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非財務情報コラム 第3回
「事業会社は非財務情報にどう取り組むべきか② コンサルタントからの視点」 - ディスクロージャー・IR 実務支援 株式会社プロネクサス -

コンサルタントから見た「非財務情報」と「企業の取り組み」の現状

企業価値の変化に伴う課題

「非財務情報」への取り組みが「企業の持続的発展」の重要な経営課題であることは、日本でも定着しつつあります。しかし、実際には「財務情報」に偏った経営や、市場が求める情報と開示情報の「ギャップ」を抱えている企業も少なくありません。
背景には、「ESG」や「SDGs」に対する経営層の意識、社内の理解不足、「非財務情報」の開示に伴う膨大な時間と労力など、いくつかの要因が考えられます。
企業が世界の市場で投資家の評価を得るためには、ルールに従った「ESG」や「SDGs」の情報開示が不可欠な段階に来ています。

今回のコラムでは、こうした「企業と非財務情報の現状」について、株式会社プロネクサスの執行役員であり、同社のディスクロージャー支援事業を牽引されている薄井様にお話を伺いました。

■ディスクロージャー支援とはどのような業務でしょうか?

簡単にいえば、企業が資本市場に対して株式情報や投資の判断材料を開示するにあたり、その企業が抱える「情報開示の課題」を解消することです。
当社(プロネクサス)の経営理念の中に「情報コミュニケーションとドキュメンテーションを支えるプロフェッショナルとして社会・経済の永続的発展に貢献する」という記載があります。その記載のとおり、企業から投資家やステークホルダーへの「情報の開示」を、より良い方向へと推進するサポート ことが当社の役割だと考えています。

■ここ数年で「非財務情報」についての相談は増えましたか?

2017~2018年に「ESG」や「SDGs」が注目されるまでは、有価証券報告書の作成支援 が当社の主な業務でした。しかし2019年以降、「サステナビリティ」や「非財務情報」というワードに企業が注目するようになってからは、「サステナビリティや非財務情報の定義とは何か」、「企業の中で眠っている強みとは何か」などの観点から相談されることが非常に増えてきました。中には「非財務情報」を“プレ”財務情報と呼ぶ会社も増えており、プレ財務情報を強化すれば財務もよくなると考えるお客様もいらっしゃいます。
私たちのお客様への接し方も変わってきました。従来の財務体質の見直しだけでなく、「非財務情報」をどう開示するべきかを早いステージからご相談いただくようになり、それが当社の事業領域として確立されてきたと思います。
「非財務情報」や「サステナビリティ」に高い意識で取り組んできた企業からの"次の取り組み"に関する相談が増えている一方で、「非財務情報」に初めて取り組む企業からの"何から始めればいいのか? "という相談も増えています。
また、世界、日本に限らない話ですが、企業の価値をバリューチェーン(価値連鎖)全体から見ても開示を強化していく、サステナビリティにしっかりと取り込んでいくといった動きが進んでいます。

現在は「サステナビリティ」が注目され始め、ディスクロージャー支援も、企業の「ESG」や「サステナビリティ」に関する情報を「Webで開示する」「有価証券報告書にまとめる」「総会運営に落とし込む」といったように、多様化してきています。
対象期間の軸で言えば、短期的には「決算説明会資料」、中期的な話には「三カ年計画」や「中期経営計画」を支援します。長期的視点になると、そこに「ESG」や「サステナビリティ」の視点が加わります。

■企業はコンサルティング会社に何を期待していると思いますか?

私どものお客様への関わり方は、「情報を正しく開示する 」ために、課題の整理やお客様の立場に立って事業を推進できる仕組み作りからはじまります。計画を立てた内容に基づき、お客様自身で継続的に開示を続け、運用いただける形にすることが最終的なゴールだと思っています。
「非財務情報」の開示すべき情報と正しい開示の手段は企業によって異なります。そこには理想と現実のギャップもあります。例えば明確に開示したほうがよい情報があっても、さまざまな事情で開示できないこともあります。企業が抱える理想と現実のギャップを埋めるお手伝いをしながら、PDCAサイクルを一緒に回していきます。多分2周ぐらいは一緒に回すことになるでしょう。

■市場で「非財務情報」の価値はどうで変わりましたか?

2017〜2018年頃までは、SR(Social Responsibility:組織の社会的責任)の領域は、投資判断として今ほど重視されていませんでした。「財務情報」が重要なことは当然で、それは当時も今も変わりません。しかしそこに「財務情報」の上位概念として「ESG」が出てきました。すると「ESG」情報を正しく開示していない企業は、「企業の持続性」に”中長期投資リスクあり”と判断されてしまいます。そして、さらには機関投資家やステークホルダーと対話する意思が弱い企業と捉えられてしまいます。「サステナビリティ」を正しく発信する手段を持たない企業は、機関投資家に「ESG」の視点で測られるという意識をもって取り組むべきだと思います。「ESG」の国際的な開示ルールを経営陣が理解しているのか、も重要です。そもそもルールを理解していないと「サステナビリティ」を正しく発信することができず、企業としての評価も得られません。
やはり企業の経営陣が開示ルールを理解した上で方針を定め、組織として能動的に取り組んでいくことが重要になります。そこを疎かにした形だけの取り組みは市場に見透かされ、他の企業より遅れを取ってしまう可能性があります。

■これから「非財務情報」に取り組む企業は、何から始めればいいのでしょう?

まず「情報を収集すること」です。非財務情報の収集と整理は企業にとって非常に負担の大きい作業ですが、PDCAサイクルを回すためのコミュニケーションにおいて重要な役割を担います。企業が「非財務情報」に取り組む場合、まずこの情報収集がスタートになります。

さまざまな形式で散らばっている「非財務情報」の収集には、今までは膨大な時間と労力がかかっていました。また、ある程度知識のある担当者が作業しないと、なかなか正しい開示には結びつきませんでした。
しかし今では、「非財務情報」が注目されてきたことで、それを簡単に行うことができるサービスも登場してきました。今年「TIS」が提供を開始した「非財務情報参照・点検サービス」であれば、さまざまなワードから書類や内容を簡単に確認することができます。「非財務情報」の収集、整理には理想的なサービスだと思います。
「非財務情報」を取り扱う部署や、「ESG」の開示担当者は、実はとても孤独なポジションであることが多いのです(笑)。もともとCSR部門は企業の本業と少し外れた立場に置かれていました。急に「サステナビリティ」が重視され始めたことでCSR部門は経営の中枢に近づきましたが、一部の先進的な企業を除けば、まだまだ多くの人材を投入するようなポジションにはありません。孤独な担当者は「他社はどうしているのか?」ということをいつも気にして、常に不安に思っているわけです。「非財務情報参照・点検サービス」のようなサービスを利用すれば、「自分たちの情報開示レベルは他社と比べてどの程度か?」、「開示の仕方は間違っていないか?」ということを瞬時に確認できるので、そうした担当者の不安を解消してくれます。
「非財務情報参照・点検サービス」によって収集されたデータ類は、仕様が整えられ、開示状況もスコア化(可視化)されているため「非財務情報」の知識が浅い方にも扱いやすく、「非財務情報」に取り組む第一歩に悩んでいる企業に試していただきたいサービスだと思います。

■貴社のようなコンサルタントの立場でも「非財務情報参照・点検サービス」は使われていますか?

「非財務情報参照・点検サービス」は、当社の営業部門でも実際に利用しています。
企業の同業他社比較、つまり複数の企業の開示レベルの比較をスコア化された同基準で行えるので、非常に使い勝手はよいと思います。
また、過去数年の開示レベルの推移を一画面で確認できることもよいですね。営業がクライアントの有価証券報告書を作る場合、今年の開示状況はもちろんですが、初年度からの推移も簡単に確認することができます。またそれを共有することで、「このベンチマークを強調したほうが効果が高い」といった具体的な提案もしやすくなりました。

■「非財務情報」は投資判断に影響を与えますか?

一言で言えば、「非財務情報」なくして、投資判断は立てられなくなると思います。この状況は一過性のものではなく、今後、投資判断からは外せない要素として定着していくのは間違いないでしょう。
今は新興国市場が猛烈に成長してインフレが進み、世界中で金利が低水準になり、世界経済は停滞しています。私は大前提として「今後、世界は極端に成長しないのではないか」と考えています。実際に長引く経済の停滞を受け、企業への投資は新たな局面を迎えています。「企業の短期の成長」に期待する「企業の瞬発力」への投資は今後も残ると思いますが、多くは「企業の持続的発展」を重視する「企業の質」への投資へとシフトしていくはずです。
このような市場全体の成長が止まる中でも、滑らかに成長を続ける企業や新たな市場を統合できる企業とはどんな企業なのかというと、やはり当然ですが、中長期をしっかり考えている企業です。そうした企業は必然として「ESGスコア」が高く、「サステナビリティ」を重視しています。企業の経営陣はこのことを正しく認識して、「非財務情報」に取り組むことが重要ではないでしょうか。

◇プロフィール

株式会社プロネクサス 執行役員
ソリューション事業部 IRコンサルティング部長
薄井 太
1997年より 安田投資顧問、日興アセットマネジメント、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント、クレディスイス証券 等でセルサイド・バイサイドアナリストを経験。延べ2万人超の投資家と対話。
2015年 株式会社プロネクサス 入社  
2021年より現職

投資家をはじめとした外部からの要請が大きな大企業(※)ほど「ESG経営」に対する意識が高く、その6割近くが「ESG」の専門部署を立ち上げていると言われています。「ESG」や「サステナビリティ」は、すでに一過性のトレンドのようなものではなく、企業が率先して取り組むべき重要な課題として市場に組み込まれたといえるでしょう。本当の「サステナビリティ経営」には、経営陣の正しい理解と、それを正しく実行するための業務体制が不可欠です。しかしそこに割けるリソースは企業によって異なり、必ずしも十分な組織を構築できるわけではありません。それにどう対処するのか? それが「非財務情報」に取り組みたい企業にとって、最初に解決すべき課題と言えるでしょう。
※社員5,000人以上の企業
(取材:2021年10月18日)

◇非財務情報参照・点検サービス紹介

Q1:非財務情報参照・点検サービスとはどんなサービス?

A:企業が公に開示している有価証券報告書や統合報告書などの非財務情報を自動収集し、 ①主要な評価基準に応じた開示充足率チェック ②非財務情報の記載元の確認 ③開示充足率の経年比較 ④他社比較 などが可能なサービスです。

Q2:登録が大変そう。個人情報は大丈夫?

A:登録はいたってシンプル!新規登録ページから必須項目5つ入力するだけです。
https://score-icebreaker.com/Identity/Account/Register

個人情報の取り扱いにつきましては「利用規約」をご確認下さい。
https://score-icebreaker.com/rule.pdf

Q3:登録しても費用は掛からない?

A:登録頂いても特に費用は発生しません。有償の方のみが利用できる機能もございますがまずは無償版でのご利用をお試し下さい。

Q4:使い方を教えて欲しい。

A:ハンズオンの動画も用意しております。またzoom等での打ち合わせも実施可能です。
その旨お問合せフォームから是非お申込み下さい。

その他詳しいサービスについて、こちらのWeb(https://www.tis.jp/service_solution/non-financial/)もご参照ください。


◇非財務情報参照・点検サービスサイト
https://score-icebreaker.com/


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更新日時:2023年1月6日 13時36分