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株式会社 広島銀行様

テンプレートを書き換えるだけでクラウド開発環境を自動生成。
高品質なIaCテンプレートにAIエージェントを組み合わせて、基盤構築時間を1/10に削減。

株式会社 広島銀行様

背景

ビジネス変革を加速させる切り札として開発基盤構築の自動化を計画

デジタル技術を活用した業務変革・顧客体験向上に注力する、株式会社広島銀行(以下、広島銀行)。スピード感を持って、新たなサービスやアプリを創出していくため、IT統括部内にインフラの内製化組織「C-BIZラボ」を設置し、“開発の内製シフト”を強力に推し進めている。
開発基盤についてはクラウド上に用意することとしているが、そこには課題があったとC-BIZラボ所属の朝川洋平氏は説明する。「インフラの担当者が新たに基盤を用意する都度、サーバやネットワークの仕様をコントロールパネル上で設定していく手作業が必要でした。ミスが起きやすかったり、インフラの知見を持つベテラン社員の不在時は作業が止まってしまうといった属人化の問題もありました」。
そこで、従来のメインクラウドのアマゾン ウェブ サービス(AWS)に、新たにMicrosoft Azure(以下、Azure)を加えるのを機に、IaCを導入しクラウド基盤構築を自動化することを検討した。
※IaC:Infrastructure as Code
IaCとは、サーバやネットワークの構成情報をコード(テキスト)で記述し、これをTerraformなどの専用ツールに読み込ませるだけでクラウドのインフラを構築できる技術のこと。「この方法なら、高度なスキルがなくても、一部分のコードを書き換えれば、すぐに正確性・一貫性が保たれた開発基盤を用意できます。“新しいアプリやサービスをつくりたい”時、迅速にその土台となるインフラを確実にプロビジョニング(構築)できることを目標としました」(朝川氏)。

選択

クラウドとIaCの技術力を評価し、TISをパートナーに選択

ひとつの開発環境を構築するために必要なIaCのコードは約10,000行。このうち、約8割が広島銀行で繰り返し利用可能な共通部分で、残りが仮想サーバの仕様や連携するネットワークを指定する可変パラメータ部分となる。「最初に、土台となるテンプレートを開発するために、約10,000行のコードをイチから書き上げる作業が必要です。これらすべてをミスなく記述し、かつ金融機関特有のセキュアな設計要件も満たすには、専門家の支援は不可欠でした」(朝川氏)。
そこで、IaCテンプレートの開発を託すパートナーを検討し、採用されたのがTISであった。朝川氏はこう説明する。「IaCの経験値・スキルに加え、GitHubによるコード管理や、ガバナンスに配慮した公開承認プロセスの構築まで、当行の設計思想に寄り添った提案が印象的でした」。
最終的に決め手となったのは、高い技術力を備えたエンジニアに対する期待であった。TISは社内に複数在籍する「Microsoft Top Partner Engineer Award」受賞者のうち一人を、本プロジェクトにアサインすることを提案した。「そのトップエンジニアは、Azureに関する知見や、IaCツールのTerraformの経験が豊富な方でした。当行にとって初のIaC導入のチャレンジであり、プロフェッショナルに伴走してもらえる安心感が採用の決定打になりました」(朝川氏)。

開発

構造を体系化した高品質なIaCテンプレートを開発

プロジェクトは、TISがネットワーク構成やIaCテンプレート開発を、広島銀行がセキュリティ要件の設計を担当する役割分担で、密に連携しながら推進された。「当行で求められる設計思想に基づき、テンプレートに盛り込む内容を固めていきました。TISの技術者とはチャットやWeb会議で密接に意見交換し、設計に反映しました」(朝川氏)。
TISは、テンプレート開発にあたって、コードの随所に詳細な日本語の注釈を挿入した。これは、インフラ担当者がIaCのコードを書き直す際に「どの行が何の設定を意味しているか」を直感的に理解できるよう配慮したものである。
このテンプレートの真価をさらに引き出したのが、プロジェクト終盤に導入した「GitHub Copilot コーディング エージェント」との相乗効果だ。これは作成中のIaCのコードを格納するGitHubで使用できるAIエージェント機能で、朝川氏がテスト導入したもの。「当初は自動生成できるコードの精度が低く、あくまで“叩き台レベル”でした。しかし、TISが開発したIaCテンプレートを読み込ませて参照させた結果、驚くほど精度の高いコードが生成できるようになったのです」(朝川氏)。
TISのテンプレート構造が論理的に体系化され、高い品質で作られていたことで、文脈に沿った正確なコードを自律生成可能となった。テンプレートの品質がもたらした予想外の成果であった。

効果

新たな開発環境準備にかかる時間を約1/10に短縮し銀行のデジタル戦略を加速

TISが開発したIaCテンプレートは、広島銀行の開発内製化プロセスに劇的な変化をもたらした。「誰もが同じ手順で高品質な開発基盤を用意できるようになり、限られた人員でも開発チームの要望にすぐに応えられるようになりました。あらかじめAzure OpenAIなどの設定も組み込まれているので、開発チームは生成AIを活用した新サービス開発もスムーズに進められます」(朝川氏)。
また、AIエージェント「GitHub Copilot コーディング エージェント」による負荷削減効果を朝川氏はこう説明する。「開発環境を構築するコーディング作業時間を実質10分の1程度に削減できます。まるで“優秀な社員”のように機能してくれることで、人間は本来の設計やレビューの作業に集中できるようになりました」(朝川氏)。
IaCを導入してから最初の4カ月で、6件の開発基盤が構築された。「C-BIZラボでは、生成AIを利用した融資稟議書の作成支援アプリなどをアジャイル開発し、業務へ投入しています。このように、外部ベンダーに依存しない機動力のある開発が可能になったことは、当行の大きな強みとなっています」。
最後に朝川氏はこう締め括る。「小規模な開発基盤構築であればテンプレートの微調整で対応できますが、今後より大規模な基盤構築が必要になることも予想されます。その際に新技術が求められたり、既存設計の見直しなどが必要になったときは、またTISにプロフェッショナルとして伴走をお願いしたいと考えています」。

お客様の声

朝川 洋平氏

株式会社 広島銀行
IT統括部 C-BIZラボ
マネージャー 兼
ひろぎんホールディングス
業務統括部
IT統括グループ IT統括室
担当課長代理
朝川 洋平氏

プロジェクトを通じて、クラウドやIaC、セキュリティ設計といった高度な知見を社内に蓄積できたことは、効率化以上の価値があります。今後、インフラ刷新やサービス開発を内製で進めるための、持続可能なビジネス変革を実現する重要なステップとなりました。
今回、TISには、金融機関で求められるガバナンスを確保する仕組みの構築でも力になっていただきました。これは、担当者がGitHubに格納したIaCコードを書き換えた際、すぐには本番環境に反映されず、権限を持つ上長が承認後に反映される仕組みです。当行の設計思想を深く理解したTISの支援に深く感謝いたします。

TIS担当者から

旭 直人

TIS株式会社
IT基盤技術事業本部
IT基盤エンジニアリング事業部 IT基盤エンジニアリング第1部
エキスパート
旭 直人

平松 大成

TIS株式会社
デジタルイノベーション事業本部
デジタルイノベーション営業統括部 ペイメントサービス営業部
シニアアソシエイト
平松 大成

IaCテンプレートの開発にあたっては、広島銀行様の“運用のしやすさ”を第一に考え、過去実績を踏まえた運用しやすい構成を採用し、コメントを充実させる点などのコードの可読性を高めることを意識しました。
プロジェクトで印象深かったのは、広島銀行様が積極的にAI活用の情報を収集されており、「GitHub Copilot コーディング エージェント」の導入や追加決裁をお客様主導で進められた点です。TISが開発したコードと組み合わせることで、元々想定していなかった工数削減効果が得られた点には、我々自身も驚かされました。
金融業のITインフラにおいて「クラウド環境の素早い展開」と「ガバナンスの維持」を両立できるIaCは、非常に有効なアプローチです。今後もTISはクラウドとIaCの知見を活かし、広くお客様のDX推進を支援してまいります。

※本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または、登録商標です。

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更新日時:2026年2月24日 11時0分