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東洋製罐などで採用相次ぐ「SaaS型ERP」の絶大効果!
導入を成功させるポイントとは?(後編)

SaaS型ERPを無理なく短期間で導入する3つのポイント

Oracle Cloud ERPの導入に関して多くの実績を有するのがTISである。

「25年以上Oracleのビジネス拡張に合わせて事業化・サービス化を進めてきました。データベース、アプリケーションの両面、また、オンプレミス・クラウドの両環境に対応でき、フルスタックに対応できるSI企業として評価を得ています」

そう話すのは同社のDXビジネスユニット経営管理サービスユニット 経営管理サービス第1部の吉田 昂央氏だ。

TISでは、Oracle Cloud ERP導入検討から、業務プロセスの設計・導入、導入後のサポートまで ワンストップで支援している。オラクル社の提供するローコード開発ツール「APEX」によるExtension開発にも対応可能で、Oracle Cloud ERPを顧客の要件に合わせて導入することができる。

吉田氏によると、SaaS型ERPを無理なく短期間で導入するポイントとして「Fit to Standard」「作り過ぎない」「お客様主体の推進」の3つがあるという。

<ユーザー企業が主体となり、標準機能を優先して早期導入の実現を目指す>

「Fit to Standard」とは、SaaSの導入メリットを最大化するための基本的な考え方であり、業務を製品の標準機能に合わせるという意味を持つ。かつてのERP導入は現行業務に合わせてシステム開発するケースが多かった。一方でOracle Cloud ERPは、 Fit To Standardでの導入を求めるが、パラメータの設定で多くの業務要件を実現できる。

ただし、標準機能に無理に合わせて業務が非効率になるリスクもある。TISは、Oracle Cloud ERPを最大限活用するために、業務バリエーションを網羅した「標準業務プロセス」を整備しており、Fit to Standardの検討に活用している。また、TIS導入方法論を整備しており、標準機能で対応できない要件への対応や、システム間連携等の解決案を先回りで提示することが可能だ。

「日本企業には独特の商習慣もあり、海外製のERPへの完全なFit To Standardは難易度が高いと感じています。先ほど述べた、商習慣とのGAPや、競争優位性の源泉となる業務等、標準化が難しい部分が出てくる。そのため、原則として標準機能に業務を合わせつつも、競争優位性の源泉となる業務はERPから切り離す等バランスよく検討していくことが重要になります」(吉田氏)

2つ目のポイントは「作り過ぎない」ことだ。前述した標準機能で対応できない要件や、競争優位性の源泉となる業務等は、アドオン開発により対応することになる。このとき、ERP導入後に起こる環境変化を想定しながら、まずは必要最低限の機能だけをシンプルに作成し、段階的に拡張していくことが求められる。

「追加開発の基準や検討プロセスを定義し、必要最低限のものしか作らないことが『作り過ぎない』ポイントです。場合によってはERP以外の代替ソリューションで補う必要もあります。弊社には、これまでのERP導入実績から膨大なノウハウが蓄積されており、代替ソリューションも含めて、短期間でスムーズな導入を支援することができます」(吉田氏)

最後の「お客様主体の推進」とは、ユーザー企業が受け身の立場で導入ベンダーの問い合わせに応じるだけではなく、業務運用の改善を主体的に考えて方針を決めていくことだ。このような動きができるキーマンが参画してリーダーシップを発揮し、プロジェクトの成功に向けてユーザー企業内のメンバーにも同様の主体性を持つよう意識付けを行う。また、何をどう実現するかを判断するために、標準機能や検討の進め方を積極的に理解していく。TISはこの点の重要性や成功事例を説明し、啓蒙すると同時に、標準機能の設定方法やプロジェクトの進め方のレクチャー等により、ユーザー主体の推進をサポートしている。

ユーザー主体のERP刷新プロジェクトを成功させた東洋製罐グループのケース

TISが支援した、Fit to Standardの成功事例として、東洋製罐グループの事例が挙げられる。東洋製罐グループホールディングスは、以前の環境では多数のアドオンを開発しており、環境変化に合わせた柔軟な対応ができなくなっていた。TISでは「Fit to Standard」の方針を掲げ、標準業務プロセスをベースに検討し、その結果、70%以上の既存システムのアドオン機能を削減した。

「特にシステム間連携やデータの加工を伴う機能については、その大半をTISのサービスである会計自動仕訳エンジンで対応しました。データハブとしての活用が可能で、将来的な環境変化や製品のアップデート対応も設定ベースで実現できる仕組みです。さらに、グループ全体への導入に際して、経理部門リーダーとプロセスオーナーを統括する体制を構築しました。プロセスオーナーのリーダーシップにより、グループ全体の標準業務プロセスを短期間で作成することができました」(吉田氏)

<TISは短期間での導入と効率化を実現>

TISは、プロジェクト成功のために、顧客と一体となって推進することを重視している。Oracle Cloud ERPの導入を検討している企業に対しては、推進方法について理解を深めるための無償体験サービスを提供している。無償体験サービスでは、製品自体を理解する機能紹介やデモンストレーションに加え、TIS標準業務プロセスを活用した、Fit to Standard(業務標準化)の進め方について解説しており、ディスカッションを通じて導入計画の具体化をサポートしている。

SaaS型ERPは、サービスの将来性、導入実績の豊富さから、DX基盤の選択肢として、これからますます最有力候補として上がると考えられる。しかし、これまでさまざまな工夫を凝らして業務を推進してきた日本企業において、SaaS型ERPへのFit To Standardは容易ではない。しっかりとメソッドや業務テンプレートを持ち合わせたベンダーと二人三脚で推進していくことが成功の近道であるといえる。

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更新日時:2023年11月16日 16時9分