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仕訳とは?基本ルールや勘定科目、手順をわかりやすく解説

公開日:2025年10月

経理業務の基本ともいえる「仕訳」は、日々の取引を勘定科目ごとに整理し、借方と貸方に分けて帳簿に記録する作業です。仕訳は財務管理や決算書作成の基盤となるため、正確性が求められます。本記事では、仕訳の基本ルールや勘定科目の役割、具体的な手順、注意点などをわかりやすく解説します。

1. 仕訳とは

仕訳とは、備品の購入、売上、給与や経費の支払い、借入金の返済といった企業活動に伴う 各種取引(必ずしも金銭の動きに限らない) を借方と貸方に分け、勘定科目と金額を帳簿に記録する会計処理です。

日々の仕訳は仕訳帳から総勘定元帳へ転記され、最終的に貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)に反映されます。これらの財務報告や税務申告、経営分析の基礎データとなるため、正確な仕訳は非常に重要です。

また、後の章で解説するように、仕訳は「資産・負債・純資産・収益・費用」という5区分の勘定科目に基づいて行われます。このように作成された仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿について、国税庁は一定期間の保存を税法上の義務として定めています。

適切な仕訳を怠れば税務上の問題が生じるだけでなく、誤った経営判断につながるリスクもあるでしょう。そこで、仕訳のルールを理解して正確に取り組むことが重要です。

1-1. 勘定科目とは

勘定科目とは企業活動で発生するすべての取引を整理・記録するための分類項目で、「見出し」のような役割があります。実務上では「資産・負債・純資産・収益・費用」の5区分に整理されます。以下の表で、各区分の概要と例を見てみましょう。

区分 概要 勘定科目の例
資産 企業が保有し将来の経済的便益が期待できるもの 現金、預金、有価証券、棚卸資産、備品、建物、土地など
負債 支払・返済義務があるもの 買掛金、長期借入金、地方債、退職手当引当金、未払金など
純資産 企業に返済義務がない資産 資本金、資本剰余金、利益剰余金など
収益 企業活動などにより一定期間で得た収入 売上、受取利息、受取配当金、雑収入など
費用 収益獲得のために必要となった経費 仕入、原材料費、給料、旅費交通費、租税公課など

なお、決算書の作成時には、資産・負債・純資産は貸借対照表に、収益・費用は損益計算書に反映されます。勘定科目を正しく選択しながら仕訳作業を行うことで、貸借対照表では企業の期末における財政状態が、損益計算書では年間利益など経営成績がそれぞれ表示されます。

決算書は投資家が投資判断を行う資料となるため、仕訳漏れや仕訳の重複といったミスなく取り組むことが大切です。

2. 仕訳の基本的なルール

仕訳には、以下のように基本となる2つのルールがあります。

  1. 取引を借方(左)と貸方(右)に分けて記録する
  2. 借方と貸方のどちらに当てはまるかは、勘定科目の区分によって変わる

例えば、1台10万円のパソコンを備品として現金で購入した場合の仕訳は、次のとおりです。

借方 貸方
備品 100,000円 現金 100,000円

このように仕訳作業では、1つの取引を借方と貸方の両側面から記録し、必ず同額になるように記載します。これを複式簿記といい、どちら側に記載するかは勘定科目の区分と増減での判断が必要です。

以下の表で、区分ごとの記載を確認してみましょう。

勘定科目の区分ごとに、何が増えて何が減ったかを見ることで、分類の仕方が変わります。これは「仕訳法則」と呼ばれ、上記の表を言葉にすると以下のとおりです。

<仕訳法則>

  • 資産は、増えれば借方、減れば貸方
  • 負債は、増えれば貸方、減れば借方
  • 純資産は、増えれば貸方、減れば借方
  • 収益は、増えれば貸方、減れば借方
  • 費用は、増えれば借方、減れば貸方

勘定科目の区分を踏まえて、冒頭の「1台10万円のパソコンを購入した場合」の仕訳を見ると、「パソコン(備品)という資産が増加し、現金という資産が減った」といえます。

上記の仕訳法則にある「資産は、増えれば借方、減れば貸方」に当てはめると、以下のような書き方になることがわかります。

借方 貸方
備品 100,000円 現金 100,000円

3. 仕訳の仕方

ここでは、前段で解説した仕訳の基本的なルールに基づき、「銀行からのローンのうち50,000円を現金で支払った場合」について、仕訳の仕方を3つのステップに分けて解説します。

3-1. STEP1.取引内容から勘定科目を判断する

まずは取引内容を確認し、会計上の勘定科目に当てはめます。「銀行からのローンのうち50,000円を現金で支払った」という内容から、借入金を現金で返済したことになります。したがって、「借入金」と「現金」が勘定科目になると考えられます。

3-2. STEP2.勘定科目の区分を確認する

続いて、勘定科目が資産・負債・純資産・収益・費用のどの区分に属するかを確認します。今回の場合、借入金は「負債」、現金は「資産」に該当することがわかります。

3-3. STEP3.勘定科目と金額を借方・貸方に記載する

最後に、「仕訳法則」に基づき、勘定科目と金額をそれぞれ借方・貸方にそれぞれ記載します。今回のケースでは、「負債は減れば借方」「資産は減れば貸方」です。これに当てはめると、以下のように借入金は借方(左側)、現金は貸方(右側)に仕訳を行います。

借方 貸方
借入金 50,000円 現金 50,000円

4. 仕訳作業で行う際の注意点

仕訳を正しく行うためには、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。ここでは代表的な3つを紹介します。

4-1. 借方・貸方の金額が一致しているかをチェックする

仕訳では、借方と貸方の金額が必ず一致します。仕訳の漏れや重複入力、税区分の選択ミスなどにより不一致が生じることがあるため、定期的に合計金額を突き合わせて確認することが大切です。なお、複数の勘定科目が関与する場合でも、借方・貸方の合計金額は必ず一致します。

また、消費税の処理や手数料控除など、内容によっては2つ以上の借方と貸方が発生するケースもあり、不一致を招きやすくなります。そこで、仕訳後に借方と貸方の合計を突き合わせるなど、定期的に確認する体制を整えることが重要です。

4-2. 同じ勘定科目を継続して使用する

勘定科目の名称を社内で一度決めたら原則として変更せず、継続的に使用することも大切です。これにより仕訳の基準が統一され、帳簿の一貫性が保たれます。

特に連結決算を行う企業グループでは、各社で勘定科目の名称をそろえることがポイントです。子会社ごとに異なる勘定科目を使用していると、連結時に科目の突合や変換作業などが発生し、余計な労力がかかる点が懸念されます。

4-3. 手作業によるミスの防止

手作業で仕訳を行う場合、ヒューマンエラーのリスクに注意しなければなりません。

入力金額の誤り、勘定科目の選択ミス、記載漏れや二重計上といった不備が発生すると、決算書を正確に作成できなくなります。たとえば、費用が過小計上されてしまうと、事実とは異なる決算書が作成されて、経営判断や投資家からの信用に悪影響を及ぼす恐れがあります。

しかし、取引件数が膨大な大企業では、手作業による仕訳はミスを招きやすいでしょう。また、複数のグループ会社から仕訳データを集約する場合では、各社で使用しているフォーマットが異なると合算に労力がかかるのも懸念点です。

そこで、自動仕訳機能を備えたツールを導入することで、ヒューマンエラーや担当者の負担軽減につながると期待できます。

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5. 複雑な仕訳作業をノンプログラミングで自動化する「会計処理エンジン」

複雑な仕訳作業を自動で行いたい場合には、TIS株式会社の「会計処理エンジン」がおすすめです。「会計処理エンジン」では、会計業務を効率化する自動仕訳機能が利用できます。これは、仕訳の変換ルールをセットアップすることで、多様なシステムから取引データを集約し、自動仕訳する機能です。仕訳ルールを一元管理できるため、仕訳のバラツキや煩雑なルール管理を手動で行う必要がなくなります。

「会計処理エンジン」を導入する前後の仕訳イメージは、以下のとおりです。

「会計処理エンジン」を導入していない場合、経費精算や販売、購買、人事など複数の業務システムから仕訳データを生成し、会計システムへ取り込むためには、煩雑なルール管理や手作業による手間が発生します。

一方、「会計処理エンジン」を導入すれば、各業務システムから仕訳データの生成から会計システムへの連携までが自動化されます。これにより、大幅な業務効率化とガバナンス強化の実現につながります。また、データ連携はノンプログラミングで行えて、専門知識がなくても社内で柔軟に対応することが可能です。

「会計処理エンジン」の操作感を確かめたい方は、以下の動画もぜひご覧ください。

【動画 】「会計処理エンジン」 3分デモ解説 会計処理ルールの設定と承認【TIS株式会社】

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5-1. 【導入事例】基幹システムと周辺システムのデータ連携を実現|プリマハム株式会社様

「会計処理エンジン」は、プリマハム株式会社(以下、プリマハム)のグループにおける基幹システムを軸とした次世代経営管理システムと周辺システムのデータ連携基盤に採用されています。

プリマハムでは、グループ全体の経営の見える化や高度化、業務の標準化・自動化を実現するDXプロジェクト「PRIMA Next Project(PNP)」を推進しており、そのプロジェクトを進める上で、基幹システムと周辺システムとの連携部分の構築が必要となり、影響を最小限に抑えるデータ連携基盤の導入を検討していました。

TISの「会計処理エンジン」は、基幹システムの段階的導入における対応とデータ移行に活用できる点や、システム改修に伴う影響を「会計処理エンジン」が吸収する点などを評価されて採用されました。

参考:プリマハムグループが基幹システムと周辺システムとのデータ連携基盤にTISの「会計自動仕訳エンジン」を採用

6. まとめ

仕訳は、経理業務の基盤となる重要な会計処理です。日々の取引を勘定科目ごとに整理し、借方と貸方に分けて記録することで、貸借対照表や損益計算書といった決算書を正しく作成できます。

一方で、手動で仕訳を行う場合、取引件数が膨大な企業やグループ会社ではヒューマンエラーの発生が懸念されます。そこで自動仕訳ソリューションを導入すれば、大幅な業務効率化とガバナンス強化に役立てることが可能です。

TIS株式会社の「会計処理エンジン」では、仕訳の変換ルールを設定し、多様なシステムから取引データを集約して自動仕訳する機能が利用できます。詳しくは、下記のリンクや資料をぜひチェックしてみてください。

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更新日時:2025年10月10日 16時20分