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三菱UFJニコス株式会社様

カード審査業務のエンドツーエンドを高度自動化。
RPAとBPMツールを組み合わせたハイパーオートメーションで、作業量を約3割削減。

※BPMツール:ビジネスプロセスを可視化し効率化するソフトウェア。Business Process Managementの略。

三菱UFJニコス株式会社様
三菱UFJニコス株式会社様

背景

一連の業務をエンドツーエンドで効率化するハイパーオートメーション化を構想

三菱UFJニコス株式会社(以下、三菱UFJニコス)は、「MUFGカード」「DC」「NICOS」のブランドを中心とする、国内最大級のクレジットカード会社。キャッシュレス需要が高まる中、個人・企業向けのクレジットカードの発行や加盟店への決済システム導入、金融機関などからのカード発行業務の受託など、快適・安全・安心なキャッシュレス社会の実現に向け、多様な決済サービスを提供している。
同社は、コスト競争力を高め顧客向けサービスへ注力するとともに、増加傾向にある業務量への対応を図るため、社内の業務効率化に取り組んできた。2017年にはデスクトップ型RPAを“市民開発”スタイルで開発・導入し、2024年4月現在で約1,000台のソフトウェアロボット(以下、RPAロボットと表記)を投入している。
2020年にはRPAロボット単体で効率化できる業務範囲に限界を感じ、業務の“始点から終点まで”を高度に効率化する手法を志向。「他の会社と情報交換をしていても、広い作業範囲を自動化・効率化する試みは聞こえてきませんでした。そのため業界では前例がないほどの難しい挑戦になると予想していました」と、デジタル企画部の宮崎友和氏は振り返る。

選択

ツールの技術力と三菱UFJニコスのシステムに知見を持つTISへの期待

新たな仕組みづくりを目指す三菱UFJニコスは、サーバ型RPAとBPMツールを組み合わせる方法を検討。そして複数製品のPoCを経て、RPAは「UiPath」、BPMツールは「intra-mart」を選定した。
「目指したのは、intra-martで構築したワークフローの中で、作業段階に応じたRPAロボットを自動で実行させる仕組みです。RPAロボットの自動作業と、人の判断を要する作業のシームレスな連携を目標にしました」(宮崎氏)。
今回、同社にとって初のサーバ型RPAの開発となるため、ツールの知見を持つパートナーの支援を仰ぐこととした。パートナー選定の条件として重視したのは、技術力に加えて、クレジットカード会社の業務システムの状況・仕様を理解していること。「この点、TISさまは豊富な経験と当社システムへの理解もあるため、RPAロボットの安定動作や、業務システムへの影響を回避するための、重要な役割を担っていただくことが期待できました。候補の会社の中で、ソリューションと当社業務システムの両方の知見を持つTISさま以外の選択肢は考えられませんでした」(宮崎氏)。
そして、ハイパーオートメーション化の第1号案件の対象業務として、クレジットカードのショッピング利用枠の増枠審査業務が選定された。準備段階では、三菱UFJニコスがBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)を実施し、既存業務手順をフロー図として可視化。これに基づいて開発の要件定義を行い、三菱UFJニコスとTISの両チームが並走してRPAロボット開発に臨むこととした。

導入

エラー停止したRPAロボットの自動リカバリーで、業務への影響を回避

今回開発するRPAロボットは17で、1日あたり計約3,000~4,000回の稼働が見込まれた。三菱UFJニコス・TISの両チームが同じ品質を維持するため、事前にTISが開発標準案を作成。画面上で操作ターゲットを定める方法などの開発ルールをまとめ、三菱UFJニコスのチームとともにブラッシュアップしていった。
本プロジェクトで大きな挑戦テーマとなったのは、RPAロボットがエラーで停止した際の、速やかな復旧。「RPAロボットは、偶発的な事象で停止することを完全には避けられません。そのため、いかに短時間でリカバリーして業務影響を回避するかを重視し、TISさまとアイディアを出し合いました」(宮崎氏)。
対策の一つとして、intra-martから自動的に再実行(リラン)させる仕組みを考案。人による都度のリラン処理を不要にした。他にも、統合管理ツールのUiPath Orchestratorからの遠隔制御などにより、業務に影響が及ぶエラーを1日に1件未満に抑えることが可能になった。
intra-martによるワークフローと各種ユーザインタフェース19画面の開発は、TISが中心となって実施。始業時に自分が受け持つタスクを選ぶ際や、作業の分岐先を選ぶ際などに使用される。「intra-martはローコード開発が可能なので、RPAと同様に内製化比率を高めていければと考えています」(宮崎氏)。

効果

作業量約3割を削減、ぺーパーレス化で紙の使用量は年間約8割の削減を見込む

こうして2023年10月、ショッピング利用枠の増枠審査業務のハイパーオートメーション化が実現。社内システムからの申請データ受領、審査、会員ごとの審査結果の回答方法(SMS・書面・電話)をデータ化する“始点から終点まで”の流れの中で、人とRPAロボットのシームレスな連携が実現した。
導入前と比べ作業量は約3割削減され、さらにペーパーレス化により増枠審査業務での紙の使用量は年間約8割削減できる見込みで、大幅な「業務効率化と削減」が期待されている。
今回の経験で三菱UFJニコスが得たものを宮崎氏はこう説明する。「円滑な開発のためには、事前の徹底したBPRが重要だと改めて理解しました。現場主導のBPRで業務をフロー図にする手法を体系化できたことは大きな収穫です。これを当社の文化として、職場にしっかり根付かせたいと考えています」。
宮崎氏は、TISへの印象をこう語る。「技術力は期待どおりで、弊社メンバーはサーバ型RPAロボット設計手法の工夫等で多くの学びが得られました。また、課題発生時は組織力で対応いただき、プロジェクトマネジメントのスキルも非常に高いと感じました」。
今後、ワークフローの中で取得したデータを利活用するプロセスマイニングも予定している。「たとえば、作業ステップのうち『この部分の滞留を解消すればお客さまへの回答日数を早められる』といった分析結果を得ることで、サービス向上につながります。データ利活用は、技術力のあるベンダーの腕の見せ所だと思いますので、TISさまからの提案に大いに期待しています」(宮崎氏)。

お客様の声

宮崎 友和氏

三菱UFJニコス株式会社
デジタル企画部 次長
宮崎 友和氏

現在、今回の業務に続く第2号案件のオートメーション化の構想に着手しています。既にBPRに取り組んでおり、開発フェーズでは引き続きTISさまにご協力いただきたいと思っています。今後、TISさまをはじめパートナー企業に当社の業務理解をより深めてもらい、上流のBPRから参画いただく進め方も、選択肢として検討しています。
近い将来、AGI(汎用人工知能)がお客さまのご利用状況から各種申請に対する可否を自動判定するような時代も来ると思います。こうしたR&Dに近い領域においても、TISさまからのご支援に期待しています。

TIS担当者から

矢倉 峻

TIS株式会社
経営管理サービスユニット アプリケーションテクノロジー部
テクニカルエキスパート
矢倉 峻

三菱UFJニコス様のビジネスにおいて、重要かつチャレンジングなプロジェクトを無事完了することができ、大変うれしく思います。引き続き、ハイパーオートメーション化の技術支援はもちろん、AIなど先進テクノロジーを活用したさらなる業務効率化に貢献できればと考えています。
今回三菱UFJニコス様とともに挑戦した、エンドツーエンドの業務のハイパーオートメーション化は、金融業界のさまざまな企業にとって役立つテーマであると思います。経験豊富なTISのエキスパートチームが、業務プロセスの課題解決をお手伝いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2024年7月3日 11時0分