ソリューション

顧客一人ひとりに、こんな心地よい購買体験を

03 データ統合・収集

データ収集に欠かせない「どこに」「どんな」データがあるかを俯瞰する業務視点

データ起点のビジネスの実現には、さまざまな顧客接点から価値につながるデータを見極め、効率よく集める仕組みづくりが欠かせません。仕組みの設計・構築にあたって求められるのが、社内に散在する多種多様なデータの特性を知り尽くした“業務視点”です。
ここでは、顧客一人ひとりの購買意欲を刺激する「分析」「施策(Action)」へとつながるデータ収集のための留意ポイントを解説します。

マーケティング施策の成否を左右するデータ収集の仕組み

消費者の購買スタイルは、オンライン(ECサイト、アプリ)とオフライン(店舗)を複雑に行き来するかたちが常識となり、顧客接点の数も増え続けています。そうした中、ECの購買履歴はネット通販部門、顧客情報はマーケティング部門、店舗のPOSデータは店舗統括部門といったように、データが複数の場所で別々のシステムで管理されているケースは少なくありません。システム間の連携がされていない、いわゆる情報のサイロ化に陥ってしまいがちです。

顧客一人ひとりの満足度向上につながるマーケティング施策を実施するには、このように社内のさまざまな場所で管理されているデータから分析に必要なものを効率よく「収集する」仕組みが必須となります。

さらに、分析に必要なのは顧客接点のデータだけとは限りません。顧客に商品を供給するための在庫管理・配送管理システムや、マーケティング施策の結果を得るために会計システムのデータなども、収集の対象になるケースがあります。

収集の仕組みづくりは事業目標を明確化してから

このように、社内に散在しているデータを収集する仕組みを構築するにあたり、最初から社外のITコンサルタントやシステムインテグレーター(SIer)にすべてを託してもなかなかうまく行かない傾向があります。もし、マーケティング活動に活かすために、さまざまなデータを一元的に管理するDMP(Data Management Platform)を構築したとしても、いざ分析を実行しようとした時、目的に合ったデータを取得するためのシステムと連携ができていないといった失敗につながるケースは少なくありません。

そこで、収集の仕組みづくりの前に、データ分析によりどのような新規事業を創造したいのか、顧客の購買単価の向上につなげていきたいのかといった、事業目標を定めることが重要になります。その目標から逆算すれば、どういうデータ分析が必要なのか、そのためにはどのシステムからどのようなデータを収集すればいいのかを判断できるようになります。実際のITの仕組み構築はSIerの得意分野ですが、事業目標を決めることができるのはあくまで事業を行っている皆さま方です。

データの所在と特性を熟知した社内のキーパーソンがリード役に

このデータ収集の仕組みづくりにおいて必須となるのが、「どの社内システムに」「どのようなデータ」があるのかという、全体を俯瞰できる業務視点です。

そもそもデータは勝手に生まれるものではなく、日々の業務プロセスや、お客様とのコンタクトの中でアウトプットされていくものです。そのため、必然的に業務視点を持つキーパーソンは社内の人間ということになります。SIerがヒアリングを重ねて事業や社内システムを理解することは不可能ではありませんが、長年にわたり事業に携わってきた社員と同等の知見を得るには長期間を要してしまうでしょう。

では、この業務視点を持つキーパーソンは、情報システム部門なのか業務部門なのか。これは、その会社の規模や組織のかたちによって異なってきます。企業の規模が大きくなるほど、全体を見渡すことが困難になるので、複数人のナレッジを集める必要が出てくるケースもあります。

データ収集と同時に、分析のためのクレンジングを実施

こうして、「どこから」「どんな」情報を収集するかが明確になれば、その後の具体的なシステム設計、集めたデータのマージといった実作業へと進みます。すべてを内製化することを目指す会社もありますが、ある程度のシステム実装の知識・経験が求められるため、社外SIerの協力を得るケースが大半となるでしょう。

このデータ収集の仕組みづくりで広く採用されているのがETL(Extract Transform Load)ツールと総称されるプロダクトです。
社内のさまざまなシステムからデータを抽出するとともに、集めたデータを分析しやすいよう変換する重要な役割を担っています。
取得元であるシステムは、情報系・物流系・会計系などさまざまな種類があり、もともと分析を前提としたデータ構造にはなっていません。そのため、ETLツールには、抽出したデータを分析しやすいデータ構造やフォーマットに変換・加工する機能が備わっています。

リード役となるキーパーソンの役割を明確化することが大切

ここまでご説明したように、データ収集の仕組みづくりは、最初から社外のSIerにすべて委託しても、なかなか前に進みません。業務視点でデータの流れを把握できる、社内のキーパーソンがリード役を担うのが理想です。
その際、一つの課題となるのが、キーパーソンがITを専門としないマーケターであるといったケースです。社内の各部門との交渉や、データの変換・加工作業に多くの時間を奪われてしまうと、本来業務であるマーケティング施策を考える余裕がなくなりかねません。

顧客一人ひとりの接客サービスを向上させるユニファイドコマースの実現には、マーケティング施策のPDCAを継続していくことが不可欠ですから、マーケターに過剰な負荷をかけるのは避けるべきでしょう。
そのため、SIerなど社外のITパートナーの支援をどの段階から得るのかが、一つの経営判断になってきます。
TISでは、データ収集のリード役となるキーパーソンの方と伴走しながら、必要に応じて人的リソースや受け持つ役割を調整する、アジャイル型での支援も強みの一つとしています。円滑なデータ収集の仕組みづくりに向けてお手伝いいたしますので、お気軽にご相談ください。

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