株式会社Consumer first様

アマゾン「AWS」を基盤としてビッグデータ解析サービスを短期間で開発・提供開始

ネット広告大手オプトグループの株式会社Consumer first(以下Consumer first)は、大量のサイト閲覧ログから消費者行動を分析するサービスの事業化を構想していた。TISは開発および提供のインフラとしてAmazon Web Services(AWS)を採用し、短期間・低コストでビッグデータ解析サービスを完成させた。

社名 株式会社Consumer first
設立 2013年
事業内容 データ分析プラットフォーム事業、データ分析事業
URL http://www.consumer-first.jp/

課題

ネット広告で求められるデータ分析

近年、広告メディアとしてインターネットが存在感を増すなか、広告代理店にはデータ分析に基づくマーケティングやコンサルティング機能が求められるようになっている。インターネット広告大手の株式会社オプトは、こうした状況を踏まえ、社内のデータテクノロジー本部を分社化しConsumer firstとして設立する方針を決定。会社設立の時期は2013年初頭が目標として定められた。
「それまで、オプト社内で約10年に渡り、サイト閲覧ログの解析を行ってきた経験があります。このノウハウを元に、一般ユーザのサイト閲覧ログおよび解析サービスを組み合わせて一つのツール化し、広告主やマーケティング担当者に活用してもらおうというのが、新会社設立の目的でした」と語るのは、Consumer first プロダクトグループの戸村恵太氏。
アクセスログの解析は一般企業のサイトでも行われているが、その違いについて戸村氏は「一般企業のサイトのアクセスログでは、ユーザが一歩外に出ると行動を把握できません。我々が保有するサイト閲覧ログは、あらゆるサイトに及ぶ一般ユーザの行動を記録したものです」と説明する。

ビッグデータ解析の環境が必須

このサイト閲覧ログは、全国数万人規模の有償モニターから自動収集されている。参加を希望したユーザのパソコンにリサーチ用ソフトをインストールしてもらうことで、ブラウザで閲覧したサイトのURL情報が逐次記録される。さらに、利用者を特定できない範囲の、年齢・性別・居住地等の属性情報が同時に送信される。
このように、オプトは分析対象のデータを既に所有し、そこからマーケティング情報を導き出すパターンも確立されていた。「競争力の高いサービスになる自信はありましたが、ログのデータ量は30億件にもなるので、ビッグデータが解析できる環境が必須です。しかし、我々はITリテラシーが高いわけではないため、このアイデアをかたちにしてくれるパートナーが必要でした」(戸村氏)。
こうして戸村氏は2011年初めから、ビッグデータ解析の基盤およびアプリケーション開発のベンダー選定に着手した。

選択

新規市場に、ともに挑むパートナー

戸村氏は、過去に取引のあった複数のITベンダーに声をかけ、新たなビジネスの立ち上げに伴うシステム構築を打診した。「その時に確実に決まっていたのは、一般消費者の動向を可視化するツールを作りたい、という漠然とした方向性だけでした」(戸村氏)。
新規事業の立ち上げであるため、サービス要件を事前に決めることは困難。具体的な仕様が定まっていないことに対して難色を示すベンダーが多いなか、最も前向きだったのがTISだったという。「開発スタイルは、サービスのプロトタイプを作成して改修を重ねていくアジャイル型が希望であると伝えました。この開発方法は、一歩間違えばプロジェクトが袋小路に入るリスクもありますが、TISは熱意を持って話を聞いてくれました」。
こうして、TISの柔軟な開発体制と、これまでの大手企業におけるビッグデータ解析案件での実績を評価し、2012年3月に正式発注。プロジェクトの成否はTISに委ねられた。

プロトタイプ作成でイメージを共有

開発に着手するにあたり、戸村氏は構想するサービス「C-Finder」の詳細なイメージをTISへ説明した。「今回は仕様書というものがないため、ログのサンプルを見せて、ここからどういう行動パターンを読み取ることができるのか。また、解析結果をどのようなグラフやチャートで可視化したいのかといった説明を行い、最終的な目標を共有しました」。
また戸村氏は、サービスの提供形態として、専用ソフトのインストールが不要なASP型での提供を希望。これらの情報をもとに、TISはデータベースのオンプレミス構築、クラウドの利用など、考えられるすべての選択肢を洗い出して戸村氏へ提示した。こうして、インフラの選定を進めつつ、同時に「C-Finder」プログラムのプロトタイプ作成もスタートした。
「まず形を見ないと、何ができて何ができないのかも判断できないため、作っては修正することを何度も繰り返し、サービス仕様を固めていきました。社内には動作確認用のサーバもなかったのですが、TISが自社クラウド『T.E.O.S.』に仮想サーバを用意してくれて助かりました」(戸村氏)。

開発

Amazon Web Services(AWS)上で解析サービスを開発・提供

TISでは、高速データベースマシンやクラウドなどさまざまなインフラを検証し、約3カ月後の2012年6月、最終的にアマゾンのクラウドプラットフォーム「Amazon Web Services(AWS)」を解析サービス開発および提供のインフラとして選定した。
「TISの試算によると、高速データベースマシンを導入する場合と比較し、5年経過時のトータルコストがかなり少なく済みます。新規ビジネスへの挑戦にあたり、なるべく"資産を持たない"スモールスタートにしたいと考えていましたが、クラウドはその条件に適合していました」(戸村氏)。
ビジネス向けクラウドは、TISの「T.E.O.S.」を含めさまざまなサービスが提供されている。そのなかで、あえてTISがAWSを選択した理由は、まずデータ解析時のみ課金される従量制である点。また、AWSに用意されている各種機能を有効活用することで、開発期間を短縮できる点を評価してのものだった。「客観的な評価基準でアマゾンのAWSを選んだのは、独立系のITベンダーらしい柔軟な発想だなという印象を受けました」(戸村氏)。

最適化でパフォーマンスを引き出す

こうしてAWS上で「C-Finder」の構築がスタート。開発チームが最もこだわったのが、「C-Finder」と同じAWSに格納するビッグデータを解析し、結果を取り出すまでのスピードだったという。「開発中も、本番と同じ30億件のビッグデータでテストを行いましたが、条件によっては解析結果の表示が遅くなるといった問題が発生しました」(戸村氏)。
AWSには、入出力書き込みのI/O性能を保証する機能、分散処理で高速処理を行う機能(MapReduce)など、高速化のための機能が用意されているが、組み合わせや条件によってはパフォーマンスが十分に発揮できないケースもある。TISでは、さまざまな組み合わせをテストし、構成を見直すことで、ベストの性能を発揮できるよう設計を行った。
「それでもパフォーマンスを改善できないときは、TISがAWSの担当者とコンタクトを取り協力して問題解決に取り組むことで、満足のいく結果をもたらすことができました」(戸村氏)。

効果

プロのマーケターも賞賛する「C-Finder」

2013年1月、Consumer firstの会社設立と同時に、開発を終えた「C-Finder」が正式リリースされた。企業内サイトだけでは分からない広範な行動分析ができる特色が評判を呼び、導入企業は既に数十社に及ぶ。
特に、競合企業を含めたユーザ動向を知りたいと考える顧客から評価が高いという。「例えば、ある携帯電話会社が、競合の会社と同時期に新機種を発表したとします。大勢のログを解析することで、ニュースサイトでどちらの会社の記事が多く閲覧されたのか、また、それを見たユーザは、その後どちらの会社のサイトの、どのページを見て比較検討を行ったかということまで追跡が可能です」(戸村氏)。
また、インフラであるAWSのパフォーマンスについては「ご利用者から遅いと言われたことは一度もありません。社内の検証で課題が見つかったときも、TISがすぐに修正を行ってくれるため、快適な操作性が保たれています」(戸村氏)。

AWS上の開発に必要なのはノウハウ

戸村氏は、今回の開発を通じて、AWSの開発経験が豊富なパートナーの重要さを痛感したという。「当社だけではサービス開始にこぎ着けるのは不可能であり、経験豊富なTISに助けられました」。
アマゾンは直近の1年間で、AWSに新たに180ほどの機能の追加を行っている。より高機能なクラウドプラットフォームへと進化する一方で、一般企業ユーザがAWSをビッグデータ解析基盤として利用するには、技術に精通したITベンダーの存在は欠かせない。
戸村氏は、今後のTISへの期待をこう語る。「スマートデバイスやSNSの普及で、消費スタイルは急速に複雑化しており、我々のデータ分析のアーキテクチャも高度化が予想されます。TISには、これからも常にITの最先端で一緒に戦ってくれるパートナーとして頼りにしています」。

お客さまの声

株式会社Consumer first
プロダクトグループ
プロデューサー
戸村 恵太 氏

TISの協力で「C-Finder」を予定どおりリリースできたことに感謝します。TIS担当者とは、『まだ存在しない市場へ挑戦する』という目標で意気投合でき、取引先の関係を超える関係が築けたと思います。
スピードの確保だけでなく、解析結果の見せ方も苦心した部分です。マーケティング担当者の思考を妨げないよう、情報の導線をTISと何度も相談して作り直し、結果としてご利用者に喜んでいただけるサービスが完成したことに満足しています。

TIS担当者から

TIS株式会社
IT基盤サービス本部
IT基盤サービス第1事業部 プラットフォームサービス推進部 兼
IT基盤サービス第1事業部 IT基盤サービス第2営業部主査
内藤 稔

「C-Finder」のサービス検討から開発、保守に至るまで、Consumer first様と一緒になってプロジェクトを進め、成功させることができました。今回のアジャイル的な手法での開発は、TISにとってほとんど前例のない挑戦でしたが、Consumer first様のイメージに限りなく近いサービスが完成し満足しています。
AWSを基盤とするサービスの開発および提供は、さまざまなお客様からの需要が高まっています。TISはこれまでのAWS関連の開発実績を活かし、今後もさらに多くのお客様をお手伝いできればと思います。

  • ※TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
  • ※その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2016年10月6日 16時44分

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