AI(人工知能)はマーケティングをどう変えたのか? ~2017年、注目の最新事例~

AI(人工知能)はマーケティングをどう変えたのか? ~2017年、注目の最新事例~

2016年12月にマーケティング担当者を対象にして行われた調査で、「2016年、もっとも注目したキーワード」、「2017年、もっとも注目したいキーワード」はいずれも「人工知能・AI」でした(※1)。AIのマーケティングへの活用は、マーケターが今もっとも熱い関心を寄せているテーマといえそうです。

昨年から、マーケティングにAIを活用している事例を紹介しているこのシリーズ。第4弾となる今回は、AIを活用してユーザの利便性を向上しつつ、マーケティングの成果につなげようとしている事例を取り上げます。

1. スマホアプリでユーザを支援してリアルチャネルに誘導

はじめにご紹介するのは、AIを利用して、スマートフォンアプリからリアルチャネルの行動を誘導する事例です。2017年2月~3月まで、東京メトロとNTTが共同で実証実験をしています。

提供されたサービスは2つ。ひとつは表参道駅を対象とした「かざして駅案内 表参道版」です。東京メトロのスマートフォンアプリで駅周辺の目的地を設定し、その後、改札近くの案内看板を撮影。すると、今いる位置が分析され、最寄りの出口へのルートや、目的地までのルートがアプリ上に表示されるというもの。

もうひとつは、銀座駅・新宿駅など7つの駅を対象とした「かざしてGET!」。駅構内に掲示されている特定の広告ポスターをスマートフォンアプリから撮影すると、特典と交換できるIDが表示されます。その画面を、コンビニなど指定の場所で提示することで、特典が受けられる仕組みです。

これらのサービスにはNTTのAIによる画像認識技術が使われています。アプリでのユーザ行動のサポートと、広告からリアルチャネルへの誘導を、並行して行っているのが興味深い点です。両者を組み合わせて、今後さまざまなプロモーションに展開できそうです。

2. チャットbot・オンラインショップ・テーマパークの連携によるコミュニケーション

スマートフォンでのサポートと、リアルチャネルの誘導をつなげる取り組みは、2017年2月、サンリオピューロランドでも始まりました。

サンリオオンラインショップでサンリオピューロランドのチケットを購入すると、サンリオのLINE公式アカウントから電子チケットが届きます。このLINEアカウントを通じて、入館時にハローキティと会話できるほか、オペレータから施設案内やグッズ紹介も受けることができます。入場後の関連グッズの購買につながるうえ、継続的にコミュニケーションすることで、再購買も期待できます。

この仕組みは、チャットbotによる案内と、チャットオペレータによるサポートを組み合わせて提供されます。チャットbotの導入事例は今までにもいくつかご紹介しましたが、この例では複数のチャネルを組み合わせることで、新しいユーザ体験を作ろうとしているのが特徴です。

3. サイト内検索からダイレクトに商品ページへ移動

次に、ECサイトでも、AIを活用してユーザの利便性を向上させた例をご紹介しましょう。
株式会社サザビーリーグの運営する通販サイトには、AIを活用したキーワード検索サービスが導入されています。「レコメンド付きリッチサジェスト」と呼ばれるこのサービスは、サイト内をフリーワード検索するときに、サジェストとしてキーワード候補と関連商品を表示する仕組みです。トップページから商品ページへのダイレクトな遷移が可能になります。

サザビーリーグ社では、ECサイトにおいてもリアル店舗のような接客サービスを実現すべく、2016年4月からシルバーエッグ社の提供するAIを利用したレコメンドサービスを導入しました。その中で、サイト内検索でも、ユーザの求める商品を的確にレコメンドすることが課題になっていたそうです。サザビーリーグ社の佐藤氏は、今回の取り組みについて「検索画面から商品の詳細ページに1ステップで辿りつける機能を導入したことにより、特にスマートフォンサイトにおける利便性が大きく改善されました」とコメントしています。
いいでしょう。

4. WEBコンテンツの内容をAIが判断して最適なレコメンド

続いて、AIを活用してユーザにとって価値の高い情報を提供するWeb広告の例です。株式会社スリーアイズが2017年1月に販売を開始したWeb広告配信ネットワーク「CANDY」(キャンディ)では、人工知能を活用して、より的確な広告表示を実現しました。

従来のWeb広告は、Cookie(クッキー)といわれるサイト閲覧履歴の保存技術によって、ユーザが今までに見たサイトと関連性の高い広告を表示していました。しかし、この方式では、「野球」の記事を読んでいるときに「家電」の広告が表示されたり、「キャンプ」の記事を読んでいるときに「化粧品」の広告が表示されたりと、今まさに興味を持って見ているコンテンツとは関係ない広告が表示されることも多く、ユーザが違和感を覚えるケースも少なくありませんでした。

「CANDY」では、AIが日本語で書かれたコンテンツの意味を理解したうえで、関連する広告を表示します。今見ている記事に関連性の高い商品がレコメンドされるため、ユーザにとって有益な情報を最適なタイミングで受け取ることができます。2016年10月~12月に行った大手WEBニュースポータルサイトにおける実証運用では、関連記事のレコメンドにおいて、従来の方式と比べ約3倍ものクリックレートを達成したそうです。

まとめ

今回は、ユーザの利便性向上にAIを活用し、そこからマーケティングに展開しようとしている事例をご紹介しました。
2016年はマーケティング領域だけでなく、さまざまな業界で「AIの導入」がニュースになりました。しかし、話題性が先行している例も多く、成果を発表しているのはごく一部にすぎません。2017年は、先行してAI導入に取り組んだ企業の中から、より具体的な成果が発表されるかもしれません。マーケイトでも、引き続きマーケティングへのAIの活用事例に注目していきたいと思います。

(※1)ジャストシステム『マーケティングトレンドに関する調査 【2016年版】』による
https://marketing-rc.com/report/report-marketing-trend-20161215.html

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更新日時:2018年8月23日 15時13分

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