ベリトランス株式会社様

ECサイトを支える決済サーバーをほぼ無停止で「Oracle Exadata」へ移行

オンライン決済サービス大手のベリトランス株式会社(以下ベリトランス)は、同社サービスを利用するECサイトの決済処理を代行するサーバーの刷新を計画した。TISの支援により、ほぼノンストップでOracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)への移行が実現した。

社名 ベリトランス株式会社
設立 1997年
事業内容 決済情報処理サービス、収納代行サービス、情報セキュリティサービス 等
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課題

決済処理サーバーの刷新を計画

いまや大半のショッピングサイトで、クレジットカード決済をはじめ、コンビニ決済、電子マネー決済など、複数の決済手段が利用可能となっている。ベリトランスは、こうしたさまざまな決済の仕組みをオンラインでECサイト運営者に提供する、総合決済プロバイダの大手だ。その代表的とも言えるサービス「VeriTrans 3G」は、一つの契約で複数の決済手段に対応。ショッピングサイトには、定義ファイルを設定するだけで容易に組み込むことができる。
「当社は創業以来、他社より高機能で低価格な決済サービスの提供を目指してきました」と、ベリトランスの上級執行役員CTO兼COO 赤尾浩平氏は語る。
同社はサービスの要であるデータセンターの移設を機に、決済サーバーの刷新を計画した。既存サーバーをそのまま移転する案もあったが、将来の事業拡大にも余裕をもって対応できるよう、より高速かつ可用性に優れたサーバーへ移行することを決定した。

高速データベースマシン「Oracle Exadata」を選択

従来の決済サーバーは、一般的なUNIXサーバーにオラクルデータベースを搭載し使用していた。これに代わるものとして、ベリトランスが注目したのが、高速データベースマシン「Oracle Exadata」であった。データベース専用に設計されたマシンであり、UNIXサーバーで動かすデータベースよりも可用性に優れており、大手金融業やサービス業などのミッションクリティカルな用途に採用されている実績を評価してのものだ。
また、決済サーバーの変更にあたって必須条件となったのが、移行時間を極小化できること。「ECサイトを運営するお客様の決済に影響がでないことが大前提でした」(赤尾氏)。
そんなとき、同社技術部の綿貫恵介氏がオラクルのサイトで目にしたのが、データベースのレプリケーション製品「Oracle GoldenGate」(以下GoldenGate)であった。同ツールを新旧サーバーに組み込むことで、データベースの同期を行うことができ、稼働中のサーバーを停止してデータをインポート/エクスポートする作業は不要になる。「本製品を利用すれば、ほぼ無停止の移行が可能と分かり、Oracle Exadataの採用を決定しました」(綿貫氏)。

選択

オラクル製品に精通したTIS

ハードウェアの選定を終えたベリトランスは、2012年7月より、移行プロジェクト遂行のためのITベンダー選定に着手した。オラクルに信頼できるベンダーの紹介を依頼したところ、候補としてあげられたのが、オラクルのパートナーとして、共同で技術検証や定期的な技術情報交換を行っているTISだった。TISは、オラクル製品のシステム構築実績も国内トップレベル。オラクルがTISを候補とした理由は、このようにオラクル製品に関する技術力の高さと実績が裏付けとなっていた。
今回のプロジェクトは、ベリトランスのサービスの根幹ともいえる決済サーバーをほぼ無停止で移行するという難易度の高いものであり、オラクル製品に精通したITベンダーの参画は大きな安心材料となった。

実機を用意した「TIS EAラボ」への期待

TISのもう一つの評価ポイントは、直前の5月にTISが検証環境として開設した「TIS EAラボ」の存在だった。この「TIS EAラボ」にOracle Exadataの実機が用意されていたこともあり、2012年8月末、ベリトランスはTISへ正式発注し、プロジェクトの幕が開けた。
「TIS EAラボ」は、データベースマシンやアプリケーションなどを用意したPoC(Proof of Concept:概念検証)環境で、企業が設備導入を検討する際に投資対効果を事前検証できる。
TISはOracle Exadataが納品されるまでの間に、この「TIS EAラボ」を利用し構成の実現方法についての検証を行った。本来「TIS EAラボ」の役割は、導入前の意思決定を支援するものだが、ベリトランスのように既に基本構成が決まっている企業であっても導入時の技術リスクを回避するために有効に機能する。

導入

PCI DSS対応サーバー移行の課題

2012年9月末、新たなデータセンターにOracle Exadataが納品され、TISはシステム構築に着手する。11月にはテスト稼働が可能となり、ベリトランスが用意した既存サーバーと同じ仕様のマシンを利用して、移行の方法・手順について検証を開始した。ここで判明したのが、PCI DSS対応サーバーを移行する際の、技術的なハードルの高さだった。PCI DSSとはクレジットカード業界の国際セキュリティ基準であり、ベリトランスの決済システムは、2005年にいち早く対応を果たしている。それにともない、データベースの暗号化が行われているが、これが要因となってGoldenGateを動かすために多くの条件をクリアする必要があったという。
移行元となる暗号化されたデータベースの設計方法や、新旧サーバーのOSのバージョンといった各種条件が揃わないと、GoldenGateがうまく稼働しない。そこで、TISが現在のシステムの状況を綿密に調査し、それを日本オラクルのコンサルティングサービスの協力を得て、密に情報共有。こうして技術的な問題点を早期に解決し、プロジェクトの大きな難所を越えることに成功した。

TISの技術力で課題に素早く対処

綿貫氏はTISのプロジェクトチームの印象をこう振り返る。「TISの技術者は、さすがにオラクルのデータベースに関する経験と知識が豊富だと感じました。想定外のトラブルが起きても、過去の経験に照らし合わせて、迅速に原因究明と解決を行ってくれました」。
また、TISのマネジメント力についても評価する。「こちらが一を言えば十を理解してもらえ、さらにプラスアルファの提案までしてくれる。スケジュール管理も非常に的確で、プロジェクトを円滑に進めることができました」(綿貫氏)。
その後、主力サービス「VeriTrans 3G」の決済システムは2013年3月18日の本番移行が決定。2週間前からはGoldenGateを利用して、新旧サーバーのデータベースが同期された状態となった。顧客に対しては、事前にシステム停止の時間帯が告知され、本番に向けて準備は整った。

効果

ほぼ無停止で移行に成功

こうして、移行本番の日を迎え、計画どおりに10分未満の移行時間を経て、Oracle Exadataが新たな決済サーバーとして稼働を開始した。「数年前なら1時間程度の移行時間も許容されたかも知れませんが、最近ではネットショッピングのトランザクションは24時間、常に流れている状況です。10分未満という極小の移行時間で済んだ結果、お客様にかける迷惑も最小限に抑えることができました」(赤尾氏)。
なお、Oracle Exadataへ切替えた後の1カ月間は、従来サーバーの稼働も併せて続けられ、データベースの同期が継続された。同社技術部の大西貴徳氏は次のように振り返る。「TISには、もしOracle Exadataにトラブルが発生しても、すぐに従来サーバーに切り戻せる体制で臨んでもらいました」。これは、GoldenGateの機能を利用した方法で、従来サーバーへわずか10分で切り戻すことができる。実際には、そのような事態は起きなかったが、万全のリスク対策がチームに与える安心感は大きかったという。

サービスの品質向上に貢献する高速処理

決済サーバーとして本稼働を始めてから、Oracle Exadataのパフォーマンスの高さを実感していると赤尾氏は語る。「ショッピングサイトを運営するお客様は、その日の取引ステータスに間違いがないかを照合するため、夜間に決済サーバー上で検索処理を行います。結果が出るまで30秒以上かかる検索処理の有無をツールで監視していますが、アラートが上がる件数が以前と比べ激減しました」。また、6時間を要していた夜間バッチも15分で完了し、バッチ処理に関しても大きな効果が得られた。さらにはユーザ企業が実行するデータ検索の処理時間も大幅に短縮された。「改めて、Oracle Exadataの処理能力の高さと安定性に驚いています。今後、当社の決済サービスを利用するユーザ数が大幅に増えても、パフォーマンスを維持できるはずです」(大西氏)。
Oracle ExadataとGoldenGateという新しい技術を組み合わせたプロジェクトを終えて、赤尾氏はこう振り返る。「決済サーバーの差し替えにより、結果的にさらなる高速化・安定化が実現できました。今後もお客様のニーズに最大限に応えた技術・サービスを提供してまいります」。

お客さまの声

左から
ベリトランス株式会社
上級執行役員CTO兼COO 技術部長 赤尾 浩平氏
技術部 マネージャー 綿貫 恵介氏
技術部 マネージャー 大西 貴徳氏

本プロジェクトでは、決済サーバーの差し替えにより、さらなる高速化・安定化が実現でき、お客様に提供するサービス品質の大幅な向上にも繋がりました。(赤尾氏)
TISの開発チームの中でも、特にリーダーを務めた担当者の方の動きのよさが印象的でした。こんなリーダーがいれば、今後どんなプロジェクトでも成功するのではと感じたほどです。(綿貫氏)

TIS担当者から

TIS株式会社
ITソリューションサービス本部
ITソリューションサービス事業部
データマネジメントソリューション部エキスパート
立石 朱城

今回、ベリトランス様にも評価いただいた「TIS EAラボ」は、当社データセンター「GDC御殿山」内に設けられており、Oracle Exadataをはじめ最新のハードウェア・アプリケーションを用意しています。実際の業務データによる事前検証をご希望のお客様は、ぜひご利用ください。
本プロジェクト中のお客様の多大なご協力に感謝するとともに、今回の貴重な経験を活かし今後もお客様のビジネスに貢献するためのサービスを提供してまいります。

  • ※TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
  • ※その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2016年10月6日 16時48分

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