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住吉鋼管株式会社様

事業継続の要となる基幹システムをオンプレミスから「Oracle Cloud」へ全面移行

産業機械向けのパイプ製造を手がける住吉鋼管株式会社(以下、住吉鋼管)は、Oracle Database(DB)を基盤とする基幹業務のオンプレミス環境を「Oracle Cloud」へ移行することを計画。移行支援にあたったTISは、クラウド上にDB基盤・アプリケーション・ネットワークのフル環境を構築し、全面移行を障害ゼロで実現した。

本社 大阪市住之江区粉浜西2-3-34
設立 1944年
資本金 4,500万円(2017年9月末現在)
事業内容 自動車・建設機械・産業用機械向け引抜鋼管の製造・販売など
URL http://www.sumiyoshi-kokan.co.jp/

 

住吉鋼管株式会社様

課題

サーバーの社内運用が事業継続のリスクに

住吉鋼管は、自動車・建設機械・農機具等向けの高精度のパイプ(冷間引抜鋼管)を手がける、国内屈指の専業メーカー。堺市の工場に世界最大級の製造設備を有し、顧客企業からの幅広いオーダーに応えている。
同社の業務を支えるのが、2000年代初頭に導入されたOracle DBと、開発・実行環境となるOracle Forms。総務部 竹上信一氏はこう語る。「製造工程管理、受発注などのアプリケーションは、Oracle Formsによる自社開発です。社内のほぼ全端末で利用され、当社業務の生命線となっています」。
導入以来、サーバーは社内運用だが、いくつかの課題があったと常務取締役 幾谷安博氏は語る。「一つが、サーバーに障害が起きた際、復旧に時間を要すること。特に、管理担当者の外出時は、業務停止が長時間に及びます。また、本社ビルが大規模災害で被災した際の事業継続性にも不安を抱えていました」。
そこで同社は2017年に入って、基幹システム基盤の既存環境を全面的にクラウド移行することを計画し、その基盤に「Oracle Cloud」を選択した。これは、オンプレミスと同じOracle 製品を、同じアーキテクチャのままクラウド上で展開したパブリッククラウド。「15年以上培ったOracle製品のノウハウが活かせることが魅力でした。いわゆるメガクラウドは、イチから環境を構築する手間や移行リスクが懸念され、選択肢として考慮しませんでした」(竹上氏)。

選択

「Oracle Cloud」の知見を持つTISを選択

同社は、基幹業務システムのクラウド化を2017年7月までに終わらせ、翌8月頭に本番切替えを行うことを目標に定めた。クラウド移行を急ぐ理由には、既存のファイアウォールや通信機器などの保守期限が、間もなく一斉に終了するという事情もあった。「このタイミングを逃すと、次は数年後。そのため、まずはオンプレミス環境を“そのまま”クラウド化することで、工期を短縮しようと。移行後は、半年から1年程度の時間をかけて、業務アプリケーションをブラッシュアップしていくという計画です」(幾谷氏)。
2017年3月、同社はオラクルに「Oracle Cloud」のノウハウを持つSIベンダーの紹介を依頼し、そこで候補としてあがったのがTISであった。竹上氏はTISの担当者の印象を「Oracle DB、Oracle Forms、アプリケーションの部分まで、オラクルテクノロジーに関する知見の広さに驚きました」と語る。
また、TIS選択の大きな決め手になったのが、まだ国内で導入事例が少ない「Oracle Cloud」の技術検証を終わらせていたことだったという。「企業の需要が立ち上がることを見越して、2年ほど前から技術検証を行っていると説明を受けました」(幾谷氏)。同社のオンプレミス環境を調査したTISは、「Oracle Cloud」の知見に基づき、クラウド移行は可能と判断。「技術的な裏付けができ、不安が解消しました。我々は、今回ほどの規模のプロジェクトは経験がなく、すべてをTISに託そう決めました」(幾谷氏)。

移行

クラウド上にシステム基盤をグランドデザイン

こうして、移行プロジェクトは5月にスタートした。一般的に、マイグレーションでは、移行先の環境でアプリケーションが動くかどうか入念な動作検証を事前に行うが、今回は同プロセスを圧縮できたという。「オンプレミスのOracle DBと同じアーキテクチャなので、Oracle Formsで開発したアプリケーションは問題なく動きます。工期の短縮に絶大な効果があり、『Oracle Cloud』を選んでよかったと感じた点です」(竹上氏)。
TISはまず、Oracle DBとOracle Forms、他システムとの連携部分のグランドデザインに着手した。そして、Oracle DBはPaaS(Database Cloud)、Oracle FormsはIaaS(Compute Cloud)上に環境を構築し、相互に連携させるインテグレーションを実施した。「TISの知識は“すごい”の一言。我々は業務アプリケーションの開発はできても、ネットワークを含めた基盤全体の設計までを行うノウハウはありません。正直、我々の出番はなさそうだなと思いました(笑)」(竹上氏)。
プロジェクト中盤に起きた技術上のトラブルも、TISの助言で解決したと振り返る。「オラクル製品ではないアプリケーションから、クラウドに接続できないという問題です。TISによると、『Oracle Cloud』のセキュリティレベルに合わせた設定がされていないと接続を受け付けない仕様とのこと。アドバイスどおりにネットワークの設定を変えたところ、問題なくつながりました」(竹上氏)。

効果

オンプレミス環境をなくし管理負荷が軽減

こうして、2017年8月から本稼働がスタート。「社員からトラブルや速度低下の報告は1件もありません。障害ゼロを実現したTISの技術力はさすがだと思います。Oracle DBもOracle Formsもオンプレミスと同様に動作し、社員はクラウドに切り替わったことにも気付いていないと思います」(幾谷氏)。
最大の目的であったBCP対策については、「サーバーの障害復旧が長時間に及ぶリスクがなくなり、“会社の業務を止めない”という目的を達成できました」(幾谷氏)。また、竹上氏は管理者としての恩恵をこう語る。「以前は、工場が休日稼働している日にサーバーが止まると、本社に出向いて緊急対応を行っていましたが、これも解消。また、ファイアウォール機器の管理が不要になり、社内でログをチェックする手間からも解放されました」。
同社は現在、次の目標である、業務アプリケーションの仕様のオープン化に向けて動き出している。「将来にわたって、社内で開発者を育て続けるのは困難なため、社外を含めたより大勢が作業に関われる開発体制が必須です。そのため、現行アプリケーションの仕様書を改めて作成し、開発ルールの標準化を定める作業に着手しています」(竹上氏)
幾谷氏はこう続ける。「クラウド移行により、“待ったなし”だったBCP対策ができたので、腰を据えて業務アプリケーションの見直しに取り組めます。今後TISには、よりオープン志向の開発プラットフォームであったり、外部サービスを組み合わせたクラウドネイティブ化であったりと、我々の考えが及ばない部分で提案をいただければと思います」。

導入イメージ

導入イメージ

お客さまの声

幾谷 安博氏

住吉鋼管株式会社
常務取締役 総務部長
幾谷 安博氏

竹上 信一氏

住吉鋼管株式会社
総務部
竹上 信一氏

2017年春の時点で、基幹業務システムをそのまま「Oracle Cloud」に移行した国内事例はほぼ存在しないということで、ある程度はトラブルが起きるのではと覚悟していました。しかし、プロジェクトもスムーズに進み、本稼働後も障害なし。これは、TISの技術力があってのことだと思います。過去に、別のSIベンダーにある案件を依頼した際はトラブルで苦労しましたので、技術の裏付けがあることで「ここまで安心できるのか」と改めて感じました。今後も、クラウドに上げた業務アプリケーションをよりよいものにしていくため、TISの支援・提案に期待しています。(幾谷氏)

TIS担当者から

藤橋 大介

TIS株式会社
産業事業本部
エンタープライズソリューション事業部
エンタープライズソリューション第2部 主査
藤橋 大介

基幹業務システムを「Oracle Cloud」に移行するという、まだ前例の少ないチャレンジをお手伝いでき、技術者として達成感を感じています。TISでは2015年10月から「Oracle Cloud」の技術検証を行ってきましたが、事前準備ができた状態でプロジェクトに取り組めたことが、成功の大きな原動力になったと思います。今後は、「Oracle Cloud」を利用したアプリケーション開発等、さらなるクラウドの活用についても、ご提案させていただければと思います。

※ TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
※ その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。

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更新日時:2023年10月4日 23時12分