【対談】 生命保険会社の営業力強化のカギは「タブレット×AI」にあり

関根 潔 氏
 株式会社インタラクティブソリューションズ 代表取締役
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棟方 猛夫
 TIS株式会社 執行役員

モバイルPCやタブレットといったITを日々の営業活動に活かす──。日本の生命保険業界ではこうした施策を長く展開し、一定の効果を手にしてきました。ただ、モバイルITの活用によって、組織全体の営業力が劇的に高められているかと言えば、そうとばかりは言い切れない状況も散見されます。では、ITを営業力強化に結び付けるには、何が必要とされるのでしょうか──。この疑問への解を導出すべく、TIS株式会社 執行役員の棟方猛夫が、株式会社インタラクティブソリューションズ代表取締役、関根潔氏との対談に臨みます。インタラクティブソリューションズは、TISの生命保険会社向けソリューション「sosiego(ソシエゴ)」)のパートナーとして、営業力強化のタブレットソリューション「Interactive-Pro」を提供する気鋭のベンチャー企業です。

営業効率を高めるインテリジェントなコンテンツ共有・活用のあり方とは

紙依存の弊害

棟方: 早速ですが、御社のソリューション「Interactive-Pro」についてお聞きしたいと思います。これは、どのような課題認識に基づくソリューションなのですか。
関根氏(以下敬称略):Interactive-Proは、ITによって「顧客との対面営業」をいかに効率化するかに照準を絞ったソリューションです。タブレット上での対話型コンテンツの活用を通じ、企業と顧客との商談をより深い話に持っていくことを目指しています。
棟方:それを逆に言えば、日本の企業では、ITによる営業の効率化・高度化がまだ道半ばにあるということでしょうか。TISでは約30年にわたり、生命保険業界のIT化をご支援してきましたが、営業などのフロント業務については、モバイルPC/タブレットなどの活用は進みつつも、依然として人の力や紙ベースの資料に頼る部分が多いと感じています。
関根:我々は、そこに大きな変革の余地があるととらえています。実際、生命保険のビジネスでは、顧客との合意形成に至るまでの時間をいかに短くするかが大切で、顧客への情報のインプット時間をコンパクト化できれば成約率は向上するでしょう。ところが、人と紙に依存した従来型の営業スタイルの場合、インプット時間のコンパクト化に限界があります。その限界をITのさらなる活用で打ち破る必要があるわけです。

コンテンツ共有の新たなスタイル

棟方:属人的な人の力や紙に頼っていると、組織内での情報共有も進みづらいですね。
関根:実際、「組織全体での戦略的な情報共有力が乏しい」という課題を、生命保険会社の方からよくうかがいます。もっとも、現状を分析してみると、「同世代・同期」といった横のつながりの中では情報の共有化が行われています。ですから、そうした横軸での情報共有を会社の戦略として推進することで、より強い営業力が養えると考えています。
棟方:なるほど、トップダウン型の情報発信・共有だけではなく、現場主体での情報の共有化・横連携を図るということですね。ただ、それを会社の仕組みとして回すのは簡単ではないように思えますが。
関根:ですから、この変革には、コンテンツを「作る人」「伝える人」「使う人」の会社への貢献度を可視化し、評価することが大切です。組織でのコンテンツ活用のサイクルは、情報を「作り・発信する人」「伝達する人」「活用する人」「カスタマイズしてさらに発展させる人」によって回っていきます。その一連の流れをデータとして管理・可視化することで、例えば、「営業成績は平均的だが、その人の作成した資料は、他の売上上位の営業担当者の80%が使っている」といったことが把握できるようになり、結果として、コンテンツを切り口にした人材評価の指標を作り上げることが可能になります。Interactive-Proは、そのためのデータ収集・管理・分析(可視化)の機能を備えています。
棟方:確かに、その辺りの人材評価が定量的に行えれば、バランスの取れた組織運営ができるでしょうし、有益なコンテンツの流通・共有化も進むはずです。
関根:また、このようにして、コンテンツ共有や情報伝搬のあり方に工夫を凝らせば、組織全体のインテリジェンスが高まり、結果として、営業スタイルの変革と営業力の強化が実現されると考えています。

AIベースのコンテンツ管理で 時間の浪費を最小化

関根:もう一つ、営業担当者の生産性を上げるうえでは、コンテンツの有効活用を自動化する仕組みも大切です。例えば、社内にあるコンテンツの中から、営業担当者が必要としている情報を自動的に探し当て、分類し、結果を提示してれくる──。そんなAIを使ったコンテンツ管理が重要で、Interactive-Proにはそのための仕組みを搭載させています。
棟方:つまり、人(営業担当者)が 「このお客様に、この商品の説明をしたい」と伝えれば、AIがそのニーズに適したコンテンツを提示してくれるということですね。営業担当者にとっては、「顧客のために何ができるか」を考える時間が最も大切ですから、AIによって提案書作りが省力化できるなら本当に助かるはずです。
関根:ところが現実には、多くの営業の方が、適切なコンテンツが見つけられず、長い時間をかけて一から提案書を作っておられます。そのような時間の浪費を、AIのような最新テクノロジーによって最小化していただきたいというのが我々の願いです。
棟方:その考え方はTISも同じです。ご存知のように、sosiegoは「フロント業務」「バックオフィス業務」「分析業務」という3つの領域をカバーするソリューションですが、そのすべてにおいて、AIを使ったサービス展開を進めています。今のところ、AIの適用領域はコールセンター業務やサポートデスク業務、あるいは、意思決定・判断の効率化といったところですが、今後はさらに適用範囲を広げていくつもりです。

AIによる営業革新の流れをともに

棟方:最後に、今後の展望についてお聞かせください。
関根:営業資料は、組織内で共有化し、多くの人の目に触れさせることでブラッシュアップされ、会社にとっての価値が高まっていくものです。我々は、タブレットとAIによって、そんなコンテンツ利活用のサイクルを形成し、人が割くべき時間を適正化して、営業の方と顧客との接点をより増やし、かつ、リッチにしていきたいと考えています。
棟方:我々も、sosiegoを土台に、お客様の営業力強化に向けた流れをさまざまに作っていきたいと願っています。これからも、ぜひ一緒にITによる営業革新の流れを加速させていきましょう。
関根:こちらこそ、宜しくお願いします。御社とともに営業改革の可能性をさまざまに模索しながら、保険・医療・医薬など、隣接のマーケットでの協業を進めていければ嬉しい限りです。

対談者のプロフィール

関根 潔 株式会社インタラクティブソリューションズ 代表取締役
1990年日本ロシュ株式会社に入社。多数の製薬業界の医療従事者向けのWebサイト構築に関与。疾患啓発サイト構築にて厚生労働大臣賞を受賞。2010年に株式会社インタラクティブソリューションズを設立。

棟方猛夫 TIS株式会社 執行役員
1989年4月株式会社東洋情報システム(現TIS株式会社)に入社後、一貫して金融事業に従事。保険事業を中心とした案件に従事し、生命保険会社向けソリューション「sosiego」の推進責任者として活動中。

更新日時:2017年12月28日 16時11分

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