APIのビジネス活用:戦略立案の視点
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APIをビジネスにおいて活用する動きが進む中、各組織はどのように取り組めばいいのか、有効的な活用方法がわからないなど、API活用に関する課題が多くあるのではないでしょうか。
本コラムではAPIのビジネス活用に向けた効果的な戦略策定をステップを踏んでご紹介します。
業界別ユースケース集公開!
「自社におけるAPIの活用シナリオを知りたい」というお悩みをお持ちの方や 「他社ではAPIを使ってどのようにビジネスを効率化し、競争力を高めているか知りたい」という方へ向けて 各業界ごとのユースケースをご紹介しております。
API戦略がビジネスを成功に導く
API活用の形は各システムやツールの一機能として組み込まれていた従来のあり方から、ビジネスを変革・拡大させる中核的な要素へと変わりつつあります。この変化を受けて企業は、APIを単に利用するだけでなく、包括的なAPI 戦略を策定し運用する、組織全体での体系的なアプローチが求められます。
これを怠るとガバナンスの課題やセキュリティ・コンプライアンスのリスクを負い、有意義なビジネス成果を得られない、といった悪循環に陥ってしまいます。戦略フェーズにおいてはまず組織全体で協力し、経営層から現場レベルまで一貫した情報連携を心掛けましょう。そのためには今一度「なぜAPIビジネスに取り組むのか」という前提を組織全体で理解することが必要です。
API戦略シナリオ策定のプロセス
APIのビジネス活用や業務効率化の効果を最大化させるために、包括的に戦略シナリオの策定を進めていきましょう。実際のプロセスは以下の通りです。STEP1からSTEP5を繰り返し実行し、戦略を練り上げていくことが重要です。
STEP1:APIのビジネス活用に向けたニーズの理解と目標の設定
- お客様のニーズや目標の理解
- ビジネス課題や成果に関する情報収集
- API活用でどのような価値提供ができるかを明確化
- APIを組み込んだシナリオの方向性検討
STEP2:ビジネスに活用するAPIの選定と調査
- お客様のニーズに合わせて、APIの種類や機能の調査
- ビジネスの方向性に適切なAPIの選定
- 選定したAPIのドキュメントや仕様を詳細に調査し、ビジネスに合うかを確認
- ビジネス活用に向け、APIが提供できる機能やデータを理解
STEP3:戦略シナリオの設計とプランニング
- APIを活用したビジネス戦略シナリオの策定
- 具体的なビジネスシナリオの設計とプランニング
- APIの展開までに必要となるプロセスの検討
- データのフローやビジネスにおけるAPI活用方法の明確化
STEP4:プロトタイプの作成と検証
- プロトタイプを作成し、検証シナリオを検討
- プロトタイプによるシナリオの動作を検証
- API自体の機能確認
- シナリオのビジネス適合性を確認
STEP5:APIの展開と監視
- APIの活用や管理方法を最終決定
- 展開前にシステム全体の最終的なテストを実施
- APIを活用した戦略シナリオを実環境で展開
- 想定していたビジネス戦略とAPI利用状況・成果のモニタリング
APIのビジネス戦略立案のポイント
API戦略立案のポイントは、初めから100点のシナリオを目指さずに、全てのSTEPを定期的に見直して、顧客状況や市場変化への対応など、戦略的に進化させていくことです。API 活用はさまざまなステークホルダーを巻き込みながら進めていくため、反応を見ながら徐々に成功へ近づけていくほかありません。また、API 戦略策定特有の難しさとして、ビジネス面と変化スピードの速いシステム面を同時に検討することが挙げられます。
TISでは、お客様にAPI活用による経営戦略やビジネス戦略策定など主にビジネス面に注力いただけるように、お客様からのご相談・情報収集の初期段階から戦略・導入計画策定に至るまで、これまでのAPI活用の豊富な実績をもとに、検討段階別、課題別、提供方法別など幅広くコンサルティングメニューをご用意しております。コンサルティングメニューではAPI連携・オープンAPIを活用した戦略策定やビジネス創造、業務効率化をお客様の状況・課題に合わせてご支援します。