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TIS株式会社 自社事例

ITを活用した新しい働き方の実現。
データの統合的な分析により業務環境のさらなる改善へ。

TIS株式会社
TIS株式会社

背景

ITを活用した働き方の改革

TISは、ITに関するコンサルティングやシステムインテグレーション、サービスを手がける、TISインテックグループの中核企業。現在は50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力を活かして、「社会 DX」「事業 DX」として社会や顧客のDX推進を支援している。
加えて、自社のDXにも積極的に取り組み「内部DX」として推進。その中でも、ビジネスの複雑化や社会構造の変化が進み多様な人材・働き方が求められる中、働き方改革を重要なテーマとして取り組んでいる。2010年代半ばより、育児・出産・介護等の生活環境と仕事の両立を支援する新制度や、コラボレーションを重視したオフィス環境構築、テレワーク基盤の強化など、さまざまな働き方改革を推進してきた。
特に、テレワークに関連する施策として、安全にどこにいてもいつも同じパフォーマンスを発揮できるように、Microsoft 365のサービス利用やセキュアな環境の整備などゼロトラスト環境を整備し、先進的な取り組みを実施してきた。

ゼロトラスト:
「すべてを信頼しない(Zero Trust)」考えのもと、通信ネットワークや端末、ユーザーを監視・検証して認証するという意味。TISではゼロトラスト環境を利用することにより、いつでもどこでもセキュアに同じ働き方を可能にしている。

そして、TISが現在進めているDX施策が、データを利活用した業務環境のさらなる改善への取り組みである。
この構想が生まれたそもそものきっかけとして、社内のシステムごとにデータが分散している状況があった。TISにはバックオフィス業務を支える数十のシステムが存在し、データは個別に蓄積・管理されていた。DX推進本部の市田真也はこれによる課題を「テレワーク比率を算出するといった分析の都度、複数システムからデータを集める手間が必要でした。そのため、システムを横断したデータ統合基盤を望む声が社内で高まり、全社方針として構築することが決定しました」と説明する。
その後、データ利活用の方向性の議論を重ねていく中で、データ分析結果を業務環境のさらなる改善に活用できるのではないかというアイディアが生まれた。
「社員を取り巻く環境は、社会の変化とともに常に動き続けています。データ分析で最新の状況をキャッチし、課題を可視化して改善する。これにより、社員がより創造性を発揮して業務に集中できる環境をつくれると考えました」(市田)。
そして、社内の業務環境改善に利用するためのデータ統合基盤を構築するプロジェクトがスタートした。

構築

社内の多様なシステムのデータを統合基盤に集約

データ統合基盤の基本構成は、クラウドサービスであるMicrosoft Azure(以下、Azure)の1サービスであるAzure Synapse Analytics上にデータを収集・蓄積する基盤を構築し、連携させた社内のシステムからデータを集めるというもの。分析ツールは、Microsoft PowerBIが採用された。前述のゼロトラスト環境を構築した際にマイクロソフトのサービスを多数利用しており、親和性が非常に高かったことがマイクロソフトの基盤を選んだ大きな理由の一つである。基盤構築および社内システムとの連携は、情報システム部の統括のもと、Azure関連の構築ビジネスで実績が豊富なIT基盤技術事業本部が担当した。
「DXの成果を早期に得るため、優先度の高いものから順次、連携の作業を進めていくこととしました」(DXデザイン室 浅井隆)。まず最初に、基幹系の会計システムを連携対象とした理由を浅井はこう説明する。「バックオフィス業務の“本丸”とも言える存在です。多くの社員が関連するデータであり、業務に使われることが一番多いデータであるため、優先度を高く設定しました」。
そして二つめの連携先とするのが、システム開発案件などプロジェクト情報を管理する業務系システム。「予定に対する進捗や、工程の状況、作業にあたるエンジニアの人数などの情報は、業務環境を改善するための分析結果を得る際に有効と考えました」(浅井)。
さらに三つめの連携先として検討が進められているのが、マイクロソフトの製品を中心に構成された情報系のシステム群。ここには、チャットやメール等を提供するMicrosoft 365や、認証サービス等が含まれている。

目標

最終ゴールは「データ起点の業務」を文化として定着させること

統合基盤上のデータ分析により可能になることを市田はこう説明する。「たとえば、チーム内のコミュニケーション頻度や会議の多さと、組織業績やプロジェクトの進捗や品質の間に、どのような相関関係があるのか。これまで、個人に属人化した物事や、仮説に過ぎなったことを定量的にデータで表現する。これを共有して同じ方向性を向くことにより、改善施策を確実に実行可能になると期待できます」。
また今回のDXでは、分析結果をダッシュボード化し、現場の社員自らが業務改善に活用していく目標も掲げている。「よい結果を出している他の組織・チームの手法は、自らが業務プロセスを改善するための参考になります。会社が大きくなったり役割に応じて細分化された組織になるにつれて、情報のサイロ化・分断が起き個別最適に陥りやすい傾向があり、優れた知見を共有できる仕組みは導入意義が大きいと思います」(浅井)。
TISは、さらにその先の目標として「データ起点の業務」の実現を目指していく。これは、データ統合基盤に蓄積されたデータを出発点として業務を進めるかたちを意味している。「必要に迫られて情報を探しに行くのではなく、“最初からデータを前提とした業務設計をする”ことをTISの文化とする。すべての業務において、過去の経験やノウハウを出発点とすることで、創造性を求められる業務に専念できる働き方を浸透させていきたいと考えています」(市田)。

成果

データ統合基盤によって社員が創造的な業務に専念できる環境を実現

今回のDXの成果を、市田は次のように総括する。「改革は一度で終わるものではありません。常に変化し続ける社員の周辺状況を正しくキャッチし、継続的に改善してこそ意味があります。今回、それを支える仕組みとなるデータ統合基盤ができたことが、最大の成果と言えます」。
この統合基盤を利用した、働き方のさらなる改善の一例に、ファシリティ改善による業務環境の最適化がある。たとえば、出社率に変化が起きた場合に、会議室の利用回数、生産性を示す数値等を掛けあわせて分析。「その結果から、オフィスに必要な席数やコラボレーションスペースの面積を導き出し、社員が快適に従事できるワークプレイスを提供することができます。このように働き方を迅速に改善できるのは、データ統合基盤があってこそです」(浅井)。
将来的には、データ分析にAIを活用することで、より高度なインサイトを得ることも想定しているという。AIに何かを判断させるには十分な学習データが必須となるため、まずはその準備段階としてデータを蓄積することに注力していく。「そのためにも、データ起点で業務に取り組んでいく風土・文化を醸成し、データ利活用をさらに加速させていきたいと思います」(市田)。

TISからお客様へ

TIS株式会社
DX推進本部 副本部長
市田 真也

TIS株式会社
DX推進本部 DXデザイン室 エキスパート
浅井 隆

今回当社がDXで目指す「働き方など社内業務へのデータ利活用」というテーマに対し、社外からの関心も高く、既に多くのお客様から取り組みについて質問をいただいています。これまでデータ利活用と言えば、販促や顧客との接点強化への利活用が多くを占めていましたが、それらに加え今後は働き方改革に代表される社内での利活用も、一つのトレンドになっていくと予想しています。
今後TISは、社内で深めているデータ統合基盤構築の知見、データ利活用のノウハウを、社外向けに提供・活用して参ります。お客様企業内におけるデータ利活用の課題解決に向けたパートナーとして、ぜひTISにお声がけください。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2023年10月4日 23時35分