ソリューション

顧客一人ひとりに、こんな心地よい購買体験を

06 コマース 「店舗とEC」

現行ECをリニューアルして、店舗との在庫一元化を成功させるために

導入から長年が経過したECのシステムは、機能向上のアップデートが停滞し、直近のビジネス形態とのギャップが生じがちです。
中でも早急な対策が必要となるのが、リアル店舗とECの間で在庫管理を共通化する機能が欠如しているケース。この課題解決のために、現行ECをどのような観点でリプレイスすべきかを解説します。

機能が頭打ちの旧ECシステムからの脱却

ネットショッピング(EC)は2000年〜2005年頃に本格成長期に入り、2010年以降はスマートフォンの普及、そしてこの数年は巣ごもり需要が後押しし、顧客接点としての存在感を高めています。

その流れにいち早く乗り、10年以上前にECの仕組みを構築した小売事業者は、システムの旧態化が進みさまざまな課題が顕在化しているケースが見受けられます。
特に大きな課題が、「リアル店舗とECの在庫一元管理」への対応が困難という問題。これによるマイナスの影響として、リアル店舗に商品在庫があるのにEC上では売り切れ表示となってしまうといった例があげられます。

現行のECシステムを継続して在庫一元化を実現するには、既存の社内システム同士を連携させるインテグレーションが必要です。一方、近年のEC向けのサービスやパッケージは、リアル店舗との在庫一元化に対応可能な製品も多く、リプレイスにより課題解決が期待できます。最小限のカスタマイズで自社用途に最適化できるので、EC黎明期のようにあえてイチからスクラッチ開発する手段を選ぶ理由は、ほぼなくなっているのが現状です。

ECリプレイスを成功させるポイント①
在庫共通化のためのバックエンドの仕組みを確実につくり込む

ECのリニューアルにあたり、Webページのデザインや、カテゴリー・メニューの整理、UIの設計などフロントエンド部分に意識が向かいがちです。しかし、それにも増して重要なのが、在庫情報の一元管理を可能にするバックエンドの仕組みづくりです。
これを容易にするのが、ECシステムをフロントエンドとバックエンドに分離させる「ヘッドレスコマース」の考え方に基づくシステム構成です。

具体例をあげると、ECのフロントエンドは多くのグローバル企業が導入しているSaaS型「Salesforce Commerce Cloud」を採用。そしてバックエンドとして、複数の顧客接点の在庫・受注情報を一元化できる、OMS(オーダーマネジメントシステム)と呼ばれるサービスを組み合わせます。

このように、バックエンドをOMSとして独立分離させておくことで、これまで顧客接点ごとに構築していた受注・在庫管理システムを一本化できます。また、将来的に新たな顧客接点を増やす際も、APIで連携させれば在庫の共通化が図れるため、拡張性に優れています。

ECリプレイスを成功させるポイント②
ITの仕組みだけでなく、組織や評価制度の見直しを同時に実施

システム上、在庫一元管理が可能な仕組みを構築したとしても、それだけではまだ十分ではありません。
たとえば、ある来店者がほしい商品が、その店舗で「在庫なし」の場面を想定してみます。理想的な対応は、店員がその場でECの在庫を検索しオーダー投入するかたちですが、店員はEC在庫を確認せず「品切れなので後日入荷次第ご連絡します」と対応してしまう。これは、その小売事業者の評価制度では、ECの在庫から商品を自宅発送した場合、店員個人の実績にならないルールがある場合に起きやすい事象です。

このような店舗での対応を改善するには、新システムへのリプレイスと並行して、店舗における販売の評価基準を整備し直す必要があります。
また、ECを管轄する部門と、店舗を管轄する部門の間で「在庫はお客様のもの」という共通意識を醸成し、店舗とECで在庫を融通しあう良好な関係を築くことも重要です。

ECリプレイスを成功させるポイント③
5年先・10年先の持続性を考慮して移行する製品を選択する

ECのシステムを長期的に持続可能なものにするには、ベンダーロックインのリスクを避ける視点も大切です。特定のメーカーやベンダーに依存したシステム構成は、統一された窓口でのワンストップ対応が期待できる反面、コストが高止まりし、他社製品への移行の自由度も低くなる可能性があります。

また、EC向けサービスやパッケージで定番のレコメンド機能や、MA(マーケティングオートメーション)機能は、技術が日進月歩で進化していることを考慮し、ユーザーニーズに応える迅速な機能強化が期待できるベンダーかどうかも判断が必要です。ベンダーによっては、1、2年先の開発ロードマップを公開しているので、参考情報の一つとして役立ちます。

在庫一元管理により、ユニファイドコマースの実現へ大きく前進

ここまで解説したように、現行ECのリニューアルの成否は、サービスやパッケージの製品選択だけで決まるものではありません。

TISは大規模ECサイトの豊富な構築経験に基づき、ヘッドレスコマース型ECの提案・導入、バックエンドのOMS導入、既存業務システムとの連携など、あらゆる面でECリニューアルを支援いたします。

そして、在庫情報の一元化によって、顧客接点を問わずシームレスで快適な購買体験を提供するユニファイドコマースの実現をお手伝いします。
現行ECシステムのリース終了やベンダーの保守終了などを契機として、ECの刷新を検討中のお客様はお気軽にご相談ください

バックナンバー

お問い合わせ
お電話にてお問い合わせください
0800-600-9810
050-5816-9805:携帯電話からのお問い合わせ
受付時間 9:00〜12:00 13:00〜17:00(土・日・祝日を除く)

ページトップへ戻る

ご提案依頼・お問い合わせ
大規模ポイントシステム7社を徹底比較|ホワイトペーパーダウンロード
お問合せ