API活用の投資対効果とは?(②売上拡大編)
前回のコラムでは、API導入による業務効率化やサービスリリースの迅速化など、具体的なコスト削減のメリットについて解説しました。
API活用の投資対効果とは?(①コスト削減編)
今回は、API活用によってオープンイノベーションの推進やAPIエコノミーの形成などを実現し、売上拡大に繋がる方法について解説します。
なぜ、データ連携ではなく、API連携なのか?
API(Application Programming Interface)が現代において重要視される理由は、2000年代のインターネットと2010年代のクラウドの進化が背景にあります。
まず、2000年代のインターネットの普及により、情報の共有とアクセスが劇的に向上しました。
これにより、企業や個人がオンラインでの活動を活発に行うようになり、デジタルエコシステムが形成されました。
次に、2010年代のクラウド技術の進化により、データの保存と処理がより効率的かつ柔軟になりました。
クラウドサービスは、企業が大規模なインフラを持たずに必要なリソースを利用できるようにし、ビジネスのスケーラビリティとアジリティを向上させました。
APIは、異なる環境やシステム、アプリケーション間でデータや機能を共有するためのインターフェースを提供します。
これにより、システム間のデータ連携がより柔軟かつ効率的に行えるようになります。
API連携はこれまでのデータ連携とは異なる機能を持つため、現代のビジネス環境において非常に重要な技術となっています。
事業環境の変化への対応力をもたらすアーキテクチャ
マイクロサービスアーキテクチャという言葉をご存知でしょうか?
マイクロサービスアーキテクチャとは、アプリケーションを複数の独立した小さなサービスに分割して構築するアーキテクチャの一種です。
各サービスは独自の機能を持ち、軽量なAPIを介して互いに連携します。
これにより、システム全体の柔軟性、スケーラビリティ、信頼性、そして保守性が向上します。
【マイクロサービスのイメージ】
APIを活用したマイクロサービスアーキテクチャが事業環境の急激な変化に柔軟に対応できる理由は、以下のような特長にあります。
【マイクロサービスアーキテクチャの特長】
柔軟性と拡張性の向上
各サービスが独立しているため、特定の機能やサービスに変更が必要な場合でも、他の部分に影響を与えることなく迅速に対応できます。
信頼性と可用性の向上
各サービスが独立して稼働するため、一部のサービスが障害を起こしても他のサービスに影響を与えません。
これにより、システム全体の信頼性と可用性が向上します。
システム開発と運用効率化
各サービスの開発・運用を担当するチームを分けることで、開発・運用の並行化や専門性の向上が可能になります。また、各サービスの単位が小さいため、開発・運用の負担が軽減されます。
マイクロサービスアーキテクチャは多くのメリット・特徴を持ちますが、同時に複雑性や整合性などのいくつかの課題も伴います。
適切に設計・運用することにより、ビジネスの柔軟性と競争力を大幅に向上させることが可能です。
API活用による売上拡大の戦略
これまで説明してきたように、APIを活用することでシステムに柔軟性を持たせ、ビジネス環境の変化にも対応することが可能になります。
企業のあらゆるシステムやデータは有用であり、新たな事業の種や軸になる可能性を秘めていることを理解しておくことが重要です。
売上拡大の戦略①:新たな利用方法の創出
APIを公開することで、様々な業種や職種の人々が自社のサービスにアクセスできるようになります。
これにより、自社では想定していなかった新たなアイデアや利用方法が生まれる可能性があります。
売上拡大の戦略②:既存ビジネスの拡大
APIを公開することで、リーチ可能な顧客層が大きく増えます。
潜在顧客として想定していなかった層が自社サービスを利用する可能性もあります。
また、APIの利用者に課金することで、自社のデータやシステムを新たな収益源とすることができます。
売上拡大の戦略③:サービス開発の迅速化
APIを活用するシステムが増えることで、既存の機能をAPIとして利用することが可能になり、開発コストを抑制しつつ迅速に新規サービスをリリースすることにより、市場競争力を高めることができます。
API公開により売上拡大したユースケース
これまで本業の副産物であった自社のサービスやデータが、「データ量の爆発的な増加」と「APIプラットフォームの拡大」により、幅広い企業に新たなビジネスを生むチャンスを提供しています。
API活用による売上拡大のユースケース①:既存事業の機能拡張
APIを活用することで、顧客に対してよりパーソナライズされたサービスやエクスペリエンスを提供できます。
例えば、顧客データをAPIで連携させることで、顧客の購買履歴や行動データを分析し、個別に最適化された提案やプロモーションを行うことができます。
これにより、顧客満足度が向上し、リピート購入やクロスセル、アップセルが促進されます。
API活用による売上拡大のユースケース②:市場・新規チャネルの拡大
APIを利用することで、企業は新しい市場や顧客層にアプローチすることができます。
例えば、グローバルなAPIを提供することで、海外の開発者や企業が自社のサービスを利用し、国際的な市場に進出することが可能となります。
これにより、売上の多様化と拡大が期待できます。
API活用による売上拡大のユースケース③:オープンイノベーションの推進・APIエコノミーの形成
APIを公開することで、他社や開発者が自社のデータや機能を利用して新しいアプリケーションやサービスを開発できます。
これにより、パートナーシップやエコシステムが形成され、新たな収益機会が生まれます。
例えば、決済APIを提供することで、他の企業が自社の決済サービスを利用し、手数料収入を得ることができます。
まとめ
APIは、今後の技術トレンドやビジネスに与える影響を考えると、「IoTとAPIの連携」や「AIとAPIの融合」など、避けては通れないテーマとなります。
例えば、AIを活用したAPIを提供することで、企業は高度なデータ分析や予測モデルを簡単に利用できるようになり、ビジネスの意思決定が迅速かつ正確に行えるようになります。
これまで述べてきた通り、APIの導入により自社のデジタル化における投資対効果を最大化し、急激な事業環境の変化における市場競争力を高めることが可能となります。
しかし、自社でビジネスの変化やテクノロジーのトレンドの両面を捉えて取り組むのは非常に難しいです。
弊社ではAPI連携ビジネス活用サービスを展開しており、お客様のAPI活用効果を最大化するために、システム・テクノロジーを中心にご支援を行っておりますので、初期検討段階からお気軽にお問い合わせください。