大日精化工業株式会社様

SAP S/4HANAで基幹システムを統合
グローバル規模でデジタルトランスフォーメーションを実現

顔料、プラスチック着色剤、インキ・コーティング剤、ウレタン樹脂などの化学メーカーである大日精化工業株式会社(以下、大日精化工業)は、持続的な成長と経営資源の最適配置を目指してSAP S/4HANAを導入。TISの支援を受けてグローバル標準モデルを構築し、本社と国内のグループ会社、中国、タイの生産拠点に展開している。

本社 東京都中央区日本橋馬喰町1-7-6
創業 1931年10月16日(設立1939年12月20日)
資本金 100億3,900万円
事業内容 顔料、プラスチック用着色剤、印刷インキ・コーティング剤、ウレタン樹脂など
URL https://www.daicolor.co.jp/
大日精化工業株式会社様
大日精化工業株式会社様

課題

個別最適化が進み、経営情報の早期把握が困難

1931年創業の大日精化工業は、それまで輸入が主だった顔料の国産化にいち早く取り組んだ企業だ。現在、同社の合成技術や分散・加工技術は、自動車内外装部材や飲料・食品のパッケージ、液晶画面の保護フィルムなど幅広い分野に採用され、社会に「彩り」と「便利」を提供している。近年は経営方針に、海外売上高比率50%の達成、国内の生産体制拡充、「環境」「エネルギー」「パーソナルケア」「IT・エレクトロニクス」の分野への重点的な技術力注入などを掲げて事業を展開している。
同社の経営を支える基幹システムは、オフコンベースのスクラッチシステムで、東京本社、関西、東海地域などの事業所が個別に運用してきた。顧客との効率的な取引を主眼とし、各事業所に最適化されたシステムである反面、個別最適化と運用の属人化が進んでいた。また、グループ全体では単体決算や連結決算の迅速な処理も求められていた。原価や損益をいち早く把握し意思決定につなげるには、仕組みから見直す必要があった。
そこで同社はグループ全体でシステムを統合し、経営資源の最適配置と有効活用を図ることにした。情報システム本部 本部長の高橋睦人氏は「グローバル経営の推進に向けて、グループ全体の経営情報をリアルタイムに把握し、意思決定の迅速化を図ることが狙いです。さらに、システムを統合することで、国内外を含めたグループ全体のガバナンス強化も目指しました」と語る。

選択

業務に対する理解度の深さと提案を評価

大日精化工業は新たな基幹システムとして、海外を含めた化学業界で多くの企業が活用しているSAP S/4HANAを採用。複数のベンダーに提案を依頼した中から、TISを導入パートナーに選定した。TISが選ばれた理由は、化学系製造業向けテンプレート「TCM」を用いた導入手法や、化学業界の豊富な導入実績などに加え、決め手になったのは「率直な提案」だったという。導入時はプロジェクトリーダーを務め、現在は大阪製造事業所の所長である大前和浩氏は、次のように振り返る。
「TISは当社の業務全体に対する理解が深く、RFPをしっかり読み込んだうえで、明確にコストを試算して提示してくれました。プレゼンの内容もわかりやすく、大日精化工業と相性が良いという印象を受けました」
なお、TISは具体的な提案の1年以上前から大日精化工業を訪問し、新基幹システムの構想策定を支援してきた。さらに最新のERPソリューションであるSAP S/4HANAに関する勉強会を実施し、大日精化工業メンバーのSAP製品に対する理解をサポート。こうした取り組みもTISを選定する要因となったという。

導入

グループ統一の標準モデルを順次展開

導入プロジェクトは2016年7月にスタート。最初はグローバルを含めたグループ統一の標準モデルを構築した。中国の生産拠点を最初のターゲットに、2018年1月から稼動を開始している。並行して、日本の本社とグループ5社に展開して2018年10月から本稼動。続けてタイの生産拠点で2019年1月より稼動開始した。グループ展開のポイントについて業務推進室 執行役員 室長の駒田達彦氏は次のように語る。
「最初の導入先を中国としましたが、これは、事業領域が広く、人材面でも充実しており、システム環境も日本と類似していることから、トラブル対応能力を加味して選定しました。結果としてその経験を日本国内への展開に活かすことができました。さらに規模の大きいタイの工場にも横展開しました」
グループ統一標準モデルの構築では、TCMの導入方法論に基づき標準的な業務プロセスを維持し、アドオン開発の抑制に務めた。
「拡張性やメンテナンス性も考慮して、SAP S/4HANA本体は極力標準機能を維持しています。顧客とのデータ交換の部分は周辺システムとして、TISと要件を調整しながら作り込みました。稼動後に業務負荷が高くなってしまう機能については、TISの意見も聞きながら若干のアドオンを開発しています。特に、本社とグループ会社との会社間取引は、スムーズにデータ交換ができるように改善を進めています」(駒田氏)
今回のプロジェクトは、SAP S/4HANAの会計、販売、物流、在庫購買、生産、品質の管理モジュールをビッグバンで導入し、さらにWMS(倉庫管理システム)も新規で構築する大規模なものだった。ピーク時は業務部門やグループ会社の担当者、TISを含めて500名近くが参加し、プロジェクトの完遂を目指した。各業務部門のエース級が参加し、チーム一丸で進めたという。
「要件定義の段階で業務部門のエキスパートを集めて徹底的に要件を洗い出したことが大きかったと思います。プロジェクト中は現場への早期定着を図るため、業務領域ごとに教育チームを作り、全社統一の業務フローをベースに研修を実施しました。全国の教育チームをTISが柔軟に指導してくれたこともあり、若手のキーユーザーが育ち、稼動後はスムーズに新たな業務に移行することができました」(大前氏)

効果

経営管理の向上と損益管理の精緻化を加速

大日精化工業の新基幹システムは、当初の目的である経営管理の向上と損益管理の精緻化に向けて、確実に動き出している。今後は、顧客別や製品別に売上高や営業利益を見ながら業務や経営に反映させていく考えだ。
「経営情報の可視化に向けて現在は、BIソリューションのSAP BusinessObjectsを導入中です。今後SAP S/4HANAにデータが蓄積されていくことで、損益などもリアルタイムに見えるようになることを期待しています」(高橋氏)
プロジェクトを通じて業務プロセスの整理や標準化を進めたことは、グループの組織や社員の意識に変化をもたらした。それまで、各事業部単位で業務を見ていたものが、要件定義の過程で他の事業部とも意見を交わし、業務の流れを把握できたことで、客観的な視点が養われた。また、基幹システムの統合により、業務やオペレーションの標準化が実現。情報システム部門も、それまでの拠点別から業務機能別の組織となり、本社に要員を集約。システム運用の属人化が解消され、機能改善やバージョンアップにも不安なく対応ができるようになった。今後はTISからのスキルトランスファーを受け、自社でSAPシステム運用能力を高めていくという。
現在は、国内システムの改善などと並行しながら、他の海外関係会社への横展開に向けてシステム環境を調査している。さらに、全社でデジタルトランスフォーメーションを促進していくことも大きなテーマだ。最後に大前氏は「当社の業務を深く理解しているTISには、さらなるシステム活用に向けて継続的な支援を期待しています」と語った。

システム概要

システム概要

お客様の声

駒田 達彦 氏

大日精化工業株式会社
業務推進室
執行役員
室長
駒田 達彦 氏

大前 和浩 氏

大日精化工業株式会社
大阪製造事業所
事業所長
大前 和浩 氏

高橋 睦人 氏

大日精化工業株式会社
情報システム本部
本部長
高橋 睦人 氏

プロジェクト中は、TISの柔軟な対応に助けられました。システム変更が発生したときにも杓子定規にイエス、ノーではなく、それが本当に必要かどうかを判断したうえで解決策を提案していただきました。国内外の稼動時のサポートでも、必要に応じて要員を手配してくれたり、拠点の導入教育に参加してくれたりと、状況に合わせた対応を実施していただきました。
TISには今後も、ともに歩む姿勢で継続的なサポートをお願いしたいです。(駒田氏)

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更新日時:2019年7月10日 13時0分

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