法人大和学園様
全ての人が使えるフルオープン構想に基づいて、ゼロベースで情報共有システムを再構築。
京都市内で「栄養医療」「調理師」「製菓技術」「ホテル・旅行」「生涯学習プログラム」とホスピタリティ産業向けのさまざまな教育事業を展開する学校法人大和学園様。より充実した教育環境を構築するために、ゼロベースで情報共有システムを再構築することになった。
社名 | 学校法人大和学園 |
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設立 | 1931年2月 |
事業内容 | ホテル・旅行・ブライダル分野をはじめ、管理栄養士、栄養士、栄養教諭、医療秘書、診療情報管理士、調理師、製菓衛生師を養成する専門学校教育 |
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人の和の広がりを大きく強めるシステムへのニーズ
"アカデミー・オブ・ホスピタリティ"という言葉で、教育機関としての向上心の大切さや、新しい可能性を拓く学園の姿を目指す学校法人大和学園様(以下、大和学園様)。「学校の関係者すべてが顧客、学生も顧客ですよ」とは理事長 田中氏の言葉である。
現在、大和学園様は各種専門教育のほか、「キャリエール」というブランドで生涯教育事業などを推進している。校舎はまるで専門学校とは思えない美麗な外観で、中にはいるとホテル以上に美しいエントランスがあり、さらに驚かされる。
独創性あふれるこの学園を1931年に創立した田中二郎氏は、建学の精神として「人の和の広がりを大きくし、もって人類の福祉増進に寄与する」という言葉を残している。この精神は、受講生に対して、学ぶ喜びや共感を早発する教育に重点を置くことから始まり、人を幸せにするおもてなしの心に富んだ"ホスピタリティ産業のスペシャリスト"育成への取り組みに還元され現在も息づいている。
これは情報のシステムに関しても全く同じだ。大和学園様には、それまでオフコンで構築された成績や入試、会計のシステムが導入されていた。しかし、限られた一部の人間しか使えない設計であり、自由度も無い。そこで、これをオープン系のものに置き換えていこうというプロジェクトが始まったのだ。
誰にでも使える、誰もが全ての情報にアクセスできるシステム
同学園が理想としたシステムについて、学校法人大和学園 学園理事・事務局長 杉山利隆氏はこう語る。
「私たちが欲しかったのは"誰にでも使えるシステム"です。専門家を必要とせず、誰もが自由に、全ての情報にアクセスできるというのが理想ですね。」
これまで導入されていたオフコンのシステムは、制限が多く、利用できる人間も限られていた。
「それでは全く意味がない。私たちが必要だと感じたのはフルオープンの情報システムなのです。こういった要求に対し、いくつかのベンダーが技術を中心に提案してくださいましたが、そうではない。それで、新しい組織でゼロから進めようと言うことで、企画提案要求(RFP)を作成して、コンペを行ったのです。」
この提案に参加した6社の中に、それまで大和学園様とコピー機などの導入で取引のあった富士ゼロックス京都支店様(当時名称)があった。富士ゼロックス株式会社はソラン※1と共同で、大和学園様の要求に対するシステムを検討し、提案としてまとめ上げていった。
最終的に大和学園様は、この提案を採用することになる。学園理事・事務局長 杉山氏は、その利用をこのように語る。
「この2社の提案は、明らかに他と比べあか抜けていた。業務を理解して、何を解決すべきかが分かっているようだった。」
スタッフ全員参加のシステム開発
大和学園様が要求した新システムの骨子は"ワンソース・マルチユース"の原則に立ったものだった。当時、情報はオフコンだけでなくPCや手書きの台帳に分散されるという散々たるものだった。主に、学生名簿を中心に、それをデータベースで一元管理し、自由に加工編集ができるようにする。当然、さまざまなシステムとの有機的連携も視野に入れられた。
実際の導入や運営に携わった学校法人大和学園ご担当者様は、プロジェクトの進行についてこう語る。
「ITのシステムは経営から現場まで全てのスタッフの仕事に影響を及ぼすものです。だからこそ一斉に進める必要がありました。そこで、このシステムの提案者である理事長・田中が強力にトップダウンでの導入を推進したのが大きな勢いになりました。
そのため、ネットワークシステムの検討委員会を編成し、全員で議論を進めていくことができたのです。」
困難を極めた検討委員会だったが、全員参加により要求はかなりのレベルで実現できた。
「業務スピードは圧倒的に速くなりましたね」(学園理事・事務局長 杉山氏)
今では、システムがスタートしてからも2ヵ月に1回のペースで、活用に関する検討委員会が開催されている。また業務単位での委員会なども平行して行い、ネットワークの有効活用を継続的に推進しているのが現状だ。
社内向けの情報システムを構築した大和学園様は、今後、学生や出身高校の担任、就職先の担当様との情報共有も進めていきたいと考えている。
「ここまで複雑なシステムはコストが跳ね上がるのが常です。けれども、ソラン※1さんは積極的に内部の事情を察して、辛抱強く仕事をこなしてくれています。また、以前のシステムでは技術者とのコミュニケーションが大変でしたが、ソラン※1さんに対しては、自分たちの言葉で要求をぶつけられるのでやりやすいです。この姿勢で、是非今後とも末永くお願いしていきたい。」と語る法人事務局 法人事務局長 杉山氏は、今後の目標についての話で結ぶ。
「現在、同学園は京都市内4箇所に拠点が分散しています。京都栄養医療専門学校、京都調理師専門学校、京都製菓技術専門学校、キャリエールホテル旅行専門学校とそれぞれ異なるプログラムを提供していますが、今後の目標は、これら全てを集約した"集合キャンパス構想"です。これは業務から、情報サービスまですべてを、統合する必要がある。是非、その成功に向けて、今後もご協力頂きたい。」
担当者の声
学校としてシステムの戦略的なビジョンを掲げられているのでご提案がしやすかったと思います。顧客のもてなしという視点で、これからも学園のニーズをくみ取り、さまざまなアイディアを提案しながら良いパートナーになっていきたいと思います。
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