【対談】パーソナライズド動画の自動配信で生命保険の営業オペレーションに変革のうねりを

磯野周司氏
日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社
営業一部 新製品グループOneDougaプロジェクトマネージャー
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森雅也
TIS株式会社
フィナンシャルシステム第6部長

顧客の属性や嗜好に基づき、ひとり一人に最適化された動画を配信する──。そんな個別動画のソリューション「OneDouga(ワンドウガ)」を展開しているのが、TIS株式会社の生命保険会社向けソリューション「sosiego(ソシエゴ)」のパートナーである日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社です。ここでは、日本写真印刷コミュニケーションズ 営業一部 新製品グループOneDougaプロジェクトマネージャー、磯野周司氏と、TIS フィナンシャルシステム第6部長の森雅也が、生命保険業界における個別動画配信の可能性と価値について掘り下げます。

AI連携で、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現

顧客の囲い込みと業務負荷低減の両立

森 :御社の「OneDouga(ワンドウガ)」は、企業の顧客ひとり一人にパーソナライズドされた動画を配信するという革新的なソリューションです。このソリューションが生まれたきっかけは何だったのですか。

磯野氏(以下敬称略):当社は、印刷会社ですが、印刷以外の領域にもビジネスの裾野を広げたいと考え、OneDougaをスタートさせました。そのメインターゲットの一つに設定したのが生命保険業界です。海外では、このような個別動画のソリューションを、生命保険会社が活用する事例が多く出始めていたので。

森 :確かに、生命保険の契約者数は頭打ちですし、契約年数も長い。ですから、現有顧客に長く契約を続けてもらうためにも、保険の切り替えのタイミングを見計らい、適切なセールス/マーケティングをかける必要があります。そうしたセールス/マーケティングの施策として、顧客ひとり一人の属性や嗜好に合わせてパーソナライズドされた動画を配信するというのは非常に有効な手だてと言えます。

磯野:我々もそう考えています。また、OneDougaのポイントは、単に顧客を「囲い込む」ためのソリューションではない点です。この個別動画のソリューションを採用することで、顧客に対して契約更新のセールスをかけたり、更新のメリットを説明したり、別商品/サービスを勧めたりする労力・時間を大きく削減することが可能になります。その点でも、生命保険会社にとって魅力的なソリューションであると自負しています。

3分の1本動画より1分動画3本が有効

森 :顧客の特性に合わせて、個別動画を発信することの有効性は理解できるのですが、実際の効果測定はどのように行うのですか。

磯野:YouTubeでは「再生回数」が評価のポイントとなりますが、OneDougaでもそれは同じです。また、案内を出した動画が実際に見られたかどうかの「視聴の有無」や、どのぐらいの時間見られたかの「視聴維持率」、それに動画のどの部分を視聴したかということも測定できます。

森 :なるほど。ところで、視聴されやすい動画の長さはどの程度なのでしょう。

磯野:90~120秒以内が最後まで視聴してもらいやすい長さです。ただ、内容を盛り込み過ぎてはだめです。3分動画を1本作るよりも、1分動画3本に分けたほうが視聴されやすいんです。生命保険は特約が多く、長い動画になりがちですが、内容ごとに作成して「乳ガンに関してはこれ」といった具合に、視聴者の興味に合わせて選択できる仕組みを作ることが重要です。

大切なのは視聴者への理解

森 :保険業界は個人情報のセキュリティに厳格ですが、それにはどう対応しているのですか。

磯野:我々はすでに、個人情報や契約情報を入手しなくても、個別動画が実現できるスキームを作り上げています。また、個人情報を含まないセグメント動画を配信するという方法もあります。数千~数万のセグメント動画を生成すれば、セキュリティに厳しい会社でも、個別最適は実現できます。とはいえ、生命保険会社にとって、どういったセグメンテーションが適切かは我々には分かりません。その辺りは、TISの総合的なコンサルティング力に頼りたいと考えています。

森 :生命保険の場合、契約内容・性別・年齢のようなステータスのほか、引越し、結婚、出産といったライフイベントでセグメント分けができます。ただ、単純属性によるアプローチだけではだめで、顧客──つまりは、視聴する側のことをしっかりと理解したうえで、セグメンテーションの最適化を図っていく必要があるはずです。その辺りを加味したコンサルテーションを展開していきたいと考えています。

磯野:実は、そうした「上流コンサルティング」が、お客様によるOneDougaの活用を成功に導くカギと言えます。

森 :つまりは、視聴する側を十分に考慮した企画作りが大切だということですね。個別動画は顧客が能動的に視聴するコンテンツですから、配信する側のニーズではなく、視聴する側のニーズを満たすことが何よりも重要だと見ています。

AI連携で広がる可能性

森 :ところで、個別動画の今後をどう展望していますか。

磯野:一つの方向性は、AIとの連携です。現在、チャットを通じた顧客との対話をAI技術で自動化するチャットボットが普及し始めています。そうしたチャットボットが、個別動画を顧客に勧めるようになる日も近いと感じています。そうなれば個別動画を視聴させる手間や労力もグンと減るはずです。また今後は、「ライブ配信型パーソナライズド動画」も出現すると考えています。

森 :なるほど、チャットボットによるQ&Aサービスと、個別動画の組み合わせは、生命保険会社にとって非常に魅力的なソリューションだと思います。生命保険会社には、ヘルプデスク業務を効率化したいというニーズが強くありますし、この仕組みがあれば、保険会社のセールス活動の手間も劇的に改善されると思います。

磯野:私もそう思います。

森 :例えば、消費者の方は、「こんな保険商品があったらいい」とか、「自分の状況によりフィットした保険はないものか」「この商品の、ここがもっと知りたい」と考えておられますよね。

磯野:ええ。

森 :ところが、保険の商品は複雑で、カタログ的な静的なテキスト情報や図版だけでは、「自分がどうなると、いくら保障されるのか」といった基本的な部分すら、正確につかめないことが間々あります。

磯野:確かに正確に理解するのは難しいところもありますね。

森 :そこで、顧客の属性や「Q(質問)」の属性から、その顧客が何を欲しているのか、どんなことを知りたいのかをAIに解析させ、商品を分かりやすく説明する動画へと誘導してあげる。そうすれば、顧客も満足しますし、ヘルプデスク業務やセールス活動の効率化につながるはずです。そんな用途に、チャットボットとOneDougaの組み合わせはピタリと合致するはずです。

磯野:なるほど、そうなれば嬉しい限りです。御社とのお付き合いを通じて、生命保険業界に対する知識・知見の深さ・豊富さにいつも驚かされていますが、そうした知識・知見と当社のノウハウを組み合わせることで、お客様にさらなる価値・変革をもたらすことができると期待しています。

森 :お客様のビジネスを変革し、価値を最大化することは、TISの願いであり、使命でもあります。ただ我々一社の力だけで、その使命を果たすことは至難です。これからも、御社のような先進ベンダーとの協業によって、生命保険会社の変革を加速させたいと考えています。

対談者のプロフィール

磯野 周司氏(日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社)

2015年2月からパーソナライズド動画を研究し、同年「OneDouga」ブランドを立ち上げたコアメンバー。プロジェクトマネージャーとして活躍中。

森 雅也(TIS株式会社)

1989年4月株式会社東洋情報システム(現TIS株式会社)に入社後、一貫して金融事業に従事。保険事業を中心とした案件に従事し、生命保険会社向けソリューション「sosiego」の推進実行責任者として活動中。

更新日時:2018年3月19日 15時23分

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