VPPプラットフォーム
~エネルギーマネジメントシステムで電力コスト削減と脱炭素経営を両立~
3分で解説 TISのVPPプラットフォームの紹介
VPPプラットフォームは、再エネを含む分散型エネルギーリソースをIoTで統合し、電力需給の最適化を実現するクラウド型基盤です。需要家のリソースを仮想的に束ね、脱炭素社会に貢献する次世代エネルギーマネジメントシステムを提供します。TISが提供するVPPプラットフォームについての概要を動画にて紹介いたします。
VPPプラットフォームが求められる背景|エネルギーマネジメントの新潮流
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大や電力自由化の進展により、太陽光発電・蓄電池・電気自動車(EV)などの分散型エネルギーリソース(DER)が急速に普及しています。 これらのリソースは、地域分散・小規模ながらも柔軟性に富み、災害時のレジリエンス強化や脱炭素社会の実現に向け重要な役割を担っています。
一方で、分散型リソースの増加に伴い、電力の需給バランス調整や系統安定性の確保がこれまで以上に複雑化しており、従来の中央集権型の電力管理では対応が難しくなってきています。そこで注目されているのがVPP(仮想発電所)です。VPPとは、IoTやクラウド技術を活用して複数の分散型エネルギーリソースを仮想的に束ね、あたかもひとつの発電所のように機能させる仕組みです。このVPPの概念を実際の運用に落とし込むための基盤がVPPプラットフォームです。VPPプラットフォームは、分散型リソースの統合・制御・需給調整をクラウド上で最適化するエネルギーマネジメントシステムであり、電力の安定供給と再エネの有効活用を両立させ、持続可能なエネルギー社会の構築に貢献します。
エネルギーマネジメントでこんな課題はありませんか?
- 再生可能エネルギーの出力変動や分散型リソースの増加により、電力の需給バランス管理が従来のEMSでは困難になっている。
- 複数のエネルギー機器やシステムを個別に管理しており、運用負荷やコストが増大している。
- VPP事業への参入には専門知識を踏まえたシステム構築が必要であるため、業務知見を持つ事業者による外部支援や、クラウドサービスの利用が必要。
TISの「VPPプラットフォーム」は、分散型リソースの統合管理を可能にし、
アグリゲーションビジネスの立ち上げを支援するITソリューションとして貢献します。
VPPプラットフォームの特長
多様化する電力市場取引への対応
- エネルギー安定供給の実現や関連事業者のビジネス機会創出などを目的に、電力市場取引は多様な市場が創設されています。本ソリューションは「容量市場」および「需給調整市場」における三次調整力②、三次調整力①に対応しています。
- また、TISの電力小売事業者向けトータルソリューション「エネLink」シリーズとの連携を行うことで、卸電力取引市場との接続が可能になります。
- 需給調整市場については、制度設計に沿った対応を順次進めています。加えて、今後開設予定の新たな市場への対応についても検討を進めてまいります。
需要家側の課題に応える柔軟なソリューション
- VPPプラットフォームは、需要家領域(BTM)に対応したクラウド型VPPプラットフォームです。電力を多く使用する事業者や、再生可能エネルギー、自社発電設備などの分散電源を持つ事業者のニーズに対し、柔軟かつ迅速に対応できる設計が特長です。TISが持つ業界知見と技術力により、個別課題に合わせた最適なエネルギー制御・需給調整を実現します。
新規事業の立ち上げを支援するコンサルティング型アプローチ
- 対象事業であるERAB(エネルギーリソースアグリゲーションビジネス)は新規参入が多く、初期段階からの課題整理や制度理解が重要です。TISは、システムご提案段階、上流フェーズからのコンサルティング等の支援を通じて、事業構想から運用設計までを一貫してサポートし、スムーズな事業立ち上げの支援体制を構築しています。
需要サイドと供給サイドをつなぐIoTエネルギープラットフォームの提供
- 工場などの産業用リソース、ビル、店舗などの業務用リソースに加え、家庭用の機器に対して、ゲートウェイ経由で運転制御する技術を提供します。
TISの電力小売事業者向けトータルソリューション「エネLink」と併せて導入いただくことで、電力小売事業との連動による価値創出を実現させる包括的なご支援が可能です。
VPPプラットフォームの提供機能一覧
- VPPプラットフォームは、国内エネルギー業界で培った知見をもとに、欧州・アジアで導入実績のある「EIP」をローカライズした、アグリゲーション事業者向けクラウドサービスです。
- VPPに必要な機能をオールインワンで提供可能です。フルパッケージでのご利用いただく以外にも、お客様のご要望に応じて①市場取引管理②AC/RAシステム③IoT基盤の部分的な導入にも対応いたします。
TISのVPPプラットフォームが選ばれる理由
国内エネルギー業界・制度に対する知見と実績に基づく、上流からのコンサル支援
独立系SIerとしての、特定メーカー等に依存しない柔軟な対応力
「市場取引管理」、「RA利用」など部分導入に加え、「JEPX入札約定」「計画提出」などと組み合わせ可能
VPP導入を検討する事業者の活用イメージ(ユースケース)
VPPプラットフォームは、さまざまな業種・地域で導入され、分散型エネルギーの活用と需給調整の最適化に貢献しています。想定されるユースケースに対する提供価値を以下に表しました。
| ユースケース | 該当する事業者 | 活用イメージ | VPPプラットフォームの提供価値 |
|---|---|---|---|
| アグリゲーション事業の立上げ |
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分散型リソースを束ねて、容量市場、需給調整市場などの市場取引による収益ビジネスを実施 | 上流からの電力市場参入支援 分散型リソースの統合管理 電力市場参入による収益機会の創出 |
| 再生可能エネルギーの利活用 |
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発電事業者が保有する太陽光・風力発電設備などをVPPプラットフォームで集約・制御。併設型の蓄電池などを通じて、変動電源の特性を補いながら価値を最大化 | 発電量の安定化 再エネの価値最大化 電力市場参入による収益機会の創出 |
| 経済DR/節電キャンペーンの実施 |
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電力コストの高いタイミングや、バランシンググループにおけるピーク時における、節電キャンペーン等の経済DR発動による、収益性向上 | 電力コスト削減 需要家向けサービス向上 容量拠出金低減 |
| システム統廃合による最適化 |
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システム化構想からの上流支援により、各AC/RA/EMS等を法人/個人向けなど、各システム領域の整備ロードマップを整理 | ロードマップの再設計による事業性の向上 事業展開のための基盤整備 |
