変化の時代に、共に未来を描くパートナーを。─TISの新たな挑戦|未来志向・共創・コマース改革
未来共創パートナー|企業変革とIT戦略の最前線
アパレル企業の執行役員を経てTISへ──渡辺が語る、未来志向の価値創造とは?
テクノロジーの急速な進化と社会変化にどう順応し、未来に選ばれる体験価値を構築していくのか。
1. 異質なスピード感で変化する時代にどう対応するか
AIなどテクノロジーの目覚ましい進歩をはじめ、環境や社会構造はこれまでとは異質なスピード感で変化しています。生活者を取り巻く日常も刻々と変容し、市場が複雑に変化を繰り返していく流れは、今後加速度がつくことはあっても緩やかになることはないと思います。
コンシューマーに商品やサービスを提供する事業者の皆様にとっては、“これまでの成功体験では通用しない”状況になったと同時に、未来の先読みが困難な時代が到来したとも言えるでしょう。
私は2024年までアパレル企業でEC事業と情報システムの責任者を務めていました。デジタルネイティブな生活者に対し、テクノロジーなどを活用した新たな体験価値を提供し、「その商品やサービスが欲しい」と思ってもらえる価値を創造し続けていくことがミッションでしたが、こうした先行きに確信が持ちにくい時代において、コンシューマーが少し先の未来に求めるであろう期待値を先回りして構築・提供し続けること、そして、経営が求める“素早い結果”に対応しなければならないことへの難しさを実感していました。
目の前に顕在化している課題の解決に追われ続ける毎日を送っていると、なかなか未来像の想像には辿りつけません。潮流を感じながら想像を張り巡らし、未来に「どんな体験価値を提供するか」というサービス像を描き出すこと。そして、そこから逆算して少し先の未来に起きるであろう課題を積極的に形成すること。まずは、これらを日常の営みの中にセットしていくこと。そしてトライ&エラーを許容しながら、価値創造の動きを止めないマネジメントアプローチが必要になると考えます。
2.ITの枠にとどまらない戦略的アプローチが必要
私が当時感じていたのは、ITや顧客接点をどう活用するのかといった、とあるテクノロジーを起点とした「点」の発想からアプローチすることではうまくいかないということでした。
必要なのは、そもそも将来にわたってお客様とどう向き合いたいのか、どんな価値を提供したいのかといった、事業やサービスの根幹たる「全体像」を描き出すことです。これは、単なるIT導入にとどまらない、未来志向の企業変革やデジタル戦略の設計そのものでもあります。
そのためには、事業戦略や組織構造などあらゆる要素が絡んできますから、経営も巻き込んだ全社的な戦略アプローチが必須だと考えました。
そこで私がまず着手したのは、事業部名称からECを外し、「デジタルビジネス」と名前を変えること。これは、ECというシングルチャネルにとどまらず、デジタルが関与するサービス全般を一枚岩で捉えていくという方向性を明示することを意図していました。これは、いわば企業が顧客体験(CX)を再設計し、コマース改革を実現する第一歩とも言えます。
その上で、デジタル戦略を担当する人間が、全社事業戦略の真ん中に関与していける戦略チームを組成することで、テクノロジー活用とOMOを意識した顧客サービス全体像(what)を思考できるように推進していきました。ITはそれらサービスの実現手段(how)に過ぎません。
3. これからの時代のパートナー企業に求められる条件とは
私が前職時にパートナー選定の条件として重視していたのは、まず、業界のマーケット構造や事業構造をフラットに理解していること。その上で、「将来」の議論ができること。近い未来の生活者像やその価値観について、事業側とコンシューマー側の両視点に立ってディスカッションができることでした。
逆に言えば、もし次のようなベンダーなら、パートナー候補にはなり得ないと考えていました。まず、課題や要件をただ一方的に聞き出し、それをかたちにすることに終始しようとすること。最終的に、とにかく自社の既存ソリューションにつなげることが目的化していること。事業の構造や収益メカニズムを理解せず、ただ単にITだけを語ること。先行きに対して何のアンテナも張らず、近視眼的な課題解決を提案してくることなど。
実際にパートナーを選定するうえでは、単なる要件ヒアリングや自社ソリューションの提案に終始する企業ではなく、事業の背景や構造を理解し、未来のあるべき姿について共に考え、語り合える姿勢を持っているかどうかが非常に重要です。TISが掲げる“共創パートナー”というキーワードは、まさにこのような関係性を体現しています。
4. TISは未来を共創するパートナーに生まれ変わります
事業者の皆様に求められるパートナーとなるために、TISも変革すべきタイミングに来たと思っています。これからは、ITソリューションを提供するだけではなく、近い未来のコマース事業のストーリーを描き出し、皆様と議論をしながら、ともに未来に向かっていく。そんな未来志向の共創パートナーへと生まれ変わっていきます。
そして、未来の姿を実現するために、どんな準備をして、目の前のどんな課題を解決しておかなければならないのか。そのために必要なサービス・ソリューションのラインナップを拡充させつつ、その活用力を誰よりも磨き続けていきます。
この後、TISが描く近い未来のコマース事業のストーリーについて、その幾つかをご紹介させていただきますので、これを題材に皆様と未来について語り合う機会が持てましたら幸いです。