横河電機株式会社様

RPAによる業務自動化で対象業務(定型オペレーション)の作業時間『8割削減』に成功

石油・化学等のプラントを支えるセンサー・制御システムを手がける横河電機株式会社(以下、横河電機)は、ERPを中心とした間接業務の増大を課題としていた。TISは、ソフトウェアロボットで業務を自動化するRPAソリューション「Automation Anywhere」導入を支援し、対象業務の作業時間の大幅削減を実現した。

※RPA:ソフトウェアロボットで、業務を自動化する取り組み。ロボティック・プロセス・オートメーションの略。

本社 東京都武蔵野市中町2-9-32
創立 1915年
資本金 434億105万円 (2017年3月末現在)
事業内容 制御事業、計測事業、航機その他事業
URL https://www.yokogawa.co.jp/
横河電機株式会社様

課題

急増する間接部門のオペレーション業務

横河電機は、石油・化学・薬品などのプラント内を流れる、液体や気体をコントロールするセンサーおよび制御システムを手がける国内最大手。世界60カ国でビジネスを展開し、制御システム分野で世界トップを狙うポジションにある。
近年、同社のコーポレート系の間接部門では、増え続けるオペレーション作業による人手不足が課題となっていた。グローバル業務革新本部の新井卓氏は「特に多い作業は、海外拠点にガバナンスを効かせて品質を管理するための、ERP関連業務です。中期経営計画『Transformation 2017』の3つの重点項目の一つとして、“高効率グローバル企業への変革”を掲げており、業務の標準化による生産性の向上や高付加価値業務へのシフトが必須に。その具体的施策の一つとして、「RPA」の導入を決めました」と語る。
2016年夏、横河電機は『働き方改革』の一環として、業務効率の向上を掲げ、当時国内で注目を集めはじめていた、ロボットで業務を自動化するRPAの導入を計画。10月に検討チームを立ち上げた。チームの一員、グローバル業務革新本部の神崎健氏は「たとえば、Excelファイルで受け取った申請書の内容をERPに登録するといった定型作業を自動化できるのではと考えました」と語る。
そして2016年11月には、社内環境への適応性を確認するため、海外でメジャーなRPAソリューション「Automation Anywhere」のトライアルを行った。「同製品は、SAP ERP、オラクル製品、Microsoft Officeなどに幅広く対応しており、当社業務との相性のよさが選択の決め手でした」(神崎氏)。

選択

自社内でRPAを導入・検証しているTISへの期待

2016年11月のトライアル開始と同時期に、横河電機は来るべき本番導入に備え、ITパートナー選定に着手した。グローバル業務革新本部の永井晶子氏は「TISを知ったのは、付き合いのあるコンサルティング会社の紹介がきっかけです。実際に『Automation Anywhere』を社内で業務利用していると聞き、TISを訪問してみることにしました」と語る。
最終的に、複数社からTISを選択した理由をこう語る。「TIS はRPAを自社で利用していることに加え、検証実績と技術力も十分。また、ロボットに業務を代行させる際、セキュリティや権限の取り扱いなど、IT統制のルールを整備する必要があるため、TISの知見に期待しました」(神崎氏)。こうして2017年1月のトライアル期間終了と同時に、TISを本番導入のパートナーとすることが決定した。
横河電機のチームは、設計フェーズの開始に先立ち、約1カ月をかけRPA導入に向けた社内でのガバナンス整備やルール策定に取り組んだ。「ロボットにERP等を操作させるには、人事システムに“社員”として登録しアカウントを割り当てる必要があります。当社初のことであり、人事部門や情報システム部門と、セキュリティポリシーや権限のあり方を話し合いました。その際TISには、どう説明するのが適切かなどアドバイスをいただき、社内調整をスムーズに進められました」(神崎氏)。この準備段階の約1カ月間、TISは自動化する業務の選定、ROI(投資収益率)確保に向けたシミュレーションなど、上流工程全般での支援に携わった。

導入

業務フローを最適化し、ロボットを設計・開発

今回、RPAを導入するのは、本社およびグループ会社のコーポレート部門。ERPを中心に、Excel、メール等を連携させ、約60分を要する複雑な作業など、2つが選定された。グローバル業務革新本部の富澤直之氏は「どれも、ERPで多くの画面遷移がともなう作業で、これまで担当者は作業途中に電話にも出られませんでした。まずスモールスタートで、この2つの作業を自動化し、効果を検証後に対象領域を拡大していく計画としました」と語る。
2017年5月からは、横河電機のチーム、TIS、業務部門のエンドユーザーの三者が協力し、現行の操作手順の可視化がスタートした。「TISはエンドユーザーへのヒアリングを通じて業務内容を理解した上で、“どの段階でどのボタンを押すのか”といった手順をワンステップずつ聞き取り、手順書を作成していきました」(永井氏)。この際、ロボットによる処理が最も行いやすい順番にプロセスを入れ替えるなど、RPAへの最適化も行われた。
その後、TISは「Automation Anywhere」上でロボットの設計・開発に着手。開発自体は数週間で完了した一方、山場となったのが本番前のテストであった。接続先システムの状況やPCの負荷状態によって、まれに自動処理が止まってしまう事象が発生。TISは、エラー発生をほぼゼロに抑えるため、チューニングに取り組んだ。「たとえば接続先システムの画面応答が安定しない場合に、その状態を捉えてどのように実装すれば継続して安定動作するかなど。はたから見て終わりが見えないほどのチューニングを行ったことで、初めて実用に耐える品質が確保できたのだと思います」(永井氏)。

効果

対象業務(定型オペレーション)の作業時間を8割削減

完成したソフトウェアロボットは2017年7月から本番稼働を開始した。「ロボットは2種類あり、社内の人事システム上に “ワイロボはやて”と“ワイロボこまち”の名前で登録されています。導入部門では『新人社員が入ってきたようだ』との声もあり、愛着をもって受け入れられています。完了報告メールはロボットが差出人となり送信されるので、社内で広くロボットの存在が知られるようになってきています」(富澤氏)。
今回RPAを導入した2部門での成果について、「人間が1回60分かかっていた作業をロボットに代行させることで、時間を8割削減でき、期待どおりの効果です。また、導入部門のエンドユーザーは “複雑な手順を間違えてはいけない”というストレスから解放され、ロボットを歓迎しています」(神崎氏)。
また、RPA導入の副次的な効果として、作業プロセスの可視化を通じ、ムダな手順を排除できたという。「ある作業では、最後に紙の台帳に記入する決まりがありましたが、実は慣例に過ぎず省略して問題ないものでした。プロセスそのものをシンプル化することで、自動化の効果を最大化できました」(永井氏)。
今回の導入報告を受けた、経営層からの評価は大きいという。「特に期待されているのが、人財の活用です。バックオフィスに余力が生まれることで、人財をより生産性の高い業務へシフトしていくことも可能になります」(富澤氏)。現時点では、自動化の対象は入力オペレーション業務だが、今後はBIツールによる売上レポート出力などへと対象業務を拡大・高度化していくことを検討している。「TISには、これからもRPAのスケール拡大を支援いただきつつ、AI技術を組み合わせた業務効率化のアイディアなど、新しい提案にも期待しています」(永井氏)。

業務の自動化イメージ(例)

業務の自動化イメージ(例)

お客さまの声

(左から)富澤 直之氏、新井 卓氏、永井 晶子氏、神崎 健氏

(左から)

横河電機株式会社 グローバル業務革新本部

企画推進1部 マネージャー 富澤 直之氏

企画推進1部 マネージャー 新井 卓氏

企画推進部 永井 晶子氏

企画推進部 神崎 健氏

最初にTISを訪問して話を伺った際、信頼できる会社で、長いお付き合いができそうだと感じました。今回、非常に複雑なオペレーション作業を自動化することになり、TISの担当者には大きな苦労をかけたと思います。困難な状況の中、“同じ一つのチーム”という意識で、前向きにプロジェクトを引っ張ってくれたことに感謝します。当時、「Automation Anywhere」の導入企業は少なく情報も非常に限られていたのですが、TISは我々からの技術的な疑問に対し「ここまで調べてくれるのか」というほどきめ細かく対応してくれたことも印象に残っています。(永井氏)

TIS担当者から

梅木 康信

TIS株式会社
サービス事業統括本部 エンタープライズソリューション事業部
アプリケーションテクノロジーソリューション部
主査 梅木 康信

古宮 詩織

TIS株式会社
サービス事業統括本部 エンタープライズソリューション事業部
アプリケーションテクノロジーソリューション部
古宮 詩織

お客様が、ロボットを新入社員のように迎え入れ、みんなで育てていこうという意識を持たれていることをうれしく思います。プロジェクト成功の一番の要因は、グローバル業務革新本部のみなさんが、初期段階で情報システム部門や人事部門などの意見をうまく調整していただいたことに尽きると思います。
RPAは開発を終えてからが本番といえ、業務に支障が出ないレベルで安定動作するように非常に細かなチューニングが必要です。本番稼働の日は、ロボットが無事に作業をこなすのを確認し、ようやく安心できました。
今後は、RPAの適用範囲の拡大をお手伝いすることに加え、そこで習得した業務・システムの知識を活かして、RPAに限らない改善提案をしていければと思います。

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※ その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2018年6月5日 17時43分

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