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#10 初めてのUiPath基本入門!~RPA全体像と主要3製品のポイント~

公開日:2026年2月

RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールで業界をリードするUiPathは、2026年1月現在、約20種類もの製品を展開しています。AI連携や新しい業務自動化技術が次々と登場しているなか、ある日突然UiPathの開発担当に任命されて「何から学べばいいのか」と戸惑われる方も多いのではないでしょうか。このような変化の激しい時代にこそ、UiPathの主要製品である「Orchestrator」「Studio」「Robot」について、それぞれの役割や機能をしっかり理解しておくことが不可欠です。これら機能への理解は、UiPathを効果的に導入しその価値を最大限に活かすための第一歩となります。

これら3つの製品は、UiPathによるRPA導入の“骨格”となる基盤です。最先端のAI連携機能や新しい自動化技術も、これらが密接に連携した構造の上に成り立っています。

最近では、IT部門以外の現場社員が自ら業務改善や自動化に取り組む「市民開発(ノンプロ・非IT部門主体の開発)」が広がっています。多くのワークフローはこの3製品によって構成されており、現場でも広く活用されています。そのため、まず3製品の理解を土台とすることが今後のスキルアップや自動化推進に不可欠です。

このコラムでは、UiPath初心者の方が迷わず学習を始められるよう、まずは基本となるUiPath製品の全体像について分かりやすくご紹介します。全体像をつかみ基礎の理解を深めることで、将来的な高度な自動化やAI活用といった応用技術への対応力も高まりますので、ぜひお役立てください。

1.UiPath製品の3つのカテゴリー

UiPathの製品ラインナップは、ただ単に「自動化ツールがたくさんある」というだけではありません。実はそれぞれに明確な役割があり、大きく“発見(Discovery)”、“自動化(Automation)”、“運用(Manage)”という3つのカテゴリーに分かれています。

“発見”では、PC操作ログや業務プロセスを分析するツール(Task MiningやProcess Mining)を使い、自動化すべき業務を特定します。
“自動化”に進むと、Studioなどの開発環境で実際にロボットを設計します。ドラッグ&ドロップで手軽に自動化ワークフローを構築でき、AIを活かした複雑な処理やデータ連携にも対応しています。
最後は“運用”です。Orchestratorがロボットの管理・スケジュールを一元化し、運用状況や自動化の効果もInsights等で可視化してくれます。AI Centerとの連携で高度な運用も可能です。

カテゴリー 特徴
発見
Discovery
  • ビジネスプロセスを分析し、自動化対象の業務を特定する
  • 自動化プロセスの出発点であり、次のステップである「自動化」の基礎となる
自動化
Automation
  • 「発見」で特定した業務に対して、自動化の仕組みを開発する
  • 「発見」の結果を活用し、生産性向上につながる自動化プロセスを構築する
運用
Manage
  • 「自動化」によって開発された自動化プロセスを管理し、維持する
  • 自動化プロセスの稼働状況をモニタリングし、最適化を図る
  • 新たな自動化の対象を特定するためのデータを「発見」にフィードバックする

表1:3つのカテゴリー

発見・自動化・運用のサイクル
図1:3つのカテゴリーのサイクル

これら3つのカテゴリーは繰り返し機能することで、持続可能な改善サイクルを作り出します。

「発見」で自動化対象の業務を特定

「自動化」で自動化プロセスを構築

「運用」で管理・最適化

「運用」の結果を「発見」にフィードバック

このサイクルを通じて、企業は既存の業務フローを継続的に見直し、生産性の向上やさらなる自動化の実現を図ることができます。
各カテゴリーに分類されている主な製品(一部抜粋)とその特徴を以下に示します。

■発見(Discovery)
製品名 特徴
Task Mining
  • 従業員の日常的な作業を収集分析し、自動化の機会を特定する
  • PCの操作を記録し、頻度の高いタスクを可視化する
Process Mining
  • ビジネスプロセス全体を分析し、非効率な部分や改善点を特定する
  • システムログを使用してプロセスの流れを可視化し、ボトルネックを特定する
Automation Hub
  • 自動化のアイデアを一元的に管理し、重要度に応じて順序を決める
  • チームメンバー間で自動化のアイデアを共有し、協力して開発を推進する

表2:”発見”に分類される製品

■自動化(Automation)
製品名 特徴
Studio
  • 業務自動化のロボットを作るための開発環境
Robot
  • 開発したRPAワークフローを実行する環境
Document Understanding
  • Excelのような構造化文書、画像やPDFなどの非構造化文書から情報を抽出し、処理する
  • AIを活用して、請求書、契約書などの文書から自動的にデータを抽出する
Apps
  • ローコードでカスタムアプリケーションを構築する開発プラットフォーム
  • 各種データソースとアプリ間でデータ連携が可能
Action Center
  • 承認やエスカレーションなどの人間の判断とロボットが効率的に協働する
  • 人間とロボットの複雑なプロセスを一元管理、最適化する

表3:“自動化”に分類される製品

■運用(Manage)
製品名 特徴
Orchestrator
  • ロボットのスケジューリング、監視、ログ取得、権限管理を行う
  • 大規模な業務自動化の実装と運用管理を支援する
Insights
  • 自動化による効果を評価し、業務への影響を明確にする
  • カスタマイズ可能なダッシュボードやレポート機能を使い、ROIや生産性向上を追跡する
AI Center
  • 自動化プロセスにAI、機械学習(ML)を組み込み適用する
  • 機械学習(ML)のデプロイ、管理、改善を一元管理する

表4:“運用”に分類される製品

2.UiPath主要製品とRPAとの関連性

今回は特にUiPathの製品の中でもRPA(ロボティック プロセス オートメーション)と関連性が高く、主要製品である以下のStudio、Robot、Orchestrator の3製品にフォーカスし、初心者向けにわかりやすくご説明します。

RPAでの視点における、各製品の性質

①開発(作る)

Studioは業務自動化のロボットを作るための開発環境です。
「自動化ロボットを作る(=業務自動化の手順を設計する)ためのツール」です。
「プログラムを書いて設計する」というよりも、「業務の流れを組み立てる」という感覚で、初心者でも使いやすくなっています。

主な開発製品は以下のとおりです。

Studio:デスクトップアプリとしてWindowsにインストールして使う開発ツール。プロフェッショナル開発者、RPA専任担当者向け。
StudioX:Studioに比べて初心者向けの開発ツール。事務スタッフや非IT部門のユーザー向け。
Studio Web(クラウド型):クラウド(ブラウザ)上で動作するWeb版の開発環境。複数拠点、チーム開発向け。

➁実行(動かす)

Robotは、Studioで設計された業務の自動化手順を実際に操作・処理する「実行エンジン」です。
作業を実行するロボットには以下の2種類があります。

Attended Robot(有人実行型):人がパソコンで操作しながら使うタイプ。
Unattended Robot(無人実行型):サーバーなどで人が介在せず自動的に動くタイプ。

③管理(監督・運用する)

Orchestratorは複数のロボットや自動化フローを「管理・監督」するための管理システムです。
ロボットのスケジューリング、監視、ログ取得、権限管理を実施し、多数のロボットやワークフローを効率よく運用できます。

UiPath主要製品 RPAとの関連性
Studio 開発(作る)
自動化したい業務を開発環境で設計しロボットを制作
Robot 実行(動かす)
実際に作成したロボットの実行
Orchestrator 管理(監督・運用する)
ロボットを管理対象として登録し、権限設定やスケジュール実行などの運用

表5 UiPathの主要製品とRPAとの関連

開発・実行・管理の主要製品イメージ
図2:3つの主要製品のイメージ

3.主要製品の特徴、利用シーン

それでは、主要3製品の特徴と、実際の利用シーンについてもう少し具体的に見てみましょう。

Studio

Studioの画面イメージ
図3:Studioの画面イメージ

まず「Studio」です。UiPath Studioは、Excelやメール、Webブラウザの操作など業務の中で使われる“パーツ”があらかじめ揃っていて、まるでおもちゃのブロックを組むように業務自動化の流れ(ワークフロー)を構築できます。条件分岐や繰り返し、複雑な処理も自由設計できるため、現場の細かなニーズにも対応。難しそうなイメージがあるかもしれませんが、実際はほとんどの操作がドラッグ&ドロップで完結し、初心者向けテンプレートも充実しています。
「StudioX」はより簡易な画面で、ITに慣れていない事務スタッフでも安心して使えます。たとえば「メールを毎朝自動送信する」「Excelの決まったセルにデータを入力する」など、細かい自動化ニーズにも手軽に答えてくれる頼もしい助っ人です。最近はブラウザ上で動く「Studio Web」の登場で、複数拠点でのチーム開発やスピーディーな業務改善も可能になりました。

製品 特徴
Studio
  • ドラッグ&ドロップによりワークフロー(自動化の流れ)を組み立てることが可能。(スクリプトを書くことも可能)
  • 業務自動化に必要なパーツ(Excel、Web操作、メール送信など)があらかじめ用意されている
  • 条件分岐や複雑な処理の設計が可能
StudioX
  • Studioよりもシンプルな画面
  • 業務自動化のテンプレート(メール送信、Excelのデータ入力など)が用意されている
Studio Web
  • インストール不要のため、インターネット上から利用可能
  • 複数拠点やチーム開発がより容易
  • StudioXに近い直感的な操作感

表6:Studioの特徴

開発製品の選び方

本格的な自動化や複雑な業務 → Studio
簡単な業務自動化、現場担当者自身が使用 → StudioXやStudio Web
最初はシンプルなものから取り組み、徐々に慣れてきたら複雑な自動化に挑戦するのが一般的です。

Robot

「Robot」にも使い分けがあります。たとえば“Attended Robot(有人型)”は、ユーザーが必要なタイミングでボタンを押して起動する方式です。人間の判断が必要な場面や、入力チェックをしながら機械に部分的に助けてもらう時に活躍します。
一方、“Unattended Robot(無人型)”はサーバーなどに自動でセットしておけば、決められたスケジュール通りに夜中や週末でも自動で働いてくれるため、夜間処理や定型レポート作成、大量データ処理などにピッタリです。
業務の特徴や利用シーンに応じて適切なタイプのRobotを選択します。

製品 特徴
Attended Robot(有人実行型)
  • 人がPCで作業を行っている際に、動作させるタイプ
  • ユーザー自身で「ボタン」を押して実行する場合やユーザーが自分でアプリ(UiPath Assistant)から起動することが多い
  • 途中で入力確認や判断が必要な業務に向いている
  • データ入力補助やExcel、業務システムへの自動登録などの場面で利用される
Unattended Robot(無人実行型)
  • サーバーや仮想環境上で、人を介在せず自動で動作させるタイプ
  • スケジュールや条件によって実行が可能
  • Orchestrator(後述の管理ツール)による遠隔操作も可能
  • 夜間処理や大量の帳票処理などの場面で利用される

表7:Robotの特徴

Orchestrator

UiPath Orchestratorは、「ロボットをまとめて管理・運用できるクラウドまたはサーバー上のツール」です。
わかりやすく言えば、“ロボットのまとめ役、指揮官”のような役割を果たします。
たとえば「月末だけ大量処理を増やしたい」「特定メンバーにだけ管理権限を与えたい」など、企業現場の細かい運用ニーズにも柔軟に対応できます。エラーや履歴および業務効果の分析もできるため、運用後の現場課題解決や最適化に活躍します。

 

Orchestratorの画面イメージ
図4:Orchestratorの画面イメージ
ロボットの登録・管理
  • 使いたいロボットの登録、一覧を管理
  • どの端末でロボットを実行するか、ロボットの稼働状況、エラー内容を把握
権限管理
  • ロボットごとに特定の役割(ロール)を割り当てそのロールによってアクセス制御が可能
スケジュール・ジョブの割り当て
  • 「夜間0時に自動実行」「週次で集計作業を実行」など、時刻や間隔を設定してロボットを自動的に割り当てる
ログの管理・分析
  • ロボットの実行結果、履歴、エラー内容を、グラフや一覧で表示
ライセンス管理
  • ロボットを実行するために必要なライセンスの割り当て、変更管理が可能

表8:Orchestratorの特徴

4.無償版ライセンスとオンライントレーニング

RPAに興味はあるけれど、「まずはどんなものか気軽に試してみたい…」という方も多いのではないでしょうか。UiPathではそうした方のために、無償ライセンスが提供されています。
利用する規模や用途により、無償ライセンスの種類は異なりますが、個人利用であれば“Community Edition”が利用できるため、まずはUiPathがどういったRPAツールかを試していただくのに最適です。ただし、大規模な企業での本格的な導入や商用利用には適していないためご注意ください。
Community Editionについては、UiPath公式ウェブサイトより、詳細をご確認ください。
また、UiPathにはアカデミーと呼ばれる、無料で学べるオンライン学習支援サイトがあり、製品を理解するためのトレーニングコースが用意されています。
無料のRPA学習コース - オンライントレーニング | UiPath

開発環境としてStudioの準備が整いましたら、ぜひ前述のオンライントレーニングをご活用ください。また、UiPathフォーラムというコミュニティを利用することで質問の投稿や知識の共有ができます。これらを活用することで、より高度なUiPathの学習につながります。弊社でも有償トレーニングを開催していますので、対面で講師の解説を直接聞きながら実際に操作いただき、不明な点はその場で質問し、理解を深めていただくのもおすすめです。
トレーニングについて気になる方は、下記フォームからお問い合わせください。

お問い合わせ

5.まとめ

ここまでUiPathの製品のカテゴリーとRPAと関連性の高い主要製品についてポイントを絞って紹介しました。
自動化を作るStudio、自動化を動かすRobot、Robotや運用を管理・監督するOrchestratorについて説明しました。各製品の特徴を理解した後は、無償版ライセンスを取得いただき、UiPathアカデミーのオンライン学習支援サイトやUiPathフォーラム等を活用しながら、一歩ずつ自動化に取り組んでいただけたらと思います。
製品のドキュメントを一から理解することも大切ですが、実際に開発環境に触れて、手を動かしてみることが製品を理解する上で一番の近道だと私自身も実感しています。ぜひ、提供されているリソースを活用してUiPathの理解を深めていただければ幸いです。
本コラムの内容がこれからUiPathをはじめてみようと思っている方に、少しでもお役に立てれば幸いです。

さいごに

TISでは、UiPathの導入から運用後の課題解決まで、現場に寄り添ったサポートを行っています。今回ご紹介した内容以外にも、実際の現場で得られた知見が多数ございますので、ご関心があればぜひご相談ください。

執筆者:中村 愛美

※本コラムはTISエンジニアの実体験・知見に基づく内容を記載していますが、記載された情報や手順が全ての環境で同様に動作することを保証するものではありません。万が一、本コラム内容を参考にしたことによる損害等が生じた場合、当社は責任を負いかねますのでご了承ください。また、記載されている情報はコラム公開時点のものであり、予告なく変更される場合があります。
※本文記載の社名・製品名・ロゴは各社の商標または登録商標です。

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更新日時:2026年2月18日 13時48分