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宮崎県都農町様/一般財団法人つの未来まちづくり推進機構様

新生児期から高齢期まで、住民の健康・医療情報をひとつのPHR基盤サービスで管理。
地域が一体となった健康意識醸成への取り組みで、医療専門人材が不足する中で住民の健康を維持。

宮崎県都農町様/一般財団法人つの未来まちづくり推進機構様
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背景

ヘルスケア関連サービスの普及促進で、まちぐるみのデジタル化を「次のステップ」へ

都農町は宮崎県のほぼ中央に位置する、農業を基幹産業とする人口1万人弱の町。自然環境に恵まれ、地元産ぶどうでつくる「都農ワイン」や、質の高い肉用牛の産地として全国的に知られている。
2020年春から夏にかけ、全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大。都農町でも、産業・医療・教育、さらに人と人のつながりにも深刻な影響が及んでいた。そんな中、都農町は「デジタル・フレンドリー宣言」を掲げ、まちぐるみのデジタル化推進による課題解決に乗り出した。
「それまで、ITサービスの利便性は理解していても、切迫感を持って必要性を感じている人は少なかったと思います。その結果、IT環境の整備が他の地域より遅れ、コロナ禍の対策に支障が出る場面が町内のあちらこちらで発生しました。“このままでは取り残されてしまう”という危機感から、デジタル化推進の取り組みに対して、町民の皆さんの共感が得られたと感じます」。こう語るのは、都農町と民間をつなぐ組織、一般財団法人つの未来まちづくり推進機構(以下、つの未来財団)の原島裕志氏。都農町は同財団と共同で、デジタル化推進施策をはじめ、持続可能な町づくりに取り組んでいる。
そして2020年後半から、町内全域への光回線敷設、希望全世帯へのタブレット端末の無償貸与、IT講習会などの施策を実施。さらに2022年頃からは、次のステップとして、町民が日常的に使用できるITサービスの普及促進を開始した。「年齢を問わず町民の“幸福度の向上”につながるテーマを検討した結果、ヘルスケア関連のITサービスから取り組むことにしました」(原島氏)。

選択

高度なセキュリティで情報を安全に保護するTISの「ヘルスケアパスポート」

こうして、都農町とつの未来財団は、健康づくりや介護支援、認知症予防といった個別テーマごとに、ITサービスの候補を検討。そのテーマのひとつにPHR(Personal Health Record)があった。PHRとは、医療機関での健康診断や診療結果や、日々記録する血圧や体温などのバイタルデータを自らが管理する仕組みのこと。
都農町福祉課の清水希美氏は、PHRへの期待をこう語る。「これまで、幼少期は母子健康手帳、就職後は定期健康診断の結果記録といったように、ライフステージごとに情報の分断が起きていました。それを一元的に管理できるPHRのアプリを利用すれば、生まれてから高齢になるまで連続性のある健康・医療情報を自己管理でき、健康のケアに役立てられると感じました」。
この目標を実現するために選ばれたのが、TISのPHR基盤サービス「ヘルスケアパスポート」であった。選択理由のひとつが、高い安全性。「TISは厳密なセキュリティが求められるクレジットカードのシステムをはじめ、金融系システムの構築実績が豊富。同社が手がけるPHRプラットフォームなら、バイタル情報や健診結果などを安全に保持できると思いました」(原島氏)。もうひとつは、拡張性・自由度の高さ。健康・医療情報を他の行政サービスと連携させる将来計画に適している点も、選択の決め手となった。
ヘルスケアパスポートを普及促進させることで描いた町の将来像を、原島氏はこう語る。「都農町の人口は2050年には6,000人前後まで減少すると予測され、医療・介護人材の不足はさらに深刻になります。そんな中、ヘルスケアパスポートを利用して、一人ひとりが自分の健康を自ら保てるようにする。これによって、限られた医療資源をより病状が深刻な方への支援にあてられるようになり、誰もが健康に暮らせる町づくりに役立つと考えました」。

導入

まずはマイナポータル連携による健康・医療情報閲覧からスタートし、導入拠点拡大を目指す

都農町は、ヘルスケアパスポートで閲覧できる健康・医療情報を大きく2段階で拡張していく計画としている。まずは2023年度にスタートした、マイナポータル連携による健康・医療情報の閲覧。これは国のマイナポータルから、特定健診の結果や予防接種の記録などをヘルスケアパスポートに取り込んで閲覧できるというもので、住民に対してデータの取り込みを促進する予定としている。「マイナポータルで閲覧できるのは過去数年の情報に限られますが、ヘルスケアパスポートに取り込むことで、期間制限がなくなります。これは町民の方に特に魅力を感じていただける機能だと思います」(つの未来財団 髙嶋みさと氏)。
第2段階では、町の基幹病院や薬局、各種健診の会場となる健康管理センターなどの対応を進め、町民がより多くの健康・医療情報を取得・閲覧できるようにすることを目指す。
さらに本人の同意を得て、健康・医療情報を病院や行政が共有することで、よりデータ利活用の可能性は広がる。「保健指導の際に、都農町の実施する特定健診結果に基づくものだけでなく、治療状況や服薬情報を踏まえた、より詳細で具体的な健康アドバイスを行うことが可能になります。将来的には主治医と連携を取りながら、共に病気の重症化を防ぎ、その方を健康へと導けるようにしたいと思っています」(清水氏)。
また、ヘルスケアパスポートは、家族の診療や検査の結果も共有できるので、“家族の健康も守る”意識の浸透も期待される。「たとえば高齢なご家族の診察日に立ち会えなくても、スマホ上で結果を確認するといった活用法も想定しています」(清水氏)。

構想

ライフステージによる分断がない健康・医療情報を健康ケアに活用

町民へのヘルスケアパスポートの普及促進については、健康管理センターで実施している各種健診等、町民と接する機会を利用して、導入勧奨を行っている。「実際にアプリを使った方からは、紙の記録を探さなくても子どもの予防接種の履歴が確認できる点がとてもいい、と感想がありました」(髙嶋氏)。また、2024年春にはヘルスケアパスポートのアプリの利用を開始した町民に対し、ウェアラブルウォッチを無償提供するキャンペーンも実施した。
ヘルスケアパスポートは、一生涯の健康・医療情報を継続して管理するための機能が充実していると原島氏は言う。「子どもが生まれた時は、親が代理でアカウントを作成して自分のスマホで情報管理を代行。子どもが成長し、たとえば成人になった時など、アカウントを切り出し本人にデータを引き継ぐことも可能です」。
さらに、全国に提供されているクラウド型のサービスであることから、情報の連続性がより保ちやすくなるメリットがある。子どもが進学や就職で地元を離れても、転居先にある病院がヘルスケアパスポートに対応していれば、情報が途切れることなく管理できる。
「ヘルスケアパスポートが今後、全国的なPHRの共通基盤へと成長することに期待しています。都農町での導入モデルが、全国普及の最初の一歩となれればうれしく思います」(原島氏)。

お客様の声

清水 希美氏

宮崎県都農町
福祉課健康推進係
清水 希美氏

原島 裕志氏

一般財団法人
つの未来まちづくり推進機構
原島 裕志氏

髙嶋 みさと氏

一般財団法人
つの未来まちづくり推進機構
髙嶋 みさと氏

都農町では“自分の健康を自分で守る”取り組みとして、健診受診や減量といった条件を達成した方に、電子地域通貨「つのコイン」を提供するインセンティブ施策を実施しています。
マイナポータルから取り込んだ特定健診結果をもとに「つのコイン」が申請できるメニューをヘルスケアパスポートに追加しました。この取り組みで、ヘルスケアパスポートの認知度向上の効果も期待しています。
特定健診結果とつのコイン施策を連動させるといった独自の機能拡張の要望に対し、TISが“サービスを一緒につくっていく”姿勢で真摯に対応くださることをありがたく思っています。

TIS担当者から

桐明 祐治

TIS株式会社
デジタルイノベーション事業本部
ヘルスケアサービス事業部
ヘルスケアプラットフォームサービス部
セクションチーフ
桐明 祐治

都農町様、つの未来財団様の、町民の方に寄り添いつつデジタルサービスの導入や保健・福祉事業を実現しようという熱意が印象的でした。初めて現地に伺った際のミーティングでは、町の課題をどう解決するかについての意見交換が、予定時間を超えて大いに盛り上がりました。今回の意欲的な取り組みに、TISがパートナーとして選定いただいて伴走できていることを非常に光栄に感じています。
今年度のヘルスケアパスポートの優先目標として、まずは、より多くの行政・医療施設でサービスが利用できる環境を整えるために関係者の皆様と協議を続けること。そして、町民の方に積極的に健診を受診いただき、その結果を閲覧可能にするといった、アプリ利用のメリットを感じていただく機会の創出に取り組みたいと考えています。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2024年9月26日 13時4分