株式会社中部プラントサービス様
「SuperStream-NX」による証憑管理のペーパーレス化で会計業務のDXが加速
中部電力グループの株式会社中部プラントサービス(以下、中部プラントサービス)は、運用開始から10年以上が経過した会計システム「SuperStream-CORE」から、後継製品「SuperStream-NX」へのアップグレードを計画した。TISをITパートナーとして、新会計基盤への移行を完了。証憑管理のペーパーレス化やExcel連携の高度化により、会計に関わる業務の生産性向上を達成した。
背景
「SuperStream-NX」への移行で会計業務の生産性向上を目指す
中部プラントサービスは、火力発電所・原子力発電所の設備をはじめ、ガス供給設備や石油・化学プラント設備、環境・廃棄物処理設備などの基本設計から建設や保守などに携わり、電力の安全・安定供給やエネルギー供給に貢献している。
同社は2005年に会計システム「SuperStream-CORE」(スーパーストリーム株式会社 提供)の運用を開始。財務会計情報の一元管理により、決算日程の短縮などの目的を達成した。
それから10年以上が経過した2017年頃、同社は経理関連の間接業務の生産性向上を図るため、会計システムのリプレイスを計画した。「他の国産パッケージを含めて、フラットな視点で製品を比較検討しました。その結果、機能面においても、シリーズ製品が国内8,000社以上(当時)※で採用されている実績面からも、COREの後継『SuperStream-NX』への移行が最適解であると判断しました」(IT・広報部 柴田輝久氏)。
システム基盤は、従来のオンプレミスからクラウド(AWS)に変更し、インフラの運用負荷の軽減も同時に目指す方針も決定。「SuperStream-CORE」の保守期間が終了する2020年までに、新会計システムへの移行を完了させることを目標に定めた。
※SuperStreamシリーズの2021年3月末時点の累計導入社数は、累計9,779社(うち上場企業822社)。
導入
TISをITパートナーとしてプロジェクトを推進
移行支援を託すパートナー選定では、SuperStream案件の経験を持つSIer数社が絞り込まれた。TISは、中部プラントサービスにおいて前バージョンCOREを導入支援したITパートナー(当時はグループのインテックとして担当)であること、そして長年の運用実績が認められ、候補に加えられた。
IT・広報部の森圭市氏はTISに対する社内の評価をこうまとめる。「当社とは20年弱の取引関係があり、インテグレーションとサービスの品質は社内で高評価。COREと連携する原価管理システムもTISが開発したもので、当社内の業務システムに関する知見が、今回の導入プロジェクトに役立つと期待しました」。そして2018年9月、移行支援のパートナーはTISに正式決定した。
プロジェクト開始にあたり、中部プラントサービスは、アドオンやフロント入力システム等の開発を極力行わず、標準機能を最大限活用する方針を立て、それをTISと共有した。「その狙いは、まず開発コスト削減および期間短縮と、改修の負荷軽減です。加えて、当社独自の会計業務のプロセスをメジャーなパッケージ側に合わせることで、標準化を図りたいという意図もありました」(経理部 坪内哲郎氏)。
2018年10月にスタートした移行プロジェクトは、TISが全体の進捗管理を行いつつ、「SuperStream-NX」の設定作業や、数を絞り込んだアドオンの開発などを担当。また、中部プラントサービスは、経理部をまじえた要件定義や、さまざまな社内システムからデータを取得するためのETLツールの開発を進めた。
そして、プロジェクト中盤から後半にかけては、TISの支援のもと、経理部に対する新機能の説明や、全国拠点で伝票の入力操作を担当する320名に対するオンサイトのレクチャーが実施された。
効果1
請求書や領収書のペーパーレス管理が可能に
こうして、「SuperStream-NX」は2020年4月に稼働を開始。それから約2年が経過して、経理部の高橋稔弘氏は導入メリットを次のように説明する。「まず、社外から受領した証憑(請求書や領収書)のペーパーレス管理が可能になりました。取引先から、過去の支払先の明細を教えてほしいと依頼があった際も、以前のように紙の束から探すことなく、画面上で瞬時に確認できます」。このペーパーレス化には、「SuperStream-NX」の「証憑管理e文書対応オプション」機能が利用されている。
ペーパーレス管理のワークフローの中で、紙を電子化する作業は、各拠点の経理担当者が受け持つ。複合機によるスキャンで領収書等をPDF化した後、システム上で起票した伝票と紐づけし、本社経理部へ送信する。「本社経理部では、紙の原本やFAXの到着を待たずに、スピーディーに請求内容を確認したり支払い処理に着手できます」(高橋氏)。
なお、2022年1月の改正電子帳簿保存法では、PDFなど電子データで受領した請求書や領収書は、それを原本として保存し、タイムスタンプで履歴を管理する義務が定められた(適用まで2年の猶予期間あり)。中部プラントサービスでは、2022年半ばに提供予定の「SuperStream-NX」のアップデートパッチで同法への対応を行い、電子取引保管の仕組みを整備していく予定としている。
効果2
Excelとのスムーズな連携で伝票起票・閲覧作業をスピード化
経理部における業務効率化の点では、Excelとの連携の強化で、伝票起票やチェック作業の大幅な削減が実現した。「たとえば、賞与引当金繰入のように、明細行数の多い伝票を起票するケース。以前は1行ずつ手入力が必要でしたが、『SuperStream-NX』では規定のフォーマットのExcelファイルから直接、情報をコピー&ペーストするだけで、複数行に一気に情報入力できます」(高橋氏)。
また坪内氏は、決算財務系の承認作業におけるメリットについてこう説明する。「以前は、給与や人件費のリストを確認する際、給与システム等から何十枚もの紙をプリントし、電卓を手に集計結果等を確認していました。『SuperStream-NX』によって直接Excelファイルのかたちでリストを書き出せるようになり、Excel上で計算式を入れて自由な切り口でのチェック作業ができます」。
この他にも、複数セッションを同時起動できる新機能により、「過去の伝票を見ながら起票作業を行えるようになって、作業効率が大きく向上しました」(高橋氏)。
この2年の導入効果を、坪内氏はこう総括する。「社内で慣習化していた会計業務手順を、パッケージ側に寄せて棚卸しすることで、標準化が進んだのも大きな成果です。導入後のTISのサポート体制にも満足しており、引き続きパートナーとして当社のDXの取り組みを支援いただければと思います」。
システム概念図
お客さまの声
株式会社中部プラントサービス
経理部 チーフマネジャー
坪内 哲郎氏
株式会社中部プラントサービス
経理部 リーダー
高橋 稔弘氏
株式会社中部プラントサービス
IT・広報部 マネジャー
柴田 輝久氏
株式会社中部プラントサービス
IT・広報部 主任
森 圭市氏
移行プロジェクトから現在の運用フェーズに至るまで、質問に対するTISのレスポンスの早さに助けられています。運用面で困った時は代案をすぐに提示いただき、「SuperStream-NX」の経験の豊富さを感じました。
TISから、「SuperStream-NX」には、会社単位で会計を管理できる機能もあると説明を受けています。そうした機能の活用で、将来的に、当社単体だけでなく、関係会社やJVも含めた会計情報を総合的・多角的に分析できないかとも考えています。今後もTISにアドバイスをいただきつつ、会計基盤を進化させていきたいと思います。
TIS担当者から
TIS株式会社
経営管理サービス第3部 上級主任
安藤 悟
本プロジェクトで、会計業務を「SuperStream-NX」に合わせて標準化し、アドオン開発を最小限に抑えるというお客様のご希望に応えることができ、うれしく思います。
今後も引き続き、インボイス制度への対応や、グループ経営管理を利用したグループ会計の“見える化”等に貢献できればと考えています。
「SuperStream-NX」は、国産パッケージなので会計基準への対応が比較的早く、テーブルが公開されており分析用のデータ抽出が容易な点も、他社製品に対する優位性です。会計基盤の新規構築・リプレイスをお考えのお客様は、お気軽にご相談ください。
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