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コクヨ株式会社様

BtoBサービス基盤をAWSマルチアカウントへ移行。
「AWSマネージドサポートサービス」で金融業のセキュリティ基準対応と柔軟な運用管理を実現。

コクヨ株式会社様

背景

ユーザー企業向けのサービス基盤のクラウド移行を計画

日本を代表するオフィス関連メーカーのコクヨ株式会社(以下、コクヨ)は、高品質なオフィス家具や文具・事務用品の製造・販売をはじめ、創造的で生産性の高い業務空間の構築まで幅広い事業を展開している。
コクヨは早くからデジタル領域にも進出し、クラウド市場の拡大前に、ユーザー企業の業務効率化を支援するBtoBサービスの提供を開始している。2004年開始の「@Tovas」(アットトバス)は、企業間の伝票発送業務を自動化・ペーパーレス化するサービス。また、金融機関の文書管理に特化したサービス「Re:FIND」(リファインド)も提供している。
そして2022年、この2つのサービスの基盤をデータセンターのオンプレミス環境からクラウドに移行することを検討。支援パートナーとして、複数候補の中からTISインテックグループのインテックが選定された。
インテックは約15年前から、今回の移行対象となった両サービスのオンプレミス基盤の構築・運用を担当しており、コクヨからの厚い信頼があった。加えて今回の提案が、コクヨが近年のサービス立ち上げで最も多く採用しているアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)を主軸とする内容であったことも評価ポイントとなった。
特に高く評価したのが、AWSをマルチアカウント構成にして、2つのサービスの領域を完全に分けて運用するという提案内容。「コンソール画面を分離することで誤操作を防止したり、社員ごとのアクセス権限を管理しやすくなるといった利点があげられていました。お客様にとって両サービスが“決して止められない仕組み”であるという、業務に対する我々の思いを理解してくれていると感じました」(@Tovas事業部 渡部善之氏)。

選択

TIS「AWSマネージドサポートサービス」でマルチアカウント環境を柔軟に構築・運用

インテックは今回、グループ企業のTISが提供する「AWSマネージドサポートサービス」を利用してマルチアカウント環境を構築・運用することをコクヨに提案した。
本サービスは、AWS導入企業の運用管理軽減に役立つ12種類の機能を提供するマネージドサービス。マルチアカウントに最適化したメニュー(2024年6月より「AWSマルチアカウントスイート」の名称で提供)も用意されている。
本サービスの印象を@Tovas事業部の米山健吾氏は次のように語る。「まず、TISの知見に基づくセキュリティ設定がプリセットで用意されている点に注目しました。AWSのセキュリティ対策は専門的な知識が必要で、すべてを社内で検証・評価するのは限界があります。TISがこれまでの経験で得たベストプラクティスを活用できるのは合理的だと思いました」。
もうひとつは、事業部別のコスト管理を効率化できる点。「マルチアカウントでは、AWSからアカウントの個数ぶんの、複数の請求書が発行されます。そのまま受領した場合、当社の請求担当チームが事業部ごとの支払額を算定する際の処理が煩雑になります。本サービスを利用すれば、TISが一本化した円建ての請求書の中にアカウントごとの内訳が一覧表示されるので、コスト処理がより効率化できることに期待しました」(渡部氏)。

構築

ベストプラクティスに基づくセキュリティ設定でユーザー企業の厳格な導入要件をクリア

今回AWS上に構築するアカウントの個数は、BtoBサービスの事業部別の2つのアカウントに、本番環境用・開発環境用などを加えて合計12個とした。
2023年6月にスタートしたプロジェクトは、パートナーとして選択されたインテックが全体を統括し、コクヨの一次窓口に。TISは、CIerとしてAWSを再販する役割とともに「AWSマネージドサポートサービス」の設定など技術面をサポートする役割分担で進められた。
移行対象のサービスがBtoB型であることから、コクヨからユーザー企業への事前説明を行いつつ、慎重にテストを重ね品質を高めていった。特に、基幹業務に@Tovas、Re:FINDを利用しているユーザー企業は、UAT(User Acceptance Test)のかたちで品質の検証に協力した。
「お客様との会話の中で、クラウド移行にあたってネットワーク周りのセキュリティに不安を感じるという声もありました。特に銀行など金融業のお客様は、新たにクラウドサービスを導入するにあたり、社内に厳格なセキュリティ要件が定められています。しかし今回、セキュリティのプリセットで安全性を強化できたこともあり、無事にお客様社内の審査を通過することができました」(ドキュメントソリューション事業部 立石夏実氏)。
こうして約1年3カ月のプロジェクトを終え、2024年9月に2つのサービスが同時に本番稼働をスタートした。「オンプレミスで安定して動いていたお客様向けシステムをクラウドにリフトするという、当社にとって初めての挑戦でした。幾つかの問題は起きましたがお客様の業務に深刻な影響を与えるものはなく、早期に安定稼働が実現できて安心しました」(渡部氏)。

効果

AWSマルチアカウント環境の運用管理に“柔軟性”をプラス

稼働から約半年が経過し、基盤の品質についての感想を米山氏はこう語る。「以前のオンプレミスとほぼ同等の品質・安全性などを満たすことができ、大変満足しています。また、オンプレミスでは同じ物理サーバーに2つのサービスが同居していたため、ストレージの容量拡張や、CPU・メモリのリソースをやりくりすることに苦心していました。今回、各アカウントがリソースの縛りを気にせず柔軟に拡張ができるようになり、お客様増加に伴いストレージ領域を拡張したい場合など、迅速に対応できるようになりました」。
本件で重要な役割を果たしているTISの「AWSマネージドサポートサービス」についての感想を渡部氏はこう語る。「プリセットされたセキュリティ設定を利用することで、検証の手間・時間をかけずにマルチアカウント環境の安全性を高められました。また、統合管理用のアカウントを設け、社員のアクセス権限の管理を厳格化したことで、ガバナンス強化にもつながっています」。
最後に、今後の展望を渡部氏はこう語る。「2種類のBtoBサービスをクラウドへリフトした今、次のテーマはシフトつまり最適化です。今後、AWSのさまざまな機能をいち早く取り入れてサービスをよりよいものに拡張していく計画です。BtoBサービスがクラウドネイティブに進化していく中、コスト負担の可視化をはじめAWS運用管理に“柔軟性”をプラスできる『AWSマネージドサポートサービス』の役割はさらに大きくなっていくと思います」。

お客様の声

渡部 善之氏

コクヨ株式会社
イノベーションセンター
@Tovas事業部
システムグループ
グループリーダー
渡部 善之氏

米山 健吾氏

コクヨ株式会社
イノベーションセンター
@Tovas事業部
システムグループ
米山 健吾氏

立石 夏実氏

イノベーションセンター
ドキュメントソリューション事業部
開発グループ
立石 夏実氏

移行対象の2種類のBtoBサービスは、お客様にとってビジネスインフラとも言えるもので、万が一サービスが止まるようなことがあれば、発注伝票を送信できないといった深刻な影響が及んでしまいます。今回、同じグループのインテックとTISが連携することで、高い品質が要求されるプロジェクトを不安なく進めることができました。
TISインテックグループが、これまでのシステム構築で経験してきた技術や知識が、我々のプロジェクトでも生かされていると感じる場面が多々ありました。これからも、蓄積された総合的な知見を、当社のクラウド基盤の進化に取り込んでいただけるよう、活発に会話をする関係を継続いただければ幸いです。

TIS担当者から

稲森 高司

TIS株式会社
IT基盤技術事業本部
IT基盤ビジネス事業部 IT基盤営業部 セクションチーフ
稲森 高司

今回のコクヨ様のプロジェクトでは、インテックの機動力のあるお客様対応とPJ推進力、TISのAWSに関するサービスやノウハウがうまく融合し、グループの総合力が発揮できたと感じます。今後もコクヨ様のIT戦略パートナーとして、グループ一体となって総合的なサービスを提供していきたいと思います。
今回コクヨ様にご利用いただいている「AWSマネージドサポートサービス」は、AWS自体の機能・サービスを活かしつつ、日本のお客様にご利用いただきやすいようTISが独自の機能を付加したサービスです。事業部単位で、運用にある程度の独立性を持たせたいお客様には、マルチアカウント利用に特化した「AWSマルチアカウントスイート」メニューをお勧めいたします。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2025年7月7日 11時0分