サントリービジネスシステム株式会社様

ユーザー部門に密着した開発体制でサントリー初のRPA導入を支援

サントリーグループでは、ルーティン業務の負荷を削減し、社員が高付加価値を生む業務に集中できるよう、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の国内グループ会社への導入を計画した。先行導入を兼ねるPoC実施のパートナーとなったTISは、ユーザー部門に密着した体制で、ソフトウェアロボットを設計・開発。緻密なチューニングで安定した自動処理を実現し、全社展開への前進に貢献した。

本社 大阪市北区堂島浜2-1-40
創業 1899年
資本金 700億円 (2018年4月末現在)
事業内容 酒類関連事業、食品関連事業 等
URL https://www.suntory.co.jp
(上記はサントリーグループ企業情報)
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背景

社内業務の自動化によるワークスタイル改革を目指す

飲・食を中心に、グローバルに事業を展開するサントリーグループでは、国内グループ会社にRPAを展開する取り組みが精力的に進められている。プロジェクトを推進するサントリービジネスシステムの神田浩志氏はこう語る。「2016年の後半頃から、雑誌やWebでRPAの記事を目にすることが増えていました。グループ内での我々のミッションはBPR(業務改革)の推進であり、RPAを検討しない手はないと思い、2017年1月に社内チームを立ち上げました」。そして、同年7月から、現場で数カ月におよぶPoCを実施する計画が立てられた。
PoCに先駆け、4月〜6月にかけては、導入支援パートナーおよびツール選定が行われた。数社の候補からTISを採用した理由について「TISはサントリーの基幹システムの構築・運用保守を長く手がけていて、気心が知れていますし、RPAの支援実績も豊富でした」(神田氏)。また、TISが提案したツール「Automation Anywhere」については、「業務で比重の高いExcelとの相性のよさ。加えて、サーバによる中央集約型であり、ローカル環境にいわゆる“野良ロボット”が増殖するのを防げる点も評価しました」。
PoCを兼ねた先行導入部署として選ばれたのは、大阪の営業サポートセンター。本施策でSI領域を管轄するサントリーシステムテクノロジーの塚本博史氏は、対象業務についてこう説明する。「同センターは、営業を支援するバックオフィスであり、人手のかかるルーティン業務が多く存在していました。その中から、サーバからデータをダウンロードして定型の加工を行うといった、人間の判断を必要とせず、マニュアル化が可能な作業を候補としました」。

導入

ユーザー部門に深く入り込んでロボットを開発

PoC開始にあたっての最初の課題は、ユーザー部門にRPAの概念を理解してもらうことだったという。「人間型の機械ロボットを連想する人も多く、“ロボットはどこにいるのか”という質問が多かったですね。説明に試行錯誤した結果、『透明人間が代理で作業するようなイメージです』という表現が、一番納得してもらえたようです」(神田氏)。
ロボット開発の進め方で重視したのは、ユーザー部門との“距離を縮める”ことだったと神田氏は言う。「担当者によっては、我々の予想もしない手順でシステムを使っており、それらをヒアリングしてマニュアル化しない限り設計段階へは進めません。これまでのIT部門主導のシステム開発とは、まったく違うアプローチだと感じました」。
一人ひとりの業務を標準化して設計に反映していくため、TISは業務現場に開発者を常駐させる体制を敷きヒアリングを開始した。塚本氏はその様子をこう振り返る。「TISのメンバーは、我々でも分からない業務用語が飛び交う中に、物怖じせずに入っていけるのはすごいなと。開発が軌道に乗るまでは現場との壁があったようですが、次第にユーザー部門に“TISは信頼できる”という認識が広がって、飲み会にも声がかかるほど。このエンドユーザーとの近さが、TISの強みなんだと思いました」。
ロボットには社員と同様に、社内システムやメールのアカウントが付与されるため、誰がロボットを管理するのかといった内部統制上のルール策定も並行して行われた。「現場や総務部と話し合い、TISからは経験に基づく助言をもらいつつ、走りながらルールを整備していきました」(神田氏)。

対策

複雑に絡みあうエラー原因を一つずつ究明

自動化を試みた業務の一つに、大手スーパーのWebサイトからPOSデータをダウンロードし、加工する作業があった。「入手したPOSデータは、クレンジングして規格を統一後、社内DBサーバへ登録。さらにそこから必要な情報を抽出し、Excelでレポートを作成してメール送信するという、外部サイトも絡む複雑な作業です」(塚本氏)。
テスト開発した最初のロボットは、エラーによる動作停止が頻発。塚本氏はこう振り返る。「ロボットは思った以上にデリケートだと感じました。たとえばブラウザ画面で“あるボタンを押す”という設計をした際、自動操作が速すぎて、画面が表示し終わらないうちにボタンを押そうとしてエラーが起きてしまう。TISでは、ボタンの表示を待つ仕組みや時間設定を加えるなど、段階的にチューニングを行うことでエラー回避に取り組んでいきました」。
このように、ロボットの設計では、クライアント端末ごとの環境も考慮したチューニングが求められるが、今回、サントリー社内のIT環境を熟知するサントリーシステムテクノロジーの参画が成功要因の一つとなった。
また、エラーによっては、原因自体がどこにあるかを突き止めることが困難を極めた。「設計ミスなのか、ユーザーの手順が間違っているのか、あるいは外部サイトの仕様が原因なのか。その可能性を一つずつ、つぶしていくしかありませんでしたが、TISはあきらめずに取り組んでくれました。私も、解決の手がかりがつかめればと、パソコンの前にビデオカメラを設置して画面遷移を記録し、TISに提供したこともあります」(塚本氏)。
こうして、初回の自動化テストでは5割未満だった成功率は、TISの粘り強いブラッシュアップにより、最終的に9割以上まで引き上げられた。

効果

高付加価値を生む業務へのシフトが実現

2017年11月、約5カ月にわたるPoCは完了。RPAを先行導入した部門では、どのような効果がもたらされたのか。神田氏は「日々、1時間程度行っていたルーティン業務をロボットが代行することで、営業は外に出る時間が増える、戦略を立案する社員は頭を使って経営戦略を練るといったように、本来割くべき業務へシフトできています。また、日々行う定型業務が減ったことで有給休暇を取りやすくなったという声も届いています。RPAの効果を信じて取り組んでいますが、実際にユーザー部門の声を聞き、有効なツールであることを確信しました。成果報告を受けた経営層からの期待も確実に高まっています」(神田氏)。
2018年に入ってからは、各ユーザー部門にRPAの存在を情報発信していくため、サントリーHDの人事部と共同で周知活動を行っている。「情報発信は、IT部門だけでは限界がありますから。人事部を通じて、各部門ごとの働き方改革推進リーダーにRPAを告知し、自動化を希望する業務を募るというサイクルを回しています」(神田氏)。現場からあがってきた業務のうち約8割が、生産・販売管理等の基幹システムからデータをダウンロードし、Excel等で加工しレポートを作成する作業だという。「現場からは『早く使ってみたい』という声が多いですね」(神田氏)。
神田氏はRPAの全社展開について「定型業務を巻き取る第一ステップにあたる2018年度は、グループ計で3.5万時間の社内業務削減を目標にしています。来年度以降のステップでは、AIなどを組み合わせた新しいRPAのかたちを考えて、現時点では自動化できない業務を持つ部署にメリットをもたらすようにしていきたい。継続的にスパイラルアップしていくテーマですから、TISにはこの先も、RPAやAIを含むトータルな業務改善の環境づくりを提案いただければと思っています」。

2018年度のRPAグループ展開(予定)

2018年度のRPAグループ展開(予定)

お客さまの声

神田 浩志氏

サントリービジネスシステム株式会社
グループ情報システム部 課長
神田 浩志氏

塚本 博史氏

サントリーシステムテクノロジー株式会社
品質管理部 主査
塚本 博史氏

TISはメンバー編成・体制づくりが機動的で、こちらの状況を考慮しつつ、ベストの体制を提案していただきました。こうした戦略的な仕事の進め方がTISの強みだと感じます。
今回、普段見ることのできないユーザー部門の現場を経験できたことは、サントリーグループのBPR(業務改革)のあり方を常に考えている我々にとって、非常に貴重な機会になりました。
今はRPAは創成期にあたると思っており、5年先、10年先にはフロントエンドでAIが判断を下したうえで、作業をRPAに行わせるといった方向に進化し、より人間の仕事が効率化に向かっていくのではないでしょうか。TISは新しい技術も含めていろいろなところにチャレンジしていますから、我々だけでは対応しきれない技術面で力になってもらえればと思います。

TIS担当者から

藪本 浩一

TIS株式会社
サービス事業統括本部
エンタープライズソリューション事業部
アプリケーションテクノロジーソリューション部
主任 籔本 浩一

中村 登希

TIS株式会社
サービス事業統括本部
エンタープライズソリューション事業部
アプリケーションテクノロジーソリューション部
中村 登希

序盤はロボットの稼働率が上がらず時間を要した部分もありましたが、サントリービジネスシステム様、サントリーシステムテクノロジー様、ユーザー部門の皆さんと一体となった取り組みで、100%に近い稼働率を達成できました。実作業をされる方から「空いた時間を使って、違う仕事ができるようになってうれしい」とご感想をいただけたことが印象に残っています。
ユーザー部門の方との会話では、認識にギャップが出ないよう専門用語を言い換える等、コミュニケーションのあり方を改めて考える場面も多くありました。普段のシステム開発では得られない経験ができたと感じます。今後は、導入した「Automation Anywhere」の保守および安定性向上を第一のミッションとしつつ、長期的にはAIを組み合わせた新たなRPAの提案などで、対象業務の拡大をお手伝いしていければと思います。

※ TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
※ その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2018年8月21日 12時15分

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