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地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター(都産技研)様
株式会社東京ビッグサイト様

人とサービスロボットが協働する「東京ビッグサイト」の社会実装トライアルを支援

都産技研は、中小メーカー企業と共同開発したサービスロボットの実用性を検証するため、東京ビッグサイトと共同で約5カ月に渡る実証実験(社会実装トライアル)を計画した。システムインテグレーターとして加わったTISは、4種類のロボットを統合管理するシステム基盤を提供するとともに、準備〜開発〜運用までを一気通貫で支援した。

地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター(都産技研)様

本部 江東区青海2-4-10
設立 2004年
資本金 280億円(2020年3月31日現在)
事業内容 技術支援、製品開発支援、研究開発、産業人材育成 など
URL https://www.iri-tokyo.jp/

株式会社東京ビッグサイト様

本社 東京都江東区有明 3-11-1
設立 2003年
資本金 55億7,100万円(2020年3月31日現在)
事業内容 東京国際展示場(東京ビッグサイト)の運営・管理 など
URL http://www.bigsight.jp/
地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター(都産技研)様 / 株式会社東京ビッグサイト様
地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター(都産技研)様 / 株式会社東京ビッグサイト様

背景

中小企業にビジネスチャンスをもたらすサービスロボット

都産技研は、東京都が2004年に設立した、産業技術に関する試験、研究、普及および技術支援等を行う試験研究機関。そのミッションを都産技研の倉持昌尚氏は「企業の技術開発を支援するための研究開発を実施し、中小企業と一緒に製品化・事業化を目指していく。これによって産業振興を図り、都民生活の向上を目指しています」と語る。
都産技研は2015年、中小メーカー企業のサービスロボット事業への参画を後押しするため、ロボット産業活性化事業を開始した。「多くの大企業が、既に工場に産業ロボットを導入していますが、清掃・接客・警備などを担うサービスロボットの普及は始まったばかり。そこに、中小メーカー企業の新たなビジネスチャンスがあると考え、サービスロボットの開発から導入・運用まで、都産技研が中小企業をサポートしようというものです」(倉持氏)。
それから約5年の間、都産技研は30社以上の企業とサービスロボットの共同開発に注力。この取り組みの集大成として、サービスロボットの実用性を検証する実証実験を計画した。「協力企業の実務で数カ月間テスト運用し、ユーザーからの感想や、運用上の課題点を洗い出し、ロボット開発にフィードバックすることが目的です」(倉持氏)。

実証実験の舞台となった東京ビッグサイト

そして、この実証実験のパートナーとなったのが、年間来場者約1,400万人という国内最大の展示会場、東京ビッグサイトであった。同社企画広報課の大高康彦氏は、実証実験参加の経緯をこう振り返る。「以前から、清掃や運搬といった施設管理の業務で、人手不足が深刻な課題となっていました。3年ほど前、イベント出展者だった都産技研の方と話をする機会があり、ロボットを管理業務に活用できないか相談したことがありました」。
これがきっかけとなり、都産技研は東京ビッグサイトに対して実証実験への協力を打診。2019年11月から約5ヵ月間、東京ビッグサイトにおける「運搬」「清掃」「案内」「警備」の実務でサービスロボットをテスト運用する運びとなった。
今回、都産技研が利用を想定したのは、メーカーが異なる4種類のサービスロボットで、対象の4業務に振り分けて稼働させることを計画。そのため、複数ロボットの管理、現場からの要件ヒアリング、運用上の課題点の集約などを一元的に担う役割として、サービスロボットの知見を持つシステムインテグレーターの参画を募ることとなった。

準備

複数ロボットのインテグレーションを担うTIS

こうして、2019年5月、システムインテグレーターの公募がスタートし、最終的に選定されたのがTISであった。倉持氏は「まず条件として重視したのは、複数種類のロボットをインテグレーション、サポートするにあたり、技術面と体力面の両方で信頼できるレベルにあること。TISは、サービスロボットの実証実験の経験が豊富で、この条件は十分に満たしていました」。
そして、ユーザー企業や開発メーカーなど関係するプレイヤーとのコミュニケーション能力。「現場の作業担当者から要望を聞き、ロボットメーカーごとに異なる技術条件を反映し、一つのシステムにまとめ上げる役割が求められます。TISはそれまでの実績から、ロボットのコンサルスキルが信頼を置けるレベルにあると判断しました」(倉持氏)。
加えて、TISが自社開発した、複数のロボットを統合管理するプラットフォーム「RoboticBase(ロボティック・ベース)」にも期待がかけられた。「将来的に、異なるメーカーのロボットを連携させて作業を行うため、どのメーカーのロボットでもつながる共通システムが必須になっていくでしょう。今回は、各ロボットに連携作業を行う機能は実装されておらずテスト項目には含みませんが、将来への布石として、共通システムがどういうものかを知っておきたいという意図もありました」(倉持氏)。

実地調査とリスクアセスメントに着手

実証実験に向けた準備は、2019年7月からスタート。TISはまず、4種類のサービスロボットが、東京ビッグサイトの施設内のどの場所で自律走行が可能なのかを確認するため実地調査を行い、ロボットを配備できるフィールドを特定していった。
これと並行して、TISの過去の経験に基づき、ロボットに関するリスクアセスメント案が作成された。大高氏は「サービスロボットを稼働させることで、来館者や作業者、そして施設自体にどのようなリスクを及ぼす可能性があるのか。また、それを避けるには、どのような対策が必要なのかがまとめられたものです」と説明する。
三者が、このリスクアセスメント案に基づいて、ロボットを稼働させる場所や時間を協議し、計画を固めていった。「机上で仕様書を作成する段階では、現場で起こり得るリスクをすべて想定することはできません。TISが、現場の情報を踏まえたアドバイスを提供してくれたことで、後のリスク発生を未然に抑えられたと思います」(倉持氏)。

開発

実作業に求められる機能を追加開発

4種類のロボットの具体的な作業内容については、東京ビッグサイトで業務を受け持つ担当者からのヒアリング、実際の作業風景の見学で得た情報をもとに定められた。
ロボットの標準機能だけでは、現場で必要となる作業に対応できない場合は、都産技研がロボットメーカーに改良を依頼、あるいはTISによる機能追加で対応が図られた。「例えば警備ロボットでは、映像を遠隔監視できるよう、TISがカメラの組み込みを行いました。また、受付ロボットでは、案内に必要な追加コンテンツの開発をTISが担当しています」(倉持氏)。
各ロボットの運用状況を管理するモニタリングの仕組みについては、TISのプラットフォーム「RoboticBase」に搭載された機能を活用。警備ロボットの映像モニタリングや、清掃ロボットの清掃結果の集計などが、「RoboticBase」上で提供されている。

4つの管理業務でロボットが人をアシスト

実証実験を続けていく中で、現場から特に好評だったのが、運搬ロボット。これは、荷物を本体の積載部に載せ、前を歩く人を自動追尾して走行する機能を備えている。大高氏はこう説明する。「これまでは、廃棄物を一時保管場所へ運ぶ際、人間が台車を押して片道300mほどの距離を運んでいました。廃棄物の重さは最大で100kg程度になるので、かなりの労力が必要でした。このロボットがあれば、人は先導して歩くだけで済み、コーナーを曲がるといった動作にも、運搬ロボットは問題なく対応できます」。
また、清掃ロボットは、毎朝開場前の8時前に、30分間、連絡通路をモップで履く作業を担当。あらかじめ定めた約200mの経路を往復して清掃作業を行う。人間が付き添う必要はなく、障害物を感知すると、止まる・避ける機能を備えている。
この他、警備ロボットは夜間の館内を巡回するとともに、日中は立哨警備を実行。また、多言語対応の案内ロボットは、声で質問すると大型ディスプレイに回答を表示する機能で、インフォメーションカウンターへの問い合わせ集中を分散する役割を担った。

成果

ロボットと協働する新しい働き方の提示

今回の実証実験は、管理業務を担当しているスタッフに与えたインパクトも大きいと大高氏は言う。「アンケートを取ったところ、運搬や清掃で、『ロボットが一緒に作業してくれることで負担が減り、働きやすくなった』といった声が多く寄せられました。今回は、限られた台数のロボットを利用していますが、将来的に施設内のいろいろな場所にロボットを配備すれば、管理作業の手間を大きく減らせる手応えがありました」。
新しい働き方をかたちとして提示することは、イベントの来訪者や出展者へのアピールにもなると大高氏は続ける。「東京ビッグサイトは、さまざまな展示会が催される産業振興の場で、新しい技術に触れることができますが、“ロボットと協力する働き方”を提案することで、場所自体に新たな付加価値が生まれると考えます。今回の実証実験はメディアに取り上げていただく機会も多く、東京ビッグサイトの先進性を社会に伝えるよい機会になったと感じます」。

異なるメーカーのロボット連携への期待

今回、サービスロボットの共通基盤となっているTISのプラットフォーム「RoboticBase」について、倉持氏は期待を次のように語る。「都産技研が将来的に目指すのは、たとえば“清掃ロボットが作業して出たゴミを、運搬ロボットが運ぶ”といった連携作業の実現です。現状、ロボットメーカーごとに管理システムの仕様は異なりますが、今後は『RoboticBase』のように、メーカーの壁を超えた共通プラットフォームが必須となるでしょう。共通プラットフォームにつなぐことを前提として開発を進める時代が到来すれば、異なるメーカーのサービスロボットを高度に連携させて、複雑な業務も自動化できるようになると期待しています」(倉持氏)。

システム概要

システム概要

お客さまの声

倉持 昌尚 氏

地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター
開発本部 プロジェクト事業推進部
プロジェクト事業化推進室長
上席研究員
倉持 昌尚 氏

ロボットとソフトウェアの両方に精通したシステムインテグレーターは非常に少ないのが現状ですが、そんな中で、TISは我々が求める条件を満たす貴重な存在となりました。TISは多くのクライアント企業と接点をお持ちなので、どういった業務で、我々のサービスロボットがより価値を発揮できるかについて、ご意見を聞かせていただければと思います。(倉持氏)

大高 康彦 氏

株式会社東京ビッグサイト
総務部 企画広報課 主任
大高 康彦 氏

今回、TISは都産技研と東京ビッグサイトの間に立ち、サービスロボットのコンサルタントとして迅速な対応をしていただきました。利用者目線に立った助言のおかげで、円滑にプロジェクトを進められたと思います。
これまで、大規模イベント会場で複数のサービスロボットを運用する実例がなかったのですが、会場が主体となってその実用性を検証でき、大きな成果が得られました。(大高氏)

TIS担当者から

中島 徹也

TIS株式会社
サービス事業統括本部
AI&ロボティクスビジネスユニット
AI&ロボティクスサービス部 主任補
中島 徹也

現場で管理業務を行う方とサービスロボットが、自然に作業を分担している風景を目にして、ロボットが当たり前のように活躍する時代へ踏み出せたことを実感しました。
今回のロボット開発を担当したメーカー4社は、個別のスケジュールで開発を進めていたため、各社と歩調をそろえて事前準備・システム開発・運用をマネジメントするのはかなり難しい作業でした。それを何とか乗り越え、トライアルを無事に完走でき満足しています。
「RoboticBase」は、ロボットだけでなく、人、IoTデバイス、設備機器などを統合管理することで、ロボット導入効果を最大化させることができます。今回の経験を活かし、さまざまな企業、ロボットメーカーに向けて共通プラットフォームのメリットを広めていきたいと思います。

※ TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
※ その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2023年1月6日 15時49分