株式会社プライムアシスタンス様
クラウド移行プロジェクトで、TISのサブスク型支援を活用。
技術アドバイザリーからPMO機能まで、“月定額”で多様な要望にきめ細かく対応。
本社 | 東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー |
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設立 | 2012年 |
事業内容 | アシスタンス事業 (相談対応または事業者への取次ぎを行う業務) |
URL | https://prime-as.co.jp/ |
背景
基幹システムをAWSへ移行するマルチベンダープロジェクトが始動
株式会社プライムアシスタンスは、車や住まいのトラブルに対応する「アシスタンス事業」を手がける、SOMPOホールディングスのグループ会社である。たとえば車が事故、故障にあって自走できない場合は、コールセンターで電話を受け付け、レッカー事業者等を速やかに手配する。全国3カ所のコールセンターで、1日約5,000件の入電に対応している。
この受付業務から事業者手配までを支える基幹システムは、2016年に構築された。同社は、システムの耐災害性とリソース拡張の柔軟性を強化するため、2019年にオンプレミスからアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)への移行を計画。プロジェクト実行部隊として、システム導入を担当した現行ベンダーと、クラウド基盤の構築を受け持つ新たなベンダーの2社体制で、2020年4月にプロジェクトがスタートした。
開始後間もなく顕在化した課題について、IT企画部の中藤謙一氏はこう振り返る。「まず、データベースの仮想化基盤としてどの技術を採用するかで、ベンダー2社の意見が分かれてしまいました。我々社内チームには適切に判断する知見がなく、早急に第三者視点の技術アドバイスが必要になりました」。
加えて、プロジェクト進行を統括管理する人的リソース不足の課題。「他にも大型プロジェクトが進行中で、社内だけではPMOの役割が果たせない状況に陥っていました」(同部 新井未来氏)。
こうした、プロジェクト進行の障壁となる諸問題を解決するため、同社は新たなパートナーの協力を仰ぐことを決定した。
プロジェクト概要(構成イメージ)
選択
月定額で、さまざまなテーマの要望に応えるプロジェクト支援サービス
そこでパートナー候補として名前があがったのが、新井氏が過去に大型プロジェクトをともに経験し、信頼を置いていたTISであった。協力依頼を受けたTISは、まず現状調査を実施し、最良な支援のかたちを検討。そして提示したのが、月定額で利用できるサブスクリプション型のプロジェクト支援サービスであった。
本サービスは、技術アドバイザリー、オフサイト型のPMO(Project Management Office)機能を軸として、クラウド移行プロジェクトで発生しがちな課題解決をサポートするというもの。従来型のメニュー選択制の支援サービスと比べて、テーマを限定しない課題への柔軟な対応や、必要な期間のみ契約できるコストメリットが優位性となる。
説明を受けた印象を中藤氏はこう振り返る。「作業量が多い月でも、料金の変動はないとのこと。約2年のプロジェクト期間中、さまざまな課題が発生する可能性があり、幅広いテーマの課題解決を支援してもらえる点は大きな安心材料でした」。
こうして、本サービスの契約が決まり、2020年8月からTISがプロジェクトに参画。中藤氏はまず、技術アドバイザリーによる恩恵をこう語る。「AWS移行完了後の運用に関する注意点を相談したところ、実例を交えてレクチャーいただきました。オンプレミスの時には意識していなかった気付きが多く、気持ちに余裕を持ってクラウド化に臨むことができました」。
サービス提供イメージ
支援
TISがPMOとなって、全員が同じ方向を目指せる土壌を整備
TISによる、複数ベンダー間の調整について新井氏は「2社の間にTISが入り、双方を立てながら進捗をうまく管理していただきました。当社メンバーだけでは、このようなスムーズな調整は無理だったでしょう」と語る。
今回、PMOの立場でベンダー調整にあたったTISの白根麻衣は、当時をこう振り返る。「急にTISが割り込み、強くコントロールを始めたように受け取られると、ハレーションが起きかねません。まずはベンダーさん2社のリーダーから個別にしっかりお考えを伺い、参加メンバーがコミュニケーションを取りやすい土壌をつくったうえで、調整に臨むようにしました」。
また、TISはベンダー間で異なる設計書や仕様書などのフォーマットの統一化を実行。本プロジェクトに適した雛形を用意し、ベンダー2社に記入を依頼することで、情報の粒度の違いが吸収され、閲覧性向上につながった。
さらに新井氏は、TISが作成した全体構成概要図(ToBe)の効果を高く評価する。「各ベンダーから提出された構成図は、あくまで自社視点で、全体構成がつかみづらいものでした。TISによる構成図は、最終的な目標が的確に表されており、この時初めて全員が同じ方向を向くことができたと思います」。
効果
TISが“潤滑油”となることで、2年間のAWS移行プロジェクトをスムーズに完遂
この他にも、“テーマを限らない支援”という事前説明どおり、プロジェクト進捗管理ツールの運用ルール共通化、テスト実施のスケジュール調整・確認など、依頼されたタスクは多岐にわたる。
時には、TISが自らの判断で動くケースもあったという。「TISが必要と感じた場合、各ベンダーと個別にミーティングを行い、後で報告を受けるケースが何度もありました。この先回りの動きで問題発生を事前に回避でき、円滑な進行につながったのだと思います」(新井氏)。
こうしてプロジェクトは2022年6月にカットオーバーを迎え、コールセンターの基幹システムは無事に、AWS上の新システムへと切り替えられた。中藤氏は「これほど大規模なクラウド移行プロジェクトを、ほとんどトラブルなく完遂できたことを、当社の上層部も高く評価しています」と語る。
今回のプロジェクトはコロナ禍の中で進められ、プライムアシスタンスのチームがTISの担当者に直接対面したのは、2年間で2回のみだったという。「難しい環境下でのプロジェクトコントロールでしたが、質の高い支援をほぼオンラインで実現したTISの力量には驚かされました」(中藤氏)。
最後に新井氏は、プロジェクトをこう総括する。「今回TISは、具体的なシステムの納品物がなく貢献度を測りにくい立場でしたが、見えない部分でも全体をうまく回す手段を考え続けていただきました。当社側が何人増員しても埋められない部分を助けていただき、とても感謝しています」。
お客様の声
株式会社プライムアシスタンス
IT企画部
インフラストラクチャ室
室長
新井 未来氏
株式会社プライムアシスタンス
IT企画部
インフラストラクチャ室
課長
中藤 謙一氏(前室長)
今回、TISの技術力・調整力への信頼が深まったことで、コールセンターの電話基盤をAWSへ移行する新たな案件の検討もお願いしています。
当社が属するSOMPOホールディングスグループでは、システムのクラウド移行を共通テーマとして掲げています。今回と似たような課題を抱えるプロジェクトには、ぜひ本サービスの有効性を紹介したいと思っています。(新井氏)
TIS担当者から
TIS株式会社
DX営業ユニット DX第3営業部
石田 弘明
TIS株式会社
IT基盤技術事業本部 IT基盤技術事業部
IT基盤コンサルティング部 主査
漆原 達彦
TIS株式会社
IT基盤技術事業本部 IT基盤技術事業部
IT基盤コンサルティング部 上級主任
白根 麻衣
安定稼働している基幹システムをクラウドへ移行するにあたっては、大変勇気のいるご決断があったと想像します。さまざまな課題に正面から向き合って移行に踏み切られたことに、今回、非常に心を動かされました。
本プロジェクトは、多くの法人様へご紹介したい、クラウド移行のベストプラクティスであり、その円滑化をお手伝いできたことをうれしく思います。お客様から「TISが潤滑油になってくれた」との言葉をいただけたことが、とても印象に残っています。
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