株式会社オプテージ様
「mineo」ファンコミュニティの “願いを叶えあう”仕組み構築を支援。
優しさが循環する“感謝経済”で、解約率低下に貢献。
Summary
- mineoコミュニティにおいて、ユーザー同士が“願いを叶えあう”新しい体験を設計。
- “場所に紐づく願い”という新機軸で、コミュニティを活性化。
- 既存のパケット譲渡APIを感謝経済のエンジンとして有効活用。
- 潜在層への新たな情緒的価値提供で、解約抑止に貢献。
背景
――国内MVNOを代表するサービスのひとつであるmineo(マイネオ)についてお聞かせください。
冲中: mineoは、オプテージが提供する携帯電話サービス(MVNO)で、現在の契約数は137万件を超えています。2014年のサービス開始当初から、将来的にMVNO市場の競争が激化することは予想していました。だからこそmineoは、単なる低価格路線ではなく、ユーザーとともにmineoのサービスをよりよくする“ファンとの共創”を戦略の核に据えることにしました。その中核を担っているのが、登録者数約91万人のコミュニティサイト「マイネ王」です。
――「マイネ王」における“ファンとの共創”とはどのようなものですか?
冲中:
新サービスや改善の意見を募る「アイデアファーム」や、ユーザーの知恵で様々な疑問を解決する「Q&A」など、ユーザー同士が温かく“共助”しあえる空間を目指しています。
中でも象徴的なのが、余ったパケットを無償で分けあう「フリータンク」です。見返りを求めず助けあう仕組みは、安心してオンラインのコミュニティに参加できる心理的安全性をもたらしていると思います。
こうした交流に積極参加するユーザーほど解約率が低いというデータもあり、情緒的価値の提供はビジネス成果に直結することを裏付けています。
選択
――TISから「ペルソナバンク」※の提案を受けた経緯を教えてください。
冲中:
最初はTISに対して“硬いSIer”のイメージがあったので、てっきり基幹システムの提案だろうと思っていました。しかし、実際の提案内容は、「マイネ王」の中で「場所に紐づけた願い(wish)をユーザー同士で叶えあう」という、極めてユニークな仕掛けでした。
TISは、我々の“共助”の理念に深く共感し、今回の提案に臨んだと伺い、目指す方向性を深く理解してくれていることに驚きました。
※「ペルソナバンク」:ユーザーのパーソナル情報(趣味嗜好や性格、意思など)を活用し、“なりたい自分”になることを支援するプラットフォーム。
――具体的な活用イメージは、どのように膨らんでいったのでしょうか。
冲中:
ユーザーが地図上の任意の場所に願いごとを投稿し、それを見た他のユーザーが応えるという仕組みです。地図上に「明日◯◯町に行くけど、おすすめの飲食店を教えて」「□□イベント会場の混雑状況が知りたい」のように、願いごとを置くことが起点となります。それを見た他のユーザーが、テキストや写真を投稿して、ユーザー同士で願いを叶える、という基本コンセプトです。
この“場所に紐づく願い”という切り口は、従来の施策にはなかった発想でした。これなら、普段オフラインイベントに参加しにくい地方のユーザーも、誰かのために活躍するという充足感が得られます。全国で感謝経済の輪を広げられると考え、採用を決めました。
導入
――この提案から、ユニークなキャンペーン「願いよ実れ!ネガイナホ」が生まれたのですね。
梅津:
我々は、通信会社の枠にとらわれない、一風変わった発想を大切にしています。TISのプラットフォームという“器”に、「マイネ王」らしい価値提供を要素として加えたいと考え、真っ先に思いついたのが、6年以上継続してきた「農園プロジェクト」の存在でした。
ユーザーと一緒に泥にまみれて田植えや稲刈りを体験する、あの手触り感のある世界観を今回のキャンペーンにかけあわせようと考えたのです。
願いごとを“苗”に見立て、それをほかの誰かが叶えることで“稲穂”に育つ。地図が実り豊かになっていくビジュアルストーリーにより、助けあいのプロセスを直感的に表現しようと考えました。
――システムの実装は、どのように進められましたか?
梅津:
我々が提供する“苗”や“稲穂”のデザイン要素をTISが「ペルソナバンク」に巧みに融合し、「マイネ王」らしいUXを実装することができました。
少々こだわりが強すぎるとも言えるアイデアを投げかけても、TISは終始柔軟に、かつ一緒に楽しみながらサービスづくりに伴走してくれたのが印象的です。
冲中:
特徴的なのは、願いを叶えてくれた相手に感謝を表現する対価にパケットを用いたことです。我々が保有していたパケットをやりとりするAPIを、TISが「ペルソナバンク」の感謝経済の仕組みとして短期間で実装してくれました。
パケットをお礼とする利点は、ポイントや仮想マネーと違って、気軽に贈れるチップのような使い方ができる点だと思います。ほどよい温度感のやり取りに最適で、感謝経済のエンジンとして非常に有効です。
成果
――キャンペーンの成果はいかがでしたか。
梅津: 2025年8月~9月にかけて実施し、願いごとを地図上に“苗”として植えたユーザーが約600人にのぼり、そのうち約40%の方に回答が寄せられ“稲穂”が実るという体験を実感していただけました。この数字は、会員の皆さまの善意が可視化された結果だと捉えています。全体参加者(閲覧者を含む)は約2,000人で、従来の施策には参加されていなかったようなライト層の方々にも多く参加していただけました。
冲中:
ちょうど大阪・関西万博が開催中で、「おすすめのパビリオンを教えてほしい」といったタイムリーな願いごとも印象的でした。
今回のキャンペーンを通じて、普段はイベントに足を運ばないユーザーの中に「誰かの役に立ちたい」という潜在層が存在することが確認できました。このような情緒的価値の提供は、解約抑止の効果につながることは、過去のデータでも裏付けられています。
――今後、この仕組みをどのように発展させていく予定でしょうか。
冲中:
今回は約2カ月のキャンペーンでの採用でしたが、かたちを変えてレギュラーサービス化することも視野に入れています。
さらに、自治体様の社会課題解決にも応用できないかと検討中です。各地の会員を地域活性化イベントに呼び込み、地域の関係人口を増やすといった未来をイメージしています。
梅津: 提案時の印象どおり、TISは当社にとって価値観を共有する「共創パートナー」です。SNS疲れという言葉も聞かれる現代だからこそ、「マイネ王」は誰もが安心して善意を交わせる温かいコミュニティサイトであり続けたい。今後もTISならではの視点で、この空間をともに守り育てていってほしいと思います。
Company Data
株式会社オプテージ
本社:大阪市中央区城見2丁目1番5号 オプテージビル
設立:1988年
事業内容:電気通信事業、有線一般放送事業、小売電気事業 など
URL:https://optage.co.jp/
TIS担当者から
TIS株式会社
デジタルイノベーション事業本部
エンタープライズサービス事業
DIパーソナルデータサービス部
部長 フェロー
岡部耕一郎
mineo様が長年育ててこられた「共助」のコミュニティ文化は、ユーザー同士が自然に助け合あい、価値を生み出しあう非常にユニークなものだと感じています。今回の取り組みでは、その文化を大切にしながら、“願いを叶えあう体験”というかたちで可視化し、より多くの方が参加できる仕組みとして実装することを目指しました。
誰かの願いが、別の誰かの行動によって叶えられ、そこに感謝が生まれる。そうした善意の循環は、コミュニティの活性化だけでなく、人と人のつながりそのものの価値を高めていく可能性を持っていると考えています。
TISは今後も、企業とユーザー、そしてユーザー同士の関係性を豊かにするサービスづくりを通じて、善意や感謝が自然に循環する社会の実現に貢献していきたいと考えています。
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