株式会社ジェイアイエヌ様
「JINS」ブランドの急成長を支える人事系システム基盤を全面刷新
メガネ業界に一大ムーブメントを起こした「JINS」を展開する株式会社ジェイアイエヌ(以下、ジェイアイエヌ)は、事業規模の急拡大に伴い、レガシー化した人事系システム刷新の必要性に迫られていた。TISは、複数のパッケージ製品を高度に連携させるソリューションにより、課題解決を支援・実現した。
東京本社 | 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル20F |
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設立 | 1988年 |
資本金 | 32億247.5万円(2013年12月現在) |
事業内容 | アイウエア(メガネ)および服飾雑貨の企画・生産・販売など |
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課題
人事系システムの情報連携に課題
これまでの視力矯正のみを目的とするメガネから、ライフスタイルに役立つ機能性を備えた "アイウエア"へ。ジェイアイエヌは、わずか10gほどの「Air frame®(エア・フレーム)」、目の負担を軽減するパソコン用「JINS PC®」など、業界の常識を覆すアイウエア製品を次々と大ヒットさせてきた。企画・生産から流通・販売まで一貫したサプライチェーンを武器に、売り上げ本数業界No.1(2013年実績)を誇る。「店舗数は2013年11月末時点で231ですが、2017年8月期末までに倍以上の500店舗まで拡大する計画です」(マーケティング室広報 池川志帆氏)。
こうした店舗数の増加とそれに伴う人員増に対して、従来の人事系システムは追随できなくなりつつあったと、同社業務・システム革新室の石井博章氏は語る。「設立当初より中小規模向けの人事給与・勤怠管理パッケージ製品を利用してきましたが、一番の課題はシステム間の連携が弱い点でした」。そのため、人事情報の管理や給与計算を行う際は、同じデータを二重・三重に入力する作業の負荷が発生していたという。
また、店舗数が増え店長やスタッフの流動性が高まったことで、的確な人材配置を正確に履歴管理できる人事系システムも不可欠となっていた。「こうした課題を解決するとともに、将来描く" 500店舗"の事業規模にも対応できるよう、人事給与・勤怠システムのリプレイスを決断しました」(石井氏)。
選択
TISの"一歩踏み込んだ"提案を評価
2012年秋、ジェイアイエヌは要件をRFPにまとめ、複数のシステム会社から提案を募った。各社の提案内容を比較検討した石井氏は「TISの提案は、当社の業務課題をよく精査し、低コストと高効率化を両立させた、他社より一歩踏み込んだものでした」と振り返る。TISの提案の骨子は、人事給与はクレオマーケティングの「ZeeM人事給与(以下、ZeeM)」勤怠管理は日立ソリューションズの「リシテア」の2つのパッケージを中核とするもの。両製品とも、多くの企業で導入実績の高い製品だ。「異なるベンダーのパッケージ製品を高度に連携させることで、大規模対応可能なオールインワンパッケージ化し、短納期・低コスト化を実現できる点も、納得のいくものでした」(石井氏)。
さらに石井氏は、運用保守のサポート体制についても高く評価した。「他のシステム会社では、パッケージの問い合わせは、各製品のベンダーへというもの。一方TISは、同社がワンストップの窓口となるというもので、運用の手間を考えると、極めてメリットが大きいと判断しました」。こうして2013年2月、提案の総合的な優位性が評価され、TISへの発注が正式決定した。
導入
パッケージの高度連携でマスタを一元化
本プロジェクトにおいて、TISは進捗管理から設計・開発作業まで、リプレイス全般の作業を一手に引き受けた。「当社側の人的リソースに余裕がない時期だったため、データ移行やデータ検証・計算結果検証といった手のかかる部分のほか、プロジェクト運営など導入作業を全般的にTISにサポートしてもらい助かりました」(石井氏)。
技術面での最大のチャレンジが、「人事系マスタの完全統合」だったと石井氏は振り返る。一般的に、勤怠管理システムを人事給与システムのマスタに連携させる場合、一部のマスタ関連の処理は勤怠側に残ってしまうケースが多い。今回TISは、最大99画面・3,000項目まで拡張可能な汎用項目から選択してテーブル設計ができる「ZeeM」の柔軟さに着目。勤怠「リシテア」側の情報をすべて人事給与「ZeeM」側に寄せ切ることとした。TISの「ZeeM」と「リシテア」に関する豊富な導入経験と深い知見、そしてSI・サポート力が、今回の完全なマスタの一元化を成功へと導いた。
カットオーバーを間近に控えた2013年10月には、新システム移行に備えて、全国店舗の管理者に向けたトレーニングが実施された。「東日本と西日本の2カ所に店長クラスを集めて、『リシテア』による勤務管理操作などを実践し、TISには現地でオペレーションのサポートに全面協力いただきました」(石井氏)。
稼働
高度な人材活用に向けた基盤が完成
こうして新たな人事トータルシステムは、2013年10月に無事カットオーバーを迎えた。まだ稼働を開始して間もないが、目に見えて現れた導入効果として、"人事の引き出しを開けやすくなった"と表現する石井氏。「人事部門が欲しい情報をすぐに取り出せなかった以前と比べて、刷新後は、人事・給与・勤怠を統合したデータから、必要とする情報を即座に検索・参照可能になりました」。将来的に、社内で人材情報分析の取り組みが本格化した際には、この一元化された人事マスタが有効性を発揮するだろうと、石井氏は期待を寄せる。
また、勤怠管理のフロントエンドとなる全国の店舗でも、システム移行は滞りなく完了した。その現場で活躍しているのが、日常的なシフト管理を従来どおりExcelで作業し、そのデータを勤怠管理「リシテア」に吸い上げる自動連携の仕組みだという。「この連携部分もTISが提案・開発したもので、現場が使い慣れた運用手順を変えない工夫が、スムーズに受け入れられた成功要因の一つだと思います」(石井氏)。
石井氏は、今後のTISへの期待をこう述べる。「当社はまだまだ成長過程にあり、さまざまなビジネス戦略と、それを支えるIT戦略の立案に取り組んでいく必要があります。今後もTISならではの提案力で、パートナー企業として協力いただければと考えています」。
お客さまの声
株式会社ジェイアイエヌ
業務・システム革新室 リーダー 石井 博章氏
マーケティング室 広報 リーダー 池川 志帆氏
今回のプロジェクトは、異なるベンダーのパッケージ製品を利用しつつ、マスタを一元化するという困難な目標でしたが、TISの支援で無事実現することができました。今後も当社と密にコミュニケーションをとっていただき、人事関連のシステムに留まらず、より広い分野において、事業戦略に役立つ提案をいただければと考えています。
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