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NTTコミュニケーションズ株式会社様

スマートビルディングのロボット活用の高度化に向け、TISと協業。
複数メーカーのロボットとビル設備の連携により稼働領域を拡張、自律的なエレベーター乗降も実現。

NTTコミュニケーションズ株式会社様
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背景

技術課題となっていた、ビル設備と複数メーカーのロボットの連携

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、法人事業ブランド「ドコモビジネス」のもと、ドコモグループの法人事業を担っている。
同社は、ビルや施設のスマート化需要に向け、設備データを統合管理するデータ連携基盤「Smart Data Platform for City」(以下、SDPF for City)を提供している。空調・照明・カメラ・エレベーター等ばらばらに管理されていたデータを同一基盤に統合し、各設備が連携した動作も可能とする。
「近年、建設業や自治体等のお客様から、ロボットについてもビル設備との連携を望む声が上がっていました」(NTT Com ビジネスソリューション本部 井上雅士氏)。これに応え、ロボット制御の技術開発に取り組む中、一つの技術課題が浮上した。それが、複数メーカーのロボットと、ビル設備の連携。「各社が提供する独自のロボット制御のネットワークと『SDPF for City』をつなぐには、個別に相互接続のためのシステム開発が必要です。また、実際の運用時は、全ロボットの位置を把握しお互いの衝突を避けるといった、メーカーの壁を超えた高度な制御技術が求められます」(井上氏)。
そこでNTT Comは、ロボット制御の技術に長けたパートナーと協業し、「SDPF for City」の機能強化を図ることを計画した。

選定

マルチロボットを制御できるプラットフォーム「DX on RoboticBase®」との相互接続を計画

NTT Comは2019年後半、ロボットに関する新技術の中から、TISの「DX on RoboticBase®」を候補として選出した。これは、TISが独自開発した、複数ロボットを統合管理するためのプラットフォーム。「この技術を組み合わせれば、我々が求めていたことを実現できると考えました」(井上氏)。
そしてTISとの情報交換が始まり、2021年4月からNTT ComのCROSS LAB for Smart City(以下、CROSS LAB)‐港区芝浦‐にて、2つのプラットフォームの相互接続の実証実験を開始する運びとなった。ここには実際のビルを想定したカメラ、センサー、顔認証機器などの設備が整備され、NTT Comとパートナーがスマートシティにおける新技術を共創する場として活用されている。
実証実験は、ラボ内で複数メーカーのロボットを稼働させて進められた。基本的な両プラットフォームの役割は、ロボットの位置を天井のビーコン受信機等で把握し、情報を「SDPF for City」へ伝達。その情報が「DX on RoboticBase®」へ渡され、各ロボットに走る・停止する等の指示を出すというもの。
実証実験の成果について井上氏はこう振り返る。「データを確実にやり取りするためのAPIの開発が難所となりましたが、十分なサービス品質で相互接続が可能という、技術的な裏付けを得ることができました」。

展開

エレベーターやセキュリティドアを通って自律移動するロボットを目指す

CROSS LABでの実証実験と同じ時期、NTT Comは建設中の地上45階建て複合施設「東京ミッドタウン八重洲」プロジェクトへの参画が決まった。「三井不動産様からのご要望は、“自動化”や“ロボット”をテーマとして建物の付加価値をより高めたいというものでした」(井上氏)。そしてNTT Comは、TISとの実証実験の成果を踏まえて、運搬/清掃ロボットが自律的にエレベーターに乗ったり、セキュリティドアを通過できる仕組みを提案した。
この案に賛同が得られたことで、2022年3月からは三井不動産本社ビル(日本橋室町)で事前の実証実験を実施。複数のロボットを走らせ、エレベーターやセキュリティドアを確実に自律移動できるかが検証された。
技術面で苦心したのは、ロボットと設備の間で、動きをシンクロさせる調整だったという。たとえばロボットがエレベーターから出るという動作イベントがあった場合。設備情報を管理する「SDPF for City」へ“ロボットが何メートル走行した”という情報を伝えないと降車が判断できず、エレベーターのドアは開いたままになってしまう。実証実験に参加したTIS 小山光は「ごく当たり前に見える一連の動作でも、動きを一つひとつ切り分けてデータの流れを緻密に設計することが非常に重要でした」と語る。

成果

建物の3Dモデルで複数ロボットを遠隔操作できる汎用アプリも完成

2022年8月に竣工した「東京ミッドタウン八重洲」には、搬送・清掃・警備のロボット計19台が本導入され、オフィスビル内のDX活性化への貢献が期待されている。
テナント企業の代表的な想定利用シーンが、フードデリバリーの自動運搬。ロボットが1Fロビーで配達員から商品を受け取り、自律的にエレベーターに乗り、オフィスの注文者に直接届けるという仕組みだ(図参照)。また、同時に導入された清掃ロボットも、自らエレベーターに乗って移動し、共用廊下部分の清掃にあたる。
今回の、大規模複合施設への本導入という実績に続き、CROSS LABでは新たなロボット制御技術も確立された。「デジタルツインを利用し、ビルの3Dモデル上で複数ロボットを指定場所へ移動できる技術です」(井上氏)。
井上氏は、今後のTISへの期待をこう語る。「プラットフォームはもちろん、スマホ向けのアプリ開発でも技術力の高さを感じました。今後も、新しいロボットの活用方法の実証実験に協力いただき、技術面でサポートをお願いしたいと思います」。

※デジタルツイン:実際の建物をそのまま、3DモデルでPCやスマホ上に再現する技術の総称。

搬送ロボットが商品を届けるまで

お客様の声

井上 雅士氏

NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第三グループ
井上 雅士氏

TISとともに始めた実証実験が、「東京ミッドタウン八重洲」での本採用に結びついたことをうれしく思います。建物の付加価値を向上できたことで、三井不動産様にも大いに喜んでいただいています。
次に挑戦するテーマとして、ロボットの「防災」への活用も有望と考えています。ロボットが先導して人々を安全な場所へ誘導したり、避難所へ緊急物資を運ぶ用途で活躍が期待できます。今後もTISと協力し、新たなロボット活用法をかたちにしていきたいと思います。

TIS担当者から

金枝 宏明

TIS株式会社
ビジネスイノベーションユニット
AI&ロボティクスサービス部 エキスパート
金枝 宏明

小山 光

TIS株式会社
ビジネスイノベーションユニット
ビジネスイノベーション事業推進部 主査
小山 光

これまで「DX on RoboticBase」は、マルチベンダーのロボットを制御できるプラットフォームとして好評をいただいてきました。今回、NTT Com様との協業でビル設備との連携が実現し、より多くの企業ニーズに応えられるようになったことに感謝いたします。
デジタルツインでロボットを遠隔操作するプロジェクトには、非常に優秀な方々が参加されています。複数メーカーのロボットを単一アプリで遠隔操作するという、前例がない画期的な仕組みが実現できました。アジャイル型の開発体制により、短期間で成果を出せたことが印象に残っています。
今後もTISは、ロボットの稼働領域を屋外へと拡張し、人とロボットが共働・共生する社会の実現を目指していきます。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2023年10月4日 23時37分