電子帳簿保存法|領収書の保存方法・要件や税務調査対応まで解説
公開:2026年4月
■目次
電子帳簿保存法の改正以降、領収書の保存は「紙で保管すれば安心」という時代ではなくなりました。メール添付のPDFやECサイトの購入履歴、クラウドサービス上の利用明細など、電子データで受け取った証憑は電子データのまま保存する必要があり、印刷してファイルに綴じるだけでは要件を満たせないケースがあります。
特に大手企業では、拠点ごとに運用がばらついたり、法人カード明細や経費精算システムとの連携が不十分だったりすると、税務調査時に必要なデータをすぐ提示できない恐れがあります。まずは制度の全体像と、領収書をどの区分で保存すべきかを正しく押さえることが重要です。
この記事では、電子帳簿保存法の基本的な仕組みから、領収書の具体的な保存方法、保存要件、税務調査対応のポイントまでを体系的に解説します。制度の概要だけでなく、実務運用において注意すべきポイントも整理していますので、自社の保存体制を見直す際の参考にしてください。
1. 電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法とは、税務関係の帳簿や書類を一定の要件のもとで電子データとして保存するためのルールを定めた法律です。会計ソフトで作成した帳簿をデータのまま保存したり、紙で受け取った領収書をスキャンして保存したり、メールやWebで受け取った請求書・領収書を電子データのまま保管したりする際の基準を示しています。
制度の目的は、単なるペーパーレス化だけではありません。企業の事務負担を軽減しつつ、改ざん防止や検索性の確保によって、税務調査時にも取引内容を適切に確認できる状態にしておくことにあります。
特に、2022年1月1日以後に行う電子取引については電子取引データの保存が必須であり、紙への印刷保存だけでは要件を満たせない点を理解しておく必要があります。
2. 電子帳簿保存法における3つの保存区分
電子帳簿保存法では、帳簿や証憑を電子データとして保存する方法を大きく3つの区分に分類しています。領収書の保存方法を理解するためには、この区分の違いを把握することが重要です。
| 区分 | 対象となる書類 | 保存方法 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| 電子帳簿等保存 | 会計ソフトで作成した帳簿、決算書など | 電子データのまま保存 | 会計ソフトなどで作成された帳簿データをそのまま電子保存できる |
| スキャナ保存 | 紙の領収書、紙の請求書など | スキャナやスマートフォンで読み取りデータ化して電子保存 | 解像度要件や入力期限などのルールを満たす必要がある |
| 電子取引データ保存 | PDF領収書、ECサイトの明細、メール添付請求書など | 電子データのまま保存 | 電子取引データは紙に印刷して保存する方法は認められない |
電子帳簿等保存は、企業が会計ソフトなどで作成した帳簿データを電子のまま保存する方法です。これは主に帳簿類が対象となります。
スキャナ保存は、紙で受領した請求書や領収書をスキャンし、電子データとして保存する方法です。スマートフォンで撮影した画像を利用することも可能ですが、解像度や入力期限など、所定の要件を満たす必要があります。
電子取引データ保存は、メール添付の請求書やECサイトの領収書など、電子的に授受した取引データを電子のまま保存する区分です。近年はクラウドサービスやEC取引の増加により、この区分の対象となる書類が急増しています。
電子帳簿保存法の詳細やクラウド型経費精算システムによる対応機能については、以下のページも参考にしてください。
3. 領収書の保存方法
電子帳簿保存法では、領収書をどの形式で受け取ったかによって保存方法が異なります。電子データで受領した場合と紙で受領した場合では保存ルールが異なるため、まず受領形態を正しく区別することが重要です。ここでは、以下のように電子保存、紙の保存、スキャナ保存の3つのケースに分けて保存方法を整理します。
| 区分 | 例 | 保存方法 | 原本の扱い |
|---|---|---|---|
| 電子保存 | EC領収書、PDF請求書 | 電子データ保存 | 原本という概念なし |
| 紙保存 | 店舗で受け取る紙領収書 | 紙でファイル保管 | 原本保管 |
| スキャナ保存 (紙で受領した場合) |
紙領収書をスマホ撮影 | 電子保存 | 要件を満たせば破棄可能 |
3-1. 電子データで受領した領収書の保存方法
PDF形式の領収書やECサイトからダウンロードした購入明細、クラウドサービスの利用明細などは、電子取引データとして保存する必要があります。これらは紙に印刷して保管するだけでは足りず、受領したデータそのものを、改ざん防止措置と検索要件を満たした状態で保存しなければなりません。
3-2. 紙で受領した領収書の保存方法
店舗で受け取った紙の領収書などは、従来通り紙のまま保存できます。法人であれば原則7年間の保存が必要であり、保存期間の起算点や社内での保管方法も含めてルール化しておくことが大切です。
一方で、紙のまま保存すると、ファイリングや保管スペース、探す際の手間が発生します。そのため、紙で受け取った領収書については、後からスキャナ保存へ切り替えて電子化する運用も有効です。ただし、単に画像化すれば良いわけではなく、後述する真実性と可視性の要件を満たす必要があります。
3-3. スキャナ保存の場合
紙の領収書を電子データとして保存するスキャナ保存では、読み取り方法と保存体制の両方が重要です。国税庁は、解像度200dpi相当以上などの要件を示しており、一定期間内の入力も求めています。受領者が速やかに読み取る方法の他、業務処理サイクル方式では、書類の受領から最長2ヶ月以内かつ、業務処理後7営業日以内に入力する運用が必要です。
また、スキャナ保存では、画像を保存するだけでなく、訂正・削除の履歴が残る仕組みや、日付・金額・取引先で検索できる環境が必須です。紙原本を廃棄できるのは、こうした要件を満たした上で適切に保存できている場合に限られます。制度対応と実務効率の両立を図るには、現場任せにせず、経費精算システム上で保存ルールを標準化することが大切です。
4. 電子帳簿保存法における領収書の保存要件
電子帳簿保存法では、領収書を電子保存する場合に満たすべき要件が定められています。特に重要なのが、真実性と可視性の確保です。これらは電子データが改ざんされていないことを保証し、税務調査時に必要な情報を迅速に確認できる状態を維持するためのルールです。
4-1. 真実性の確保
真実性の確保とは、保存された領収書データが改ざんされていないことを担保する仕組みを整えることです。代表的な方法としては、タイムスタンプの付与や、訂正・削除履歴が自動的に記録されるシステムの利用などがあります。
これにより、保存後にデータが変更された場合でも、誰がいつ変更したのかを追跡できる状態になります。また、社内の事務処理規程を整備するなど、法令で認められた方法で改ざん防止措置を講じることも重要です。技術的対策と運用ルールの両方を整備することで、データの信頼性を確保できます。
4-2. 可視性の確保
可視性の確保とは、保存した領収書データを必要な時にすぐ確認できる状態にしておくことを指します。具体的には、取引年月日・取引金額・取引先といった項目で検索できる仕組みを整えます。
税務調査では、特定期間の取引や一定金額以上における取引の一覧提出を求められる場合があるため、範囲検索や複数条件検索に対応できる環境が必要です。また、保存データを確認できるディスプレイやプリンタなどを備え付け、税務調査の際には、ダウンロードの要請に応じられる状態にしておくことが欠かせません。
5. 領収書の保存期間
領収書の保存期間は、法人と個人事業主で基本的なルールが定められています。
法人の場合、領収書を含む国税関係書類は原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から起算して7年間保存しなければなりません。ただし、欠損金が発生している事業年度については10年間保存が必要となるケースもあります。
また、個人事業主の場合、青色申告者は領収書などの現金預金取引等関係書類を原則7年間、白色申告者は領収書などの書類を原則5年間保存します。電子保存を行う場合でも、この保存期間自体が短縮されるわけではありません。
6. 領収書を電子保存するメリット
領収書を電子保存することは、紙書類の削減にとどまらず、企業の業務効率や内部統制の向上にもつながります。ここでは、電子保存の代表的なメリットを整理します。
6-1. 保管コスト削減
紙の領収書を長期間保管する場合、書庫スペースの確保や文書管理のコストが発生します。企業によっては、保管ボックスや倉庫の賃料、文書管理サービスの委託費用などが継続的に必要になります。
電子保存に切り替えることで、こうした物理的な保管スペースを削減できる他、ファイリング作業や棚卸し作業にかかる人件費を抑えることも可能です。
6-2. 検索効率化
電子保存された領収書は、日付・金額・取引先などの条件で検索できるため、必要なデータを短時間で見つけられます。
紙の書類を手作業で探す場合、対象の領収書を見つけるまでに多くの時間がかかることがありますが、電子保存であれば数秒で該当データを抽出することが可能です。この検索性の高さは、税務調査や社内監査への対応だけでなく、過去データの分析にも役立ちます。
6-3. 経費精算業務の効率化
領収書を電子保存し、経費精算システムと連携させることで、申請・承認・保存にかかる手間の削減が可能です。紙の回収や保管、証憑確認にかかる負担が減るため、経費精算業務全体をスムーズに進めやすくなります。
さらに、保存した領収書データを申請情報や会計処理と紐づけて管理できるため、確認漏れや転記ミスの防止にもつながります。経理担当者だけでなく、申請者や承認者の作業負担を軽減できる点も大きなメリットです。
システムによってはワークフローの設定を柔軟に変更でき、経費精算業務全体のさらなる効率化や最適化を図ることが可能です。具体的な機能については、以下のページをご覧ください。
6-4. DX推進・内部統制強化
領収書の電子保存は、企業のDX推進や内部統制の強化にもつながります。電子システム上では、いつ誰が申請し、誰が承認したのかといった履歴が自動で記録されるため、不正やミスの防止に役立ちます。
また、全社やグループ会社を横断して経費データを集計・分析できるシステムを活用すれば、経費の傾向や無駄な支出を把握することも可能です。電子帳簿保存法への対応をきっかけに、経理業務のデジタル化とガバナンス強化を同時に進める企業も増えています。
経費精算システムによる不正検知機能については、以下のページでも紹介しています。
7. 電子保存のデメリット
電子帳簿保存法に対応するために領収書を電子保存することには多くのメリットがありますが、一方で導入や運用における課題も存在します。ここでは、電子保存を導入する際に考慮すべき主なデメリットを整理します。
7-1. システム導入コスト
電子保存を実現するためには、基本的に経費精算システムや文書管理システムの導入を検討する必要があります。システムの導入にあたっては、初期導入費用や月額利用料が発生するため、あらかじめ一定のコストを見込んでおくことが求められます。
また、既存の会計システムやERPとの連携には設定・開発が必要になるケースもあり、導入時には社内のIT部門や外部ベンダーとの調整が発生する場合があります。さらに、過去の紙書類を電子化する場合には、スキャン作業やデータ整理などに人的リソースを割く必要もあります。
一方で、長期的には保管コストの削減や業務効率化によって、費用対効果が高まるケースも少なくありません。そのため、導入コストだけでなく、運用後に得られる効果も含めて総合的に検討することが重要です。
なお、既存システムとの連携については、ノーコードでスムーズに連携できる経費精算システムもあります。詳しくは、以下のページをご覧ください。
7-2. 運用ルール整備の負担
電子帳簿保存法に対応するには、経費精算システムの導入に併せて社内の運用ルールを整備する必要があります。例えば、領収書の撮影方法や提出期限、入力担当者と確認担当者の役割分担などを明文化した事務処理規程を作成し、全従業員へ周知することが大切です。
特に大企業では、拠点やグループ会社ごとに異なる業務フローが存在する場合も多く、全社共通ルールを策定するための調整が必要になります。また、制度変更や法改正があった場合、システムによっては規程や設定を更新する必要があり、継続的な運用管理も欠かせません。
こうした準備を怠ると、制度上は電子保存を行っていても、運用面で要件を満たさない状態になる場合があります。
7-3. システム障害リスク
電子保存をクラウド型の経費精算システムで運用する場合、システム障害や通信トラブルによってデータにアクセスできなくなるリスクも考慮する必要があります。万が一、サーバー障害やサービス停止が発生した場合、領収書データを確認できず業務に支障をきたす恐れがあります。
そのため、導入するシステムがバックアップやデータ冗長化を備えているか、災害時の復旧体制が整備されているかを事前に確認しておくことが重要です。また、アクセス権限の管理や多要素認証などのセキュリティ対策も不可欠です。
税務調査時にデータを提示できない事態を防ぐためにも、システムの信頼性やサポート体制を含めて慎重に選定する必要があります。経費精算システムのセキュリティ機能に関しては、以下のページで詳しく紹介しています。
8. インボイスに該当する場合の注意点
領収書がインボイス(適格請求書)に該当する場合は、電子帳簿保存法だけでなくインボイス制度における記載要件も確認する必要があります。適格請求書には、適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価額または適用税率、税率ごとに区分した消費税額などの記載が必要です。
電子領収書やデジタルインボイスも電子取引データとして扱われるため、電子帳簿保存法の要件にしたがって保存しなければなりません。企業は領収書を受領した段階で内容を確認し、必要な情報が不足していないかチェックする体制を整えることが重要です。
インボイス制度の概要や、企業が抱えやすい悩みと有効な対策については以下のページをご覧ください。
9. 電子帳簿保存法に違反した場合どうなる?
電子帳簿保存法の要件を満たしていない場合、税務上のリスクが生じかねません。例えば、電子取引データを適切に保存していない場合、税務調査で取引内容の確認に支障が生じる恐れがあります。また、インボイス制度では、適格請求書等の保存要件を満たさないと仕入税額控除を受けられない可能性があります。
帳簿や証憑の保存状況に問題があると、税務署から追加資料の提出を求められたり、調査期間が長期化したりするケースもあるでしょう。さらに、電子取引データに隠蔽または仮装が認められた場合には、重加算税が10%加重される措置の対象となることがあります。
こうしたリスクを回避するためにも、制度要件に沿った保存体制を整備し、税務調査時に迅速にデータを提示できる環境を整えておくことが重要です。
10. 大手企業が直面する実務課題
大手企業では、電子帳簿保存法の要件を満たすだけでは十分とはいえません。拠点数やグループ会社が多い企業では、制度対応と同時に全社統制の仕組みを整備する必要があります。
例えば、以下のような課題があります。
- 拠点ごとに保存方法が異なる
- グループ会社ごとにルールが違う
- 法人カード明細と領収書が一致しない
また、税務調査では「○○年○月から○月までのA社との取引一覧」「10万円以上の取引抽出」など具体的な条件でデータ提出を求められる場合があります。大企業ではデータが膨大になるケースが多く、検索機能が適切に整備されていないと、必要なデータを迅速に提示できず調査が長期化する恐れがあります。
グループ会社における経費管理には、経費精算システムの以下のような機能の活用が有効です。
11. 電子帳簿保存法対応システムの選定ポイント
電子帳簿保存法に正しく対応しながら業務効率を高めるためには、制度要件を満たした経費精算システムの導入が有効です。システム選定の際には、法令対応だけでなく検索機能やシステム連携、内部統制機能なども含めて総合的に検討する必要があります。
11-1. システム選定チェックリスト
電子帳簿保存法対応システムを選定する際には、以下のポイントを確認することが重要です。
- タイムスタンプ付与機能、または訂正・削除履歴が残るシステム、もしくは改ざん防止の事務処理規程による運用に対応できること
- 取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる
- 日付・金額の範囲検索に対応している
- 複数条件(取引先+金額など)での検索が可能
- データをCSV形式などで一括ダウンロードできる
- スキャナ保存の入力期限をシステム上で管理できる
- 法人カード明細と領収書を自動突合できる
- 二重申請や未提出を検知する仕組みがある
- 承認フローのログが自動保存される
- 既存の会計システムやERPとスムーズに連携できる
- 部門・勘定科目・プロジェクトなど追加検索項目を柔軟に設定できる
- グループ会社横断で統一ルール・権限制御ができる
- インボイス制度や法改正へのアップデート体制がある
- データのバックアップ・冗長化体制が明示されている
- アクセス権限管理・多要素認証などのセキュリティ対策がある
- 事務処理規程テンプレートや導入支援体制が用意されている
これらの機能を備えたシステムを選ぶことで、制度対応と業務効率化を同時に実現できます。
11-2. 経費精算システムでどこまで自動化できる?
経費精算システムを導入することで、領収書の確認から仕訳連携までの処理を効率化しやすくなります。従来は、紙の領収書を回収し、内容を確認したうえで必要書類を整理し、承認後に会計システムへ仕訳を手入力するといった作業が発生していました。
しかし、システムを活用すれば、スマートフォンで撮影された領収書は証憑データとして自動登録され、AI-OCRにより金額や日付、支払先などがデータ化されるため、申請者・経理ともに入力や確認の手間を軽減できます。さらに、法人カードの利用明細との連携により確認作業を効率化でき、承認後は会計システムへのデータ連携により転記作業の削減も期待できます。
12. Spendiaが大手企業に選ばれる理由
電子帳簿保存法への対応や経費精算の効率化を進める企業において、クラウド型経費精算システムSpendiaは、有力な選択肢の一つです。
Spendiaは証憑管理から会計連携まで一体化したシステムとして、多くの企業で導入されています。
12-1. 経費精算システムSpendiaとは
Spendiaは、経費精算業務を中心に、請求書支払処理や振替伝票入力、仮払金精算などの関連業務まで幅広くカバーするクラウド型経費精算システムです。PCだけでなくスマートフォンからも申請・承認が可能で、場所を問わず業務を進められます。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応機能を備えており、制度対応と業務効率化を両立しやすい点も特徴です。証憑データはシステム上で一元管理できるため、制度対応と業務効率化を同時に進めることが可能です。
12-2. Spendiaの電子帳簿保存法対応機能
Spendiaは電子帳簿保存法に対応する機能を備えています。例えば、訂正・削除ログ管理機能により、誰がいつどのデータを変更したのかを記録できるため、改ざん防止措置の一つとして運用しやすい仕組みとなっています。
また、法令で求められる検索3項目に加え、部門や勘定科目など業務上必要な項目での追加検索も可能です。さらに、スキャナ保存における入力期限の管理やタイムスタンプ設定の切り替えにも対応しています。
税務調査時に必要なデータを一括出力できる機能も備えているため、監査対応の効率化にもつながります。詳細は以下のページをご覧ください。
12-3. Spendiaの強み
Spendiaの大きな強みは、企業ごとの業務ルールや組織構造に合わせて、柔軟に運用設計ができる点にあります。金額や部門、費目などの条件に応じた多段階の承認フローをノーコードで設定できるため、企業独自の複雑な承認プロセスにも対応可能です。
また、勘定科目マスタの管理や入力制御機能により申請内容のばらつきを防ぎ、内部統制を強化できます。さらに、グループ会社管理や多通貨・多言語対応など、大規模企業でも利用できる拡張性を備えていることも特徴です。
AI-OCRによる領収書の自動読取やAI検印による不備チェックなどの機能も活用することで、経費精算業務のさらなる効率化を実現できます。SpendiaのAI機能の詳細は、以下のページを参考にしてください。
13. 電子帳簿保存法における領収書の取り扱いでよくある質問
電子帳簿保存法では、実務運用で迷いやすいポイントがいくつかあります。ここでは、企業の担当者が抱えやすい質問に回答します。
13-1. Webサービスの利用時に発行された領収書はどう保存する?
ECサイトで物品を購入したり、業務で使用するチラシの印刷をオンラインで発注したり、Webサービスの利用によって発行される領収書は、電子取引データとして扱われます。そのため、購入履歴画面からPDF形式の領収書をダウンロードし、そのデータを電子のまま保存する必要があります。
電子帳簿保存法では、取引年月日・金額・取引先などで検索できる状態で保存することが求められるため、単にファイルや画面のスクリーンショットを保存するだけでなく、検索性を確保した管理が重要です。
13-2. 領収書の原本は破棄できる?
紙で受け取った領収書でも、スキャナ保存の要件を満たして電子保存した場合は、紙の原本を破棄することが可能です。ただし、解像度や入力期限などの要件を満たしていない場合、原本を破棄すると証憑として認められないケースがあります。
電子取引の場合はそもそも紙の原本という概念がなく、受領した電子データをそのまま保存することが基本です。制度要件を満たしているかを確認した上で原本の廃棄を判断することが重要です。
13-3. 電子領収書PDFは印刷して保存しても良い?
電子取引で受領したPDFの領収書を印刷して紙で保存する方法は、原則として認められていません。電子帳簿保存法では、電子取引データは電子のまま保存することが義務付けられているため、PDFデータを改ざん防止措置と検索要件を満たした状態で保存する必要があります。
13-4. タイムスタンプは必須?代替措置はある?
電子帳簿保存法では、必ずしもタイムスタンプを付与する必要があるわけではありません。訂正・削除の履歴が自動で記録されるシステムを利用している場合などは、タイムスタンプに代わる改ざん防止措置として認められます。
13-5. 税務署への事前の申請は必要?
電子帳簿保存法は、以前は税務署長の事前承認が必要でしたが、令和3年度税制改正により事前申請制度は廃止されました。現在は、スキャナ保存や電子帳簿等保存を行う場合でも、税務署への事前申請は不要です。
13-6. 領収書の取り扱いにおいて注意すべき点は?
電子帳簿保存法に対応するうえで、特に注意すべきなのは誤った保存方法です。例えば、電子領収書を印刷して紙のみを保存する、スクリーンショットだけを保存する、検索できない状態でフォルダに保管するといった方法は、保存要件を満たさない場合があります。
また、スキャナ保存を行う際に入力期限を守らなかったり、改ざん防止措置が取られていなかったりすると、制度上の保存として認められないケースがあります。制度に沿った保存方法を正しく理解し、社内ルールとして統一することが重要です。
まとめ 電子帳簿保存法に対応しつつ経営基盤を強化する
電子帳簿保存法への対応は、単なる法令遵守にとどまらず、企業の経営基盤を強化する機会にもなります。証憑データを電子化し、検索性や証跡管理を整備することで、税務調査や監査への対応が迅速になるだけでなく、経費データの分析や業務改善にも活用できます。
特に大企業では、グループ会社や複数拠点を横断して経費データを管理することで、コスト管理や内部統制の強化にも効果が期待できます。制度対応をきっかけに、経費精算業務のデジタル化を進め、経営の透明性と効率性を高めていくことが重要です。
クラウド型経費精算システムSpendiaは、企業ごとの運用に応じて柔軟に対応でき、透明性や業務効率の向上に寄与します。自社の運用に適しているか確認する際の参考として、以下のページから問い合わせや資料請求が可能です。ぜひご活用ください。
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