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ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社様

仮想デスクトップ基盤のAzure移行で、クラウドジャーニーは新ステージへ。
「Azure Virtual Desktop」と「Citrix Cloud」の組み合わせで運用管理を効率化。

ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社様

課題

リソースを柔軟に拡張できない物理サーバ上の仮想デスクトップ基盤

日本生命グループのニッセイ・ウェルス生命保険株式会社(以下、ニッセイ・ウェルス生命)は、金融機関の窓口販売を通じた資産形成・資産承継に資する保険商品やサービスの提供により、ビジネス拡大を続けている。
同社は経営戦略の一つに業務用のITインフラ基盤の強化を掲げ、データセンターのオンプレミス環境をクラウドへ移行することに注力。同社IT本部システム管理部は2018年、最初のクラウド化の取り組みとして、物理サーバ上の業務システムを仮想基盤ごとマイクロソフトの「Azure VMware Solution(AVS)」へ移行した。
そして次に定めた目標が、自宅等のリモート環境から社内システムに接続する際にアクセスする、仮想デスクトップ基盤のクラウド移行であった。同社はこれまで約10年、1台の専用の物理サーバ上で、仮想デスクトップ基盤を運用してきた。しかし社外から接続する営業担当者やテレワーク従事者が900人規模にまで増え、リソース不足が深刻な課題となっていた。
「仮想マシンを操作する際のレスポンス低下や、Microsoft Teamsなどマルチメディアサービスで映像・音声が円滑に再生できない点など。自宅作業の効率性低下に不満の声があがっていました」(IT本部システム管理部 小林宏至氏)。
パフォーマンスを強化するには、物理サーバのメモリやCPU、ストレージの拡張が必須であり、準備段階を含め数カ月が必要。加えて、数年サイクルでのサーバ保守切れへの対応や、日々の運用業務の負担も大きかった。そこで物理サーバ上の仮想デスクトップ基盤をクラウドのDaaS(Desktop as a Service)へ移行し、課題解決を目指すこととした。

選択

2種類のクラウドを組み合わせて仮想デスクトップ基盤を構成

DaaSの候補となったのは、既に同社の業務システム基盤として実績があるMicrosoft Azure(以下、Azure)上で提供される、「Azure Virtual Desktop」(以下、AVD)。「将来的には、社内の全PC端末のDaaS化も視野に入れていました。そこで十分な検証期間を設け、実用性や安全性を検証したうえで導入を決めることとしました」(IT本部システム管理部 東田歩氏)。
このPoCを支援するパートナーには、業務システムのクラウド化を支援した実績から、TISが指名された。2021年11月にスタートしたPoCの結果を小林氏はこう説明する。「明らかになった技術課題の一つは、仮想化して共有する使い方に対応していない業務アプリケーションを、どのようにして複数の仮想マシンへサービス提供するかでした」。AVDのマルチユーザー環境では、アプリケーションは仮想化したうえでユーザー単位での共用を前提としており、従来の仮想デスクトップ基盤のように、仮想マシン1台ずつに業務アプリケーションをアタッチする使い方は想定されていなかった。
TISはこの課題を受け、AVDにシトリックス社が提供する仮想デスクトップの管理サービス「Citrix Cloud」を組み合わせ、必要な機能を補完する構成を検討した。
東田氏はこう振り返る。「我々が希望する業務アプリケーションの仮想化が可能になる点。加えて、AVD標準のコンソール画面よりも機能を強化できる点から、得られるメリットは大きいと判断しました」。

効果1

ユーザー増加のペースに合わせて速やかにリソースを増強可能に

こうして2022年4月から導入プロジェクトをスタート。TISはクラウド環境の設計・構築や、マスターイメージの作成などを広範囲に支援した。大きな技術課題にぶつかることもなく、プロジェクトは3カ月で完了し、社外からのDaaSへの乗り入れが順次スタートした。
それから約1年が経過し、仮想デスクトップ環境をクラウド移行した効果を小林氏はこう語る。「何より好評なのは、社内PCと同様に“普通に使える”ことです。映像をオフにしなくてもスムーズにMicrosoft Teams会議ができたり、2台のモニタを同時使用する資産運用業務も自宅でできるようになりました」。
利用者増にも迅速に対応できるのはクラウドならではと小林氏は続ける。「設定画面でCPUやメモリのリソースの割当を増やすだけで、仮想マシンのパフォーマンスを強化できます。今後、当社の標準OSをWindows 10から11にバージョンアップして要求されるリソースが増えたとしても、基盤のキャパシティを容易に高められます」。
この1年間でリモート接続のアカウント数は900から1,200に増加しており、快適な操作性を維持するために段階的にリソースを強化してきた。「社長、役員からも、リモート会議がしやすくなったと好評です。働き方改革を推進している人事担当部門からは、在宅勤務を推奨しやすくなったという声もありました」(小林氏)。

効果2

ログイン認証のシンプル化で社内ヘルプデスクの問い合わせ件数が大幅に減少

IT本部システム管理部にとっても、仮想デスクトップ基盤のクラウド化のメリットは大きい。「それを最も体感するのは、ログイン認証の手順に関する社員からの問い合わせが激減したことです」(小林氏)。
以前の環境では、Windows認証とは別に、デスクトップ仮想化基盤にログインする作業が必要であったため、認証手順に対する問い合わせが非常に多かったという。「『Citrix Cloud』ではMicrosoft Entra IDと同一のID・パスワードで自動ログインできるため、認証手順についての問い合わせはほとんどなくなりました」(小林氏)。
また今回、TISが提供する「VDI運用サービス」を利用し、仮想デスクトップ基盤の運用管理業務の大半をTISにアウトソーシングしている。「マイクロソフトの月次更新パッチの適用をはじめ、リソースの拡張、特定部署用のマスターイメージ作成まで、TISに代行を依頼しています。以前のように、専属の要員を社内に常駐させる必要もありません」(東田氏)。
IT本部システム管理部の石川太郎氏は、同部が構想するこれからのITインフラのクラウドジャーニーをこう語る。「Azureをベースとしつつ、データベース機能が求められるサービスでは『Oracle Cloud Infrastructure(OCI)』を連携させるなど、マルチクラウドも積極的に活用していきます。既にTISの協力を得て、AzureとOCIを連携させた顧客データ統合管理システムを開発中で、2024年半ばの立ち上げを目指しています」。
最後に東田氏は、TISへの期待をこう語る。「業績拡大とともに、インフラ基盤に関係するプロジェクトが急増しています。TISには、クラウド、仮想化技術、データベース等の各分野に精通した人材が揃っていますので、今後も技術面で支援いただければと思います」。

お客様の声

東田 歩氏

ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
IT本部 システム管理部
部長兼IT基盤運用管理グループ
グループ長
東田 歩氏

小林 宏至氏

ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
IT本部 システム管理部
ITサービスデスクチーム
主任
小林 宏至氏

石川 太郎氏

ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
IT本部 システム管理部
IT基盤運用管理グループ
専門課長
石川 太郎氏

TISのメンバーの皆さまは技術知識が豊富で、モチベーションも高い方ばかり。1から10まで説明しなくても意図を汲んでいただけました。AVDに「Citrix Cloud」を組み合わせる構成として、TISがマイクロソフトおよびシトリックスと連携し、技術課題に迅速に対応してくれました。また、夜間にトラブルが起きた際、TISが迅速にWebミーティングを開き、同じ管理コンソール画面を見ながら解決にあたってくださいました。よいパートナシップを築けていることに感謝しています。

TIS担当者から

瀧内 権輔

TIS株式会社
IT基盤ビジネス推進部 チーフ
瀧内 権輔

川倉 秀介

TIS株式会社
DX第4営業部 シニアアソシエイト
川倉 秀介

今回、採用技術を検証する段階から、複数のVDIソリューションをご提案させていただきました。お客様が、当時まだ目新しかったテクノロジー領域を積極的にご理解され、真摯にビジネスニーズを追求されたことが、プロジェクト成功の要因であったと思います。
今後も、マルチクラウド化の技術支援などを通じて、ニッセイ・ウェルス生命保険様のクラウドジャーニー全体をお手伝いできればと考えています。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2023年12月6日 13時0分