ヤフー株式会社様

ヤフーの財務会計システムを短期間で「Oracle EBS」へ刷新

「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社(以下ヤフー)は、財務会計等の経理業務を行うERPの刷新を計画。コンサルティングから参画したTISは、候補の各種ERP製品の性能評価を担うとともに、選定された「Oracle E-Business Suite」(以下Oracle EBS)の短期導入を支援した。

本社 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
設立 1996年
事業内容 インターネット上の広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業 等
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課題

事業の成長に遅れをとるERP

名実ともに日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」は、約605億ページビュー/月※、アクティブユーザ約2,800万IDと、圧倒的な閲覧数を誇る。運営を行うヤフーは、PCからスマートデバイスへと主役が移り変わる時代のなか、2012年4月に経営体制を一新。「第二の創業」を掲げてスピード経営に取り組んでいる。
ヤフーは2005年に、決算業務および債務管理(支払等)を行うERPとして、国内ベンダーのパッケージを導入。だが、事業規模の拡大に伴い、売上が当時の約3倍へと成長したことで、ERPの処理能力は限界に近づいていた。「外部システムからデータを取り込むバッチ処理に時間を要し、時にはフリーズすることもありました。決算開示の遅れには至らなかったものの、大きな金額を扱うには明らかに不都合が生じていました」(経理部 中里秀行氏)。
また、パッケージベンダーのサポート体制は十分と言えず、税金など法改正後のパッチ提供も遅れがちだった。さらに大きな課題は、製品がIFRS(国際会計基準)未対応という点。「2014年度からIFRS対応の決算開示が決定していました。当面は、ERPのデータを外部ソフトで計算処理する方法でIFRSを適用する予定でしたが、作業工程が複雑化すると誤りが起きるリスクもあり、IFRS対応のERPへの早期移行は必須となっていました」(情報システム本部 川上裕之氏)。
※2014年10月~12月の平均値

選択

TISのコンサルティングで「Oracle EBS」を選択

2013年夏、ヤフーはまず、新たなERPパッケージを選定するため、SIベンダーをコンサルタントとして入れることを計画。「我々はWebエンジニアリングの知識はあっても、会計は強みをもつ領域ではありません。専門的な意見を取り入れ、最適な製品を確実に見極めたいと考えたのです」(川上氏)。こうして、コンサルティングおよび導入を担うパートナーとして、10社以上のSIベンダーが候補となる。そのなかから選ばれたのがTISであった。
「ほとんどのベンダーは、各社それぞれ得意とする製品があり、それを前提として提案に臨んでいました。一方、TISは製品にこだわらない公平な立場と、大規模ERPの導入経験が豊富であることが社内の評価を集めました」(川上氏)。そして2013年9月から3カ月にわたり、TISによる業務分析および各種製品の性能評価が行われた。結果は逐次、TISが比較テーブルにまとめ、ヤフーに提出された。「このコンサルティングの結果と、実際に社員が操作を行った評価をもとに、『Oracle EBS 』など数製品に絞り込みました」(業務推進部 佐藤恭一氏)。
最後に決め手となったのは、数カ月のスパンで業務・組織が大きく変貌する、ヤフーのスピード経営への適性であった。「最終候補には、テンプレートの種類の多さをうたう製品もありましたが、既成のテンプレートでは、当社の変化の速さに追随できません。これに対して『Oracle EBS』は、データソースの構造が公開されており、業務に合わせて柔軟なカスタマイズが行える点を評価しました」(川上氏)。さらに、モジュールを追加することで、適用業務の範囲を広げられる拡張性の高さも評価ポイントとなった。こうして新たなERPパッケージとして「Oracle EBS」が選定された。

導入

綿密なプロジェクト管理で短期導入を実現

2014年2月に開始した導入フェーズでは、従来のERPと同じく「財務会計(GL)」「債務管理(AP)」にモジュールを絞り、8カ月という短期間で確実に導入することを最大の目標とした。
プロジェクトにおけるTISの動きを川上氏は「当初は、ヤフー側が進捗をマネジメントする計画でしたが、定例会議でTISが提出する進捗管理表を見ると、まったく非の打ち所がない。すべてのマネジメントをTISに任せた方がうまくいくと判断し、方針を切り替えました」と語る。
今回の導入を成功させるうえで、ヤフーとTISは、社内に存在する約15もの既存システムと「Oracle EBS」を連携させることが、ひとつの課題であると認識していた。「これらシステムは、激しく変化する業務内容に対応するため、社内のエンジニアがその都度構築したもので、それぞれが複雑に絡み合い動いています」(佐藤氏)。ここで効果を発揮したのが、TISが「Oracle EBS」向けに独自開発した「TIS自動仕訳エンジン」であった。
これは、既存システムのデータを「Oracle EBS」に適したかたちに変換し、スムーズな受け渡しを可能にするツール。通常は連携するシステムごとに個別のアドオンを開発する必要があるが、本ツールを利用すれば専用の画面上で仕訳ルールを設定するだけで済む。「プログラミングの工程を減らせたことは、短期導入とコスト削減に成功した大きな要因です」(川上氏)。こうして2014年9月に予定どおり導入フェーズが終了、翌10月から「Oracle EBS」が本稼働を開始した。

効果

会計情報の統合データベース化を目指す

ヤフーが2015年2月に開示した四半期決算報告では、初めて「Oracle EBS」単独で処理したIFRS対応の決算情報が用いられた。「外部ソフトによる計算処理が不要となったことで、決算業務がシンプルになり作業手順がより厳密に。内部統制強化にもつながりました」(中里氏)。処理速度の面でも、データ集計のバッチ処理が半分に短縮されたケースもあり、体感速度は大きく向上したという。
経営の意思決定の迅速化に取り組むヤフーにとって、「Oracle EBS」に寄せる期待は大きいと川上氏は語る。「従来のERPには、BIツールで分析する程のデータソースが蓄積されていませんでした。組織変更の履歴も登録されておらず、部門によっては年ごとの売上推移を確認することも困難でした。当社が目指すのは、あらゆる経理情報をタイムリーに閲覧できる統合データベースの実現。『Oracle EBS』の導入で、その最初の一歩を踏み出せました」。
コンサルティングから導入までを担ったTISに対しての印象をこう語る。「ヤフー社内には必要なシステムは自分たちでつくる文化があり、ERPパッケージを独力で導入することも選択肢のひとつでした。しかし、“Oracle EBSのプロ”であるTISが上流工程から加わったことで、私たちにはできない複数のERP製品の性能評価が可能になり、プロジェクトでは目が届きにくい細部までフォローしてもらえました。今回の成功は、TISがいてこそ得られた結果だと思います」(川上氏)。

「Oracle EBS」導入後のイメージ

お客さまの声

左から
ヤフー株式会社
システム統括本部 情報システム本部 本部長(当時) 川上 裕之氏
業務推進部 業務企画 佐藤 恭一氏
経理部 主計チーム リーダー 中里 秀行氏

導入フェーズでは、突然の仕様変更にも迅速に対処いただき、TISの柔軟な対応に感謝します。期待に違わない「Oracle EBS」の性能、そしてSIベンダーとしてのTISに対する評価は、既に親会社にも報告済みです。今後「Oracle EBS」を導入するグループ会社が増えれば、それがバックエンドを担当する部門の “共通語”となり、会社の違いを超えて交流する機会につながることに期待しています。

TIS担当者から

TIS株式会社
ITソリューションサービス本部
エンタープライズソリューション事業部
エンタープライズソリューション第2部
主査 寺本 寛

本稼働が始まってすぐに、ヤフー様のエンジニアの方々が、アドオンの組込みなど「Oracle EBS」の拡張に着手されています。こうした優れた技術をもつヤフー様から、EBS導入手法およびプロジェクトの進捗管理や課題管理の手法を評価いただき、TISにとって誇れる実績となりました。
今回のプロジェクトでは、「Oracle EBS」と並行して固定資産管理のパッケージの新規導入もTISに任せていただきました。今後も、グループ会社への「Oracle EBS」導入やメジャーアップグレードなど、TISの強みを活かせる部分でお手伝いができれば幸いです。

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更新日時:2017年10月18日 16時9分

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