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「デジタルマーケティングハブ」
業界別ケーススタディに学ぶ~売上アップへ向けた活用法~

「デジタルマーケティングハブ」業界別ケーススタディに学ぶ~売上アップへ向けた活用法~

マーケティングオートメーション(MA)は、多くの企業で導入が進んでおり、その次に来るマーケティングツールとして、現在、デジタルマーケティングハブが注目されています。
顧客情報や、ECサイト・POSシステムでの購買情報、自社サイトの閲覧履歴、メール配信履歴、SNSでの行動情報など、様々なデータを統合して、OnetoOneの最適な情報提供や広告配信を実現できるのが、デジタルマーケティングハブの魅力です。

まだまだ導入が少ないデジタルマーケティングハブですが、比較的導入が進んでいるEC事業をはじめとする各業界で、デジタルマーケティングハブをどのように活用できるのかを考えるとともに、その価値を左右する「速度・リアルタイム性」について解説します。

【ケース1】 ECサイトでは既存顧客の売上増大に!

既存顧客の購入履歴や、WEBサイトの閲覧履歴などのデータ活用が進んでおり、各種施策が売上に直結しやすいため、ECサイトはデジタルマーケティングハブを活用しやすい分野の一つといえます。
デジタルマーケティングハブでは、WEBサイト閲覧などの行動データと、蓄積している購入データなどを瞬時に統合・分析して、顧客が求めている商品をメール配信やレコメンド機能で告知できます。顧客は必要なタイミングで欲しい商品の情報が届くことで、ECサイトへの好感度・親近感が高まり、購入に結び付きやすくなるのです。

デジタルマーケティングハブでのターゲット分析に基づいてリターゲティング広告を配信して、成約率が大きく上がり、広告費を最適化した事例などもあります。

【ケース2】人材サービスで求職者からの応募率アップに!

人材サービス業界では、求職者に希望する条件に一致する求人情報を見つけてもらうことが最重要課題です。しかし、これまで求職者の希望する職種とエリアに応じた情報を、画一的に提供することしかできなかった人材サービスも多いでしょう。

しかし、デジタルマーケティングハブを導入すれば、WEBサイトの閲覧行動などから、求職者が求めている求人情報の詳細条件がわかるようになり、さらに求人に対する関心の高さまで確認できます。こうした条件や関心の高さに合わせて、求職者の「今」の希望と状況にマッチした求人情報をメールや広告、レコメンドで配信でき、応募率の向上を実現できます。

【ケース3】不動産サイトでは、顧客のライフステージを知って成約率アップ!

デジタルマーケティングハブは、自社で収集した情報だけでなく、他のWEBサイトやSNSでの行動の情報までを統合して分析することで、ターゲットの特性やライフステージを知ることができます。
たとえば、不動産サイトの情報だけでは、「独身」、「男性」、「30歳代」、「マンション探し中」としか見えない顧客に関して、結婚式場などの結婚情報サイトでの行動データを結び付けると、提供すべき情報が変わることがあります。結婚間近と推測されれば、独身向けマンションではなく、結婚後の新居候補の物件情報を提供することで、成約率が高まります。

【ケース4】ネット証券での個人投資家の契約率アップに!

個人投資家への販促として、リスティング、リターゲティング広告などを行うことが多いですが、広告を出稿しっぱなしにするのではなく、その後の相手の行動から情報を汲み取ることが重要です。
資料請求やセミナー申し込み、問い合わせ、自社WEBサイトでの閲覧ページや閲覧時間などの情報を、デジタルマーケティングハブで統合・分析すれば、WEBサイトの閲覧直後や閲覧しやすい時間帯に、最適なセミナー、キャンペーンなどの情報を提供できるようになり、契約率向上に結びつきます。

【ケース5】BtoBマーケティングでも、OnetoOneマーケティングの精度向上に!

たとえばITベンダーなどのBtoBマーケティングでは、見込み顧客を惹きつけたり、有望な見込み顧客に育成したりするために、しばしばWEBサイトやメールで、多くのコンテンツを提供しています。しかし、それぞれの顧客が求めている情報は異なります。
デジタルマーケティングハブを活用して、見込み顧客のWebサイトの閲覧履歴や過去の取引履歴などを統合・分析すれば、相手の求めるサービス・情報と、その関心の高さを把握できます。これによって、見込み顧客に合わせた内容のメールマガジンを配信することなどで、精度の高いOnetoOneマーケティングが実現できます。

価値の出るデジタルマーケティングハブ選定のポイントは“リアルタイム性”

デジタルマーケティングハブの導入において、しばしば問題となり、手間取るのが異なるデータ同士の統合です。日本では、まだまだ部門ごとに個別にツールを導入しているケースが多く、その結果、データが散在してしまっていることが多いため、それらのデータをつなぎ合わせる仕組み化は難しく、運用後のデータ整備・セグメント化にも時間がかかることがあるようです。

いくら多くの情報を合わせて細やかなターゲット分析が行えたとしても、データ整備・セグメント化に時間がかかれば、WEBサイト閲覧時のジャストタイミングで提供したかった情報も、数時間後に(業務によっては何日も後になって)提供することになりますから、その効果が大きく低下ししてしまいます。リアルタイムなデータ統合・分析・情報配信までできてこそ、デジタルマーケティングハブは大きな成果をもたらすのです。

こうした中、異なるデータベース間でのデータの受け渡しをスムーズに行うために、タグマネジメントを活用してデータを統合・分析して、情報配信を行えるツールも話題になっています。データベースに近いバックエンドでのデータ連携ではなく、フロントサイドでタグを管理・データ収集できるため、管理工数が削減でき、処理速度も圧倒的にスピードアップ可能。データ統合と、顧客への最適な情報配信をリアルタイムで行うことができます。

【事例:リアルタイムデータ統合の実現で成約率が12倍に】

タグマネジメントによって、複数ツール間のデータ連携・統合・情報配信をリアルタイムに実現するのが「Tealium(ティリウム)」。その導入によって、成約率が12倍に向上した事例も生まれています。

世界最大規模で家系図を作成するサービスを提供している、アメリカのアンセストリー・ドットコム社では、以前は、データ統合に24時間から48時間かかり、それからようやくリターゲティングに活用していました。
Tealiumを導入後、リアルタイムでデータをリターゲティングに活用することができるようになり、カートの途中で落ちたユーザーにリルタイムでメッセージを出せるようになりました。その結果、以前はリターゲティングにより戻って来たユーザーの5%にしかすぎなかった成約率は、約12倍の60%になりました。
膨大なデータがあっても、それがリアルタイムに使える状態にならなければ意味がありません。リアルタイム性は必須要件です。

まとめ

いま注目のデジタルマーケティングハブを御社ではどのように活用できるか、イメージしていただけたでしょうか。
単なる分析で終わらせては意味がありません。リアルタイムでの顧客への働きかけ、それによって実現したい目的まで設定してこそ、導入効果が出るのです。デジタルマーケティングハブの導入をお考えなら、まずは自社の導入目的の整理から検討されてはいかがでしょうか。

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更新日時:2023年10月4日 20時22分