エンタープライズブロックチェーン:Corda
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとはTRUSTLESS(信頼不要)な取引を実現する、ビットコインを出自とした分散台帳技術の一種です。TRUSTLESSを実現するために、一般的にブロックチェーン技術は以下の要素を有します。
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非中央集権性
P2Pネットワークにより中央管理者を置くコストや独裁のリスクを排除できる。
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耐改竄性
ブロックチェーン構造によりすべてのデータは正当性が担保されている。
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透明性
分散台帳により全てのノードが同じデータを持っており、過去全てのデータにアクセスできる。
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合意形成
コンセンサス・アルゴリズムにより中央管理者がいなくとも正当な更新を続けられる。
- ブロックチェーンは信頼できる第三者機関がいなくとも取引が機能するTRUSTLESSな非中央集権システムを実現する
ブロックチェーンを活用することにより、あらゆる業界でビジネスプロセスの最適化が期待されています。ブロックチェーンは様々な特長をもつ100以上のプラットフォームがあります。その中でも企業間取引に特化したものがエンタープライズブロックチェーンプラットフォーム:Cordaです。
Cordaとは
あらゆる業界、あらゆるビジネスのためのブロックチェーン
Cordaは企業間取引での利用に特化したブロックチェーンプラットフォームです。世界で350社を超える金融機関、規制当局、中央銀行、業界団体、システム・インテグレーターやソフトウェアベンダにより構成されるR3エコシステムにより、エンドユーザー目線で設計・開発されています。
Corda誕生の背景
業務におけるフロントオフィスとバックオフィスとのコミュニケーションのズレが発生し、同じ取引であるにも関わらず、A社とB社で異なった取引内容が保管されてしまうという問題がありました。それを防ぐためには、A社とB社で取引後に確認作業を行っておりましたが取引量が膨大な場合、多大に時間がかかり効率が悪く、コストがかかっておりました。
Cordaは業務の現場で発生している課題を解決するためのプラットフォームとして開発されました。
Cordaの特長
プライバシー
一般的な他のブロックチェーンのように、取引を全ノードで共有することはせず、必要なノード間でのみ共有します。他社に自社の取引内容を知られることがありません。データの共有範囲がコントロールできる為、競合他社との協業も可能になります。
インタオペラビリティ
Corda上で動く複数のアプリケーション間でデータの移転や連携ができることで、複数システム間をシームレスにつなげることが可能です。
これによりバリューチェーン融合が可能となります。
スケーラビリティ
一般的な他のブロックチェーンは、トランザクションの並列処理ができず、処理速度はネットワークサイズに依存して遅くなります。Cordaは関係者ノードとの通信であるため、トランザクションの並列処理が可能で、処理速度はネットワークサイズに依存しません。
Cordaのユースケース
Cordaは国内外含めて様々な分野で活用されています。
✔ 市場取引(キャピタルマーケット)
- 金、銀の売買
- ABCP(アセットバックトCP)
- ECP(ユーロ・コマーシャルペーパー)
- 未上場株
- レポ取引
- ポスト・トレード
✔ OTCデリバティブ取引(ISDA CDM)
- 担保管理
✔ デジタル資産取引
- STO (伝統的資産~美術品まで)
✔ トレードファイナンス
- L/C取引
- オープンアカウント取引
✔ 日中流動性管理(CMS)
✔ シンジケート・ローン
- ローン債権のセカンダリーマーケット
✔ 当局報告
✔ クレジットカード
- 不正利用情報の共有
- ロイヤリティポイント交換
✔ 決済
- グループ企業内通貨、中央銀行発行通貨、海外送金
- インターバンク・ペイメント
- 証券の資金のDvP決済
✔ アイデンティティ
- KYC / AML
✔ 不動産
- 住宅購入プロセス、
-土地登記(英国、フィンランド)
✔ サプライチェーン・マネジメント
- 物のトレーサビリティ(エネルギー資源、鉄鋼、高
級品の偽造防止、データ改竄防止、車両管理、牛肉、
ワイン、マンゴー、オーガニック食品、ハラル等)
- 受発注プロセス
✔ 保険
- 超過損害保険、死亡保険請求
- 車両保険、海上保険
- 保険リスクの証券化
✔ 広告
- アド・フラウド
✔ 石油・ガス
- ロイヤリティ支払
- CO2 排出権(削減証書)取引
✔ テレコム
- 5G共有インフラ
✔ ヘルスケア
- 治療費請求書まとめ支払、保険金支払
- 患者ID共有
- 治験データのトレース
Why TIS?
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開発元(SBI R3 Japan)との
共同検証による豊富なCordaの知識TISは米国「R3」社と資本業務提携を結び、日本法人である「SBI R3 Japan」との共同検証を日々実施しています。企業間取引を想定してCordaの新機能検証や性能チューニングなどを実施しており、豊富なCordaの知識を保有しています。
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非機能要件カタログの整備
ブロックチェーンシステムの実装は、機能面に加えて、システムを安定運用するための非機能面の両面で検討が必要です。TISは、CordaでのEnterpriseレベルでの実装に早くから取り組み、ノウハウを貯めており、非機能含めて安定運用までをリードします。
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複数のPoC実績
製造業や保険業、エネルギー業界など、多くの業界においてPoCの検討から検証までの実績があります。
幅広い業界知識をもってブロックチェーンの適用範囲を見極めたご提案が可能です。
- 選ばれる理由がここにある
- Cordaを熟知した独立系システムインテグレーターならではの視点で、ブロックチェーンの適用範囲を見極め、お客さまのビジネスプロセスの最適化および新しい価値創造に寄与いたします。