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セガサミーホールディングス株式会社様

ERPリプレイス時の機能ギャップを「会計処理エンジン」で吸収。
ノンプログラミングで自社固有の会計ロジックに対応。

セガサミーホールディングス株式会社様

背景

ERPの標準機能だけでは対応が困難な自社固有の会計ロジック

セガサミーグループは、ゲームメーカーである株式会社セガと、パチンコ・パチスロなど遊技機を手がけるサミー株式会社が2004年に経営統合して誕生。グループを構成する国内外約95社(2024年3月現在)は、エンタテインメントコンテンツ/遊技機/ゲーミングを軸として事業を展開している。
同グループの持ち株会社であるセガサミーホールディングス株式会社(以下、セガサミー)は、グループ全体の経営管理をはじめ経理・総務・ITなどの附帯業務を担っている。
同社は2019年、株式会社セガが使用してきたERPの保守切れを機に、新たなERPへの移行を計画。しかし、そこで課題となったのが、それまでERP会計システムやスクラッチのシステムを組み合わせて処理してきた、自社固有ロジックへの対応であった。
セガサミーITソリューション本部の五十嵐学氏はこう説明する。「たとえば、弊社ではゲーム開発等で発生した人件費をプロジェクトごとに配分処理(配賦処理)する必要があります。具体的に言うと、プロジェクトごとの個人作業工数(工数比率)を個人給与にかけ合わせて、プロジェクトごとの人件費情報を作成し、会計データとしてシステムに連携します」。
移行先となるERPは、同社が求める粒度での配賦に対応できないため、代替策の準備が必須となった。一般的に、このようなケースではアドオンを新規開発して個社要件への対応が図られるが、同社にはその選択肢はなかったという。
「アドオンを組み込むと、将来のバージョンアップ時や他製品への切替え時に、対応工数が増えますし、移行にも長い期間を要してしまいます。そのため当グループでは、ERPパッケージに対してはアドオン開発をせず、標準機能のみで運用するというポリシーを設けています」(五十嵐氏)。

選択

複雑な会計処理を実現する「会計処理エンジン」を選択

同社は2019年より、既存の配賦処理の代替手段として、複雑な会計処理を標準機能として実現できるツールが市場に存在するか、情報収集を開始した。「当初、システム間を連携させるETLツールで候補を探しました。しかし、『複数要素(プロジェクトや部門など)を用いての配賦処理』のような複雑な会計処理に対応できる製品には出会えませんでした」(五十嵐氏)。
最終手段として、中間システムの新規開発へと傾きかけていた2019年後半、TISから紹介を受けたACTIONARISEの「会計処理エンジン」が、一躍有力候補へと浮上した。
本製品は元来、さまざまな社内システムからデータを集約し仕訳データを生成、会計システムを含む周辺システムへ必要な項目と粒度でタイムリーに連携する、自動仕訳ツールである。当初、ERP切替えを円滑化するツールの一つとして、TISから案内されていた。
「その時点では配賦に対応していませんでしたが、新機能として加えられないかTISに相談してみました。その結果、TISの開発チームから“ぜひ挑戦したい”と意欲的な回答をいただくことができました」(五十嵐氏)。
まず、配賦の一パターンである本社経費や共通経費をプロジェクトごとに割り当てる共通費配賦処理の機能を会計処理エンジンに組み込み、実現性を検証(PoC)することとなった。「こちらから機能の要件を説明する段階で、既にTIS側は自主的に新機能のテスト開発を終えていたことに驚きました。会計業務に関する理解の深さがあってこそのスピード感だと思います」(五十嵐氏)。
そしてPoCの結果、セガサミーの希望どおりの配賦処理の結果が得られ、正式に採用を決定。その他の配賦機能についても順次開発が進められた。

導入

ノンプログラミング設定を体験し「自分たちで運用ができる」手応えをつかむ

導入は、TISが経理担当者を含むセガサミーのチームから詳細な会計ルールをヒアリングし、セットアップする手順で進められた。
今回目標とした、会計処理エンジンの役割は次のようになる。毎月、ERPから出力した会計データ(配賦元金額となる元帳データ)は、会計処理エンジンに蓄積される。これに対して、今回の最大課題であった複雑な「配賦処理」を行い、仕訳データを生成し、再度ERPへ連携する流れになる(イメージ図参照)。

ACTIONARISE会計処理エンジンによる配賦処理のイメージ

なお配賦率は毎月変動するため、運用開始後の配賦ルールや仕訳ルールの変更は、セガサミー社内で行うことを希望していた。会計処理エンジンはノンプログラミングで設定ができるため、こうした運用の内製化に適している。
TISは内製化の早期定着をサポートするため、プロジェクト終盤にレクチャーを実施。「実際に配賦率を変更する設定を体験してみて、“これなら自分たちで対応できる”と手応えが得られました」(五十嵐氏)。
こうして、新たなERPへの移行が完了する2022年8月のタイミングに合わせて会計処理エンジンの利用とデータ連携がスタートした。

効果

信頼性の高い自動会計処理で経理業務の工数を低減

運用を始めて約1年、会計処理エンジンの導入メリットについて五十嵐氏はこう語る。「導入後は開発が不要となり、社内の人的稼働とIT投資が抑えられました。また、会計処理エンジンを用いることより、ERPに影響を与えない形で配賦処理を実現できたため、将来のERPのバージョンアップやSaaS型ERPへの移行が容易になったのは大きなメリットです」。
会計処理エンジンが生成する仕訳データの品質にも満足しているという。「配賦処理したデータは、システム運用が軌道に乗って以降は一度も異常値を出したことがありません。もし誤りがあれば決算の数字にも影響が及びますので、信頼感のある本製品は会計業務に欠かせないツールとなっています」。
今後、ゲーム開発を主業務とするグループ各社の会計業務にも、会計処理エンジンを展開していく構想があるという。「グループ会社によっては、配賦の計算にExcelを併用しているケースがあります。本製品の導入によって人手による作業が減り、会計業務の効率化が期待できます」(五十嵐氏)。
最後に、五十嵐氏はこう締め括る。「要望にかなう配賦機能を先回りで追加開発してくれたように、TISは会計業務やERPの知識が非常に豊富。ここまでの対応を実現できるSIerは多くないと思います。今後もTISには信頼できるITパートナーとしてご協力いただきたいと思います」。

お客様の声

五十嵐 学氏

セガサミーホールディングス株式会社
ITソリューション本部
グループシステム開発部
プロフェッショナル
五十嵐 学氏

TISのチームメンバーは、ERP製品の知識に長けており、要望をこと細かく説明しなくても理解いただき、意思疎通がとてもスムーズでした。
特に、会計業務に精通したメンバーが常駐し、伴走型で支援してくれたおかげで、不安なく導入を進められました。テスト段階で問題が発生した時は、その場で直接TISと相談し解決策を考えていくことが、スピーディーな導入につながったと思います。
今後、会計業務に限らずグループ全体の業務効率化につながる開発案件で、信頼できるベンダーとして相談に乗っていただきたいと思います。

TIS担当者から

井元 康則

TIS株式会社
経営管理サービス第1部
セクションチーフ
井元 康則

今回、お客様からご要望があった配賦機能について、TISのチーム内で実現性検証を重ねたうえで標準機能として追加し、実際にご採用いただけたことをうれしく思います。
導入の際、テスト結果が想定と異なる時には、親身になって原因調査にご協力いただきました。お客様との一体感を高めることで、短期間の導入に成功できたと感じています。
「Actionarise会計データハブ」は、複雑な会計処理もノンプログラミングで設定できる点が、一般的なETLツールにはない大きな強みです。今後は、セガサミー様の会計DXの内製化という観点でもお役に立てるよう、新たな提案をさせていただきたいと思います。

「ACTIONARISE」について

TISの「ACTIONARISE」は、データで企業の成長と競争力の強化を実現する経営管理サービス群です。
経営に必要なデータの生成から適切な収集・整理とともに、データに基づく経営判断とアクションの定着まで支援することで、スピーディーかつ確実なデータドリブン経営への変革をご支援します。詳細は以下、URLをご参照ください。
https://www.tis.jp/branding/actionarise/

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2024年6月20日 13時0分