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リライトマイグレーションプロジェクトにおける事前活動

リライトマイグレーションプロジェクトにおける事前活動

皆様、こんにちは。
TIS株式会社で、モダナイゼーションサービスのデリバリを担当しています並川と申します。

私は「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」の立上げ以降、数多くのお客様とリライトマイグレーション(以下、リライト)の事前活動についての計画を協議し、共に進めていく機会を頂戴しています。その背景には、どのお客様も「システム刷新方法をリライトに定めたものの、どのように進めていけば良いか模索している」という共通の悩みがあります。

それもそのはずで、お客様の重要業務を支えている大規模システムを刷新する機会自体が少ない中で、変換技術を軸に添えるリライトは、これからプロジェクトを立ち上げていくご担当者様自身も経験されたことがなく、プロジェクトの「手触り感」を得ていくところから開始する必要があるからです。以下では、お客様の「手触り感」につながる事前活動のうち、リライトを成功させるにあたって特に重要なものを3点ご紹介させていただきます。

① 現行資産の棚卸

弊社では、お客様からリライトのお問合せをいただく際に、現行のシステム基盤(メインフレーム機種など)やプログラム言語といった技術情報に加えて、どの程度の資産規模があるかを伺います。その理由としては、リライトプロジェクトにおいては「現行資産の移行」が主要なプロジェクト要件であり、対象となる資産規模がプロジェクト見積に大きく影響を及ぼすためです。しかしながら、お客様の現行資産の整理状況は様々であり、資産規模の回答には以下のようなパターンがあります。

  1. 資産規模・移行資産共に不明確
    刷新対象とするシステムが長年安定稼働しており、保守上も特定の資産のみ修正するなど、システム全体をスコープとした活動機会が少なくなっており、一から資産規模を整理する必要がある。

  2. 現存資産規模は把握しているが移行資産規模は不明確
    現行システムの保守活動や刷新に向けた活動の中で、現行資産全量の規模情報はあるが、長年保守を続ける中での「コピー新規」や「過去の制度に合わせたプログラム(現在は稼働していない)」がその規模に含まれるなど、精緻化により変動の可能性がある。

  3. 現存資産及び移行資産規模が明確
    刷新に向けた活動の中で、ベンダの資産棚卸サービスや資産分析ツールを活用するなど、資産間の呼び出し関係や稼働実績の有無を調査しており、移行対象候補となる規模情報が明確となっている。

リライトの事前活動では、「3. 移行資産規模」を明確にする活動を実施いただくことをお薦めいたします。上記の通り、費用の精度向上は言わずもがなですが、活動を通じて経験いただく「ベンダへの資産提供」「現行資産についての問合せ回答」など、プロジェクト期間に現行資産の管理者としてお客様に実施いただく作業の「手触り感」を得ていただけると考えております。また、この事前活動で移行資産規模を明確にすることでプロジェクトとしての規模変動を抑え、適切なプロジェクトマネジメントに繋げることができます。

② 新システムの保守検討

リライトでは、ベンダが保有する変換サービスを用いて、現行のプログラム言語(COBOLなど)を新たに採用するプログラム言語(Javaなど)に自動変換します。事前活動では、ベンダの変換サービスで最終的に期待できる変換率を確認すると共に、変換後プログラムのコードサンプルの説明をベンダから受けるなどして、お客様の視点で「保守性」(※1)を確認いただくのが良いと考えます。

プログラム言語を変える主要目的の1つは、「技術者を育成・確保しやすいプログラム言語に変えることで、システムを将来に渡って維持保守できること」です。お客様自身が、早い段階からどのようなソースコードになるかを確認し、加えてどのようなプロセスや環境を用いて保守をしていくか検討いただくことで、保守フェーズの「手触り感」を得ていただくことにつながり、保守に向けた準備活動もプロジェクト計画に含めることが可能となります。

※1 ベンダの変換サービスは、「変換率」「保守性」に加えて、現行システムの動作を再現する「正確性」や、現行同等以上の「性能」を実現する上での工夫を評価いただくことをお薦めいたします。

③ テスト方針の策定

リライトでは、全体の約半分の期間や活動をテストに費やすことになります。そのテストでは、多くのテスト工程で、現行システムの処理結果と新システムの処理結果を比較する現新比較の手法を用いて、機能性や性能など、刷新後の新システムに求める品質を満たしているかを確認します。ここで、現新比較における「現行システムの処理実行」や「処理実行前後のデータ取得・提供」の作業は、現行システムを理解され、操作に慣れているお客様(又は保守ベンダ殿)の分担とさせていただくことが多いです。リライト対象とするシステム規模が大きければ、それだけ多くのテスト(お客様側では現行システム作業)を行うことになります。

事前活動では、品質の積上げをどのような段取りで行い、その実現上必要となるテスト作業を定め、お客様とベンダとの分担を想定・整理するなど、テスト方針の策定をします。もし、お客様の体制に何等かの制約がある場合は、その制約を条件として提案依頼先のベンダに明確に伝えることで、お客様の計画内容とベンダの提案内容の相違を防ぐことにつながります。このように、お客様自身でテスト方針を策定いただくことで、プロジェクト活動の多くを占めるテスト作業の「手触り感」を得ていただけると考えております。

上記の事前活動自体に目新しいものはなかったかと思います。その反面、全てを事前活動として十分に準備できている(実施計画できている)と自信を持ってご回答できる方も多くなかったのではないかと思います。これらをお客様単独で計画し、進めていくことが難しい場合は、当社の様なリライトサービスを持つ専門ベンダと一緒に進めていただくなどして、お客様にとってより「手触り感」のある計画に事前落とし込みいただくことがリライトを成功させる重要な活動の一つとなります。

「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」製品ラインナップ

Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」シリーズはTIS独自のリライト手法によるマイグレーションを中心としたモダナイゼーションサービスで企業のDX推進をご支援します。

アセスメントサービス リライトによるモダナイゼーションを検討中の企業様に対して「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を活用したプロジェクト推進の『実現性』と『実効性』を検討します。
さらに、ご希望のお客様に対しては情報システム化戦略やエンハンス革新戦略・DX戦略の評価・診断をご支援します。
マイグレーションサービス TIS独自のリライト技術「Xenlon~神龍 Migrator」を活用して、レガシーな言語(COBOL、PL/Ⅰなど)からJavaへのリライトを実現し、オープン環境へ移行します。業務ロジックの100%を自動変換するとともに、メインフレームと同等以上の処理性能を実現します。
エンハンス革新・DX推進サービス マイグレーション後の早期エンハンス革新やDXの実現に向け、各種戦略やマイグレーションプロジェクトからの情報をインプットにしてエンハンス革新計画・DX計画を立案。
PoCを実現しながら実現性を検証するとともに、必要に応じて、マイグレーションプロジェクトにフィードバックすることで早期にエンハンス革新・DX実現に向け推進します。
エンハンス革新・DX実践サービス システムの正常稼働を保つためのメンテナンスをはじめ、オープンシステムの手法を有効活用した安全なリファクタリングやエンハンスメント革新の実践によるシステム効率を支援します。またマイグレーション後のシステムをベースとして、データ利活用や先端技術活用などDX実践を支援します。

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更新日時:2024年3月19日 15時42分